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アメリカ合衆国政府の有償援助による装備品等の調達に関する質問主意書
参議院 第168回 第71号
質問本文
防衛省では、我が国で開発されていない装備品等を調達するため、アメリカ合衆国政府の有償援助により装備品等及び役務の調達を実施している。この有償援助は、我が国が米国側に代金を前払いした後に納入が始まり、納入が完了した後に精算をして価格を確定させることになっているが、実際には我が国が代金を支払ったのに精算が完了していない場合や長年にわたって現物が納入されていないケースも多数かつ多額に及んでいる。会計検査院も平成九年度、平成十四年度及び平成十五年度決算検査報告において、防衛庁(現在の防衛省。以下同じ。)の問題点を厳しく指摘して改善を求めている。しかし、どこまで改善が進んでいるのか不透明な部分が多い。
こうした有償援助については、我が国の負担を少しでも軽減することが必要であり、政府がどのような方策でその軽減を図ってきたかを確認する必要がある。
そこで、以下のとおり質問する。
一 会計検査院の平成九年度決算検査報告では、「(昭和)五十四年度から平成九年度までの間に支払った前払金の総額一兆四千六百五十一億余円に対する九年度末現在の未精算額は、三千三百四十五億余円の多額に上っている。」としている。この場合、未精算額とは前払金の総額から精算済額(納付確認額プラス余剰金返済額)を控除したものとして扱われている。
1 昭和五十四年度から平成十八年度まで、年度ごとに支払った前払金の額、及び各年度末現在の未精算額を明らかにされたい。
2 各年度において、未精算の内訳を、出荷予定時期が経過したものとそうでないものとに区分し、前者については、調達品の納入が遅延しているものと調達品の納入がされたのに精算が遅延しているものとに区分して、それぞれのケース数と金額を明らかにされたい。
3 前記のうち、調達品の納入が遅延しているものについては、出荷予定時期から経過年数別(例えば一年以上二年未満、二年以上三年未満など)に、ケース数、前払金額及びそのうちの未精算額を明らかにされたい。
二 有償援助での調達にかかる価格については、米国側との交渉の余地があるのか、それともその余地はなく米国側の言い値のとおりになっているか、明らかにされたい。また、政府が実際に価格交渉を行って低減した事例があるか、ある場合は、それを明らかにされたい。
三 米国側からの納入が予定時期より遅延した場合には、これまでどのような措置を講じてきたか、督促は行っていたか、遅延が一定期間を経過すると必ず督促するような制度になっているか、また督促をしたにもかかわらず米国側から納入がなお遅延した場合に、契約の解除及び損害賠償の請求をしたことがあるか、あった場合、いつどのような場合であったか、それぞれ明らかにされたい。
四 未精算のまま五年以上も放置され、結局、納入がなされないままになっているケースがあるか。この場合、我が国が支払った代金はどのように処理されたか、それぞれ明らかにされたい。
五 これまで有償援助で納入された調達品は、すべて我が国が米国政府からしか調達できないものか、それとも一部は民間からも納入が可能なものか明らかにされたい。仮に民間からも納入が可能な物品がある場合は、どのようなものがあるか明らかにされたい。また、その場合、競争入札が可能か否かについても明らかにされたい。
六 未精算金は、米国側に資金が滞留していることになり、近時、これについては米国側で利息を付するように制度が改められたと聞いているが、いつからこうした合意ができたか、また、いつからどの程度の利息の付与が実施されているか、現時点での未精算金額及び利息の付与額をそれぞれ明らかにされたい。
こうした未精算金及び利息を我が国が引き取り、歳入として国庫に収納することは可能か、また、こうした処理を行ったことがあるか、明らかにされたい。
七 会計検査院の平成十五年度決算検査報告において、防衛庁では、「合衆国政府から残余資金が発生しており、その返還等の取扱いについて指示を求める旨の通知をそれぞれ十三年一月、十四年一月、十五年一月及び十六年四月に受領していたが、最終計算書の発給後は原則として我が国に帰属すべき資金は発生しないと認識しており、残余資金に係る制度についての理解が十分でなかったことなどから、これらの通知を看過し、処理しないままとなっていた。」と厳しく指摘されている。これはこの指摘のとおりか、また、現在ではどのように改善が図られているか、それぞれ明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
平成十四年度から平成十八年度までの間についてお答えすれば、米国の有償援助による装備品等の調達のために米国に支払った前払金の各年度ごとの合計金額は、平成十四年度約五百八十八億円、平成十五年度約六百七億円、平成十六年度約八百十三億円、平成十七年度約千百七億円、平成十八年度約千百四億円である。また、有償援助による調達の実施に関する訓令(昭和五十二年防衛庁訓令第十八号)第二十四条の規定に基づく給付の確認がされていない装備品等に係る前払金額は、平成十四年度末で約二千四百四十七億円、平成十五年度末で約二千三百三十六億円、平成十六年度末で約二千二百十六億円、平成十七年度末で約二千六百五十七億円、平成十八年度末で約三千二百三十九億円である。
