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森林・林業の現状に関する質問主意書
衆議院 第204回 第110号趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1
質問本文
現在の我が国の森林は、戦後造成された人工林の半数が一般的な主伐期である五十年生を超え、本格的な利用期を迎えていることから、政府は、平成二十八年五月に閣議決定した森林・林業基本計画において、森林及び林業に関する施策についての基本的な方針として「資源の循環利用による林業の成長産業化」を掲げ、林産物の供給及び利用に関する目標等を設定し、各般の施策を推進してきたところである。
この間、国産材の供給量自体は、目標設定の前提であった平成二十六年の二千三百六十四万七千m3から、令和元年には主伐材を中心に三千九十八万八千m3へと増加している一方で、主伐後の再造林は進んでおらず、主伐面積に対して、人工造林面積は三十五%程度で推移している。
長引く木材価格の低迷等によって、森林所有者の経営意欲は低下しており、持続的な森林整備よりも短期的な利益確保が優先され、再造林を伴わない皆伐、無届伐採、無断伐採等による森林の荒廃が懸念されている。森林の荒廃は、近年頻発する山地災害等の一因となっているとの指摘もある。
右を踏まえ、以下質問する。
一 現行の森林環境保全直接支援事業は、一施行地当たり〇・一ha以上の森林整備が対象となるものの、原則として、間伐及び更新伐については面積五ha以上かつ十m3/ha以上の伐採木の搬出を要件としている。二〇一五年農林業センサスによれば、林家の約七十四%が保有山林面積五ha未満となっており、多くの林家は、補助金の交付を受けて間伐を実施しようとした場合、様々な立場の林家と合意形成して共同による申請を行うか、当該施行地の全てにおいて間伐を実施し、かつ十m3/ha以上の伐採木を搬出するといった追加の要件を満たさなければならない。
経営意欲の低下が指摘されている中、このような要件を設定した理由は何か、また、この五haの面積要件は、政策目的に適う基準となっているか、政府の見解を問う。
二 令和二年度のナラ枯れ被害量(被害材積)は令和元年の三倍強となる約十八・五万m3となっている。また、令和元年には被害が発生していなかった県を含め、四十二都府県で被害が発生するなど、その規模が急激に拡大している。
今般の被害拡大の要因についてどのように分析しているのか、また、現在の取組に加え、今後、どのような対策を講じていくのか、政府の見解を問う。
三 森林法においては、森林所有者等に伐採及び伐採後の造林の届出書の提出等が義務付けられている。
1 森林所有者等の伐採及び伐採後の造林の届出書の提出義務について、平成二十三年の同法の改正により、違反した場合の罰金刑の上限が引き上げられたが、この改正の施行後、実際に罰則が適用された事例はあるか、ある場合は、その件数及び主な事例の詳細について回答されたい。
2 同改正により、1の届出書を提出しないで行われる伐採(無届伐採)について、伐採の中止や伐採後の造林を命じる規定が新設され、違反した場合の罰則が措置されたが、実際に命令が発出された事例や罰則が適用された事例はあるか、ある場合は、それらの件数及び主な事例の詳細について回答されたい。
3 平成二十八年の同法の改正により、森林所有者等に伐採及び伐採後の造林に係る森林の状況に関する報告が義務付けられ、違反した場合の罰則が措置されたが、実際に罰則が適用された事例はあるか、ある場合は、その件数及び主な事例の詳細について回答されたい。
4 1から3における届出書や報告の提出先は、いずれも市町村の長とされているが、市町村の林務担当職員数が減少傾向にある。市町村や都道府県が、森林・林業に関して知識や経験を有する者を雇用する、あるいはそういった技術者が所属する法人等に事務を委託することを通じて、市町村の森林・林業行政の体制支援を図る制度として地域林政アドバイザー制度がある。この制度を利用し経験を有する者を雇用した数は増加したか。また、技術者が所属する法人等に事務を委託した事例は増加したか。制度施行の平成二十九年度以降の雇用人数及び委託件数について各年度ごとの数字を回答されたい。
5 届出書の偽造等により森林所有者に無断で伐採が行われる事案(無断伐採)については、林野庁において調査が行われており、平成三十一年一月から令和元年十二月にかけ、市町村や都道府県に情報や相談等があった件数は九十五件、うち警察への相談件数は三十二件となっている。この他にも、市町村や都道府県への情報提供や相談が行われていない潜在的な事案があるとも考えられるが、国が主体となって更なる具体的な状況を調査する必要はないか、政府の見解を問う。
