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滋賀県志賀町和邇中の廃棄物不法処分問題に関する質問主意書

参議院 第155回 第17号

提出者
参議院
提出日
2002年12月12日
内閣転送 2002年12月13日
答弁書受領日
2003年1月31日
提出から50日
答弁の項目数
9
質問 1,730字/答弁 3,617字

質問本文

滋賀県志賀町和邇中に、国内最大級と言われる膨大な量の廃棄物が不法に埋め立てられている。

現地は、元の地面より約四十メートルも高い巨大なごみの山ができており、地表の割れ目からガスが噴出し続けている。割れ目の周囲では草が枯れ、住民の苦情と不安が強まっている。付近には人家や田畑があり、このような状況を放置することはできない。

また、汚濁物質による地下水汚染のおそれが強く、周辺の流系はもとより、京都・大阪の水道水源となっている琵琶湖への影響が懸念される。

これまで、滋賀県として、無許可処分業者に対して、不法埋立てごみの撤去を行わせるなどしてきたが、その後も不法投棄が拡大され、責任者は再三警察当局に検挙されている。埋立て規模の大きさや不法行為者の実態からすると、滋賀県だけで解決できるとは考えられない。来年三月には、滋賀、京都、大阪で第三回世界水フォーラムの開催が予定されており、事態の一刻も早い解決が求められている。青森・岩手県境の産廃不法投棄については、環境省が合同検討委員会に参加し、撤去費用も半額負担するとしているが、本件についても、国が直接関与して解決することが必要だと考える。

そこで、以下の点について、質問する。

一、実態の把握について

1 埋立量は、その外形からおよそ百万立方メートルとも百七十万立方メートルとも推定されているが、環境省は、滋賀県に確認した結果として、「投棄物中には残土がかなりの量を占めているものと考えている」と回答している。しかし、残土がほとんどであれば、ガスの噴出は考えられない。どのような調査、根拠に基づいて、残土が多いと確認したのか。

2 今後の対策のためにも、まず、実態を正確に把握する必要がある。投棄廃棄物の量及び内容物を早急に調査し、確認すべきではないか。

3 廃棄物の不法投棄は、直接行為者とともに、廃棄物の処分を委託した者の責任も重大である。排出者の責任を明らかにし、適切な解決を図るために、埋め立てられているごみの内容を精査し、排出者を特定する必要があるのではないか。

二、生活環境への影響、周辺住民の被害の防止について

1 ごみの山からは、高さ五~六メートルもガスが噴出している。このガスについては、滋賀県の検査の結果、悪臭物質、有害大気汚染物質、可燃性ガス、その他揮発性有機化合物が検出された。このような状態を放置せず、早急に、ガスの発生原因を解明し、噴出を止める手立てを講ずべきではないか。

2 噴出ガスについての滋賀県の調査では、「直ちに周辺生活環境等に影響が懸念されるような高いレベルのガスは検出されなかった」としている。今後、敷地境界四地点で大気濃度調査を実施する予定とのことだが、不法投棄面積の広さに比べて、余りに少な過ぎる。大幅に調査地点を増やし、継続的に、周辺の大気調査を行い、公表すべきではないか。

3 ガスが噴出し続けている状況の下で、限られた大気の濃度測定だけでは、住民の不安が払拭されるものではない。周辺住民の健康や生活への影響についても調査を実施すべきではないか。

4 水質汚染については、滋賀県が、一九九九年十月と二〇〇一年四月に、それぞれ不法埋立地内三か所、隣接地三か所の調査を行い、一部で砒素やカドミウムが検出されている。しかしその後、継続的な水質調査は行われていない。浸透水や地下水について、調査地点を大幅に増やし、継続的な水質検査を行い、公表すること。さらに、周辺の公共用水域の汚染を防止するための措置を講ずべきではないか。

5 ごみの山は、高さ四十メートル近くに達し、適切な土留めも設置されていない。上部には地割れもあり、崩落が心配されている。危険度を調査し、応急的な崩落防止対策を講ずべきではないか。

