ことばで探す › 衆議院 第210回
国庫補助金等により設置造成された基金に関する質問主意書
衆議院 第210回 第30号
質問本文
国庫補助金等により設置造成された基金の年度ごとの予算措置額については、平成二十六年度から令和元年度までは約一兆円程度でおおむね横ばいで推移してきたが、令和二年度は約十一・五兆円、令和三年度は約五・七兆円と突出しており、基金への予算措置額が大きく増加している。さらに、基金への予算は補正予算で措置され、年度末に積み増しなどが行われる傾向が強くなっている。
財政法第二十九条は、「内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる。」とし、第一号で「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出(当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。)又は債務の負担を行なうため必要な予算の追加を行なう場合」、第二号で「予算作成後に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合」と定めている。
国庫補助金等により設置造成される基金については、複数年度にわたる事務又は事業であって、各年度の所要額をあらかじめ見込み難く、弾力的な支出が必要であることその他の特段の事情が認められること、あらかじめ当該複数年度にわたる財源を確保しておくことがその安定的かつ効率的な実施に必要であると認められることなどに該当するもので、中長期的な視点の下で柔軟な執行が可能となる利点があると理解している。一方、各年度の所要額があらかじめ見込み難く、弾力的な支出が必要なものか、分野を問わず、事業の性質に応じて精査する必要があること、複数年度にわたる支援が必要であっても、総額や各年度の所要額について、一定の見通しを立て得るものについては、基金ではなく、まずは繰越明許費や国庫債務負担行為等による対応を検討すべきであると理解している。
したがって、基金への予算措置額の積み増しや新たな基金の造成については、中長期的な計画の下、当初予算において行われるべきであり、補正予算において行うことは厳に慎むべきである。
また、基金は法人等に一度支出されてしまうと、その執行状況が見えにくくなることから、法律や補助要綱で国から基金へ資金を交付した後の要件を適切に設定するなど、より適切な基金の執行につながる効果的な枠組み作りを行っていくことが重要であると理解している。政府が科学技術の振興や経済安全保障などの国家課題に取り組む基金事業については、令和四年度から、PDCAを強化するため、原則四半期ごとの支出状況と基金残高等の公表などの枠組みを実施すると承知しているが、基金の執行状況の透明性を高めるには不十分である。
以上を踏まえ、令和四年度に提出された補正予算において予算措置された基金について、以下、質問する。
一 令和四年度に提出された補正予算において予算措置された新規に設置する基金及び既に設置している基金のそれぞれについて、一般会計及び特別会計に分けて、所管省庁、基金の名称、基金への予算措置額を明らかにされたい。
二 財政法では補正予算の要件として、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出を行う場合と定めていることから、令和四年度に提出された補正予算において新たに造成された基金があるならば、基金の要件に該当すると判断した理由は何か。
三 全ての基金の執行状況について、基金から支出が行われた都度公表したり、公表する項目を更に細分化したりするなどして、透明性を更に高めるべきであると考えるが、政府はどのように考えているのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
令和四年度一般会計補正予算(第一号)及び令和四年度特別会計補正予算(特第一号)において、新規に設置する基金に対する予算措置はない。
令和四年度一般会計補正予算(第一号)において、既に設置している基金に対する予算措置額は、経済産業省所管のうち燃料油価格激変緩和基金が一兆千六百五十五・〇億円である。
令和四年度特別会計補正予算(特第一号)において、既に設置している基金に対する予算措置はない。
令和四年度一般会計補正予算(第二号)において、新規に設置する基金に対する予算措置額は、内閣府所管のうち中小企業イノベーション創出推進基金が二千六十・〇億円、総務省所管のうち情報通信研究開発基金が六百六十二・〇億円、文部科学省所管のうち大学・高専成長分野転換支援基金が三千二・四億円、地域中核研究大学等強化促進基金が千四百九十八・四億円、大学発新産業創出基金が九百八十七・七億円、先端国際共同研究推進基金(国立研究開発法人科学技術振興機構に設置するもの)が五百六・〇億円、先端国際共同研究推進基金(国立研究開発法人日本医療研究開発機構に設置するもの)が六十・五億円及び革新的脱炭素化技術開発推進基金が四百九十五・八億円、厚生労働省所管のうち抗菌薬原薬国産化支援基金が五百五十三・〇億円、農林水産省所管のうち肥料原料備蓄対策基金が百六十・〇億円並びに経済産業省所管のうちリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業基金(仮称)が七百五十二・九億円、ディープテック・スタートアップ支援基金が千・四億円、バイオものづくり革命推進基金が三千・三億円、重要物資サプライチェーン強靱化支援資金(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構に設置することを検討中のもの)が八千二百八十八・一億円、重要物資サプライチェーン強靱化支援資金(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構に設置することを検討中のもの)が千五十八・〇億円及び処理水影響対策支援基金が三百三十三・三億円である。
