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中国における日本人男児殺害事件に関する質問主意書
衆議院 第215回 第15号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2
質問本文
柳条湖事件から九十三年目の本年九月十八日、中華人民共和国(中国)広東省深圳市で、日本人学校に登校中の日本人男児が、刃物を持った男に襲われて死亡した。犯行の態様は通州事件を想起させる残虐なものであった。
本職は、衆議院外務委員会の質疑及び質問主意書で繰り返し政府に対して、外務省海外安全ホームページの中国の危険情報を全域で「危険レベル一」以上にせよと強く求めてきた。もしも政府が中国の危険レベルを実態に即して引き上げていたならば、中国当局は経済への悪影響を恐れて警戒警備を強化し、事件は起きていなかった可能性が高い。事件は防ぐことができたと思うが、政府に猛省を促したい。
本事件についてお尋ねする。
一 外務省はいまだ中国の危険レベルを引き上げておらず、「レベル三 渡航を再考せよ」とするアメリカ合衆国政府、「高度な注意を払うように」とするカナダ政府、「レベル二 高度な注意を払うように」とするオーストラリア連邦政府及び「レベル二 より一層の注意を払うように」とするニュージーランド政府の客観的評価と乖離している。国民の間からは、インド共和国及びサウジアラビア王国の全域が危険レベル一以上であることと比較して、中国の大半がいわゆるレベル零であるのは明らかにおかしいとの声が上がっている。外務省は、危険レベルの設定に当たって、中国政府にいわゆる忖度を行っているか、お尋ねする。
二 中国外務省の林剣報道官は、本年九月十九日の記者会見で、本事件について、「類似の事件はいかなる国でも起きる可能性がある」と主張した。開き直りともとれる発言に、多くの国民が激しい憤りを覚えたが、政府の見解如何。
三 上川陽子外務大臣(当時)は、王毅中国外交部長に対して、本年九月二十三日、本事件について犯人の動機を含む一刻も早い事実解明と日本側への明確な説明を強く求めたが、中国側はいまだ行っていない。中国の姿勢は極めて不誠実であり、容認しがたいと思うが、政府の見解如何。また、上川大臣は、中国に在留する日本人、とりわけ子どもたちの安全確保のための具体的措置を強く求めたが、王毅部長から納得のいく回答はあったか。さらに、上川大臣は、日本人学校に関するものを含む、根拠のない悪質で反日的なソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の投稿等は、邦人児童の安全に直結し絶対に容認できないとして早急な取締りの徹底を強く求めたが、これについて王毅部長からいかなる回答があったか、お尋ねする。
四 本事件について、中国四川省の地方政府幹部が、「我々の規律は日本人を殺すことだ」等の投稿をSNSに行ったと報道されている。政府の把握しているところを明らかにされたい。
五 中国の教育現場で、日本人への憎悪感情を煽るいわゆる反日教育が長年行われており、本事件容疑者の動機となった可能性が高い。政府は、中国に対して、反日教育を止めるよう強く要求すべきと考えるが、見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「いわゆる忖度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「危険レベル」については、政府としては、渡航・滞在するに当たって特に注意が必要と考えられる国・地域に関して、日本国民の生命又は身体に対する脅威を考慮しつつ、中長期的な観点から、当該国・地域の治安情勢を始めとする政治情勢、社会情勢等を総合的に判断して決定してきている。
二について
お尋ねの中国外交部報道官の発言については承知しているが、個別の発言について、政府として逐一見解を述べることは差し控えたい。いずれにせよ、御指摘の事件については、例えば、令和六年十月十日の日中首脳会談において、石破内閣総理大臣から李強中国国務院総理に対し、「蘇州や深圳で日本人学校の児童等が死傷した事件により、中国の在留邦人の不安は急速に高まっている旨指摘しつつ、一刻も早い事実解明と説明、日本人の安心・安全の確保を強く求め」、「悪質で反日的なSNSの投稿等の取締りを含め、中国側の迅速な対応の重要性を提起」する等、様々なレベルで、これらの対応を強く求めているところである。
三について
御指摘の事件について、令和六年九月二十三日(現地時間)の日中外相会談において、上川外務大臣(当時)から王毅中国外交部長に対し、「(一)犯人の動機を含む、一刻も早い事実解明と日本側への明確な説明、さらには犯人の厳正な処罰と再発防止、(二)中国に在留する日本人、とりわけ子どもたちの安全確保のための具体的措置、(三)日本人学校に関するものを含む、根拠のない悪質で反日的なSNSの投稿等は、子どもたちの安全に直結し絶対に容認できないとして、早急な取り締まりの徹底を強く求め」た上で、「隣国である日中両国として目指すべき交流の障害となっている課題に正面から向き合い、事態の改善に向けて真剣に取り組むよう求め」た。これに対し、同会談において同部長からは、「中国側の立場はこれまで外交部報道官が述べているとおりであり、今回起きた事は、我々も目にしたくない偶発的な個別事案であり、法律に則り処理をしていく」旨の反応があったところである。
我が国政府としては、その後も、二についてで述べた日中首脳会談を含む様々なレベルで、これらの対応を強く求めているところである。
四について
御指摘の「投稿」が行われたとの報道があったことは承知している。
五について
お尋ねの「日本人への憎悪感情を煽るいわゆる反日教育」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。