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ホルムズ海峡など公海又は他国領海における船舶攻撃に対する我が国の対応に関する質問主意書

衆議院 第199回 第2号お答えすることは困難 ×6趣旨が明らかではない ×6個別の事案 ×3

提出者
国民民主党・無所属クラブ
提出日
2019年8月1日
内閣転送 2019年8月5日
答弁書受領日
2019年8月15日
提出から14日
答弁の項目数
15
質問 3,113字/答弁 2,156字

質問本文

本年六月十三日にホルムズ海峡において我が国の海運会社である国華産業が運航するパナマ船籍のタンカー「コクカ・カレイジャス」が被弾した事案が発生した。また、七月二十五日、ポンペオ米国務長官は、「ホルムズ海峡の航路が維持され、原油や他の製品の交易が継続できることに利益を見出している国々は、みな有志連合に加わる必要がある」、「英国、フランス、ドイツ、ノルウェー、日本、韓国、オーストラリアに(参加を)要請した」と発言をしている。

今後の我が国の対応及びその法令上の根拠を明らかにすることなどが必要であることから、次の事項について質問する。なお、二以降の質問はいずれも個別事例についてではなく一般論としての法令解釈を問うているので、個別事例についてはお答えできないといった答弁は避けられたい。

一 自衛隊派遣の可能性について

1 七月十六日の記者会見において岩屋防衛大臣は、「現段階で、自衛隊を派遣することは考えておりません」と答弁していたが、七月二十六日の記者会見において有志連合の参加に対する現状のスタンスについて聞かれた菅官房長官は「今後の対応については予断を持って発言することは控えたいと思います」と自衛隊派遣の可能性を否定していない。六月十三日の被弾事案以降、我が国に関係する船舶に対する危険が高まった事実はあるのか。また、現時点で自衛隊を派遣することを考えているのか。

2 六月二十一日の記者会見において岩屋防衛大臣は「事案の背景、攻撃主体などについてはっきりとお答えする段階ではございません。それだけの確たる情報をまだ持っておりません」、「情報を収集・分析して、こういうことだと確定的なことが言えるようになれば、お知らせすることができると思います」と答弁している。本事案の背景、攻撃主体などについて回答されたい。

二 存立危機事態について

平成二十六年七月十四日の衆議院予算委員会において安倍総理は、「同(ホルムズ)海峡を経由した石油供給が回復しなければ、世界的な石油の供給不足が生じて、我が国の国民生活に死活的な影響が生じ、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されることとなる事態は生じ得る」と、ホルムズ海峡における存立危機事態の可能性を認めている。石油供給途絶を理由とする存立危機事態の認定は、一般論として、国又は国に準ずる組織による武力行使により、我が国への石油供給が回復せず、我が国の国民生活に死活的な影響が生じる状況に至っていない限り、なされることはないと考えてよいか。

三 重要影響事態について

1 重要影響事態法第一条において「重要影響事態」は「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」と定義されているが、一般論として、我が国船舶の安全を他国軍隊が守ることが見込まれる又は守ることを要請することができる場合は、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれ」はないと考えてよいか。

2 一般に、重要影響事態に際して、重要影響事態法別表第一中の役務の提供、例えば「補給」を行うために必要な哨戒活動は別表第一に含まれうると考えてよいか。逆に、別表第一のいずれの役務の提供のためでもない哨戒活動は、重要影響事態法に基づく後方支援活動や捜索救助活動として行うことはできないと考えてよいか。

四 国際平和支援法に基づく国際平和共同対処事態について

1 国際平和支援法第一条の「国際平和共同対処事態」に際しては、同法第二条に基づき「船舶検査活動」を行うことができるが、「重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律」第二条によれば、「船舶検査活動」は、「貿易その他の経済活動に係る規制措置であって我が国が参加するものの厳格な実施を確保する目的」でなければ行えないことを確認されたい。

2 イランに関し、「貿易その他の経済活動に係る規制措置であって我が国が参加するもの」は現在存在するか。

五 PKO法に基づく国際連携平和安全活動について

「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」に基づく「国際連携平和安全活動」は、公海上の船舶攻撃に対する活動に関し適用されることはないと考えてよいか。

六 海上警備行動について

1 平成二十一年三月十三日の衆議院安全保障委員会において、�コ地政府参考人は、自衛隊法第八十二条に基づく海上警備行動の対象について、「保護の対象となる船舶につきまして、日本籍船、それから外国籍船でありましても日本人が乗船する外国籍船、それから、我が国の船舶運航事業者が運航する外国籍船、または、我が国の積み荷を輸送している外国籍船でありまして、かつ我が国国民の安定的な経済活動にとって重要な船舶、こういうものを保護の対象とするというふうに考えることとしたものでございます。」と答弁している。海上警備行動の保護の対象となる船舶について現時点でも同じ解釈か。

2 同じく平成二十一年三月十三日(海賊対処法制定より前)の衆議院安全保障委員会において、�コ地政府参考人は「海上警備行動による保護の対象とならないような外国籍船が現に海賊に襲撃されている場面に遭遇したというような場合に、例えばヘリコプターをそこに飛ばして状況を確認したりとか、それから他国の艦艇に状況を通報する、そうしたような事実上の行為はすることが可能であろう。」と答弁している。海賊対処法制定以前の段階で、この「事実上の行為」の法令上の根拠は何か、条文を明示して答えられたい。