6 無届伐採や無断伐採が行われた後、再造林等の適切な森林整備が行われていない件数及び面積について、林野庁は調査を行っているか、行っている場合は、結果についても回答されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の森林環境保全直接支援事業における間伐及び更新伐に対する補助金の交付要件は、森林施業の規模の確保による作業の効率化及び伐採した木材の搬出の促進を図るために設定している。また、当該交付要件のうち、施行地の面積の合計が五ヘクタール以上とすることを求めているものについては、当該要件を設定することにより、一定のまとまりが確保された森林施業が実施されるため、効率的な作業を促進するという政策目的から見て適当であると考えている。
二について
お尋ねの令和二年度におけるナラ枯れ被害については、前年度が記録的な暖冬であり、害虫のカシノナガキクイムシが越冬しやすい環境であったことに加え、令和二年度の夏期の猛暑及び少雨が樹木に大きなストレスとなったことが被害の拡大につながったものと考えている。
政府としては、市町村又は都府県が実施する森林病害虫等防除事業による被害の拡大防止のための被害木の伐倒、くん蒸等に対して、当該事業の費用を補助することにより支援を行っているところであり、令和三年度については当該支援に係る予算を増額して対応することとしている。
今後も、関係する都府県等と連携してナラ枯れ被害の対策を推進してまいりたい。
三の1について
お尋ねについては、都道府県からの報告によれば、森林法の一部を改正する法律(平成二十三年法律第二十号)の施行の日(平成二十四年四月一日。以下「平成二十三年改正法施行日」という。)から令和元年度末までにおいて、森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第十条の八第一項の規定に違反して届出書の提出をしないで立木を伐採した者に対して同法に基づく罰則が適用された事例は、零件である。
三の2について
お尋ねについては、都道府県からの報告によれば、平成二十三年改正法施行日から令和元年度末までにおいて、森林法第十条の九第四項の規定により、伐採の中止の命令が発出された事例にあっては五件、伐採後の造林の命令が発出された事例にあっては二件であり、また、同項の規定による命令に違反した者に対して同法に基づく罰則が適用された事例にあっては零件である。なお、事例ごとの詳細については、政府としては把握していない。
三の3について
お尋ねについては、都道府県からの報告によれば、森林法等の一部を改正する法律(平成二十八年法律第四十四号)の施行の日(平成二十九年四月一日)から令和元年度末までにおいて、森林法第十条の八第二項の規定に違反して報告をせず、又は虚偽の報告をした者に対して同法に基づく罰則が適用された事例は、零件である。
三の4について
市町村又は都道府県が委嘱した「地域林政アドバイザー」は平成二十九年度にあっては二十三人、平成三十年度にあっては五十一人、令和元年度にあっては百十三人であり、また、市町村又は都道府県が「地域林政アドバイザー」となる者が在籍する法人に業務を委託した事例は平成二十九年度にあっては十三件、平成三十年度にあっては十九件、令和元年度にあっては三十五件であり、いずれも増加している。
三の5について
政府としては、森林所有者に無断で立木の伐採が行われたことにつき、市町村又は都道府県への情報提供、相談等があった事案や市町村又は都道府県が自ら把握した事案について、都道府県を通じて調査を行ってきているとともに令和三年度も行う予定であること、また、「市町村や都道府県への情報提供や相談が行われていない潜在的な事案」の把握に資する、衛星画像を活用した伐採箇所の把握のためのプログラムを市町村及び都道府県へ提供していることから、「更なる具体的な状況」を調査する必要はないものと考えている。
三の6について
「無届伐採や無断伐採が行われた後、再造林等の適切な森林整備が行われていない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、都道府県からの報告によれば、平成二十三年改正法施行日から令和元年度末までにおいて、森林法第十条の八第一項の規定による届出書の提出をしないで立木を伐採した者が伐採後の造林をしておらず、同法第十条の九第四項の規定により伐採後の造林の命令が発出された事例は二件であり、当該命令の対象となった面積は十九ヘクタールである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。