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生鮮食料品(水産物)に関する質問主意書
参議院 第1回 第63号
質問本文
本件に対する質問に対し九月二日付内閣参甲第五一号及同第五二号を以て答弁書を受領したが甚だ官僚的な点もあれば極めて抽象的なものもあり今少しく民主的に且つ具体的な答弁を得なければ満足がゆかない仍て改めて二、三の点について再質問する。
一、統制の問題について
(1) 自分の問わんとするところは統制の対象を大衆魚にして、しかも多獲性の魚種のみに限定することについて政府の所見を訊したが偶々高級魚の字句が使われていたのを殊更らに採り上げての答弁である。自分の求めている焦点は高級、低級の区別や識別による統制の存廃ではない。要は例示した数種の大衆魚のみを対象とし其他の魚は全部公定価格制より除外することに付ての所見を聞きたいのである。
(2) 農産物と水産物との取締の差別を訊したが答弁書では取締の責任は政府以外の別箇の機関にある如くに了解される。政府は今少しく事実に即した答弁を為すべきではないか、即ち差別をつけている理由を卒直に国民の前に示すことを要求する。
二、荷受機関の複数制について
私的企業の独占に伴う諸弊害を除去することが本制度の主旨であると述べてある、果して斯る主旨なれば「数」を増加することのみに於てこの目的は達成されない。
現行の荷受機関の資格は法人、個人を敢て問わない、只一定の条件を具備して居ればこれを拒否し得ない。今後個人の富の力での荷受機関が簇出群小の荷受機関が乱立することも可能である。こうした場合企業独占排除の精神に副い得ると言い得ようか玉石混肴の現在の行方よりも既往の荷受機関の資本の構成を普遍的に再分配することに於ても独占排除の効果は充分期待し得ると考えるが如何。
三、魚価と資材について
魚価を三倍、五倍に引上げても資材がなければ一尾の魚も採ることは出来ないことは前質問に尽きている政府もこの点努力を払われている点は了承するがリンク制以外の割当資材たる綿糸、綿網等の現物化の時期と数量を定期的に而も精確に公表されることは次期漁業の計画樹立上絶体必要とするところである。
昨年割当られたものが未だに現物化せない実状に於ては次期操業の計画は全々樹立不可能である。
少くとも四半期毎位いに夫々の出来高を公表すべきだと考えるが政府の所見如何。
更らに公定価格の改訂後の今日に於ても依然として府県により黙認価格があり魚価に相違がある。
現に石川県においては底曳業者がこの問題について県庁に直接迫まつた事実もある。
斯る魚価の不統一についても政府の所見を承りたい。
四、産地統制について
農林大臣直轄陸揚地に農林省の係官を常駐させて集出荷の完遂を期する計画とあるが集荷地に至る迄に既に産地即ち漁場において処分され枠外に逃避する陸揚地の取締でなくしてこの産地での統制を如何にするかを承りたい。
尚地方長官指定の陸揚地は如何に統制する方針か之も併て伺いたい。
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政府答弁書
一、統制の問題について
(1) 魚類の公定価格を多獲性の大衆魚のみに限定することは、前回述べたような難点があるから、その実施は極めて困難であり、現在のところでは、その実施は考慮していない。なおその難点の主なものを繰返して述べれば次の通りである。
(イ) 従来魚価の決定に当つては多獲性の大衆魚の生産者に有利な決定を根本方針として来たが、その反対の施策を採用すれば、食糧政策上最も重要な多獲性の大衆魚の生産者が不利な立場に立ち、その生産意慾が減殺されること。
(ロ) 現在の食糧事情においては、あらゆる食糧品を動員して国民の食生活を安定しなければならないが、高級魚の価格統制を撤廃すれば、高級魚は一部富裕階級の独占するところとなり、食糧の公平分配が不可能となること。
(2) 農林省としては、農産物と水産物との取締りに差別をつける意志はなく、両者共に同じように力を入れている。若し両者間に現実に差異があるならば、それは水産物の配給統制が農産物のそれより数ケ月早く出発したことにより説明されると思う。
二、荷受機関の複数制について
独占排除のためには、既往の資本の分割だけでなく、新資本にも進出の途を開くことが必要と思う。その結果として群小荷受機関が乱立して市場を混乱させる危険があり、これに対しては、今後とも適当な対策を講じて行き度いと考えているが、一面自由競走の間に過小規模のものが自然淘汰されて行くことも期待出来ると思う。
三、魚価と資材について
資材生産の出来高を確実に把握してこれを公表することは、結構なことであるから実施方につき研究したい。黙認価格を絶体に禁止する旨知事に厳重指示しているが、この指示に反する府県に対しては出荷を停止する等の措置を講じて、その反省を求めている。
四、鮮魚介については、陸揚地統制を実施しているが、漁場における沖取引に対しては、種々の技術的困難があるから現在のところ実施していないが、その対策を研究する積りである。乙級陸揚地の統制は、その地からの出荷が主として県内消費向のものであるから、甲級陸揚地の例に準じて知事の権限で実施している。
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