一の2について
一の1についてで述べた給付の確認がされていない装備品等を含むケースについて、出荷予定時期が経過した装備品等を含むもの(以下「出荷予定時期経過ケース」という。)と出荷予定時期が経過した装備品等を含まないものとに区分して、それぞれの数をお答えすると、平成十四年度末で七百六十九ケース、三百九十九ケース、平成十五年度末で六百五十六ケース、四百三十三ケース、平成十六年度末で六百二十ケース、四百二十三ケース、平成十七年度末で六百十五ケース、四百九十一ケース、平成十八年度末で六百二十五ケース、四百八十九ケースである。
また、右に述べた出荷予定時期経過ケースについて、納入が遅延している装備品等があるもの(以下「納入遅延ケース」という。)と、すべての装備品等が納入されたが精算が遅延しているもの(以下「精算遅延ケース」という。)とに区分して、それぞれの数をお答えすると、平成十四年度末で百二十九ケース、六百四十ケース、平成十五年度末で百九ケース、五百四十七ケース、平成十六年度末で九十九ケース、五百二十一ケース、平成十七年度末で百三ケース、五百十二ケース、平成十八年度末で百五ケース、五百二十ケースである。
一の1についてで述べた給付の確認がされていない装備品等に係る前払金額について、出荷予定時期経過ケースに係るものと出荷予定時期が経過した装備品等を含まないケースに係るものとに区分すると、それぞれ、平成十四年度末で約千五百九十六億円、約八百五十一億円、平成十五年度末で約千四百十六億円、約九百二十億円、平成十六年度末で約千二十六億円、約千百九十億円、平成十七年度末で約九百四十二億円、約千七百十五億円、平成十八年度末で約千六十億円、約二千百七十九億円である。
また、右に述べた出荷予定時期経過ケースに係る前払金額について、納入遅延ケースに係るものと、精算遅延ケースに係るものとに区分すると、それぞれ、平成十四年度末で約五百十二億円、約千八十四億円、平成十五年度末で約三百八十九億円、約千二十七億円、平成十六年度末で約百七十四億円、約八百五十二億円、平成十七年度末で約二百二十三億円、約七百十九億円、平成十八年度末で約三百四十五億円、約七百十六億円である。
一の3について
一の2についてで述べた納入遅延ケースのうち例えば平成十八年度末についてお答えすると、出荷予定時期からの経過年数が三年以上の装備品等を含むケースの数、当該ケースに係る前払金額及びこのうち給付の確認がされていない装備品等に係る前払金額は、それぞれ、二十九ケース、約二百二十五億円及び約七十八億円であり、出荷予定時期からの経過年数が二年以上三年未満の装備品等を含むケース(当該ケースのうち経過年数が三年以上の装備品等を含むケースを除く。)の数、当該ケースに係る前払金額及びこのうち給付の確認がされていない装備品等に係る前払金額は、それぞれ、二十二ケース、約百十億円及び約八十億円であり、出荷予定時期からの経過年数が一年以上二年未満の装備品等を含むケース(当該ケースのうち経過年数が二年以上の装備品等を含むケースを除く。)の数、当該ケースに係る前払金額及びこのうち給付の確認がされていない装備品等に係る前払金額は、それぞれ、二十九ケース、約百十五億円及び約九十五億円である。
二について
有償援助での調達に係る価格は、米国と契約を締結するまでに、適宜、米国に対し交渉を行い、それによって、その価格が低減した事例もある。
三について
米国側からの装備品等の納入が出荷予定時期から相当の期間遅延した場合には、当該装備品等について、米国に対し出荷促進の要請を行っている。また、納入が遅延した装備品等に関して、米国に対し発注の取消し及び損害賠償の請求を行った事例はない。
四について
米国側からの装備品等の納入が出荷予定時期から相当の期間遅延した場合には、当該装備品等について、米国に対し出荷促進の要請を行っており、御指摘のように「放置」されたケースはない。
五について
これまで有償援助によって納入された装備品等の一部には、民間からも調達することが可能であったものもあり得るとは思われるが、防衛省(平成十九年一月九日より前は防衛庁。以下同じ。)としては、個々の装備品等ごとに、価格、取得時期等を考慮して、有償援助によって調達したものであると考えている。
六について
平成十七年三月、給付の確認がされていない装備品等に係る前払金のほとんどを管理する利子付口座を米国内に開設した。当該利子は、国庫に収納されており、平成十九年九月末までの当該利子の総額は、約百六十六億円である。また、平成十九年九月末時点における、給付の確認がされていない装備品等に係る前払金額は、約三千二百五十億円であり、給付の確認がされた後に国庫に収納される。
七について
防衛省においては、会計検査院による御指摘のような決算検査報告を踏まえ、毎年度、御指摘の残余資金の返済を米国に対し請求しており、平成十六年度に約五億四千万円、平成十七年度に約一億六千万円、平成十八年度に約八億円がそれぞれ国庫に収納されている。
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