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マイナンバー制度における罰則規定の運用に関する質問主意書
衆議院 第192回 第139号お答えすることは困難 ×1
質問本文
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(「本法」という。)に基づき、国民一人一人に個人番号(「マイナンバー」という。)が付与されている。
平成二十八年五月二十四日の閣議で、政府は官民による個人情報保護制度の運用を監視する第三者機関である個人情報保護委員会(「委員会」という。)による国会への年次報告を決定している。
この報告の中で、マイナンバー制度が開始した平成二十七年十月五日から平成二十八年三月末までに、マイナンバー情報の漏えいや誤廃棄などが地方自治体と民間で計八十三件あったことが報じられている。
この報告後も、マイナンバーが漏えい、紛失したという報道が続いており、マイナンバー制度の運用に関して、懸念を持たざるを得ない。
本法では、マイナンバーの漏えい等に関して罰則規定が設けられている。この罰則規定は、いわゆる両罰規定という厳しいものであるが、どのように運用されていくのかが明らかではない。
このような観点から、以下質問する。
一 政府広報オンラインでは、「マイナンバーは、一生使うものです。番号が漏えいし、不正に使われるおそれがある場合を除き、一生変更されませんので、大切にしてください」と広報されている。しかしながら、マイナンバーが漏えい、誤廃棄、紛失する事案が多数発生することには懸念を持たざるを得ない。このような事案が発生することについて、政府はどのような認識を持っているのか。政府の見解を示されたい。
二 政府は、マイナンバーに係る事故、障害、漏えい事案について、政府の把握状況を具体的に示されたい。
三 委員会は、本法第六章の「特定個人情報の取扱いに関する監督等」で、指導、助言、勧告、命令等を行うものと規定されているが、その監督等の権限が具体的にどこまでに及ぶのかは明らかでない。委員会の権限は具体的にはどのようなものなのか。政府の見解を示されたい。
四 マイナンバーの漏えい、誤廃棄、紛失する事案が多数発生していることを勘案すれば、委員会は十分に機能していないのではないか。政府の見解を示されたい。
五 現在、マイナンバーの漏えい事故に対して罰則の適用がなされていないが、どのような理由からか。政府の見解を示されたい。
六 本法における罰則を適用する場合、誰がどのように審査し、罰則を適用するのか。政府の見解を示されたい。
七 本法では、どのような理由から両罰規定が採用されているのか。政府の見解を示されたい。
八 本法の運用に関して、国の行政機関においてマイナンバーの漏えいが発生し、罰則が適用される場合、当該機関の主務大臣の責任が問われることがあるのか。政府の見解を示されたい。
九 本法の運用に関して、地方公共団体においてマイナンバーの漏えいが発生し、罰則が適用される場合、当該地方公共団体の長の責任が問われることがあるのか。政府の見解を示されたい。
十 国の行政機関の主務大臣あるいは地方公共団体の長に対して、罰則が適用されないのであれば、本法の罰則規定は実効性を持たないのではないか。政府の見解を示されたい。
十一 地方公共団体や本法第十条でいう「個人番号利用事務又は個人番号関係事務の全部又は一部の委託を受けた者は、当該個人番号利用事務等の委託をした者の許諾を得た場合に限り、その全部又は一部の再委託をすることができる」とされた企業等に対して、本法第十一条で「特定個人情報の安全管理が図られる」ことを求めているが、マイナンバーそのものが漏えいしても、具体的な「氏名、住所、生年月日、性別」等の個人情報が必ずしも漏えいするわけではなく、技術的に安全であることと相反しているのではないか。これらは過剰なコストを求めるものではないか。政府の見解を示されたい。
十二 マイナンバーそのものが漏えいしても、技術的に安全であるとすれば、本法のかかる罰則規定は過剰ではないのか。政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一、二及び四について
