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ALPS処理水の濃度に考慮されていない核種があることに関する質問主意書

衆議院 第201回 第213号趣旨が明らかではない ×1

提出者
立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム
提出日
2020年5月28日
内閣転送 2020年6月3日
答弁書受領日
2020年6月9日
提出から12日
答弁の項目数
7
質問 2,074字/答弁 1,977字

質問本文

経産省は東京電力株式会社福島第一原子力発電所の多核種除去設備等処理水(以後、ALPS処理水)に、「関係者の御意見を伺う場」(以後、御意見を伺う場)を四月から五月に計三回開催し、同省が選んだ関係者が出席して意見を述べた一方、東京電力は出席せず、双方向の質疑は行われていない。

一方、原発ゼロの会が、経産省、原子力規制庁、東京電力にヒアリング(以下、ヒアリング)を行い、双方向で質疑を繰り返した結果、判明した点がある。

そこで、判明点の確認を兼ねて、以下尋ねる。

一 二〇一九年六月十七日の原子力規制委員会特定原子力施設監視・評価検討会で東京電力が示した「多核種除去設備等処理水の全ベータ値と主要七核種合計値とのかい離調査結果について」で、東京電力は、全ベータ値と「主要七核種」とする核種の合計値には乖離があり、乖離の主要因は炭素十四(C−14)とテクネシウム九十九であるという結果を明らかにし、�@ALPA処理水の処分にあたり、環境へ放出する場合は処分前に「告示濃度限度比総和」(以後、告示比総和)一未満になるように二次処理を実施する、�A今後、告示比総和にC−14の寄与も考慮する旨を含めた「考察・まとめ」を発表した。

東京電力が「考察・まとめ」で示した�@�Aの考え方が、今後もALPS処理水の取扱いにおいて維持されると原子力規制庁が認識していることがヒアリングで確認されたが、間違いはないか。

二 東京電力が二〇二〇年三月二十四日に公表した「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書を受けた当社の検討素案」(以後、素案)で示した告示比総和には六十二核種が考慮されているが、いまだにC−14は考慮されていないことがヒアリングでは確認された。

1 東京電力は全タンクを測定し、告示比総和にC−14を考慮するとの原子力規制庁の認識も確認されたが、間違いはないか。

2 告示比総和にはトリチウムも考慮にいれるべきではないか。

3 経産省による御意見を伺う場の開催や「書面による御意見の募集」は、東京電力が告示比総和にトリチウムとC−14の寄与を考慮した後に、改めて、経産省が選ぶ関係者に限らず、公募も含めて、双方向で質疑ができる形で行うべきではないか。

三 東京電力株式会社福島第一原子力発電所は、いわゆる原子炉等規制法第六十四条の二に基づく「特定原子力施設」に指定された。

原子力規制委員会は、二〇一二年十一月七日に決定した「特定原子力施設への指定に際し東京電力株式会社福島第一原子力発電所に対して求める措置を講ずべき事項について」(以後、原子力委員会決定)で、東京電力に対して、瓦礫や汚染水等による敷地境界における実効線量を、二〇一三年三月までに年一ミリシーベルト未満とすることを求めた。

1 東京電力は三年遅れで二〇一六年三月にようやく敷地境界における実効線量年一ミリシーベルト未満(計年〇・九六ミリシーベルト)を達成した。三年遅れとなった理由はなんだったか、政府の把握するところを明らかにされたい。

2 敷地内には汚染源が複数あるため、東京電力では、実効線量年一ミリシーベルト未満の内訳は、液体廃棄物の排水に起因する実効線量を年〇・二二ミリシーベルト、気体廃棄物の放出に起因する実効線量を年〇・〇三ミリシーベルト、汚染水タンクに起因する直接線・スカイシャインを年〇・二一ミリシーベルト、タンク以外に起因する直接線・スカイシャイン線を年〇・四四ミリシーベルト、構内散水に起因する直接線・スカイシャイン線を年〇・〇六六ミリシーベルトとした。

ヒアリングにおいては、原子力規制庁も、液体廃棄物の排水に起因する実効線量の内訳は年〇・二二ミリシーベルトであると認識していることが確認されたが、間違いはないか。また政府の把握する液体廃棄物以外に起因する実効線量の最新の内訳も明らかにされたい。

3 素案には、放出前にトリチウム以外の核種が告示比総和一未満であることを確認する旨が書かれている。しかし、原子力委員会決定に基づけば、告示比総和一未満であるだけではなく、かつ同時に、液体廃棄物の排水に起因する実効線量の内訳は年〇・二二ミリシーベルト以内でなければならない。この考え方を原子力規制庁が維持していることも、ヒアリングでは確認されたが、間違いはないか。