三、根本的な解決について

1 最終的には、大量の埋立てごみを撤去し、適正に処理することが必要である。国、県、市町村を含む対策委員会を設置し、根本的な解決策の検討を早急に開始すべきではないか。

2 撤去等に必要な経費について、不法投棄された廃棄物の排出者に応分の負担を求めるべきではないか。

3 根本的な対策のためには、国も財政支援をすべきではないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

お尋ねは、平成十四年十月十七日付けで参議院議員岩佐恵美事務所に対してファクシミリにより送信した文書についてのものと考えられるが、当該文書における御指摘の箇所は、滋賀県(以下「県」という。)に対してお尋ねの廃棄物が投棄された地域(以下「本件投棄地」という。)における廃棄物の量を確認したところ、本件投棄地には、残土処理と称して残土中に廃棄物が混ぜて投棄されており、投棄物中には残土がかなりの量を占めていると考えている旨の県からの回答をお伝えしたものである。

一の2について

本件投棄地における廃棄物の量等の調査について、県に確認したところ、本件投棄地に投棄されたものの多くは残土であると認識しており、現段階では本件投棄地全域における廃棄物の量等を調査することは考えていないが、引き続き本件投棄地の監視を行うとともに、本件投棄地の南東部の区域については、ガスが発生している状況を踏まえ、投棄されている廃棄物の量等の把握に努めたいとのことである。

なお、環境省においては、県が、今後、本件投棄地の監視等を継続して行う中で、生活環境の保全上支障が生ずるおそれがあると認められる場合には、本件投棄地の南東部の区域以外の区域についても投棄されている廃棄物の量の把握を行う等適切な措置を講ずべきであると考えており、必要に応じ助言を行ってまいりたい。

一の3について

県は、本件投棄地への廃棄物の投棄は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「法」という。)第十二条第一項に規定する産業廃棄物処理基準(特別管理産業廃棄物にあっては、法第十二条の二第一項に規定する特別管理産業廃棄物処理基準)に適合しない産業廃棄物の処分であることから、当該処分を行った者(以下「行為者」という。)に対し、これまでも当該処分が行われた廃棄物の撤去等必要な措置を講ずるよう指導してきたところであり、引き続き行為者に対し指導を行っていくとのことである。

環境省においては、県知事は、行為者の責任を追及するとともに、法第十八条第一項の規定に基づく行為者等に対する報告の徴収及び法第十九条第一項の規定に基づく行為者等の事務所等への立入検査を行い、行為者に処分を委託した者を特定し、その責任を追及していくことが必要であると考えており、必要に応じ助言を行ってまいりたい。

二の1について

お尋ねの県の検査については、平成十四年十月四日にガスが噴出している地割れ部分の土中からガスを採取し、大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)附則第九項に規定する指定物質抑制基準(以下「指定物質抑制基準」という。)又は悪臭防止法(昭和四十六年法律第九十一号)第四条第一項第一号に規定する規制基準(以下「規制基準」という。)が定められている物質等について、その濃度を分析したものであり、多種類の物質が検出されたものの、いずれの物質も指定物質抑制基準、規制基準等において定められている基準値を超過していないことから、直ちに周辺生活環境等に影響が懸念されるような高い濃度の物質は検出されなかったとされていると承知している。

また、当該ガスによる周辺環境への影響状況を確認するため、同年十一月二十七日及び二十八日にガスの噴出地点より方角の異なる敷地境界四地点において大気環境調査が実施され、その調査結果が同年十二月二十七日に公表されたが、規制基準又は環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項の規定による大気の汚染に係る環境上の条件につき人の健康を保護する上で維持することが望ましい基準(以下「環境基準」という。)が定められている物質については、規制基準又は環境基準において定められた基準値を超過しておらず、また、その他の物質についても、県内の一般的な地域におけるものと比較して、同等又はそれ以下の濃度であることから、周辺環境への影響は認められなかったとされていると承知している。

県としては、これらの調査結果から、当該ガスにより直ちに周辺の生活環境等に影響が生じることは想定しておらず、現段階では当該ガスの発生原因について調査し、ガスの噴出を止めることは検討していないが、今後とも本件投棄地への定期的な立入検査により監視を継続していくとのことであり、環境省においても、必要に応じ助言を行ってまいりたい。

