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滋賀県栗東市の株式会社アール・ディエンジニアリング産業廃棄物処分場に関する質問主意書
衆議院 第164回 第19号
質問本文
株式会社アール・ディエンジニアリング(滋賀県栗東市上砥山二百九十二番地の一)の産業廃棄物処分場(以下「アール・ディ処分場」という。)は、昭和五十四年、滋賀県栗東市小野に、安定型処分場として滋賀県より許可を受けて設立され、その後、産業廃棄物の埋め立てが行われた。平成十年に、施設設置計画上の深さを超え、粘土層を貫通するまで土壌を掘削し産業廃棄物を埋めた事実が発覚し、平成十一年には致死量の約十五倍の硫化水素ガスが発生するなど、周辺環境への汚染問題も明らかになった。
滋賀県は、平成十三年に、株式会社アール・ディエンジニアリングに対し、水処理施設と沈砂池の設置、産業廃棄物の移動、地下水汚染対策を内容とする廃棄物処理法上の改善命令を行った。これを受け、同社による一連の是正工事が行われてきた。
しかし、滋賀県や栗東市の複数回に及ぶ調査によれば、アール・ディ処分場周辺地域の地下水、浸透水からは、現在に至るまで有害物質が検出されている。さらに、滋賀県が行ったアール・ディ処分場市道側の掘削調査では、百五個のドラム缶と、六十九個の一斗缶が見つかっている。
処分場周辺地域の住民は、問題の発生から六年を経過した現在でも、有害物質により人体に甚大な影響を被るおそれに強い不安を抱き、その不安の一刻も早い解消を願いながら生活している。
アール・ディ処分場の問題については、周辺地域住民の健康問題、産業廃棄物処分場の適切な管理と安全保持の観点から、政府としても実態の把握に全力であたるとともに、滋賀県への迅速かつ的確な指示等を行うことが求められている。
以下質問する。
一 滋賀県や栗東市が行ってきたアール・ディ処分場周辺の複数回に及ぶ浸透水、地下水の調査によれば、環境基準を超えて、COD、シス‐一・二‐ジクロロエチレン、フッ素、ホウ素、ダイオキシン類等が検出されている。産業廃棄物処分場において環境基準を超える数値が確認された場合、政府としてはどのように対応していくべきなのか。特に、安定型処分場において、このような問題が発生した場合、当該土壌の分析検査はどのように行われることとなるのか、法制度面も含め伺いたい。
二 アール・ディ処分場周辺の地下水の調査によれば、環境ホルモンであるビスフェノールAも検出されている。廃プラスチックの埋め立てによりビスフェノールAが地下水に浸透しているものと考えられるが、これら環境ホルモンは人体へ甚大な影響を与えることから、放置しておくことのできない状況にあると思われる。政府としては早急に産業廃棄物処分場に関する環境基準にビスフェノールAをはじめとする環境ホルモンに関する事項も設けて規制すべきであると考えるが、これに関する方針を伺いたい。
三 アール・ディ処分場の環境汚染問題は、発生から六年も経過しているにもかかわらず、周辺の有害物質が検出されるなど未だ解決に至っていない。政府はこの問題の実態をどの程度把握しているのか。また、もし把握しているのならば、この問題についていかなる認識を有しているのか、あわせて伺いたい。
四 周辺地域住民の健康問題、産業廃棄物処分場の適切な管理と安全保持の観点から、廃棄物行政の最終責任主体である政府は、この問題の解決に向けて、滋賀県に対し、廃棄物処理法に基づく知事に対する指示その他住民サイドに立った相当の措置等を迅速かつ適切に行うべきだと考えるが、現在までに、政府は、滋賀県に対し、どのような対応をしてきたのか、時系列で詳細に答えられたい。また、今後、この問題に対して、政府として、どのように対応していこうとしているのか伺いたい。
五 政府は、産業廃棄物に係る不適正処理事案が生じた場合における政府と地方公共団体との関係はいかにあるべきと考えているのか伺いたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(昭和五十二年総理府・厚生省令第一号。以下「基準省令」という。)においては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号。以下「令」という。)第七条第十四号イからハまでに掲げる産業廃棄物の最終処分場(以下「最終処分場」という。)の設置者は、周縁の地下水等の水質検査を行い、その結果が基準に適合していない場合には、必要な措置を講ずることとされているが、本件のように最終処分場の維持管理が基準省令に適合していないと認めるときは、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長。以下同じ。)が必要に応じ、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「法」という。)第十九条第一項の規定に基づく立入検査により水質検査等を行うとともに、法第十五条の二の六の規定に基づき改善命令等を発出することとされており、当該最終処分場が令第七条第十四号ロに掲げる安定型最終処分場である場合についても同様である。
なお、国は、都道府県に対し、法第四条第三項の規定に基づき、廃棄物の適正な処理が行われるよう必要な技術的援助等を与えることに努めることとされている。
二について
平成十七年三月に環境省が専門家等による検討を経て公表した「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について―ExTEND2005―」においては、内分泌かく乱作用を有するとされる化学物質のリスク管理に関して、「現時点では内分泌かく乱作用の観点から、規制的にリスク管理を行うことが必要な化学物質として該当するものはないと考えられる」とされていることから、最終処分場に関する基準として御指摘の「ビスフェノールAをはじめとする環境ホルモン」に関する基準を新たに設けることは、現時点では考えていない。
三について
株式会社アール・ディエンジニアリング(以下「アール・ディ」という。)が設置する最終処分場における周縁の地下水については、基準省令で定める基準値を超過している項目が一部あることから、滋賀県が平成十三年十二月二十六日付けで、浸透水の浄化に向けた水処理設備の設置等を主な内容とする改善命令を発出したと承知しており、当該命令に基づいてアール・ディによる対応がなされたとの報告も含め、本件については、滋賀県より随時報告を受けている。本件については、滋賀県はアール・ディに対して必要な措置を講じてきていると認識している。
四について
政府としては、平成十年以降、必要に応じ滋賀県に対し助言を行ってきたところであり、今後とも滋賀県に対し、法に基づく適切な措置を講じていくよう助言してまいりたい。
五について
産業廃棄物に係る不適正処理事案が発生した場合は、法第十五条の二の六、法第十九条の五第一項等の規定に基づき、都道府県知事が改善を命ずる等の措置を講ずることとされており、緊急の必要があると認めるときは、環境大臣が法第二十一条の三の規定に基づき、都道府県知事に対し、法第十九条の五第一項等の規定による命令に関する事務に関し必要な指示をすることができるとされている。また、国は、法第四条第三項の規定に基づき、都道府県に対し必要な技術的及び財政的援助を与えること並びに広域的な見地からの調整を行うことに努めることとされている。
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