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宮城県栗原郡岩ヶ崎町における百日咳ワクチン禍事件に関する質問主意書

衆議院 第5回 第29号

提出者
衆議院
提出日
1949年5月21日
内閣転送 1949年5月21日
答弁書受領日
1949年5月27日
提出から6日
答弁の項目数
1
質問 564字/答弁 720字

質問本文

衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿

宮城縣栗原郡岩ヶ崎町における百日咳ワクチン※(注)事件に関する質問主意書

右主題に関し次の質問をする。

昭和二十三年十一月二十三日と同二十九日二回にわたり二百九名の乳幼兒にワクチン注射を施したところ、惡質反應を呈するもの六十四名続出し、そのうち一名は遂に死亡するに至つた。事件発生以來すでに三箇月を経過した今日、当局の調査により原因はすでに明かになつたことと思うが、その責任の帰する所を明白にされたい。

なお当局は、これによる犠牲者及びその家族に対する弔慰はもとより、患者の治療については万全の措置を講ずるとともに、生活上の援護を要する者の処置について当然適切なる方法を講ずべきであるが、これらに対していかなる具体的対策を講じたか、明確なる回答を要望する。

岩ヶ崎町は昭和二十二年、二十三年の両度にわたり打ち続く水害のため、財政すこぶる窮境にあり、現在これらの患者の入院費一箇月約百万円を要する事情では、一、二箇月の短期ならば何とか方法も考慮されるが、今後何箇月続くか見当がつきかねる今日、万策つきて幾度となく、関係当局に陳情を重ねつつある実情である。よつて当局は、速かに國家補償、あるいはその他適当の方法により直ちに誠意ある救済の途を講ずべきであるが、その具体的方法如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一 責任の所在に関する調査について

今回の事件の責任を明らかにするには、この事故が発生するに至つたてん末が明らかにされなければならない。

しかるに現在までのところ注射によつて結核菌を接種したという事実のほかには結核菌がどこから出て、どういう経路で注射されたかが全く不明である。ただ調査によつて知り得た事実から幾多の可能性が考えられるので、そのすべての可能性についてあらゆる角度から学理的、実驗的の根拠をうるように調査及び実驗を行つている。即ち、宮城縣当局は縣議会、縣衞生審議会並びに熊谷教授を始めとする抗酸菌病研究所及び東北大学の專門家の協力を得て特別調査委員会を設け、一方厚生省及び予防衞生研究所は積極的に協力して、現在各種の実驗を続行中である。なお、宮城檢察廳もこれが調査を開始したので、近い將來に原因究明に関し何らかの結論が得られるものと期待している。それによつて責任の所在もおのずから明確となる。

二 患者の治療及び家族の生活援護について

患者の治療については熊谷教授外、抗酸菌病研究所職員が自らこれを担当し、又連合軍総司令部公衆衞生福祉部の厚意によつて、所要量のストレプトマイシンの配付を受け、わが國の現況下において最善の治療を行つている。患者家族の御心労と経済的負担に対しては誠に御同情に堪えないので、差当り、患者の治療及び家族の生活援護についてはできる限りの努力を盡し、生活保護法の適用については充分の保護の目的を達しうるよう関係機関にも指示して、その萬全を期しておる。

三 國家賠償法の適用について

國家賠償法の適用は公務員の故意過失によることが判明しない限りできないので、責任の所在の判明を待つて処置したい。

右答弁する。

衆議院の原文

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