政府としては、御指摘の「マイナンバーの漏えい、誤廃棄、紛失する事案」については、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号。以下「番号利用法」という。)に基づく特定個人情報(番号利用法第二条第八項に規定する特定個人情報をいう。以下同じ。)の適正な取扱いに係る個人番号利用事務等実施者(番号利用法第十二条に規定する個人番号利用事務等実施者をいう。以下同じ。)等の理解や認識が不十分であること等から発生するものであると認識している。
このため、個人情報保護委員会(平成二十七年十二月三十一日以前は特定個人情報保護委員会。以下「委員会」という。)は、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)(平成二十六年特定個人情報保護委員会告示第五号)及び特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(行政機関等・地方公共団体等編)(平成二十六年特定個人情報保護委員会告示第六号)を策定及び公表しているほか、特定個人情報の適正な取扱いについて、平成二十七年度及び平成二十八年四月から九月までの間において、経済団体、地方公共団体等が主催する説明会等(以下「説明会等」という。)に講師の派遣を行っており、説明会等の回数は合計三百八十六回であり、説明会等の参加者は合計約五万九千人である。さらに、特定個人情報の適正な取扱いについての分かりやすい資料、参考となる事例等を委員会のホームページに掲載することにより、特定個人情報の適正な取扱いについての周知を図っているところである。
また、お尋ねの「マイナンバーに係る事故、障害」の意味するところが明らかでないが、委員会は、特定個人情報の漏えい等が発生した場合、番号利用法第二十八条の四等の規定に基づき、個人番号利用事務等実施者等から、漏えい等が発生した原因、その再発防止策等についての報告を受けているところであり、平成二十七年度は八十三件、平成二十八年四月から九月までの間は六十六件が報告されているところである。漏えい等の原因については、これらの報告等によれば、窓口における個人番号(番号利用法第二条第五項に規定する個人番号をいう。以下同じ。)が記載された書類の誤交付等、個人番号を取り扱う者の事務処理の誤りが大半であると承知している。さらに、委員会は、個人番号利用事務等実施者への立入検査や、苦情あっせん相談窓口を通じた情報の収集等により、特定個人情報の取扱いに関する実態を把握しており、これらを踏まえ、必要に応じて指導等を行っているところである。以上のとおり、委員会はその責務を適切に果たしているものと認識している。引き続き、委員会がこのような取組を行って、特定個人情報の取扱いについての実態の把握並びに特定個人情報の適正な取扱いについての周知及び指導等を行うことを通じて、政府として、特定個人情報の漏えい等の発生の防止が行われるよう取り組んでまいりたい。
三、五及び六について
お尋ねの「監督等の権限が具体的にどこまでに及ぶのか」、「委員会の権限は具体的にはどのようなものなのか」、「罰則の適用がなされていないが、どのような理由からか」及び「誰がどのように審査し、罰則を適用するのか」の意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難である。
七から十までについて
お尋ねの「主務大臣の責任が問われること」、「地方公共団体の長の責任が問われること」、「主務大臣あるいは地方公共団体の長に対して、罰則が適用されない」及び「本法の罰則規定は実効性を持たない」の意味するところが明らかでないが、番号利用法第六十条第一項の規定は、同項に規定する違反行為が法人又は人の業務に関して行われた場合においては、その行為者を処罰するだけでは不十分である場合があることから設けられたものである。
十一及び十二について
個人番号は、住民票コードを変換して得られる番号であって、その内容に御指摘の「氏名、住所、生年月日、性別」(以下「氏名等」という。)を含むものではないが、個人番号と当該個人番号の指定を受けた者の氏名等が併せて漏えいし、違法に利用された場合等においては、個人の権利利益が害されるおそれがあることから、個人番号を含む個人情報の保護を図るため、番号利用法第十一条、第六十条等の規定が設けられているものであり、これらの規定を設けることにつき、「技術的に安全であることと相反しているのではないか」、「過剰なコストを求めるものではないか」及び「本法のかかる罰則規定は過剰ではないのか」との御指摘は当たらないものと考えている。
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