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我が国における「予防原則」の確立と化学物質対策等への適用に関する質問主意書

参議院 第154回 第25号検討してまいりたい ×1

提出者
参議院
提出日
2002年5月23日
内閣転送 2002年5月27日
答弁書受領日
2002年6月28日
提出から36日
答弁の項目数
13
質問 5,547字/答弁 4,399字

質問本文

一九九二年、「環境と開発に関する国連会議(UNCED)」において採択された「環境と開発に関するリオ宣言」では、第一五原則に「環境を保護するため、予防的方策は、各国により、その能力に応じて広く適用されなければならない。深刻な、あるいは、不可逆的な被害の恐れがある場合には、完全な科学的確実性の欠如が、環境悪化を防止するための費用対効果の大きな対策を延期する理由として使われてはならない」とうたっており、「予防原則」が国際的に認知される機会となった。

我が国においては、本年四月二日に提出された「BSE問題に関する調査検討委員会報告」において「危機を予測し、発生を防ぐための措置を講じて危険のレベルを引き下げておく予防原則の意識がほとんどなかった」と指摘されたことから、危機管理政策において「予防原則」が注目されるきっかけとなり、「『食』と『農』の再生プラン~消費者に軸足を移した農林水産行政を進めます」の中で、「食の安全と安心のための法整備と行政組織の構築…消費者保護を第一に予防原則を含むリスク分析の考え方を踏まえ、関連する法制度を抜本的に見直すとともに、新たな食品安全行政組織の構築に取り組みます」と明記されるに至った。

この間、海外においては「予防原則」の概念を政策決定の指針として取り込むために、様々な取組がなされてきた。

例えば、一九九八年一月には、米国ウィスコンシン州で開催されたウィングスプレッド会議において「予防原則に関する声明(いわゆるウィングスプレッド宣言)」が発表された。またEUは二〇〇〇年二月に予防原則を適用するためのガイドラインを発表、二〇〇一年五月、ドイツのシュッツガルトにおいて二〇数か国約一〇〇名の関係者が集って「予防原則」の問題点を整理するワークショップが開催されている。二〇〇二年一月には、EUと米国政府がベルギーのブリュージュで「予防に関する合同ワークショップ」を開催した。

この様に、海外において様々な検討が加えられている「予防原則」だが、概念としては様々な提案がなされているところである。例えばNGOは、構成要素として(1)因果関係が明らかでない状態で予防的措置を行う、(2)危険を伴う活動を推進する者が、その活動によって健康や生態系に被害が及ばないということを証明する(立証責任の移行)、(3)常に積極的に代替案も研究・探索・評価する、などの点を挙げている。

それぞれの項目について議論の余地があるが、例えば「立証責任の移行」は海外において既に法律に取り込まれ、幾つもの事例が挙げられている。

例えば、米国の法律では「食品医薬品化粧品法(FFDCA)」、「有害物規制法(TSCA)」、「海洋哺乳類保護法」、「絶滅危惧種法」、「連邦殺虫剤、除草剤及び殺鼠剤法(FIFRA)」などに立証責任の移行が含まれていると言われている。

また、ドイツでは一九八〇年代に「予防は義務」との概念に発展し、立証責任も開発者側へと移行している。

その他にも、欧州連合マーストリヒト条約の中には「欧州連合の環境政策は(中略)予防原則に則り、防御的措置を講じ、環境への被害に対しては発生源で対処することを優先し、費用は汚染者負担とするべきである」との規定がある。

これらの具体的な内容については、更なる精査が必要ではあるが、重要な事項を含んでおり、今後の政府の検討を待ちたい。

一方、我が国においては、関係各省によって「予防原則」のとらえ方に違いが見られ、場合によって「未然防止」、「予防的措置」、「予防的方策」、「予防原則」と使われるなど、用語法や概念においても若干の混乱・混同が見受けられる。さらに、各省庁間の協議も担当者レベルの意見交換に止まっており、政府内で一貫した施策方針を決定するまでには至っていない。

政府内の考え方として、リオ宣言でうたわれているのは「予防的措置」であり「予防原則」ではない、リスク管理の一部を形成するもの、既に国内対策に反映されている、などとの見方もある。

先日五月二一日に開催された参議院環境委員会での私の質問に対して、山下環境副大臣は「未来の世代の健康と安全を守る観点から行政に取り組むことは大変に重要」との見解を示される一方で、「環境媒体を通した子どもの環境を守る観点からの取組はしっかり行っている」旨、答弁されている。

