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年金制度抜本改革に対する安倍総理の国会答弁に関する再質問主意書
衆議院 第192回 第172号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×6
質問本文
前回提出の主意書に対する答弁書(平成二十八年十月二十八日)で答弁漏れがあったので再度質問する。
まず、安倍内閣は現行年金制度を変える必要性を感じているか、否か、お答え願いたい。
次に前回の答弁書では、年金制度について「安倍総理が答弁している抜本改革とは何を目指し、どのようなものか、現時点における見解をお示し願いたい」とお尋ねしたが、答弁が無く、答弁漏れと言わざるを得ない。今回は誠実にご答弁いただきたい。
また「将来の年金制度体系の在り方については、国会において議論されるべきもの」との答弁があるが、三年前(平成二十五年八月六日)に出された社会保障制度改革国民会議(以下、国民会議)の最終報告書には「将来の制度体系については引き続き議論する」とあり、これは政府内での議論を念頭においた報告である。にもかかわらず、安倍内閣は、国民会議の報告書は政府内の議論は念頭においていない、国会の議論を念頭においていると理解しているのか。お尋ねする。
国民会議の報告書には「将来の制度体系については引き続き議論をする」とあるのに、報告書が出てから三年間、議論をしなかったのはなぜか、安倍内閣にその理由を問う。
そもそも安倍内閣は国民会議の報告書にある、将来の制度体系の議論、つまり年金制度抜本改革について議論するつもりはあるのか、ないのか明確にご答弁願いたい。
また、国民会議の最終報告書には「併せて、低所得者に対するセーフティネットの強化に関しては、年金制度だけで対応するのではなく社会保障全体で対応すること、(中略)についても、認識が共有された」とあるが、その共有された認識を具現化する作業は実施されているのか、内閣の見解を問う。
また、平成二十五年五月十七日の国民会議では当時の田村憲久厚生労働大臣が「低所得者対策ということで、福祉的給付というものを昨年考えたわけでありますが、これでも本当に足りるのかどうかという議論はしなければなりません、そう思っています」と述べている。その後、福祉的給付だけで足りるか否かの議論はされたのか。安倍内閣は、福祉的給付だけで年金は足りるとお考えか。お示し願いたい。
答弁書では「満額の老齢基礎年金の額と家計調査における高齢無職世帯の支出を見ると、夫婦世帯では、当該額が基礎的消費支出を賄っており、単身世帯では、当該額が当該基礎的消費支出をおおむね賄っている」としている。この考え方は今後年金制度が続く百年間維持できるとお考えか。
また、「おおむね賄っている」とは言えない状態とはどのような場合かお示し願いたい。
また、「おおむね賄っている」という状態が維持できない場合、所得代替率が五十パーセントを切らなくても、なんらかの措置が必要と考えるが、どのような措置を講ずるのか。お示し願いたい。
また、生活保護を受けている高齢世帯の増加の原因の一因として、年金の脆弱性があるのか、否か、内閣の見解をお示し願いたい。また、この十年間で、人口に占める生活保護を受ける人の割合が一度も下がらず上昇し続けている年代はどの年代か、お示し願いたい。その理由もお尋ねする。
先の答弁書では「高齢者の生活を下支えする新たな制度については、その必要性も含め、諸外国の例も参考にしながら研究してまいりたい」とあるが、現時点では、どのような仕組みを念頭に置いているのか、基本的考え方をお尋ねする。
右質問する。
政府答弁書
御指摘の「年金制度抜本改革」及び「現行年金制度を変える」の意味するところが必ずしも明らかではないが、先の答弁書(平成二十八年十月二十八日内閣衆質一九二第七八号。以下「先の答弁書」という。)でお答えしたとおり、年金制度については、まずは、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十二号。以下「社会保障改革プログラム法」という。)第六条第二項各号に掲げる事項その他必要な事項について取り組むこととしている。これまで、具体的には、同項各号に掲げる事項等について検討を加える、その結果に基づいて同項第一号及び第二号に掲げる事項等について所要の措置を講ずるため公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案(以下「改正法案」という。)を第百九十回国会に提出する等の取組を行ってきたところである。なお、改正法案附則第二条においては、改正法案の施行後速やかに、社会保障改革プログラム法第六条第二項各号に掲げる事項等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることを規定している。
