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太平洋戦争参加者に対する国家表彰に関する質問主意書
衆議院 第19回 第5号
質問本文
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
太平洋戦争参加者に対する国家表彰に関する質問主意書
わが国の栄典制度は、金鵄勲章を廃止せるほか、従前の規定による実施を建前としている。しかるに、政府は、占領政策により課せられた不合理な運営をそのまま踏襲し、同様占領政策により停止せられていた旧軍人恩給はすでに復活を見るに至つた。独立三年後の今日においても、その取扱についてなんら是正措置のないのは不可解といわねばならない。
なかんずく、太平洋戦争戦没者は、百数十万と算せられるにかかわらず、わずかに二十数万という一部分の者が表彰の特典にあずかり、戦争末期における戦没者の大部分、特にか烈な戦域並びに辺がいの地に没せる者は全くらち外におかれ、依然として、不公平な措置のままに放置されていることは、国家自主権の確立に対するゆえなき怠慢というべく、且つ又、国民感情からいつて、到底納得しがたいものがあり、はなはだ遺憾である。このことは、これ以上、事務上困難のゆえをもつて遷延を許すべき事柄でなく、独立日本としての立場において、すみやかに適切妥当な措置をとり、太平洋戦争犠牲者に対する処遇に二途なからしめ、もつて民心によるところあらしむるは、まさに、政府の責任でなければならない。
ここに、左の点を質し、政府の所信と、実情を明らかにすることを求めたい。
一 今日政府は、何故に栄典授与に対する適正措置を講ずることをちゆうちよしているか、その理由。
二 太平洋戦争に関しすでに授与せる栄典の種類、数、並びにその理由。
三 有資格にして未授与の者に対する措置並びにそれらの遺家族に対する今後の措置方針。
四 本件に対する政府の所見。
右質問する。
政府答弁書
一 太平洋戦争における戦没者に対する叙勲は、終戦後占領軍の示唆により停止したのであるが、独立後の今日も叙勲を行つていない理由は、当時のか烈な戦況、年月の経過、軍機関の解体等の事情に因り資料が甚だ不備であつて、きわめて多数に上る戦没者の功績を調査し適当な叙勲を行うことが事実上不可能であるからである。
二
金鵄勲章及び旭日章を授与されたもの
一四七、一七九件
旭日章を授与されたもの
八〇、六七三件
瑞宝章を授与されたもの
一七、五六八件
賜金のみ授与されたもの
(賜金は連合国最高司令部の覚
書によつて廃止になつた。 )
七、一六四件
計
二五二、五八四件
三 一の理由に因り、政府としては太平洋戦争における戦没者に対し叙勲を行う意図は現在ない。又戦没者の遺族の顕彰を栄典によつて行う考えはない。しかし遺族に対しては、その生活扶助に万全の措置を講じ生活不安を除く等のことによつて、国家の戦没者及びその遺族に対する深厚な同情を間接に表示することが現下においては適切であると考えて努力している。
四 多数の恩典に浴しない戦没者及びその遺族に対しては、衷心から同情の意を表するものであるが、上述したところにより政府の意のある所を了解せられたいと考える。
右答弁する。
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