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金正男氏来日時の外務省及び外務大臣の対応に関する再質問主意書
衆議院 第168回 第145号
質問本文
「前回答弁書」(内閣衆質一六八第一一四号)を踏まえ、再質問する。
一 「前回答弁書」では、「政府としては、御指摘の者が、北朝鮮の金正日国防委員長の子である金正男氏であったと確認しているわけではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。」との答弁がなされているが、当時我が国の報道機関は一斉に金正男氏が来日したと報じている。では、二〇〇一年五月、北朝鮮の国家指導者である金正日氏の息子である金正男氏と思われる者(以下、「金正男氏と思われる者」という。)が来日し、入国管理法違反で逮捕されるという事件(以下、「事件」という。)が起きたと承知するが、「金正男氏と思われる者」の来日目的を外務省は承知しているか。
二 「金正男氏と思われる者」は逮捕されてから法務省入国管理局の管理下におかれ、すぐ日本を出国させられたと承知するが、「金正男氏と思われる者」の入国が確認された時、分、出国させられた時、分及び出国方法を明らかにされたい。
三 「事件」に対して、当時外務大臣を務めていた田中眞紀子氏はどのような対応をとったか。いつ「金正男氏と思われる者」の来日を知り、知った後にどのような初動対応をとったか。外務省のどの部局にどのような対応をとるよう指示を出したのか、具体的に説明されたい。
四 「前回答弁書」で、「田中眞紀子氏が外務大臣の任に就いていた時期に、北朝鮮による邦人拉致問題(以下、「拉致問題」という。)に対して、外務大臣としてどのような認識を有していたか」、及び「外務大臣の任に就いていた時に、『拉致問題』を本気で解決しようと考え、外務省の然るべき部局にどのような指示を出していたか」との問に対し、「田中外務大臣(当時)は、例えば平成十三年六月二十日の衆議院外務委員会において、拉致問題は本当に許し難いことであり容認できないとの認識を示すとともに、同問題を解決するために日朝国交正常化交渉を早期に実現できるよう努力していく旨を明らかにしている。」との答弁がなされているが、右答弁は「外務大臣の任に就いていた時に、『拉致問題』を本気で解決しようと考え、外務省の然るべき部局にどのような指示を出していたか」の問に対する答えになっていない。田中眞紀子氏が外務大臣の任に就いていた時期に「拉致問題」を本気で解決しようと考え、外務省の然るべき部局にどのような指示を出していたのか、再度質問する。
五 「事件」に際し、「金正男氏と思われる者」が我が国をすぐ出国させられた理由如何。「金正男氏と思われる者」に対して十分な取り調べはなされたのか。
六 「前回答弁書」で、「本邦に不法入国した外国人については、法務省において、関係法令に基づいて必要な調査を行っている。」との答弁がなされているが、「金正男氏と思われる者」に対してどのような調査が行われたのか。また、調査の結果、「金正男氏と思われる者」はどこの国籍及び旅券を有する人物であったのか、また「金正男氏と思われる者」の氏名を明らかにされたい。
七 一般に、外国人による我が国への不法入国が発覚した際、どのような事務手続きがとられ、不法入国した外国人に対してどのような対応がとられるか説明されたい。
八 一般に、外国人による我が国への不法入国が発覚した際、外務大臣及び法務大臣が当該外国人への対応に直接関与することはあるか。
九 一般に、外国人による我が国への不法入国が発覚し、当該外国人を我が国から出国させる際に、我が国の外務省職員が同行するということはあるか。
十 「事件」の際、当時の田中眞紀子外務大臣と森山眞弓法務大臣に対して招集がかけられ、両大臣が直接「事件」に対応した事実があると承知するが、このような対応がとられたのはなぜか。
十一 「事件」の際、「金正男氏と思われる者」を我が国から出国させる際に、我が国の外務省職員が同行した事実があると承知するが、このような対応がとられたのはなぜか。
十二 「事件」の際、我が国の新聞始め各メディアは、「金正男氏と思われる者」を金正男氏であると報じていたが、「前回答弁書」で政府が「政府としては、御指摘の者が、北朝鮮の金正日国防委員長の子である金正男氏であったと確認しているわけではない」とするのならば、当時のマスメディアによる報道は間違っており、デタラメであったと理解して良いか。政府もそのような認識を有しているか。確認を求める。
右質問する。
政府答弁書
一について
外務省としては、平成十三年五月十八日の衆議院法務委員会において、森山法務大臣(当時)が述べているとおり、当時は、入国目的を休暇として申請したものと認識していたが、その後正確な入国の目的を把握するには至っていない。
二について
御指摘の者については、平成十三年五月一日午後三時四十五分ころ、上陸申請を行ったことからその入国を確認し、同月四日午前十時四十五分ころ、成田空港から航空機により退去強制した。
三について
田中外務大臣(当時)は、平成十三年五月十五日の衆議院予算委員会において述べているとおり、同月二日午前十時半ころ、外務事務次官及び外務省アジア大洋州局長から御指摘の者の入国について報告を受け、その際、同人の入国の目的及び人定の確認に努めること並びに関連省庁と緊密に連絡をとって経過を報告することを指示した。
四について
お尋ねの「指示」の具体的な内容については、今後の日朝間の協議に支障を来すおそれがあることから、外務省として明らかにすることは差し控えたい。
五について
御指摘の者については、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)に基づき退去強制手続を進め、必要な調査をした結果、同人が不法入国容疑を認めたため、法務省において、退去強制令書を発付し、速やかに送還した。
六について
御指摘の者については、本人から採取した指紋と法務省入国管理局が保管する指紋情報との照合、本人が所持していた旅券の鑑定のほか、国籍、氏名、家族関係等について聴取するなど、退去強制手続上必要な調査を行った。
また、調査の結果、御指摘の者については、偽造ドミニカ共和国旅券を所持する北朝鮮出身者であると認められたものの、本名を確認することはできなかった。
七について
一般に、我が国への不法入国が発覚した場合、当該人物から採取した指紋を法務省入国管理局が保管する指紋情報と照合するほか、本人が所持していた旅券の鑑定や国籍、氏名、家族関係等について聴取するなど必要な調査を行い、特段の事情がない限り、相手方が不法入国容疑を認める場合には、退去強制令書を発付し、速やかに送還することとしている。
八について
外国人による我が国への不法入国が発覚した際には、その退去強制手続において、外務大臣が関与する権限はなく、また、相手方が不法入国容疑を認めた場合については、入管法第五十一条の規定により、主任審査官が退去強制令書を発付することとなっており、法務大臣が直接関与することはない。
九について
一般に、不法入国をした外国人を我が国から出国させる際に、外務省職員が同行することはない。
十について
御指摘の「事件」の際、田中外務大臣(当時)と森山法務大臣(当時)に対して、内閣総理大臣等から招集がかけられた事実はなかったと承知している。
また、本件の処理に当たって、同法務大臣は関係法令の規定に従って適切に手続を進めるよう入国管理局に指示した。
十一について
移送中の混乱を防止し、かつ、中国側への引渡しを円滑に行うとの観点から外務省の職員を同行させた。
十二について
政府としては、御指摘の者が、北朝鮮の金正日国防委員長の子である金正男氏であったと確認しているわけではない。
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