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事業税の撤廃に関する質問主意書
衆議院 第16回 第21号
質問本文
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
事業税の撤廃に関する質問主意書
過去の不安定な経済事情に重ねて朝鮮動乱の終結機運は、わが国の経済をきわめて困難な転機に立たしめており、特に中小企業は今までの悪条件がしわ寄せられて、文字通り死活の岐路に追い込まれている。
その原因の一つが商工業者のみを対象とする事業税の重圧であることは、すでに周知の事実である。すなわち業者は、一般大衆課税としての所得税に重ねて県税の八十パーセント以上をまかなうぼう大な事業税を負担しているのであつて、最近の業者の経営実体は、他の累増する悪条件と合わせ到底その負担に堪えられないのが現状である。
業者自体も何とかこの窮境を打開せんと全く不眠不休の努力を続けているが、税の重圧は倍加するばかりであり、企業の資金はおろか生活費にまで食い込み、業者の中にはついに倒産をしいられた者も多数現れるに至つている。業者は国民の義務として、また日本再建費の一部を負担する建前から、大衆課税としての一般税負担には甘んじて堪える覚悟であるが、私ども業者のみを対象とする事業税は、明らかに不合理不公平であり、担税能力をこえた措置であるといつている。
日本再建の中核をなす中小企業の活路をひらくためにも地方税制を再検討し、事業税の撤廃に適切なる措置を講ずべきであると信ずるが、政府は、かかる観点に基いて地方税制を再検討し、事業税を撤廃する意思があるか。
なお、中小企業振興の根本的具体案を明確に示していただきたい。
右質問する。
政府答弁書
現行事業税の存廃については、地方制度及び租税体系両面から検討を加える必要があるので、政府としても、地方制度調査会を設置して、鋭意研究している。なお、小額所得者の事業税負担の状況にかんがみ、個人の事業税については、既に基礎控除制度(三万八千円)を設け、個人事業者の負担の軽減と合理化を図つたのであるが、更にその基礎控除額を五万円に引き上げ、中小企業者の税負担を緩和いたしたいと考えて、地方税法の一部を改正する法律案を今国会に提出中である。
なお、中小企業の振興策としては、その産業上社会上に占める重要性からみて、各般の施策を一段と推進して、その地位の安定と強化を図り、景気変動に対する長期的な抵抗力を培養してゆく方針であるが、当面の具体策とすれば、次の点を推進してゆく方針である。
1 金融対策
市中金融機関の融資促進を図るとともに、商工組合中央金庫、国民金融公庫等の専門的金融機関を強化拡充する。
また、中小企業者が特に困難を感じている長期資金の融通を円滑化するため、中小企業金融公庫を設立すべく、今国会にその予算および法案を提出中である。
なお、中小企業信用保険制度についても、なお一層の利用促進を図るため、所要の改正を行うべく準備中であり、また信用保証協会の法制化等、各方面にわたつて中小企業の金融難の緩和を図つてゆく方針である。
2 組織化対策
協同組合の共同施設の利用による共同活動を中心として組織化を推進するため、共同施設補助金を増額するとともに、組合診断制度の実施等を通じて組合指導を徹底し協同組合の質的向上を図つてゆく方針である。
3 合理化対策
中小企業の合理化については、一面において企業診断制度を中心とする診断および指導対策を推進するとともに、他面合理化に必要な設備については、金融対策のほか、国有機械との機械交換制度の推進を図るとともに、都道府県における機械貸与制度の積極的な勧奨を図つてゆく方針である。
右答弁する。
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