しかし、政府内において、例えば「立証責任の移行」なども含めた「予防原則」の適用を公に検討した様子は見受けられず、いうまでもなく定義も確立したものではない。

また、EUの予防原則に関するガイドラインによると、「許容できないリスク、科学的不確実性、公衆の不安に直面したとき、アクションをとらないことも回答として含まれる」旨の規定があるが、この点に関しても政府の見解は明らかではない。

厚生労働省の予防的な対応として、牛脂を使用した化粧品類への措置や、スクレイピー症のめん山羊への処置などについては評価されるべきものであるが、政府全体の統一原則として確立することが必要とされている。

法的な検討課題は多いものの、「予防原則」の考え方は、これまでの「科学的リスクアセスメント」ではカバーしきれない部分を補う可能性を示しており、積極的に検討する時に来ていると思われる。

専門家によれば、二〇年以上の間、米国最高裁判決において「規制の前に顕著なリスクの証明が必要」とされてきたことが、米国のリスクアセスメント手法の確立に貢献し、我が国のリスク管理政策にも、大きく影響したと言われる。

国民の健康と環境を守るための手段として、科学的リスクアセスメント手法によりこれまでに蓄積されてきた科学的知見の集積には、一定の評価がされるべきであり、今後も積極的に取り組んでいかねばならないと思われる。

しかし、水俣病の経緯を挙げるまでもなく、国民の健康と環境を守るための手段として科学的リスクアセスメント手法のみに固執し、行政施策に「科学的なリスクの証明」を前提とすることは、証明されるまでの間、かえって国民の健康と環境をリスクにさらすことになりかねない。「予防原則」が国民的議論を引き起こし、注目されつつある今日、「科学的リスクアセスメント手法の適用の仕方」そのものを、改めて検証する必要がある。

「予防原則」という用語は国民の多くも期待しているところである。例えば、環境ホルモン問題に関する茨城県の方々の要望書や、子ども環境の安全確保に関する新潟県の方々からの要望書では、環境ホルモン問題やシックハウス症候群などの科学的なリスクが明確でない問題について、早急な機構の解明や「予防原則」の採用などを求めており、合計で六〇万を超える方々が署名されている。

要望書でも触れられているとおり、科学的知見の集積を待つ間に被害が甚大化することを避けるためにも、何らかの予見に応じた対応が求められるが、そのための基準として「予防原則」が確立し、行動のための規範とされることは科学と政策を結びつける非常に重要なツールとして期待される。

そこで、「予防原則」を我が国における危機管理上の行動原理として確立し、リスク分析や不確実性を適用する際の根本的な方針とするよう求める立場から、以下質問する。

一 リオ宣言に「予防原則」がうたわれてから一〇年が経過している。その間の「予防原則」に関する日本の取組の経緯はどのようなものがあったか。日時、会合名、検討・協議事項、参加者を示されたい。

二 「予防原則」に係る海外の取組について政府はどのような認識を持っているか。とりわけ、一九九八年一月、米国でのウィングスプレッド会議、二〇〇〇年にEUから発表された「予防原則を適用するためのガイドライン」、二〇〇一年五月のワークショップ、二〇〇二年一月の「予防に関する合同ワークショップ」など「予防原則」に係る議論の場について、政府関係者からの出席者はいたか。また、それぞれどのような議論がなされたかについて、把握、研究しているか。現時点で把握・研究されていなければ、直ちに取り組むべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 先日五月二一日の参議院環境委員会での私の質問に対する山下副大臣の答弁で、大気中の二酸化窒素やトリクロロエチレン等の有害化学物質、さらに水質汚濁に関し硝酸性窒素や亜硝酸性窒素などにおいて、子どもの健康を守る観点から基準値を設定していることを挙げられながら、「環境媒体を通した子どもの環境を守る観点からの取組はしっかり行っている」旨,答弁されている。

そこで、これまでの環境省において、「予防原則」若しくは環境基本計画にいう「予防的な方策」の観点から対策を講じている法律・政省令の名称、条項を示されたい。

同様に、厚生労働省・経済産業省において「予防的観点」から対策を講じている法律・政省令の名称、条項を示されたい。

四 日本の国内法において、ある物質や活動が安全であると科学的に証明する責任を、生産者側に移すという、「立証責任の移行」をさせている法律にはどのようなものがあるか。また、海外の動向に関してどのような認識を持っているか。