4 原子力委員会決定に基づいて定められている敷地境界における実効線量年一ミリシーベルト未満のうち、液体廃棄物由来の実効線量を年〇・二二ミリシーベルト以内に抑えるためには、素案にあるように海水中のトリチウムの告示濃度限度が水一リットル中六万ベクレルであるところ、運用基準は地下水バイパスとサブドレンを合わせて水一リットル中千五百ベクレルである。

地下水バイパスとサブドレンに加えてALPS処理水を液体廃棄物として処理する場合も、敷地境界における実効線量年一ミリシーベルト未満を超えないために、トリチウムの運用目標である一リットル中千五百ベクレルに変化はないと考えるがどうか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の「東京電力が「考察・まとめ」で示した�@�Aの考え方」は、令和元年六月十七日に開催した原子力規制委員会特定原子力施設監視・評価検討会(以下「監視・評価検討会」という。)第七十二回会合において、東京電力ホールディングス株式会社(以下「東京電力」という。)が説明したものであるが、これが「今後もALPS処理水の取扱いにおいて維持される」かについては、東京電力が、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第六十四条の三第二項の規定に基づき、「福島第一原子力発電所 特定原子力施設に係る実施計画」(令和二年五月二十七日付け変更認可。以下「実施計画」という。)における多核種除去設備等処理水の取扱いに係る実施計画の変更の認可の申請書を提出すれば、原子力規制委員会において審査することとなる。

二の1について

監視・評価検討会第七十二回会合において、東京電力が、御指摘のように「東京電力は全タンクを測定し、告示比総和にC−14を考慮する」との認識を示したことは、原子力規制庁において把握している。

二の2について

お尋ねについては、トリチウムは多核種除去設備等によって取り除くことができないこと等を踏まえ、原子力災害対策本部の下に設置された多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会が令和二年二月十日に公表した報告書(以下「報告書」という。)において、「トリチウム以外の放射性物質について告示濃度限度比総和一未満を満たすことを今後の対応方針として決定」とされており、多核種除去設備等処理水の「二次処理」の対象にトリチウムを含まないこととされている。

二の3について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、今後も、多核種除去設備等処理水の取扱いについて、広く全国から意見を聴くことができるようにするため、書面での意見募集を行い、また、報告書を踏まえ、地元自治体や農林水産業者を始めとした幅広い関係者から意見を聴いてまいりたい。

三の1について

お尋ねの「特定原子力施設への指定に際し東京電力株式会社福島第一原子力発電所に対して求める措置を講ずべき事項について」は、東京電力に対し、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)において、「特に施設内に保管されている発災以降発生した瓦礫や汚染水等による敷地境界における実効線量(施設全体からの放射性物質の追加的放出を含む実効線量の評価値)を、平成二十五年三月までに年間一ミリシーベルト未満とすること」を求めており、これは平成二十五年三月に達成された。

その後、同年四月に地下貯水槽に貯蔵されていた汚染水が漏えいし、この拡大を防ぐため、当該汚染水が敷地境界近くのタンクに移送されたこと等により、敷地境界における実効線量(施設全体からの放射性物質の追加的放出を含む実効線量の評価値。以下三の1について及び三の3及び4についてにおいて同じ。)が年間一ミリシーベルトを上回ることとなった。このため、更なる線量低減対策等の措置が講じられ、平成二十八年三月に再度敷地境界における実効線量が年間一ミリシーベルト未満となった。

三の2について

原子力規制庁において、福島第一原発の敷地からくみ上げた地下水等の排水に起因する実効線量が年間〇・二二ミリシーベルトであることを確認している。

また、実施計画において、当該敷地からくみ上げた地下水等の排水以外に起因する年間の当該敷地境界における実効線量の内訳について、気体廃棄物放出に起因する実効線量が年間約〇・〇三ミリシーベルト、敷地内各施設からの直接線及びスカイシャインに起因する実効線量が年間約〇・五九ミリシーベルト、構内散水したせき内雨水の処理済水のトリチウムの吸入摂取に起因する実効線量が年間約〇・〇三三ミリシーベルト、構内散水した第五号機及び第六号機滞留水の処理済水の地表に沈着した放射性物質からのガンマ線に起因する実効線量が年間約〇・〇四二ミリシーベルトであるとされていることを、原子力規制庁において確認している。

三の3及び4について

原子力規制委員会は、東京電力に対して、敷地境界における実効線量を、年間一ミリシーベルト未満とすることを求めており、多核種除去設備等処理水の処分は、これを満たす範囲で行われることが必要であると認識している。

また、御指摘の「液体廃棄物の排水に起因する実効線量の内訳は年〇・二二ミリシーベルト以内」については、東京電力が、実施計画において、トリチウムを一リットル当たり千五百ベクレルとする等の運用目標を満足するように、敷地内でくみ上げた地下水等を排水する場合に関する実効線量であり、多核種除去設備等処理水を処分する場合に関するものではない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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