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緊急時における日本の危機管理に関する質問主意書

衆議院 第177回 第219号

提出者
自由民主党・無所属の会
提出日
2011年6月1日
内閣転送 2011年6月6日
答弁書受領日
2011年6月10日
提出から9日
答弁の項目数
5
質問 1,209字/答弁 883字

質問本文

東日本大震災によって、これまでの我が党を含めて国会は、危機管理上、想定外以上のことについて、その思考において逃避してきたことを反省しなければならないと痛感するものである。

一つには、現行憲法が緊急事態への対処を規定する条文を欠いていることに問題がある。英・独・仏などの主要国の憲法には緊急事態条項があり、重大な局面において迅速、適切に対処するために定めている。

有事以外の緊急事態に対応する法律について、「災害対策基本法」、「大規模地震対策特別措置法」、「原子力災害対策特別措置法」などあるが、過去に遡り、平成十六年及び十七年において、前記の法体系を統括するための「緊急事態基本法」の整備を、自民・民主・公明の三党で成立を図ることで合意した経緯がある。

選挙の受け狙いだけを優先する民主党の憲法論議に非積極的な姿勢により、衆参両院の憲法審査会すら放置状態であることを考えれば、この時点において憲法改正は現実的でなく、今回の大震災の早期収束を克服した後には、望むべくもないことであるが、何時起こっても不思議ではないとされる大震災に対応するため、直ちに「緊急事態基本法」制定に向け、本格的な検討をすべきと考える.

従って、次の事項について質問する。

一 五月十五日付の日本経済新聞の電子版アンケートによると、災害時の私権制限について、八割が賛成している。一方、現憲法において、今回のような巨大災害にあたっては総理或いは内閣に特段の強い権限を与える規定がないが、この私権制限についてどのように捉えているのか、菅内閣の見解如何。

二 今回の東日本大震災を受けて、深刻なのは原発事故であるが、原子炉の安全管理について、企業任せにしている現状に対し、速やかに見直しをすべきと考えるが、菅内閣の見解如何。

三 一と二に関連し、今回の東日本大震災を受けて、一部の地方自治体が首長・庁舎そのものを失くすなど、県が機能しても、残念ながら役所の機能が起動せず、自衛隊や警察などに依存せざるを得ない結果となった。各自治体が機能していることが前提として策定されている現行の危機管理体制についてどのように捉え、また今後どのように対応していくのか、菅内閣の見解如何。

四 一〜三に関連し、今回の東日本大震災を受けて、自衛隊の活動については、目覚しいものがあり、神々しくもある。しかし、国家の防衛を維持しつつ、派遣できる要員には限界があり、予備自衛官を招集したが、この根底には、現政権が新防衛大綱作成時において、陸自の定員削減をしたことによる影響大なるものがあると考えるが、菅内閣の見解如何。

五 一〜四に関連し、このような実態を踏まえ、何時起こっても不思議ではないとされる大震災に迅速かつ適切に対応するため、今回の大震災の早期収束を克服した後には、直ちに「緊急事態基本法」制定に向け、本格的な検討をすべきと考えるが、菅内閣の見解如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

現行憲法下においても、大規模な災害に対応すべく、公共の福祉の観点から合理的な範囲内で国民の権利を制限する法律を制定することは可能であるが、その是非は、制限の必要性、その内容の合理性等を総合的に勘案して判断されるべきものと考えている。

二について

原子力安全規制の在り方については、「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」の場等を通じて、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の原因等について徹底的な検証を行った上で、当該検証結果等を踏まえ、その見直しについて検討を行っていくこととしている。

三について

災害応急対策については、災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)等により、地方公共団体が自ら応急措置を実施することが困難な場合に備えた一定の仕組みが整備されており、東日本大震災(以下「震災」という。)に際しては、これらの仕組みを活用しつつ、被災した市町村に対して、国及び他の地方公共団体から、物資の供給や職員の派遣等の支援が行われてきたところである。

今後とも、震災における教訓を踏まえ、危機管理体制の充実・強化に努めてまいりたい。

四について

自衛隊については、震災に総力を挙げて対応するため、即応予備自衛官及び予備自衛官を招集し、最大時十万人を超える態勢で対応してきているが、同時に、我が国周辺における警戒監視など、各種事態に対する即応態勢は引き続き維持してきたところである。

五について

国及び国民の安全に重大な影響を及ぼす様々な緊急事態に迅速かつ的確に対処することができる体制を構築することは、政府の当然の責務である。

これらの緊急事態への対処に当たっては、政府全体として総合力を発揮することができるようにすることが重要であり、これまでも、様々な緊急事態に対処するための体制を整備するとともに、その充実にも努めてきているところである。

政府としては、今後とも、国及び国民の安全を守るため、大規模な自然災害を始めとする様々な緊急事態への対処の在り方について不断の点検を行い、危機管理体制の充実・強化に努めてまいりたい。

衆議院の原文

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