五 化学物質や農薬の安全性に関する科学的不確実性が存在するとき、その化学物質を使用させないこともあり得るのか。現在の施策でそのような例があれば示されたい。また、例えば化学物質過敏症や有害化学物質による学習障害・少子化への影響などについて、知見の集積が足りないとされる現時点で、どのようなリスク回避の方法を検討・実施しているか。

六 国際的な「予防原則」検討・導入の潮流を受けて、政府各省庁が連携して、例えば「予防原則に関する合同検討委員会」を設置し、広く国民的議論を起こすための検討の場を設けるべきである。この議論においては、検討段階から専門家、産業界、NPOなどあらゆるステークホルダー(利害関係者)に積極的に参画して頂き、政府全体として統一的な「予防原則」にかかわるシステム構築を検討し、国民の健康と環境を守るために必要とされる行政施策方針であれば、内閣の総意を持って国の方針とすべきと思われるが、今後の対応についてどのように考えるか。

また、検討されるべき項目としては「予防原則の適用範囲」、「予防的措置を講ずる基準」、「行動をとならないことを含めた代替案の検討」及び「意思決定に係る情報公開」などが考えられるが、政府の見解を示されたい。

七 これらの検討を行った上で、政府内で一定の見解が得られた際には、「予防原則」の考え方を広く国民に普及・啓発するためにも、パンフレットの作成、講演会の開催などを行うべきと思われるが、政府の見解を示されたい。

八 「予防原則」の概念を政策決定の指針として取り込むまでの間、「科学的なリスクの証明」がなされる期間のリスク回避の方法として、暫定的にも何らかのガイドラインと基準を策定すべきと思われるが、政府の見解を示されたい。

九 本年四月一四日、G8環境大臣会合(バンフ)において採択された「閣僚宣言」の中で、「子供の環境保健は、G8の環境大臣にとって特に関心の高い問題である。二〇〇二年に我々は、一九九七年の子供の環境保健に関するマイアミ宣言を実施するための共同の及び個別の行動を検討したが、同宣言を実施するとのコミットメントを再確認する。我々は、環境上の脅威から子供の健康を守る任務が続いていることを認識し、関連多国間機関と協議しつつ、モニタリングの手法として、子供の環境保健の指標の開発に係る作業を共に進めることに合意する」とある。

また、第四回日中韓三か国環境大臣会合においても、「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」に向けて、子どもの健康について議題に挙がったと聞いている。

1 この様な国際的な動向を受けて、政府は子どもの環境保健にどのような対策を講じているか。また、とりわけ「子供の環境保健の指標の開発」については具体的にどのような施策を講じているか。

2 化学物質などの残留性、生物濃縮性、次世代への影響などを考えると、取り返しのつかない影響が出るのを未然に防ぐためにも、「子どもの環境基準」を策定すべきと考える。この際、有機塩素系化学物質「クロルピリホス」の室内濃度指針値を算出するに当たり、「小児用の指針値」として成人の値の一〇分の一に設定している事例が参考になると思われる。また、単に基準値を下げるのみではなく、代替品の開発と同時に、段階的に禁止措置を採ることも必要と考えるが、政府の見解を示されたい。

3 マイアミサミットの原則に基づいた、「子ども環境のリスク削減一〇か年計画」や、そのための「ガイドライン」の策定、さらに「子ども環境安全向上法」(仮称)などの新法制定を視野に入れて対策を講じるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

4 シーア・コルボーン博士は「集団におけるホルモン攪乱物質からのダメージを認識し定量化することは、母集団全員に同じ薬を処方して結果を予測するのと違い、曝露の一つ一つがユニークなものであるため、非常に難しい」旨の見解を明らかにし、リスク分析や疫学的調査の難しさを指摘している。この様な実態調査のしにくい事例について、政府はリスク削減のためにいかなる施策を講じているか。

5 化学物質による人体への影響、とりわけ子どもの健全な育成に対しては、複合的な作用も考えられる。これまで政府として調査研究は行ってきたか。また今後調査研究を含めた対策を講じるべきではないか、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の「環境と開発に関するリオ宣言」(以下「リオ宣言」という。)の原則十五で示された「予防的な取組方法」の考え方を踏まえ、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四条は、「環境の保全は、(中略)科学的知見の充実の下に環境の保全上の支障が未然に防がれることを旨として、行われなければならない」と規定している。同法の制定に当たっては、中央公害対策審議会企画部会及び自然環境保全審議会自然環境部会において審議等が行われており、その経過等は別表一のとおりである。