七 海賊対処法と国際法上の普遍的管轄権について

1 海賊対処法第二条の「海賊行為」は「私的目的」で行う行為に限定されているが、国又は国に準ずる組織による船舶に対する攻撃及びいかなる組織か不明である組織による船舶に対する攻撃について、海賊対処法に基づく対処は可能か。

2 平成二十一年三月十三日の衆議院安全保障委員会で大庭政府参考人は「国連海洋法条約では、すべての国が最大限に可能な範囲で公海等における海賊行為の抑止に協力するということにされておりますとともに、関係者や関係船舶の国籍を問わず、いずれの国も管轄権を行使することが認められております」と答弁しており、この「国連海洋法条約の趣旨にかんがみまして」、「我が国が海賊行為へ適切かつ効果的に対処するために必要な事項についての法的根拠を定める」とし、国連海洋法条約に基づく普遍的管轄権の存在が海賊対処法の国際法上の根拠となっていることを答弁している。公海や他国領海における船舶攻撃への対処に関し、海上警備行動による保護の対象とならない外国籍船に対し、海賊行為の抑止、自衛権の行使以外の目的で、自衛隊による武力行使ないし武器使用が認められる国際法上の根拠は存在するか。

八 防衛省設置法第四条第十八号の「調査及び研究」

1 P3C等哨戒機による公海における哨戒活動は、防衛省設置法第四条第十八号の「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究を行うこと」に基づいて行われている場合が多いと考えてよいか。もし違う条文が根拠であるなら具体的に示されたい。

2 海上警備行動という「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究」として、海上警備行動による保護の対象外となる船舶に関し、哨戒活動を行うことは法的に可能か。

3 ソマリア沖、アデン湾における海賊対処として行う哨戒活動に比べ、ホルムズ海峡における哨戒活動は、地対空ミサイルによる迎撃などの危険がより大きいものと考えるがどうか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

「六月十三日の被弾事案以降、我が国に関係する船舶に対する危険が高まった事実はあるのか」とのお尋ねについては、関係国と緊密に連携しながら、情報の収集及び分析を行いつつ、情勢を注視しているところである。

また、今後の対応に係るお尋ねについては、予断をもってお答えすることは差し控えたい。

一の2について

お尋ねの事案の詳細については、引き続き情報の収集及び分析に努めているところであり、現時点で予断をもってお答えすることは差し控えたい。

二について

いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなるため、一概にお答えすることは困難である。その上で、実際に我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合において、事態の個別具体的な状況に即して、主に、攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、事態の規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮し、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民が被ることとなる犠牲の深刻性、重大性などから客観的、合理的に判断することとなる。

三の1について

お尋ねの「我が国船舶の安全を他国軍隊が守ることが見込まれる又は守ることを要請することができる場合」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

三の2について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、重要影響事態に際しては、重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)に定められた範囲において、事態の個別具体的な状況に即して、必要な後方支援活動等を行うものである。

四の1について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律(平成十二年法律第百四十五号)に基づく船舶検査活動は、同法第二条に定められているとおり、重要影響事態又は国際平和共同対処事態に際し、貿易その他の経済活動に係る規制措置であって我が国が参加するものの厳格な実施を確保する目的で行われるものである。

四の2について

船舶検査活動は、四の1についてでお答えしたとおり、重要影響事態又は国際平和共同対処事態に際して行われるものであり、現時点では、いずれの地域においても、「重要影響事態又は国際平和共同対処事態に際し、貿易その他の経済活動に係る規制措置であって我が国が参加するもの」は存在していない。

五について

お尋ねの趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。いずれにせよ、御指摘の「国際連携平和安全活動」のために国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)に基づき国際平和協力業務を行うに当たっては、同法に定める我が国として他国と連携して国際連携平和安全活動を実施するに際しての基本的な五つの原則その他同法に定める要件が満たされることが必要となる。

六の1について

公海上における自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八十二条の規定に基づく海上警備行動を発令する場合において保護対象となり得る船舶については、現在においても、平成二十一年三月十三日の衆議院安全保障委員会における御指摘の答弁のとおり、日本籍船及び日本人が乗船する外国籍船のほか、我が国の船舶運航事業者が運航する外国籍船又は我が国の積荷を輸送する外国籍船であって我が国国民の安定的な経済活動にとって重要な船舶であると解している。

六の2について

お尋ねの「「事実上の行為」の法令上の根拠」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律(平成二十一年法律第五十五号。以下「海賊対処法」という。)の制定前において、船員法(昭和二十二年法律第百号)第十四条の「人命の救助に必要な手段」として行われた事例があったと認識している。

七の1について

海賊対処法第二条に規定する海賊行為の該当性は、船舶の外観、航行の態様等を総合的に勘案し判断することとなるものであるが、いずれにせよ、同条に規定されているとおり、「軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶」に乗り組み又は乗船した者が行う行為は、当該海賊行為には該当しない。

七の2について

お尋ねの趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。

八の1について

お尋ねの「P3C等哨戒機による公海における哨戒活動」の意味するところが必ずしも明らかではないため、一概にお答えすることは困難であるが、自衛隊は、防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)第四条第一項第十八号に規定する「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究を行うこと」を根拠として、平素から我が国周辺の海空域における警戒監視活動を実施しているところである。

八の2について

お尋ねの「海上警備行動による保護の対象外となる船舶に関し、哨戒活動を行う」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

八の3について

防衛省・自衛隊は平素から幅広く情報収集を行っているが、特定の地域における具体的な「危険」についてお答えすることは、事柄の性質上、差し控えたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×6趣旨が明らかではない ×6個別の事案 ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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