情報公開請求のやり方と、請求と回答を「公開する」仕組み
——英国発の無料OSS「Alaveteli」の日本語版を当社が作りました
株式会社エクスブリッジ(名古屋) / 2026年9月7日時点の公開情報と自社検証に基づいています
最初に書いておくと、情報公開請求は日本でもきちんと機能している制度です。国には情報公開法、自治体には情報公開条例があり、誰でも行政文書の開示を請求できます。名古屋市も請求から公開・不服申立までの流れをページで案内し、電子申請から請求できます。
足りないのは、「誰が何を請求して、何が開示されたか」が共有されないことです。同じ文書を別々の人が何度も請求し、開示された文書は請求者の手元で止まります。英国はこれを2008年に WhatDoTheyKnow というサイトで解きました。請求文も回答もサイト上で公開され、次の人はそれを読んでから請求する。そのソフトウェアがオープンソースの Alaveteli です。
まず事実——情報公開請求のやり方(名古屋市の例)
| 段階 | すること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 文書を特定する | 件名・期間・部署・文書の種類を書く | 広すぎる請求は分割。「〜に関する一切の文書」は特定不十分になりやすい |
| 2. 請求する | 窓口・郵送・電子申請(名古屋市は Graffer) | 請求書の様式は自治体ごと |
| 3. 決定を待つ | 開示・一部開示・不開示の決定通知 | 期限は法令・条例で定めがある(延長あり) |
| 4. 閲覧・写し | 閲覧または写しの交付 | 写しは実費(コピー代)がかかるのが一般的 |
| 5. 不服がある | 審査請求 | 審査会の答申を経て裁決 |
棚卸し——請求そのものより、「共有」が無い
- 請求文の書き方の実例が手に入らない(自治体のページには様式しかない)
- 開示された文書が請求者の手元で止まる(同じ請求の繰り返し)
- どの機関がどう答えたか(開示率・所要日数)が見えない
- 議員や政党が請求しても、その成果を住民が確かめられない
出口①:無料のオープンソース「Alaveteli」——日本語版は当社が作りました
Alaveteli(英国 mySociety・AGPL-3.0・GitHubスター400超)は、利用者がサイト上で行政機関を選んで請求文を書くとメールで送られ、届いた回答もそのままサイトに公開される仕組みです。70前後の言語に翻訳されていましたが、日本語はありませんでした。当社が1,553文字列を翻訳し、本家へ Pull Request #9527 を出しています。
- 日本語版リポジトリ:katsushi2441/alaveteli-jp(非公式・Docker で起動できる設定つき)
- 実録記事:Alaveteli を日本語化して動かし、本家にPRを出すまで
日本での現実的な使い方は、①請求は正規の方法(窓口・郵送・電子申請)で出し、請求文と開示文書を Alaveteli に載せて公開する「請求アーカイブ」、②議員事務所・政党が自分の請求と回答を公開して透明性を示す、の2つです。サイトから直接メールで請求する英国流をそのまま受け付ける機関は限られます。
出口②:導入キット(5,500円)で、自分のサーバーに立てる
公式の Docker 環境で日本語版を動かし、行政機関を登録して請求ページが日本語で動くまでの実測手順、設定、そして Claude Code などの AI エージェントに渡せば設置を任せられる指示書を1つにしました。
Alaveteli 日本語導入キットを見る(5,500円・税込)
出口③:政党・事務所・団体向けに作り込む——うちの本業です
「うちの請求だけを公開するサイトにしたい」「開示文書のPDFを検索できるようにしたい」「自治体の様式に合わせた請求書を自動で作りたい」という場合は、バイブプロトタイピング(最短1営業日で動くデモ・ソース納品・110,000円税込〜)で承ります。議員・政党事務所むけの防災4本柱(説明ページ)や通報プラットフォームと合わせると、「調べる・受ける・公開する」が事務所の名前で揃います。
正直に書く——Alaveteli が向かない場合
請求が年に数件で、開示文書を共有する相手もいないなら、自治体の電子申請で足ります。Alaveteli が効くのは、請求を継続的に行う(議員・政党・記者・市民団体)、開示された文書を検索できる形で残したい、透明性そのものを示したいのどれかに当てはまるときです。
3つの入口
① 無料で始める(Alaveteli 日本語版)
alaveteli-jp リポジトリと実録記事を読んで、Docker で立ててください。
② 導入キットで確実に(5,500円税込)
導入キット——手順書・設定・AI指示書。
③ まず無料で相談する
名古屋AI経営勉強会(LINEオープンチャット・匿名OK)か、Kurage.AI 相談チャットへ。議員・政党事務所の方はこちら。
一緒に売っていただける方へ
政党・議員事務所・市民団体・記者に「情報公開請求を続けている」方をご存じなら、この提案(無料OSS+導入キット+カスタム)を紹介していただく販売代理店制度があります。
よくある質問
- 情報公開請求は誰でもできますか?
- できます。国の情報公開法・各自治体の情報公開条例は、請求者の資格を限定していないのが一般的です(自治体によって条例の定めが異なるので、請求先の条例をご確認ください)。
- Alaveteli から直接、自治体に請求できますか?
- 英国ではそれが標準ですが、日本では書面・押印や手数料を求める自治体が多く、メールでの請求を受け付けない機関があります。請求は正規の方法で出し、Alaveteli は請求と回答を公開するアーカイブとして使うのが現実的です。
- 開示された文書を公開してよいのですか?
- 開示決定を受けた文書は原則として誰でも取得できる情報ですが、個人情報が含まれる部分や著作物の扱いには注意が要ります。掲載前に黒塗り(不開示部分)を確認し、必要なら専門家にご相談ください。本ページは法的助言ではありません。
- 共有レンタルサーバーで動きますか?
- 動きません。Ruby on Rails+PostgreSQL+Xapian のアプリケーションなので、Docker が動く VPS か自社サーバーが要ります。
- 本家に取り込まれたらどうなりますか?
- 本家の翻訳が正になり、当社の日本語版リポジトリは差分の保守にとどめます。mySociety は Transifex を正式窓口にしているため、PR で受けてもらえない場合はそちらに載せ替えます。
- 議員事務所が運営する意味は?
- 自分が出した請求と回答を住民が確かめられるので、「調べています」を実績として示せます。誰でも見られる情報発信ページなので公職選挙法の寄附禁止に触れない設計ですが、個別の運用は選挙管理委員会にご確認ください。
※本ページの記載は2026年9月7日時点で当社が公式サイト・公開情報から確認した内容と、自社の検証結果に基づきます。Alaveteli・WhatDoTheyKnow は mySociety の名称です。当社は無関係です。