また、同法に基づき平成六年十二月十六日に閣議決定した環境基本計画においては、「基本的な方向」として、「重大な、あるいは取り返しのつかない破壊のおそれがある場合には、科学的な確実性が十分にないことをもって環境悪化を予防するための費用対効果の高い手段をとることを延期する理由とすべきではないという考え方に基づいて施策を進める」ことを定め、リオ宣言の原則十五の趣旨を盛り込んだところである。同計画の策定に当たっては、中央環境審議会企画政策部会において審議等が行われており、その経過等は別表二のとおりである。平成十二年十二月二十二日に閣議決定した環境基本計画(以下「第二次基本計画」という。)においても、「環境政策の指針となる四つの考え方」の一つとして「予防的な方策」を位置付け、環境問題のうち、「長期間にわたる極めて深刻な影響あるいは不可逆的な影響をもたらすおそれが指摘されている問題」については、「完全な科学的証拠が欠如していることを対策を延期する理由とはせず、科学的知見の充実に努めながら、必要に応じ、予防的な方策を講じ」ることを定め、リオ宣言の原則十五の趣旨を盛り込んだところである。第二次基本計画の策定に当たっては、中央環境審議会企画政策部会において審議等が行われており、その経過等は別表三のとおりである。

二について

リオ宣言の原則十五で示された「予防的な取組方法」の考え方は、国際的にも環境政策における重要なものの一つとして位置付けられていると承知している。御指摘の会議等に政府関係者は出席していないが、これらに係る会議文書や報告書を適時入手するなどして、「予防的な取組方法」の考え方に関連する重要な会議の結果や報告書の内容等について的確に把握し、これらの研究及び検討に努めている。

三について

化学物質に係る規制等を定めた法律のうち、第二次基本計画にいう「予防的な方策」の考え方に沿うもの及びその条項には、例えば次のものがある。

環境省、経済産業省及び厚生労働省の所管する法律としては、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和四十八年法律第百十七号。以下「化学物質審査規制法」という。)第三条、第四条等及び特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成十一年法律第八十六号)第五条等がある。

厚生労働省の所管する法律としては、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第六条等、毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)第十五条の三等、水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第四条等、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条等、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第五十六条等及び有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律(昭和四十八年法律第百十二号)第六条第一項等に規定する人の健康に対する化学物質等の影響を未然に防止するための各種の規制等がある。

また、これらの施行に関して必要な事項は、政令又は省令等に定められている。

四について

化学物質の安全性を評価するに当たり、必要な情報の収集等を政府が行うのではなく、当該化学物質の製造者等に行わせるものとしては、例えば、化学物質審査規制法においては、新規化学物質を製造し、又は輸入しようとする者は、当該化学物質が難分解性等の性状を有し、かつ、人の健康を損なうおそれがあるかどうかについて、あらかじめ一定の事項を主務大臣に届け出てその判定を受けなければならず、判定結果の通知を受けた後でなければ、当該化学物質を製造し、又は輸入してはならないとされているところ、届出の際、主務大臣の判定に資するよう、当該化学物質について実施される試験の試験成績の提出を求めることとしている。また、化学物質審査規制法第二条第四項の指定化学物質については、主務大臣は、試験成績その他当該指定化学物質に関して得られている知見及びその製造、輸入、使用等の状況からみて、当該指定化学物質が同条第三項の第二種特定化学物質に該当するかどうかを判定する必要があると認めるに至ったときは、当該指定化学物質の製造又は輸入の事業を営む者に対し、当該指定化学物質が継続的に摂取される場合における人の健康に及ぼす影響についての調査を行い、その結果を報告すべきことを指示することができるものとされている。

海外の動向については、例えば、欧州委員会が二千一年二月に公表した「今後の化学物質政策の戦略に関する白書」において、産業界は化学物質に関するデータの作成と評価及び化学物質の使用に係るリスクの評価について責任を負うべきであるとの考え方が示されていると承知しているが、同白書の内容が具体的にどのような形で実施されるかを含め、引き続き情報の収集に努める必要があると考えている。

五について

化学物質や農薬について、その有害性等に係る科学的知見が十分ではなくとも、製造、販売又は使用等に係る規制を行っている例としては、四についてで述べた新規化学物質に関する規制等がある。

御指摘のいわゆる化学物質過敏症等については、そのような病態の存在自体や化学物質による影響の有無を含めて学問的に未解明の点が多いが、人の健康に対する影響を未然に防止する観点から、各省が連携してこれらについての科学的知見を収集すべく調査研究を進めるとともに、その成果を公表するなどして、関係各方面におけるリスクの低減に向けた取組に資するよう普及啓発を図っている。

