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自然な出産の選択と助産師体制の強化に関する質問主意書
衆議院 第217回 第222号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2検討してまいりたい ×2
質問本文
我が国では、助産師が妊娠期から産後まで母子に寄り添い、自然な出産を支える専門職として重要な役割を果たしてきた。世界保健機関をはじめとする国際的潮流においても、助産師による継続的支援の有効性が広く認識されている。
現在、出産リテラシーの低下が指摘される中、助産師の果たす役割はますます重要性を増している。地域包括ケアの一環として、妊娠・出産から育児に至るまで切れ目のない支援体制を構築する上でも、助産師の専門性を活かす取組が不可欠であると考える。
また、出産の医療化が進み、無償化が議論される中にあっても、自然な出産の価値にもしっかりと目を向ける必要がある。医療的介入を伴わない自然な出産を希望する妊婦の選択的な出産環境を保障することは、多様性の尊重という観点からも重要である。その担い手である助産師の専門性を活かした体制の維持・強化は不可欠な政策課題であると考える。
現在、出産費用の保険適用が検討されているが、診療報酬の設計次第では、助産師による支援体制の縮小を招き、さらには出産医療の地域偏在や医療機関への一極集中が進行しかねない。その結果、助産院など地域に根ざした小規模施設が淘汰され、社会的インフラとしての出産環境の多様性が失われる可能性も懸念される。こうした事態は、出産環境の不安定化を招き、結果として少子化対策にも逆行するおそれがあると考える。
出産は単なる医療行為にとどまらず、母親の人生に深く関わる重要な経験である。すべての妊婦が「よい出産だった」と感じられるよう、助産師による支援体制を含めた制度整備を国として主体的に推進すべきであると考える。
以上を前提に、政府に対し質問する。
一 妊娠・出産に関する知識の低下が指摘される中、助産師による継続的な支援の重要性が増していると考える。政府として、妊婦教育・産前産後ケア等の現場における助産師の専門性を活かすため、どのような人材配置や育成施策をそれぞれ検討しているか。
二 自然な出産を希望する妊婦の選択肢を確保する観点から、助産師主導の出産支援体制を維持・強化する制度的・財政的支援が必要と考えるが、政府の基本方針と具体的な対応をそれぞれ伺う。
三 助産院や小規模な出産施設が果たしてきた役割の維持と発展に向けて、地域における出産環境の多様性を保障する観点から、どのような支援策を講じていくのか。
四 出産費用の保険適用に際して、診療報酬制度が助産師の活動を不利に扱うことのないよう配慮すべきと考えるが、この点に関する政府の認識を伺う。
五 自然な出産の意義を尊重し、助産師による支援を含めた多様な出産支援体制を、政府としてどのように位置付け、今後どのように維持・強化していく考えか。基本的な方針を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「人材配置」に関しては、看護師等の人材確保の促進に関する法律(平成四年法律第八十六号)第三条第一項の規定に基づき定めた「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」(令和五年文部科学省・厚生労働省告示第八号)において、助産師も含め、「新規養成、復職支援及び定着促進を柱に、看護師等の確保を推進していく・・・ことが重要」とするとともに、「出産後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等を行い、産後も安心して子育てができる支援体制を確保するため、母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)において産後ケア事業が位置付けられたことを踏まえて、産後ケア事業の実施に当たって必要となる助産師等の確保を図ることが重要である」とした上で、例えば、「産後ケア事業」の実施に当たっては、市町村を対象として、令和七年三月にこども家庭庁が改定した「産前・産後サポート事業ガイドライン及び産後ケア事業ガイドライン」において、原則として助産師を中心とした実施体制での対応とする旨示しながら、当該事業が行われているものである。
また、お尋ねの「育成施策」に関しては、例えば、厚生労働省医政局長が参集を求めて開催していた、看護に係る基礎教育に関する専門的知識を有する有識者により構成される「看護基礎教育検討会」が令和元年十月に取りまとめた「看護基礎教育検討会報告書」において、「助産師教育の内容と方法について」の中で、「産後うつ等の周産期におけるメンタルヘルスや虐待予防等への支援として、多職種と連携・協働し、地域における子育て世代を包括的に支援する能力が求められていることから、産後四か月程度までの母子のアセスメントを行う能力を強化することが重要である」との考えが示されており、この考えに沿って、看護に係る基礎教育の「カリキュラム」について必要な見直しを行っているところである。
これらについて、引き続き、必要な対応を検討してまいりたい。
二及び五について
御指摘の「助産師主導の出産支援体制」、「制度的・・・支援」及び「自然な出産」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、令和六年五月二十九日の衆議院厚生労働委員会において、武見厚生労働大臣(当時)が「周産期医療体制を進めるに当たりましては、妊娠から出産、産後まで継続して助産師に活躍していただくことが、安心、安全なお産を確保する上で重要と考えております。助産師外来や院内助産の体制整備に対する支援、それから、助産師に対する分娩に関する研修の支援も行っているところであります。」と答弁しているところ、こうした考え方の下、引き続き、必要な対応を行ってまいりたい。
三について
御指摘の「助産院や小規模な出産施設が果たしてきた役割の維持と発展に向けて」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、お尋ねの「支援策」については、例えば、令和六年度補正予算において、御指摘の「助産院や小規模な出産施設」も含め、分娩数が一定期間減少している又は妊婦健康診査若しくは産後ケアを実施する「出産施設」に対し、必要な支援を実施しているところであり、こうした支援を進めてまいりたい。
四について
「こども未来戦略」(令和五年十二月二十二日閣議決定)においては、「二千二十六年度を目途に、出産費用(正常分娩)の保険適用の導入を含め、出産に関する支援等の更なる強化について検討を進める」とされており、御指摘の「保険適用」を前提としたお尋ねに現時点で予断をもってお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、厚生労働省医政局長及び保険局長並びにこども家庭庁成育局長が参集を求めて開催していた、妊産婦等の支援等に関する専門的知見を有する有識者により構成される「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」において取りまとめた「議論の整理」(令和七年五月十四日公表)において、「妊娠・出産・産後」に関する「あるべき支援等の方向性」として「今後の具体的な制度設計の検討においては、新たな枠組みの中に助産所も位置付け、妊産婦が・・・選択の幅が狭められることのないようにすべきである」、「助産師等の専門家等が果たす役割は今まで以上に重要になっており、その活躍を促す環境を整備していくべきである」等とされたところであり、これを踏まえ、適切に検討してまいりたい。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2検討してまいりたい ×2
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。