今後、政府としては、同項及び改正法案附則第二条に基づく措置を講じた上で、社会経済情勢の変化への対応、年金の長期的な給付と負担の均衡の確保等の観点を踏まえ、先の答弁書でお答えした「社会保障と税の一体改革以降の将来の年金制度体系の在り方」(以下「将来の年金制度体系の在り方」という。)を検討する所存である。なお、先の答弁書における「その上で、将来の年金制度体系の在り方については、国会において議論されるべきもの」とは、当該措置を政府において講ずる前に将来の年金制度体系の在り方について議論を行うとのことであれば、具体的な案を示された上で、国会において議論されるべきとの趣旨を述べたものである。
お尋ねの「共有された認識を具現化する作業」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「低所得者に対するセーフティネットの強化」については、社会保障と税の一体改革における年金生活者支援給付金の創設並びに医療及び介護の保険料の負担の軽減等に取り組むとともに、生活困窮者自立相談支援事業等による支援を行い、社会保障制度全体で総合的に対応していくこととしている。また、お尋ねの「福祉的給付だけで年金は足りるとお考えか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、年金制度については、短時間労働者への被用者保険の適用拡大など平成二十六年六月三日に公表した「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しの関連試算」でお示しした試算結果も踏まえ、今後とも年金の給付水準を確保するための見直しに取り組んでいくとともに、年金生活者支援給付金については、その施行後の状況等を踏まえ、検討を加えてまいりたいと考えている。
お尋ねの「この考え方は今後年金制度が続く百年間維持できるとお考えか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、基礎的消費支出(家計調査における消費支出のうち、食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物に係るものの合計をいう。以下同じ。)は、統計上の制約等により相当程度の幅をもって増減を繰り返すものとならざるを得ないものであり、また、経済の変動等により常に変化するものでもあることから、将来の基礎的消費支出を予測し、将来の年金額と比較することは困難であると考えている。なお、老齢基礎年金だけで高齢期の消費支出の全てを賄うことは難しいことから、高齢者の就労機会の確保、短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大、個人型確定拠出年金への加入の促進等により、老後の所得保障の重層化を図っていくこととしている。
基礎的消費支出は老齢基礎年金の額を検討する上での勘案要素の一つであるが、公的年金制度は保険料の納付に応じて給付を行うことが原則であり、また、年金の給付水準の決定に当たっては長期的な給付と負担の均衡の確保が前提となることから、老齢基礎年金の額は、基礎的消費支出を全て賄うという考え方で設定されているものではない。このため、御指摘の「「おおむね賄っている」という状態が維持できない場合」の措置についてお答えすることは困難である。さらに、基礎的消費支出は、統計上の制約等により相当程度の幅をもって増減を繰り返すものとならざるを得ないものであり、また、経済の変動等により常に変化するものでもあることから、お尋ねの「「おおむね賄っている」とは言えない状態」については、あらかじめ数値等をもって一概に決められるものではなく、その時々の社会情勢等を踏まえて、適切に判断されるべきものであると考えている。
お尋ねの「年金の脆弱性」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成十八年から平成二十七年における六十五歳以上の生活保護受給者の一人当たりの平均年金額に大きな変化が見られないことなどから、この間の年金額の変化等が直ちに高齢の生活保護受給者の増加に大きな影響を与えているとは必ずしも言えないものと考えている。また、お尋ねの「人口に占める生活保護を受ける人の割合が一度も下がらず上昇し続けている年代」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成十八年から平成二十七年において六十五歳以上の人口に占める生活保護受給者の割合は上昇を続けている。その理由については、高齢者の生活保護の受給状況は、世帯構成の変化、経済情勢や資産の状況など、様々な要素が影響を与えるため、一概にお答えすることは困難である。
御指摘の「新たな制度」については、今後、イギリスなど諸外国の例も参考にしながら、例えば、就労していない人にも年金に加入していただく我が国の年金制度と、就労している人のみに加入義務を課すのが一般的な諸外国の年金制度との違いなども踏まえ、その必要性を含め、研究してまいりたい。
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