令和四年度特別会計補正予算(特第二号)において、新規に設置する基金に対する予算措置額は、経済産業省所管のうち重要物資サプライチェーン強靱化支援資金(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構に設置することを検討中のもの)が二百三十六・〇億円及び処理水影響対策支援基金が百六十六・七億円である。
令和四年度一般会計補正予算(第二号)において、既に設置している基金に対する予算措置額は、内閣府所管のうち革新的研究開発推進基金(革新的医療技術研究開発推進事業(産学官共同型))が八十・〇億円、文部科学省所管のうち創発的研究推進基金が五百五十三・四億円、学術研究助成基金が百五十六・〇億円及び経済安全保障重要技術育成基金が千二百五十・〇億円、厚生労働省所管のうちワクチン生産体制等緊急整備基金が四千七百五十・〇億円、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等支給基金が〇・二億円、特定C型肝炎ウイルス感染者救済基金が二十二・八億円及び安心こども基金が八十六・八億円、農林水産省所管のうち農業構造改革支援基金が四十・〇億円、施設園芸等燃料価格高騰対策基金が八十五・〇億円、産地パワーアップ事業基金が一・八億円、畜産・酪農収益力強化総合対策基金が三十・一億円、野菜生産出荷安定資金が八十・九億円、異常補てん積立基金が百三・一億円、漁業経営セーフティーネット構築等事業基金が三百三十・〇億円、漁業経営安定対策基金が三百八十・〇億円、水産業競争力強化基金が二十・〇億円、資源管理・漁業革新推進基金が七十・〇億円、韓国・中国等外国漁船操業対策基金が二十五・〇億円及び沖縄漁業基金が十五・〇億円、経済産業省所管のうち経済安全保障重要技術育成基金が千二百五十・〇億円、ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発基金が四千八百五十・一億円、特定半導体基金が四千五百・〇億円、廃炉・汚染水・処理水対策基金(平成三十年度補正予算に係るもの)が百二十・〇億円、革新的研究開発推進基金(創薬ベンチャーエコシステム強化事業)が三千・〇億円、国内投資促進基金(ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業)が千・三億円、国内投資促進基金(サプライチェーン対策のための国内投資促進事業)が五十五・〇億円、グリーンイノベーション基金が三千・〇億円、特定鉱害復旧事業等基金が一・七億円、燃料油価格激変緩和基金が三兆二百七十一・八億円、認定支援機関による経営改善計画策定支援補助金により造成された基金が五十・三億円、中小企業等事業再構築促進基金が五千八百・〇億円及び経営安定関連保証等特別基金が千八百五十六・〇億円並びに国土交通省所管のうち住宅市場安定化対策給付基金が三百五十六・〇億円である。
令和四年度特別会計補正予算(特第二号)において、既に設置している基金に対する予算措置はない。
二について
基金は、事務又は事業が、複数年度にわたるものであって、各年度の所要額をあらかじめ見込み難く、弾力的な支出が必要であることその他の特段の事情があり、あらかじめ当該複数年度にわたる財源を確保しておくことがその安定的かつ効率的な実施に必要であると認められるものであることを要件として、当該事務又は事業の財源として設置することとしている。令和四年度補正予算(第二号及び特第二号)において新規に設置する各基金については、それぞれの事業が、その実施の内容、方法等を踏まえて、当該要件に該当すると判断したものである。なお、令和四年度補正予算(第二号及び特第二号)に係る基金事業については、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」(令和四年十月二十八日閣議決定)において示された政策課題を迅速かつ効率的に実施する上で必要となると判断したものを措置しており、御指摘の「補正予算の要件」を満たすものであると考えている。
三について
基金の運用に当たっては、その透明性を向上させ、効率的な活用につなげていくことが重要であると考えており、「行政事業レビューの実施等について」(平成二十五年四月五日閣議決定)に基づき、各府省庁において、それぞれが所管する基金事業について、毎年度、基金シート等を作成し、公表するなどの取組を行っている。このような取組を行いつつ、個々の基金事業の性質等も考慮し、基金事業の適正な執行管理に努めてまいりたい。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。