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「裁判員制度」の開始に先立っての質問主意書
参議院 第171回 第130号個別の事案 ×2
質問本文
五年間の準備期間を経て、遂に来月二十一日から「裁判員制度」がスタートするが、準備が尽くされたのか、国民の不安も決して小さくない。
そこで、以下の通り質問する。
一 一方において、我が国の刑法が定める法定刑は、例えば殺人に関して、重い場合は死刑、軽い場合は懲役五年であり(刑法百九十九条)、酌量減軽されると二年六月にまで引き下げられる(刑法六十六条、六十八条)といった具合に裁判官の裁量の幅は極めて広い。
他方、抽選で選ばれた裁判員は、被告人に刑罰を科すことも初めての経験であり、もとより適正な量刑を判断する基準も持ち合わせていない。
それ故に、裁判員に対して、何ら参考資料を提供することがなければ、事件毎に刑の著しい不均衡が生じかねない。
ついては、量刑の判断に際して、裁判員に対して何らかの参考資料を提供する予定はあるか、予定がある場合は、どのように収集、作成した資料を、どのような方法で提供するつもりか、答弁されたい。
二 一方において、拙速な審理は真相の解明を阻害し、冤罪の温床となるから、裁判員裁判においても、いかに公判前整理手続きを経たとしても、検察や、被告人、弁護側が主張、立証に長期間を費やさなければならない事態も生じ得る。
他方、ある日、突然抽選で選任される裁判員は、仕事を抱えたまま、あるいは家事や、子育て、介護を担いながら、刑事裁判を遂行しなければならず、よって、裁判が長期化したときは、その裁判員の負担は過大である。
ついては、裁判員裁判においても、例えば公判回数が三十回を越すような、極めて長期化してしまう事態を想定しているか。
また極めて長期化してしまい、裁判員の仕事に回復困難な損害が生ずるおそれがある場合には、どのように対処するか、答弁されたい。
三 供述調書の任意性が争われた場合、裁判官でさえ任意性に関して明確な判断を示さずに、信用性の判断で糊塗している事案が散見される。
ましてや、裁判員の大半は、それまでに任意性の概念さえ耳にしたことがないはずであり、任意性の判断は極めて困難であると思われる。
ついては、裁判員に対して、任意性の概念をどのように分かりやすく説明するつもりか、また任意性の判断基準や判断材料をどのように提供する予定か、答弁されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
各裁判所においては、裁判員に対して、必要に応じて同種事例の量刑傾向を把握することができる資料を提供する予定であると承知している。この資料は、平成二十年四月一日以降に第一審判決が言い渡された裁判員裁判対象事件について、担当裁判所が当該事件の量刑事情等のデータを入力し、最高裁判所がそれらのデータを取りまとめて構築したデータベースを利用して作成されるものであると承知している。
二について
裁判員制度の下における公判審理に要する審理回数は、個々の事案ごとに異なると考えられるところであるが、同制度の対象事件については、必要的に公判前整理手続を行って、事件の争点及び証拠を十分に整理した上、できる限り連日開廷すること等により、迅速な裁判の実現を図ることとされている。
右のような制度の適切な運用等により、公判審理が不必要に長期間に及ぶことはないと考えられる上、裁判員に過度の負担を負わせることのないよう、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成十六年法律第六十三号)第十六条第八号の事由があると認められる裁判員候補者又は裁判員については、その申立てにより、辞退又は解任が認められる。
三について
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律第六条においては、訴訟手続に関する裁判所の判断は構成裁判官の合議による旨規定されており、同法第六十八条においては、構成裁判官は、その合議により、裁判員に、その判断のための評議の傍聴を許し、裁判員の意見を聴くことができる旨規定されている。供述調書の任意性が争われた場合には、これらの規定に基づき、各裁判所において、個別の事案に応じ、適切に対処されるものと承知している。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。