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トランプ政権のシリアへの軍事行動への安倍総理の支持表明に関する質問主意書

衆議院 第193回 第217号承知していない ×1

提出者
民進党・無所属クラブ
提出日
2017年4月10日
内閣転送 2017年4月12日
答弁書受領日
2017年4月18日
提出から8日
答弁の項目数
5
質問 2,019字/答弁 852字

質問本文

四月九日、安倍総理はアメリカのトランプ大統領と電話会談した。この会談の中で、安倍総理はアメリカ軍がシリアのアサド政権に対し、軍事行動を行ったことについて、化学兵器の拡散と使用を抑止するために責任を果たそうとするアメリカの決意を支持すると表明し、同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ大統領の強いコミットメントを高く評価するという考えを伝えたと承知している。

この会談に関して疑義があるので、以下質問する。

一 電話会談の中で、安倍総理はアメリカ軍がシリアのアサド政権に対し、軍事行動を行ったことについて、「わが国は化学兵器の拡散と使用を抑止するために責任を果たそうとするアメリカの決意を支持する」、「同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ大統領の強いコミットメントを高く評価する。引き続き、緊密に連携していきたい」と述べたことが報じられているが、事実か。

二 アメリカ軍がシリアのアサド政権に対し軍事行動を行ったことに関して、政府はその軍事行動がどのような法的根拠に基づいていると考えているのか。アメリカ合衆国憲法第二章第二条第一項でいう「大統領は、合衆国の陸軍および海軍ならびに現に合衆国の軍務に就くため召集された各州の民兵団の最高司令官である」との規定に基づくアメリカの自衛権の行使であると考えているのか。

三 ロシアのサフロンコフ国連次席大使は、アメリカ軍の軍事行動は「明らかな国際法の違反であり、侵略行為だ」との見解を示しているが、かかる軍事行動はアメリカの自衛権の行使ではないのではないか。

四 アメリカ軍によるシリアのアサド政権への軍事行動の国際法上の妥当性とアメリカの自衛権の行使であるという、二つの法的妥当性を評価した上で、「わが国は化学兵器の拡散と使用を抑止するために責任を果たそうとするアメリカの決意を支持する」との安倍総理の見解が示されたという理解でよいか。

五 四に関連して、アメリカ軍の軍事行動について、政府が明確な法的評価を与えていないとすれば、「アメリカの決意を支持する」との安倍総理の見解は合理性を欠く不適切なものではないか。

六 トランプ大統領は軍事行動に踏み切った理由について、「女性や子どもを含む、無実のシリア市民が多くの損害を被ったことを受けて、化学兵器が二度と使用されないようにするために行ったものだ」と説明したと承知しているが、急迫不正の侵害がアメリカの女性や子どもにまで及ぶとは考えられず、トランプ大統領の軍事行動は、トランプ政権内でもバノン上級顧問らには異論があったとされる。「女性や子どもを含む、無実のシリア市民が多くの損害を被ったこと」は人道上許されないことだが、国連安全保障理事会での議論やわが国における国民的な議論を経ず、拙速に「アメリカの決意を支持する」と表明するに至った理由は何か。国民に分かりやすい言葉で政府の見解を示されたい。

七 国連安全保障理事会が四月七日に開いた緊急会合では、ロシアのサフロンコフ次席大使は、アメリカ軍によるシリア攻撃は「明らかな国際法の違反であり、侵略行為だ」と強く非難している。このような国際社会の反応を見極めずに、拙速に「アメリカの決意を支持する」と表明することは、わが国の国益を損なうのではないか。

八 国連憲章第五十一条は、「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない」と規定しているが、アメリカ軍によるシリア攻撃という措置が国連安全保障理事会に直ちに報告された事実を政府は確認し、把握していたのか。

九 アメリカ軍によるシリア攻撃という措置が国連安全保障理事会に報告されていないとすれば、アメリカ軍による措置は国連憲章上でいう自衛権行使ではなく、国連憲章違反の疑いがある。国連憲章第一条はかかる行為を禁止しているが、そのような国連憲章違反の有無を確認した上で、安倍総理は「アメリカの決意を支持する」と表明したという理解で良いか。

十 アメリカ軍によるシリア攻撃という措置が国連安全保障理事会に報告されておらず、アメリカ軍による措置は国連憲章上でいう自衛権行使ではなく、国連憲章違反の疑いが否定できない状況下で、安倍総理は「アメリカの決意を支持する」と表明したとすれば、安倍総理の見解は合理性を欠く不適切なものではないか。

十一 ロシアとシリアは緊密な友好関係にあり、ロシア政府の反応を十分見極めずに、拙速に「アメリカの決意を支持する」と表明することで、わが国とロシアとの北方領土交渉への不安定材料が加わることになり、かかる交渉が停滞する懸念はないのか。政府の見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の具体的な報道は必ずしも明らかでないが、安倍内閣総理大臣は、平成二十九年四月九日(日本時間)に行われた日米首脳電話会談において、シリアに関し、我が国は、化学兵器の拡散と使用を抑止するために責任を果たそうとする米国の決意を支持する、同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ大統領の強いコミットメントを高く評価する、引き続き緊密に連携していきたい旨述べたところである。

二から五まで、九及び十について

米国は、平成二十九年四月七日(日本時間)にシリアに対して行った軍事行動(以下「今回の行動」という。)は、シリア軍のこれ以上の化学兵器による攻撃能力を低下させ、アサド政権に対して、化学兵器の使用や生産をしてはならないことを示し、これによって、地域の安定に寄与し、これ以上の人道危機の悪化に歯止めをかけるために行ったものであるとの説明を行ったものと承知している。また、トランプ大統領は、米国の国家安全保障及び外交上の極めて重要な国益のために、外交を実施するための米国憲法上の権限に従って、また米軍最高指揮官及び米国大統領として行動したとの説明を行ったものと承知している。

我が国としては、今回の行動について、化学兵器の拡散と使用を抑止するために責任を果たそうとする米国の決意を支持するとともに、今回の行動は、これ以上の事態の深刻化を防ぐための措置として理解していると表明しており、御指摘の批判は当たらない。

六及び七について

今回の行動に関しては、必要な情報の集約・分析を行った上で、我が国の対応を決めており、「拙速」や「わが国の国益を損なう」との御指摘は当たらない。

八について

今回の行動について、現時点で、米国により、国際連合憲章(昭和三十一年条約第二十六号)第五十一条の規定に基づく国際連合安全保障理事会に対する報告がなされたとは承知していない。

十一について

政府としては、御指摘の我が国の対応が、我が国とロシア連邦との間の平和条約の締結に関する交渉に影響を与えるとは考えていない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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