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金正男氏と思われる者に対する政府の認識及び対応に関する質問主意書

衆議院 第168回 第199号お答えすることは困難 ×1

提出者
無所属
提出日
2007年11月7日
内閣転送 2007年11月12日
答弁書受領日
2007年11月16日
提出から9日
答弁の項目数
7
質問 2,801字/答弁 1,256字

質問本文

「政府答弁書一」(内閣衆質一六八第一四八号)及び「政府答弁書二」(内閣衆質一六八第一四五号)を踏まえ、以下質問する。

一 二〇〇一年五月、北朝鮮の国家指導者である金正日氏の息子である金正男氏と思われる者(以下、「金正男氏と思われる者」という。)が来日し、入国管理法違反で逮捕されるという事件(以下、「事件」という。)が起きたことに対して、二〇〇六年十月十日の衆議院予算委員会で、当時の安倍晋三内閣総理大臣が「委員御指摘のその人物については、当時の情報の中においては確認できなかったわけでありますが、その後もう随分たつわけでありますが、その後集められた情報の中において、極めて蓋然性は高い、金正男氏である蓋然性が高いというに至ったのであります。」と答弁していることについて、右安倍前総理の答弁の中にある「その後集められた情報」により、安倍前総理が「金正男氏と思われる者」が金正男氏である蓋然性が高いと認識するに至った根拠は何か。具体的に説明されたい。

二 「政府答弁書一」及び「政府答弁書二」で、政府は「金正男氏と思われる者」が金正男氏であると確認するに至っていない旨答弁しているが、では福田康夫内閣として、現段階で一の安倍前総理の答弁と同様に、確認するに至らないまでも、「金正男氏と思われる者」が金正男氏である蓋然性は高いと認識しているか。

三 「事件」発生時に、「金正男氏と思われる者」が金正男氏である蓋然性が高いと政府は認識していたか。我が国に不法入国した外国人を我が国から出国させる際に、外務省職員が同行することが一般論としてあるかとの問に対し、「政府答弁書二」では「一般に、不法入国をした外国人を我が国から出国させる際に、外務省職員が同行することはない。」との答弁がなされており、また「政府答弁書一」では、「外務省として、現在把握し得る限りでは、御指摘のような事例は承知していない。」と、「金正男氏と思われる者」以外に、外務省職員が出国に同行した事例はないとの答弁がなされている。ではなぜ「金正男氏と思われる者」に佐藤重和外務省アジア大洋州局審議官(当時)及び外務省アジア大洋州局北東アジア課の職員二名が同行したのかという問に対しては、「政府答弁書一」及び「政府答弁書二」ではそれぞれ「御指摘の者の退去強制に際し、移送中の混乱を防止し、かつ、中国側への引渡しを円滑に行うとの観点から外務省の職員を同行させた。」旨の答弁がなされている。通常は外務省職員が同行することはないのに、「金正男氏と思われる者」を出国させる際には外務省職員が同行したということは、「事件」発生当時、確認をとるに至らないまでも、政府が「金正男氏と思われる者」が金正男氏である蓋然性は高いと認識していたことの証左ではないのか。

四 「事件」発生時、当時の田中眞紀子外務大臣は、「金正男氏と思われる者」が金正男氏である蓋然性は高いと認識していたか。

五 「政府答弁書二」で、「事件」発生を受けて、当時の田中外務大臣はどのような初動対応をとり、外務省のどの部局にどのような対応をとるよう指示を出したのかとの問に対し、「田中外務大臣(当時)は、平成十三年五月十五日の衆議院予算委員会において述べているとおり、同月二日午前十時半ころ、外務事務次官及び外務省アジア大洋州局長から御指摘の者の入国について報告を受け、その際、同人の入国の目的及び人定の確認に努めること並びに関連省庁と緊密に連絡をとって経過を報告することを指示した。」との答弁がなされているが、では当時、「金正男氏と思われる者」の入国の目的及び人定の確認に努めること並びに関連省庁と緊密に連絡をとった上で、田中外務大臣に対してどのような経過報告が行われたのか、その内容を明らかにされたい。

六 田中外務大臣が、「事件」発生を受けて、「そんな人間を日本に置いておいて、北朝鮮からミサイルが飛んで来たら大変なことになる。すぐ帰さないとだめだ。すぐに追い出すように」という旨の発言をしたという事実はあるか。

七 「政府答弁書一」では、「金正男氏と思われる者」の出国に同行した佐藤審議官らから、同行についての報告がなされたか、なされたのならば右の報告は文書としてまとめられているかとの質問に対し、「外務省として、報告が行われたものと承知しているが、外務省において確認できる範囲では、お尋ねの文書について確認されなかった。」との答弁がなされているが、出国に際して外務省職員が同行するという過去に事例のない件の報告についての文書が確認されなかったとは、�@そもそも文書が作成されていない�A文書は作成されていたが破棄された�B文書は作成されたが紛失してどこにあるのか現在わからないの三つが考えられるが、右答弁の真意はどれにあたるか。

