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シベリア抑留問題の最終解決に向けた取組に関する質問主意書

参議院 第170回 第145号趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
2008年12月19日
内閣転送 2008年12月25日
答弁書受領日
2009年1月9日
提出から21日
答弁の項目数
9
質問 2,558字/答弁 2,150字

質問本文

戦後六十三年目の年の瀬を迎え、シベリア・モンゴル抑留を体験された方々の訃報が増えている。十月二十日には地元栃木県の先輩で、かねてより親しくさせていただいた全国抑留者補償協議会の寺内良雄会長が、八十四歳で亡くなった。酷寒の地での強制労働に対する未払い賃金見合いの特別給付金法の制定による抑留問題の最終解決を待ち望んでおられたのに、その期待に応えられぬままであることは断腸の思いである。早期に抑留問題の解決を実現しなければならないと改めて強く感じる。以下、質問するが、これまでのように複数の質問項目に総括的にまとめて答弁するのではなく、個々の質問の意図をはぐらかすことなく、質問項目ごとに一問一答の形式で、長年明確な政府の答弁を待ち望んでいる諸先輩方に心より敬意を払った形にて、真摯に答弁されたい。

一 去る十月一日にモスクワで第三回目の抑留者問題に関する日露協議が行われた。第二回目までと比べて、どのような成果が上がったのか、具体的に明らかにされたい。

二 第四回目はいつを予定していて、その際の課題は何になると考えているか。

三 一九九一年に日ソ間で「捕虜収容所に収容されていた者に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定」(以下、「協定」という。)を締結してからすでに十七年が経過した。日露協議も今回で三回目だが、時間をかけている割にはあまり成果があったとは思えない。これまでの歩みをどのように評価しているのか。

四 次の日露協議がいつ開かれるか分からないのであれば、協定に基づく両国間の取組により、これまでに判明した資料・事実をまとめ、検証した報告書を日本政府が作成し公表することは、抑留の全貌を明らかにするために極めて有益だと考えるが、いかがか。

五 ロシア政府のペースに合わせて数年に一度しか協議を行わないのではなく、年次計画であるとか今後の作業工程表等を作成して、協議の進捗を図るべきではないか。

六 今回の協議の際に、「呼称問題」についても議論したと聞くが、どのようなやり取りがあったのか、具体的に明らかにされたい。

七 「呼称問題」に関し、「捕虜」なのか「抑留者」なのかという議論は以前からある。当事者の心情として「捕虜」は不名誉な存在で、あまり「捕虜」と言われたくないとの声があることは承知しているが、これは戦前の間違った軍国主義教育の結果で、「戦陣訓」が刷り込まれているためと私は考える。海外では米・英、中国でも、捕虜は英雄として敬意を持って待遇され、毎年十一月十一日には、第二次大戦中にフィリピンで捕虜になり、その後九州大牟田の炭鉱で労働させられた元米軍捕虜の代表らが米国大統領をホワイトハウスに訪ね、大統領は彼らに敬意を表している。日本政府はロシア政府に対し、シベリア抑留者を「捕虜」として認めるよう、主張しているのか、それとも「抑留者」であると主張しているのか。

八 満鉄等に属した民間人も多く抑留されたので、全体を「抑留者」と呼ぶのは分かるが、旧関東軍などから強制移送された軍人・軍属は当時の国際法に照らして「捕虜」であると考えるが、いかがか。

九 少なくともシベリア・モンゴルに抑留された軍人・軍属は当時の国際法に照らして「捕虜」としての権利を侵害された犠牲者であると考えるが、そのようにロシア側に対して主張するべきではないか。

十 かつて私の質問主意書に対し、一度は「いわゆるシベリア抑留は、人道上問題であるのみならず、当時の国際法に照らしても問題のある行為であったと認識して」(シベリア抑留問題に関する質問に対する答弁書(内閣参質一五九第九号))と答弁しておきながら、「千九百二十九年の俘虜ノ待遇ニ関スル条約については、当時、日本及びソ連邦のいずれも締結しておらず、両国間にはこの条約の適用はなかった。千九百七年の陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約(明治四十五年条約第四号)については、両国とも締約国であったが、同条約第二条のいわゆる「総加入条項」により交戦国がすべて同条約の当事者である時に限って適用されることとされていた」(シベリア抑留及び旧ソ連邦による漁船だ捕・抑留に関する質問に対する答弁書(内閣参質一六四第七一号))とも答弁しているが、結局どの国際法に照らしていわゆるシベリア抑留は問題のある行為であったと政府は認識しているのか。

十一 市販されている国語辞書「大辞泉」によると、「拉致」とは「無理やりに連れて行くこと」との意味であるとされる。政府は、「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律」における「拉致」とはどのような意味と解釈しているか。

十二 「拉致」の意味を「無理やりに連れて行くこと」と解する前提で、シベリア・モンゴル抑留はソ連国家による大規模な「拉致」事件であり、抑留者は「拉致」被害者でもあったと考えるが、いかがか。

十三 二〇〇九年三月末に旅行券の申請受付を終えて、政府としてはシベリア抑留問題の幕を引くつもりなのか。到底幕引きができるような状態ではないと思うが、二〇〇九年度以降、シベリア・モンゴル抑留に関して、どのような部門がどのような施策を考えているのか。

十四 政府として、日露協議を進展させ、抑留者問題の全資料を早急に入手・検証し、実態の全貌を明らかにできるよう、日本政府単独でも年次計画やロードマップを作成するなどして、真剣に取り組んでもらいたいと考えるが、いかがか。

