ことばで探す › 参議院 第1回
農産物供出理論の適用に関する質問主意書
参議院 第1回 第92号
質問本文
供出制度の理論的立場に関する質問主意書(質問第七十九号)に対する内閣参甲第九一号の答弁に対し、主として末端割当に関して再質問したい。
一、供出制度における実収主義が厳密な意味では予想収穫高から農家保有量を差引いて供出量が決定される方式になることは技術的に当然といえる。従つて誤差の補正も必要となる。ところが現実的に問題なのは、実収主義による割当が末端に於て貫かれていたかどうかである。即ち、耕地面積の多い農家が、勤惰とは無関係に、殆んど例外なく過剰保有の可能な如き割当が果して実収主義の適用なりや否やである。然して、かかる割当を基礎とする超過供出報償が公正なりや否やである。過去の実収主義の弊害は、理論的な本質的弊害の外に、その適用に於ける杜撰さの弊害を加重していたのである。それは、末端割当に対する政府の研究と努力の乏しさに基くことが多いのではないかと思われる。かかる弊害の繰返しは新しい供出制度の下にも起り得る。
右に対する政府の所見をお尋ねする。
二、責任供出制は責任の基礎となるべき生産及び供出条件の実態を把握することによつてのみ合理的に行い得るとの私の主張は個々の農家について言つているのである。然るに答弁書は農村の実態把握を取上げ、統計調査の整備と委員会制度の民主化を以て答えている。(これは府県割当に専念し、末端割当の研究と努力に乏しい政府の態度を示すものである。)これでは現実の末端割当の問題を改善する充分の根拠とはなり得ない。各農事試験場に於て、気象感能試験、作況試験、標準坪刈調査等々をいくら行つても、それは、その地方の収穫の一般的、平均的数字を把握し、供出の府県割当に一応科学的根拠を提供するに過ない。むしろ供出問題の中心課題である末端割当の解決は依然として残されている。従つて右の如き試験並に調査の外、委員会を単なる議決機関的存在から、実態調査の為の執行機関を兼ねた存在に発展せしめることにより、生産及び供出条件の実態把握に一歩近ずき得るのではなかろうか。政府は委員会による実態調査の技術的方法を検討すべきであると思うが如何。
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話:03-3581-3111(大代表)
アクセス
利用案内
著作権
免責事項
プライバシーポリシー
サイトマップ
© 参議院
政府答弁書
一 従来の実収主義に基く供出割当が、末端において往々にして政府の意図に反し、耕地面積の多い農家の過剰保有を可能ならしめるような形において決定され、従つてこのような割当を基礎とする超過供出報償制が、やゝもすれば富農的な性格を帯びていたことは否定できない。しかしながら、このような不公正な供出割当を排除しようとするならば、それは単に政府当局者の努力のみによつては、期しうべくもないのであつて、むしろ耕作農民自らの政府に対する協力を仰ぐことによつて始めて達成しうる。その意味において、政府は、昭和二十一年における食糧調整委員会の設立、去る八月の分の公選制への切替、更には本国会提出中の臨時農業生産調整法に基く農業調整委員会への発展を図ることによつて供出割当に対する農民の意思を適確に反映せしめ、富む者も富まざる者も公平な供出義務を負わしめるように努力を続けているのである。従つて供出割当の公正を期しえられるか否かは、むしろ、耕作農民がいかに自らの意思を食糧調整委員会乃至農業調整委員会に代表せしめるかの問題に委ねられていると云つて差支ないであろう。
二 責任供出制がその責任の基礎となるべき個々の農家の生産及び供出条件の実体を把握することによつてのみ合理的に行いうるとの御意見には全く同感であり、そのためには、単なる農事試験場の調査の結果たる一般的数字のみでなく、農村に直結している食糧調整委員会乃至農業調整委員会の実体把握に依存すべきであることも又当然のことである。臨時農業生産調整法によつて農業調整委員会を単なる割当の議決機関に止まらしめず、独立の行政機関として、病虫害の駆除、予防、水利の調整、農業用施設の共同利用に関する指示権をこれに賦与する(同法第十条)のみならず、その使命達成のために農地その他に関する必要な調査を行わしめることとした(同法第十五条)。政府の意図も全くこゝにあるのであつて、その方針のもとに今後の委員会の運営指導を行つて行きたいと考えている次第である。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。