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介護報酬の地域係数に乗ずる人件費比率と地域区分の考え方に関する質問主意書
衆議院 第177回 第242号
質問本文
介護報酬の地域係数に乗ずる人件費比率と地域区分の考え方に関し、次のとおり質問する。
一 平成二十一年度介護報酬改定により、それまでの直接処遇職員(介護職・看護職)に限っていた介護報酬の人件費に相当する部分を、介護サービスごとに配置を義務付けられている職員(医師を除く、人員配置基準で一名以上又は常勤換算算出の配置を規定している職員)へと拡充した。具体的には、生活相談員・栄養士・ケアマネジャーなどの人件費に相当する部分についても、地域差を勘案することとした。しかし、施設サービスを支える職種は、それ以外にも事務職・施設管理要員(清掃、営繕)・送迎運転手(通院、通所対応)などがいる。設備管理、清掃、給食、送迎などを委託する場合にも委託費に人件費の地域差が反映されている。
介護報酬の人件費に地域差を勘案する職種に公平性が欠けているのではないかと考えるが、政府の見解を伺う。
二 現行の介護報酬については、介護サービスの種類ごとに、人件費比率を四十五%、五十五%及び七十%のサービスに類型化し、当該人件費比率に地域係数(地域区分毎の割増率)を乗じて、報酬単価を割増することで人件費の地域差を反映させている。このため、東京都特別区、特甲地、甲地、乙地以外の、地域係数により報酬単価を割増しない全ての地域については、人件費比率が考慮されていない。地域係数により割増される特別区等の地域にのみ人件費比率を考慮し、その他地域に対して考慮しないことは地域的公正を欠いている。類型化されたサービスごとの人件費比率の違いは、地域係数による割増以前の介護報酬自体において調整すべきと考えるが、政府の見解を伺う。
三 人件費比率四十五%のサービス類型には、大規模施設である特別養護老人ホーム、老人保健施設など介護保険三施設と小規模のグループホームが混在している。大規模施設である介護保険三施設と小規模で経営効率が図りにくいグループホームの人件費比率が同一なのは不公平ではないか。介護事業経営実態調査に基づくものであれば、改めて検証する必要があると考えるが、政府の見解を伺う。
四 国は、介護報酬の地域差を勘案するのは人件費のみとしている。その理由について、第五十六回社会保障審議会介護給付費分科会において、「土地代等が反映すると考えられる居住費は、平成十七年十月に原則的に給付対象外となっている、日用品などの物件費の多寡に地域毎の有意性はない」と判断されたためと説明している。しかし、それはあくまで利用者が負担する居住費に関するものであり、職員や施設が負担する賃貸料には、当然に土地価格が影響する。東京都内では、職員の確保に住居手当を支給している施設も少なくない。緊急時に備えて、施設の近隣に職員を居住させる場合や駐車場を確保するにも高い賃料を負担しなくてはならない。このため、土地代が反映する物件費にも地域差を勘案するべきではないか。また、総務省「平成二十一年平均消費者物価地域差指数の概況」(持家の帰属家賃を除く→住宅費用を除く)によると全国平均値一〇〇に対して東京二十三区内は一一〇となっている。物件費の多寡に地域毎の有意性はないという介護給付費分科会の判断については再検討が必要と考えるが、政府の見解を伺う。
五 同一地域区分に大都市と地方都市が混在している。特に、特甲地には、横浜市、川崎市、名古屋市、大阪市などの大都市と、八尾市、交野市、川西市、横須賀市など地方都市が混在している。賃金構造基本統計調査の過去十年平均の賃金指数を比べると、同じ特甲地でありながら、東京都内の武蔵野市と小金井市では二十三.三ポイント、大阪府内の大阪市と交野市では十八.五ポイントも差がある。地域係数に地域差が反映されていない部分があり、地域区分を抜本的に見直すべきと考えるが、政府の見解を伺う。
右質問する。
政府答弁書
一について
厚生労働省としては、御指摘の「介護サービスごとに配置を義務付けられている職員」以外の職員については、その配置が介護サービス事業者の判断に委ねられ、その配置数について介護サービス事業者ごとのばらつきが大きいことから、地域差の調整対象から除外しているものであり、「公平性が欠けているのではないか」との御指摘は当たらないものと考える。
二について
厚生労働省としては、介護サービスの種類ごとの人件費比率の違いをも考慮して介護報酬の単位数を設定した上で、御指摘の地域区分に応じた割増しを行っているものであり、割増しの行われない「その他地域」についても、単位数の設定段階で、介護サービスの種類ごとの人件費比率の違いを考慮している。したがって、「地域係数により割増される特別区等の地域にのみ人件費比率を考慮し、その他地域に対して考慮しないことは地域的公正を欠いている」との御指摘は当たらないものと考える。
三について
厚生労働省としては、御指摘の介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び介護療養型医療施設におけるサービス並びに認知症対応型共同生活介護については、平成二十年に実施した介護事業経営実態調査の結果によると、これらの人件費比率がおおむね四十五パーセントであったことから、人件費比率四十五パーセントのサービス類型に位置付けているものであり、「人件費比率が同一なのは不公平ではないか」との御指摘は当たらないものと考える。
介護サービスの種類ごとの人件費比率については、現在、平成二十四年度介護報酬改定に向けて、介護事業経営実態調査を実施しているところであり、今後、当該調査の結果を踏まえ、社会保障審議会介護給付費分科会(以下「分科会」という。)において検討を行い、必要に応じ、人件費比率によるサービス類型の見直しを行うこととしている。
四について
お尋ねの「土地代が反映する物件費」に係る地域差及び「物件費の多寡」の地域ごとの有意性については、現在、平成二十四年度介護報酬改定に向けて、介護事業経営実態調査を実施しているところであり、今後、当該調査の結果を踏まえ、分科会において、その取扱いについての検討を行ってまいりたい。
五について
お尋ねの地域区分の見直しについては、現在、分科会において検討を行っているところであり、その結果を踏まえ、平成二十四年度介護報酬改定において、必要な措置を講ずることとしている。
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