六について

第二次基本計画は、地方におけるヒアリング、パブリック・コメント手続等を実施することにより各界各層の意見を採り入れて策定したものである。第二次基本計画の第二部第二節においては、リオ宣言の原則十五を踏まえ、「環境政策の指針となる四つの考え方」の一つとして「予防的な方策」を位置付けており、そこで示した考え方は、第二次基本計画第三部に定めた各種の環境保全施策に反映させている。今後とも、この考え方に基づいた個別の施策を効果的に実施することが重要であると考えている。

七について

「予防的な方策」の考え方を盛り込んだ第二次基本計画については、パンフレットの配布、講演会等での説明等を通じて周知を図っている。また、「予防的な方策」の考え方及びそれに基づく各種の施策並びに国際的な動向等については、環境白書や環境省のホームページ等を通じて普及啓発等を図っている。

八について

第二次基本計画の第二部第二節においては、「環境政策の指針となる四つの考え方」の一つとして「予防的な方策」を位置付けており、そこで示した考え方に基づいて各種の環境保全施策を推進しているところである。

九の1について

いわゆる子供の環境保健については、御指摘の「マイアミ宣言」等の国際的な動向を踏まえ、子供の特性を考慮した環境基準の設定、子供の環境リスク評価に関する情報収集、内分泌かく乱化学物質に関する調査研究等を行ってきたところである。今後とも、胎児や乳幼児に対する化学物質の影響等に関する調査研究を推進し、得られた科学的知見を活用しつつ、着実な取組を進めてまいりたい。

また、御指摘の「閣僚宣言」で言及された「子供の環境保健の指標の開発」については、今後の国際会議等への参加を通じて諸外国の動向を把握しつつ、必要な対応について検討してまいりたい。

九の2について

環境基本法第十六条に基づく環境基準については、従来から、疫学調査や毒性試験等による科学的知見を基礎とし、対象物質によっては乳幼児等の存在を考慮した係数を使用するなどして、成人のみならず乳幼児等も含めて安全が確保できる数値を設定してきている。今後とも、こうした方針に基づき、適切な環境基準の設定に努めてまいりたい。

また、こうした取組に加え、子供の健康を損なうおそれのある化学物質については、製品等又は環境を経由した暴露の適切な管理、より安全性の高い代替物質への転換等に取り組むことが必要であると考えている。

九の3について

子供の環境保健については、九の1についてで述べたとおり、子供の特性を考慮した環境基準の設定、子供の環境リスク評価に関する情報収集、内分泌かく乱化学物質に関する調査研究等を行っているところであり、当面は、国際的な動向を注視しつつ、これらの取組を着実に進めてまいりたい。

九の4について

内分泌かく乱化学物質の問題については、内分泌かく乱作用のメカニズムなど科学的には未解明な点が多く、その解明のためには科学的知見を集積することが最も重要であるため、関係各省で連携しつつ、諸外国等とも協調しながら、内分泌かく乱作用が疑われる物質について、毎年、環境中の実態把握を行うとともに、内分泌かく乱作用を確認するための試験評価方法の開発及び動物実験の実施、文献調査等の取組を進めている。

なお、その過程において、内分泌かく乱作用の有無にかかわらず、有害性が認められた化学物質については、リスク評価を行った上で、適切なリスク管理を行うこととしている。

九の5について

化学物質が複合的に作用した場合の健康への影響については、例えば、厚生労働省においては、子供に対する影響の解明を目的として、動物を用いた実験や妊婦及び乳幼児を対象とした疫学研究等を行っており、環境省においては、化学物質の複合暴露に関する基礎データの収集を目的として、河川水、大気及び土壌中の変異原性物質に関する調査研究を行っている。引き続きこれらの調査研究を進めるとともに、その成果を今後のリスク評価及びリスクを低減するための取組に活用してまいりたい。

別表一(1/2) 中央公害対策審議会企画部会及び自然環境保全審議会自然環境部会における審議の経過等

別表一(2/2) 中央公害対策審議会企画部会及び自然環境保全審議会自然環境部会における審議の経過等

別表二(1/2) 中央環境審議会企画政策部会における審議の経過等

別表二(2/2) 中央環境審議会企画政策部会における審議の経過等

別表三(1/2) 中央環境審議会企画政策部会における審議の経過等

別表三(2/2) 中央環境審議会企画政策部会における審議の経過等

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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