二の2について

二の1についてで述べたとおり、お尋ねの敷地境界四地点における大気濃度調査については、平成十四年十一月二十七日及び二十八日に実施され、その調査結果が同年十二月二十七日に公表されたが、当該調査は、噴出しているガスによる周辺環境への影響状況を確認するために、ガスの噴出地点より方角の異なる敷地境界四地点において調査を実施したものと承知しており、その調査方法は妥当なものであると考える。

本件投棄地においてガスが発生しているのは、現在のところ南東部の区域のみであることから、県としては、その他の地点において大気環境調査を行うことは考えていないとのことであるが、新たなガスの発生が認められる場合には、当該ガスによる周辺環境への影響についての調査の実施についても検討を行うとのことであり、環境省においても、必要に応じ助言を行ってまいりたい。

二の3について

二の1についてで述べたとおり、県としては、お尋ねのガスにより直ちに周辺の生活環境等に影響が生ずることは想定しておらず、現段階では周辺住民の健康や生活環境への影響について調査を行うことは検討していないが、今後とも本件投棄地への定期的な立入検査により監視を継続していくとのことであり、環境省においても、必要に応じ助言を行ってまいりたい。

なお、県は、本件投棄地の周辺住民の不安を払拭するため、二の1についてで述べた調査結果について当該住民の代表者に対し説明していると承知している。

二の4について

県が平成十一年十月十五日に本件投棄地の内外三か所において実施した水質調査においては、本件投棄地内の溜まり水からは砒素及びカドミウムが検出されたが、本件投棄地からの伏流水及び本件投棄地の周辺の公共用水域からは有害物質は検出されなかったこと、また、平成十三年四月二十一日に本件投棄地の周辺の公共用水域三か所において実施した水質調査においては、いずれからも有害物質は検出されなかったこと、さらに、現在、本件投棄地の周辺において飲用井戸を利用している民家等は無いことから、県としては、現段階では地下水等の水質調査を実施すること及び本件投棄地の周辺の公共用水域の水質汚濁を防止するための措置を講ずることは考えていないとのことである。

環境省においては、県が、今後、本件投棄地の監視を継続する中で定期的に水質調査を実施し、その結果を踏まえ、必要に応じて地下水等の水質調査を実施する等適切な措置を講ずべきであると考えており、必要に応じ助言を行ってまいりたい。

二の5について

本件投棄地における崩落の可能性及び崩落防止対策について、県に確認したところ、本件投棄地の南東部の区域では複数の地割れが確認されるものの、直ちに崩落が発生するおそれはないことから、現段階では崩落防止対策を行う必要はないが、定期的に立入検査を継続し、崩落の可能性が認められる場合には、必要な対策を検討するとのことであり、環境省においても、必要に応じ助言を行ってまいりたい。

三について

本件投棄地における廃棄物の処理について、県に確認したところ、本件投棄地に投棄されたものの多くは残土であると認識しており、現段階では本件投棄地全域の廃棄物を選別し、撤去する必要があるとは考えていないが、本件投棄地の南東部の区域については、ガスが発生している状況を踏まえ、行為者に対し投棄された廃棄物の撤去等必要な措置を講ずるよう一層の指導に努めたいとのことであり、また、当該措置の内容等については、県、大津市及び志賀町が共同して設置した「大津・志賀地域ごみ対策会議」において検討を行いたいとのことであり、環境省においても、必要に応じ助言を行ってまいりたい。

なお、県が、今後、本件投棄地の監視等を継続していく中で、生活環境の保全上支障が生ずるおそれがあると認められるときは、県知事は、行為者のほか、法に規定する委託の基準に違反した者等に対しても、法第十九条の五又は第十九条の六の規定に基づく命令により、支障の除去等の措置を講じさせることができることとされている。

また、これらの者がこの命令に係る措置を講じないとき又はこれらの者を確知することができないとき等の場合には、県知事が自らその支障の除去等の措置を講ずることができることとされており、その支障の除去等の措置の実施に要する経費については、国の補助金等により支援する制度が設けられている。

参議院の原文

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