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東京・武蔵府中税務署における修正申告書偽造事件に関する質問
参議院 第144回 第12号個別の事案 ×1
質問本文
東京・武蔵府中税務署における修正申告書偽造事件に関する質問主意書
本年七月、八月に、相次いで二人の事業者の納税申告書の修正申告書が東京国税局管内の武蔵府中税務署員によって偽造され、提出されるという事件が発覚した。被害者は、シャッター工事業を営むO氏と建設業を営むM氏である。税務署長は修正申告書を偽造した事実を認め、東京国税局は当該税務署員を懲戒処分にした。
私はこの問題を重視し、十一月五日当該税務署長と会い、申入れを行うとともに、国税庁に対しても、数度にわたる聞き取り調査を行ってきた。
これは、税務署員が他人の印章と署名を偽造して追徴課税を行おうとしたもので、国民全体の奉仕者たる国家公務員の立場を根本から踏み外した非行であり、「調査内容を納税者が納得するように説明」するという「調査と指導の一体化」を定めた国税庁の「税務運営方針」にも反する行為である。法的には、刑法百六十七条の「私印偽造及び不正使用等の罪」(三年以下の懲役)に該当する可能性がある。さらに、過少申告加算税賦課決定通知書の交付も行っており、これには署長印も必要であり、刑法百五十八条の「偽造公文書行使等の罪」(一年以上十年以下の懲役)にも該当する可能性がある。
税務行政をあずかる国家公務員がこのような行為を行うことは、極めて重大な問題である。しかも、修正申告書の偽造事件は今回が初めてではなく看過できない。
よって、以下質問する。
一、この事件の発覚後、税務当局は、真相究明のためにどのような調査を行ったのか。その結果、把握した事件の具体的な経過を明らかにされたい。さらに、この事件の重大性についてどのような認識をしているのか。被害者への対応、内部処分をどのように行ったのか、明らかにされたい。
二、前記の行為は、いずれも明確に刑法をもって処せられる重大な犯罪行為である。それにもかかわらず、告発による厳正な措置をとらなかったのは何故か。
三、こうした修正申告書偽造は、これまでも全国各地で発覚してきた。この種の事件で、過去に把握している事件は何件にのぼり、どの税務署で起き、それぞれどのような事件であったのか、その事案ごとの概要を明らかにされたい。
四、なぜ、このような税務署員にあるまじき事件が起きたと考えているのか。また、その背景には納税者に修正申告書を強要するような税務行政が日常的に行われているという事実があるとの疑いを抱かざるを得ないが、日常の税務行政にそのようなことがないのかどうか、明確に説明されたい。
五、このような事態は、申告納税制度の基盤を自ら崩すものと言わざるを得ない。再発防止のためにどのような対策をとり、具体化しているのか、明確に説明されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
平成十年九月十八日に、御指摘の事件に係る納税者のうち一名が東京国税局武蔵府中税務署を訪れ、納税者本人名義の修正申告書の閲覧を行った際に、修正申告書の住所、氏名等の筆跡は自分のものではないとの申立てを行ったため、東京国税局武蔵府中税務署において直ちに事実確認を行い、当該納税者の調査を担当した職員に事情説明を求めたところ、翌十九日に、当該職員が修正申告書を作成した上で納税者自身がこれを提出したかのごとく装ったこと及び他に同様の事案が一件あることが判明した。このため、週明けの二十一日及び二十二日に、東京国税局武蔵府中税務署総務課長及び個人課税第一部門統括国税調査官がこれらの納税者の方々それぞれの自宅に赴き事実関係を説明し、遺憾の意を表した。また、これらの納税者の方々には、修正申告に係る所得税の督促状及び加算税の賦課決定通知書が送付されていたほか、所得税の修正申告に伴う地方税の賦課決定等も行われていたため、直ちに所要の手続を開始し、二十五日に、東京国税局武蔵府中税務署個人課税第一部門統括国税調査官が、これらの納税者の方々それぞれの自宅に改めて赴き、督促状の全部取消通知書及び加算税の賦課決定処分の取消通知書を交付するとともに、改めて遺憾の意を表した。さらに、二十八日及び十月五日に地方税の還付手続が行われたことを確認し、国税、地方税ともに所要の措置を完了したところである。
また、当該職員に対しては、国税庁監察官が厳正な調査を行い、当該職員が国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)に違反する行為を行っていた事実を確認したことから、調査結果に基づき懲戒処分を行うとともに、指導監督等が不十分であったと認められる監督者に対しても、厳正に処分を行ったところである。
今回の事件は、国民の税務行政に対する信頼を著しく損なうものと考えている。国税庁としても厳粛に受け止めており、誠に残念なことであると考えているところであり、今回の事件を踏まえ、事務管理の一層の徹底を図るよう各国税局等に対し改めて指示を行ったところである。今後このような事件が起こらないよう税務行政の適正な執行に努めてまいりたい。
二について
国税庁においては、大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)に基づき、職員についてその職務上必要な監察及び職員の職務に関する犯罪の捜査等を行うために、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)に規定する司法警察員に準じた捜査等の権限を有する国税庁監察官が設置されており、国税庁監察官は、犯罪の捜査に関し、他の捜査機関と協力することとされているところである。
なお、個別の事案の処理については、答弁を差し控えたい。
三について
過去における事例としては、昭和五十九年に関東信越国税局所沢税務署、昭和六十年に福岡国税局筑紫税務署、昭和六十一年に大阪国税局東大阪税務署、平成元年に札幌国税局札幌西税務署、平成四年に福岡国税局福岡税務署において、それぞれ調査担当職員が修正申告書を作成した上で納税者自身がこれを提出したかのごとく装った事実が判明したことを把握しているところである。
四について
このような事件は、税務行政において本来起きてはならないものであるが、個々の事件の背景には、個人的な事情など様々な事情があったものと考えている。
また、修正申告書は、税務調査の結果、納税者の申告額が過少であることが判明した場合に、調査結果を十分納税者に説明した上で納税者が自主的に提出するものであり、税務職員がその提出を強要するというものではない。
五について
税務行政の適正な執行については、常日頃から会議、研修等を通じ職員の指導に努めているが、今後このような事件が再発しないよう国税組織全体として取り組んでいかなければならないと考えている。
このため、国税庁においては、今回の事件を踏まえ、統括国税調査官等が税務調査の進ちょく状況を的確に把握し、担当者に対して明確な指示を行うこと、修正申告書等の収受の方法を工夫することなど事務管理の一層の徹底を図るよう各国税局等に対し改めて指示を行ったところである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。