十五 生存者にとって残された時間が少なくなる中、効率的にシベリア抑留の真相を究明していくため、日露両国の民間の研究者らへの一部業務の委嘱や作業への参加も検討するべきではないか。

十六 二〇〇七年十月、私の元に、チェコ在住のロシア人から、四十名分の日本人強制抑留者の名簿を有償で提供したいとの申し入れがあった。ロシア政府が把握していない、民間に埋もれた資料情報がかなりある可能性がある。そこでロシア政府に交渉して、民間に埋もれている情報を募るインターネットサイトを、期間限定で開設させてはどうか。その開設費用や情報提供者への高額でない謝金等についても、日本政府の予算あるいは平和祈念事業特別基金から支出することを検討してはどうか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一から三まで及び五について

政府は、ロシア連邦政府との間で、捕虜収容所に収容されていた者に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定(平成三年外務省告示第三百十一号。以下「協定」という。)に基づき、遺骨の収集、墓参、資料調査、慰霊碑建立等の様々な取組を行ってきており、一定の成果を上げているものと認識しているが、これらの取組を更に効果的に実施すること等を目的として、いわゆるシベリア抑留問題に関する日露協議(以下「日露協議」という。)をこれまで三回にわたり実施したところである。

平成二十年十月に行われた御指摘の第三回日露協議においては、これまでの協議に引き続き、協定に基づく取組等に関する議論が行われ、いわゆるシベリア抑留問題に両国が真摯に取り組んでいくことが両国民間に真の信頼関係を築いていく上でも不可欠であり、そのためにも、協定に基づき、抑留中死亡者の名簿、埋葬地に関する資料等の課題についての取組を着実に進めることが重要であるとの認識で一致したほか、これらの課題に関する協力を更に強化していくことで一致した。

お尋ねの第四回日露協議の日程等については、現時点では決まっていないが、政府としては、今後とも、協定に基づく取組を更に効果的に実施すべく、様々な機会をとらえてロシア連邦政府との間で協議を行っていく考えである。

四について

いわゆるシベリア抑留中死亡者のうちには、ロシア連邦政府等からいまだ資料が提供されていない者が相当数あることから、当面は、協定に基づく日露両政府の協力の下、これらの者についての情報の把握につながる資料の調査に注力してまいりたい。

六から十までについて

いわゆるシベリア抑留者の呼称の問題については、政府として、抑留の経緯及び抑留者団体の要望を踏まえ、「抑留者」の呼称を用いるようロシア側に求めてきており、御指摘の第三回日露協議においても、我が方からこの問題を提起したが、ロシア側の受け入れるところとなっていない。

政府としては、いわゆるシベリア抑留は、人道上問題であるのみならず、当時の国際法に照らしても問題のある行為であったと認識しており、「日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ムノ機会ヲ得シメラルヘシ」とするポツダム宣言第九項に違反したものであったと考えている。また、いわゆるシベリア抑留が発生した当時の国際法上、一般に、敵の権力下に入った軍人及び軍属は捕虜として扱われ、捕虜としての待遇を受け得るものであり、旧ソヴィエト社会主義共和国連邦によって抑留された我が国の軍人及び軍属についても、呼称の問題は別として、国際法上正当な人道上の待遇を受ける権利を有していたと考えている。

政府としては、このような問題意識に立脚して、いわゆるシベリア抑留に関する諸問題についての取組の改善をロシア側に働きかけていく考えである。

十一について

北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律(平成十四年法律第百四十三号)における拉致とは、日本国内外において、本人の意思に反して行われた、主として所在国外移送目的拐取(刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百二十六条)その他の刑法上の略取及び誘拐に相当する行為をいう。

十二について

いわゆるシベリア抑留の問題とお尋ねの「拉致」を単純に比較することは適当ではないと考えるが、政府としては、いわゆるシベリア抑留は、人道上問題であるのみならず、当時の国際法に照らしても問題のある行為であったと認識している。

十三について

御指摘の「シベリア抑留問題の幕を引く」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、総務省においては、独立行政法人平和祈念事業特別基金(以下「基金」という。)の解散までの間、基金による慰藉事業を引き続き推進するとともに、基金の解散後も、基金が保有する資料の記録・保存等の事業を適切に実施してまいりたい。また、外務省及び厚生労働省においては、協定に基づき、いわゆるシベリア抑留中死亡者に関する資料の調査等について引き続き努力してまいりたい。

十四について

いわゆるシベリア抑留中死亡者に関する資料については、協定に基づき、日露協議のほか、ロシア連邦の政府関係機関との間の個別の協議等を通じて提供を求めてきているところであり、政府としては、引き続きこれらの資料の速やかな提供をロシア側に求めていく考えである。

十五について

いわゆるシベリア抑留中死亡者に関する資料の調査については、協定に基づきロシア連邦政府が行う資料の探索等に引き続き協力していくこととしており、現時点では、御指摘のような方法による調査を行うことは考えていない。

十六について

いわゆるシベリア抑留中死亡者に関する資料は、これまですべてロシア連邦等の政府関係機関から提供を受けている。我が国政府にいまだ提供されていない関係資料は、基本的にロシア連邦の政府関係機関に保管されているものと考えており、ロシア連邦政府において、これら機関の保管する資料の探索を尽くすことが優先されるべきであると考えていることから、現時点では、御指摘のような方法による情報の募集を行うことは考えていない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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