八 七で、そもそも文書が作成されていないのならば、確認に至らないまでも金正男氏である蓋然性が高いと思われていた「金正男氏と思われる者」に、過去に事例もなく外務省職員が同行したという件の報告について文書が作成されないのは、外務省における行政処理の方法及び記録保存の体制として不適切であると考えるが、外務省の見解如何。

九 七で、文書は作成されていたが破棄したのならば、「拉致問題」解決の重要な糸口となり得た可能性のある「金正男氏と思われる者」に同行した件の報告についての文書を、「拉致問題」の解決が実現していない中、なぜ破棄したのか、その理由を明らかにされたい。

十 七で、文書を紛失してどこにあるのか現在わからないのならば、外務省における行政文書の保存、管理体制があまりにもずさんであり、我が国の外交を司る省庁の体制としてはあまりにも頼りなく、不安を覚えるところ、再発防止を図る上でも、文書紛失に責任を負う者に然るべき処分を行うべきであると考えるが、文書紛失に責任を負う者に対して然るべき処分は行われたか。行われていないのならば、その理由を明らかにされたい。

十一 「政府答弁書二」によると、「金正男氏と思われる者」は二〇〇一年五月一日午後三時四十五分ころ上陸申請を行い、同年同月四日午前十時四十五分ころ成田空港から出国させられたとのことであるが、安倍前総理が述べているように「金正男氏と思われる者」が金正男氏である蓋然性が高く、かつ過去に事例もなく出国に際して外務省職員が同行するという対応をとるのであるならば、「金正男氏と思われる者」に対してより時間をかけて取り調べを行い、身元を明らかにし、例えば「金正男氏と思われる者」の身柄を一つの外交カードにする等の方法により「拉致問題」解決の糸口にできたのではないかと考える時、当時、政府が「金正男氏と思われる者」をあっさりと出国させたことは我が国の国益を損ねたと思料するが、政府の認識如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねについては、その後収集した内外の様々なソースの情報を勘案したことによるものであるが、情報源が明らかになるこれらの情報の詳細を明らかにすることは、今後の情報収集等に支障を来すおそれがあるため、答弁を差し控えたい。

二について

御指摘のとおり認識している。

三及び四について

平成十三年五月二十八日の衆議院予算委員会において、田中外務大臣(当時)が述べているとおり、御指摘の者について、当時は、北朝鮮出身者であることは認められたものの、本名等を確認することはできなかったことから、金正男氏である蓋然性が高いとは認識していなかったものと理解している。

また、御指摘の外務省職員による同行については、槇田外務省アジア大洋州局長(当時)が平成十三年五月十八日の衆議院法務委員会において答弁しているとおり、御指摘の者による不法入国に関する取材等が加熱する中で不測の事態が起きることを避けなければならないという考慮もあり、先の答弁書(平成十九年十一月二日内閣衆質一六八第一四五号)十一についてでお答えしたとおり、移送中の混乱を防止し、かつ、中国側への引渡しを円滑に行うとの観点から行われたものである。

五について

田中外務大臣(当時)に対しては、御指摘の者の退去強制の過程において、同人の本名等を確認することはできなかったことを含め随時報告が行われたと承知している。

六について

外務省において保管されている文書からは、御指摘のような発言について確認することはできなかった。

七から十までについて

御指摘の外務省職員による同行は、御指摘の者による不法入国に関する取材等が加熱する中で不測の事態が起きることを避けなければならないという考慮もあり、移送中の混乱を防止し、かつ、中国側への引渡しを円滑に行うとの観点から行われたものであることから、また、先の答弁書(平成十九年十一月二日内閣衆質一六八第一四八号)六についてでお答えしたとおり、御指摘の報告は同行した外務省の職員が必要最小限度の範囲で会話を交わしたことを踏まえた内容であったと思われるが、報告文書が作成されていた場合であっても、同文書については、外務省文書管理規則(平成十八年外務省訓令第十六号)に基づき廃棄されたものと考えられることから、お尋ねについてお答えすることは困難である。

十一について

当時は、政府として、御指摘の者が金正男氏である蓋然性が高いとは認識していなかったと理解しており、御指摘の外務省職員による同行は、御指摘の者による不法入国に関する取材等が加熱する中で不測の事態が起きることを避けなければならないという考慮もあり、移送中の混乱を防止し、かつ、中国側への引渡しを円滑に行うとの観点から行われたものである。また、先の答弁書(平成十九年十一月二日内閣衆質一六八第一四五号)五についてでお答えしたとおり、御指摘の者の退去強制については、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)に基づき必要な調査等が行われたものである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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