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ポスト京都議定書の新たな枠組みに関する質問主意書

参議院 第171回 第195号

提出者
参議院
提出日
2009年6月4日
内閣転送 2009年6月8日
答弁書受領日
2009年6月12日
提出から8日
答弁の項目数
4
質問 958字/答弁 745字

質問本文

ポスト京都議定書の新たな枠組みに関する議論が各方面でなされている。現行の京都議定書では、世界のCO2総排出量の三〇%をカバーするにとどまり、全ての国が参加できる枠組みになっていない。

また、世界の主要な鉄鋼メーカーなどのうち日本のメーカーだけが京都議定書における実質的なCO2の排出制限を受けることになっており、業界においても公平な措置となっていないのが実情である。

京都議定書が世界に発したメッセージは大変意義深いものであると認識しているが、今後、こうした実情を踏まえて、更なる改善を求めるところである。

そこで、以下質問する。

一 CO2を大幅に削減するためにはエネルギーの消費を抑える必要があり、経済活動への影響が懸念される。また、この課題を解決するためのコスト負担については、事業者が負うのか、国が負うのか明確な議論がなされていない。

経済活動の活性化とエネルギー消費抑制の両立を図るためのコスト負担について、政府の認識を示されたい。

二 常に日本の産業は技術革新を続けており、GDPあたりのCO2排出量は米国の半分、中国の十一分の一などと、低炭素社会への変貌を遂げつつある。

こうした中にあって、産業界に更なるCO2排出の削減を求めることは、困難であり、業界の実情に応じた新たな考え方が必要であるが、政府の認識を示されたい。

三 政府が産業界にCO2の更なる削減目標を課することになれば、産業界は排出権購入のための負担を強いられ、生産水準を抑制せざるをえない状態に陥る。

こうした事態になれば我が国産業の国際競争力は低下し、結果として、低炭素型生産技術を身につけた日本の製造業は、削減目標を持たない諸外国に移転していく可能性がある。これでは、CO2が地球規模では増加する、カーボンリーケージ現象を引き起こしてしまう。

このカーボンリーケージ現象の具体的な防止策と、我が国産業の国際競争力維持策について、政府の認識を示されたい。

四 ポスト京都議定書の新たな枠組みについては、全世界的に産業別の排出量削減目標を掲げ、環境的にも経済的にも全世界的に公平な目標値とすべきであるとともに、等しく各国に協力を求めるべきであるが、この全世界的な産業別排出量削減目標の設定について、政府の認識を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

二酸化炭素の排出量を削減するためには、産業部門、民生部門、運輸部門、エネルギー転換部門等我が国全体でエネルギーの利用の効率化等を推進する必要があるが、事業者がエネルギーの消費を抑制するための措置を自ら行う際の費用は、原則として当該事業者が負担すべきものと考えている。一方、地球温暖化防止のための温室効果ガスの排出抑制や、内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保等の観点から、政府の政策として、必要に応じて支援を行うべきであると考えている。

二について

我が国産業のエネルギー効率は世界最高水準であるが、更なる二酸化炭素の排出削減を求める場合には、個々の業種ごとに削減ポテンシャルが異なるという実情を踏まえることも必要であると考えている。

三について

御指摘のいわゆるカーボンリーケージ現象の防止と、我が国産業の国際競争力の維持のためには、すべての主要経済国が参加する、公平で実効性ある国際枠組みの構築が不可欠であると考えている。

その実現に向け、政府としては、国境横断的な分析により部門ごとに優れた技術及び慣行を特定し、これらに基づき各国が各部門の削減ポテンシャル及び費用を分析し、適切な対策を検討していくというセクター別アプローチについて、各国の理解を得ていくこと等が重要であると認識している。今後とも、引き続き、理解を得るための取組を推進していく所存である。

四について

我が国は、先進国の国別総量目標の設定、主要途上国の原単位目標の設定、技術の移転及び普及を通じた途上国における温室効果ガスの排出削減行動の促進等において、セクター別アプローチを活用していくべきとの立場であり、今後とも国際交渉の中で各国の理解を求めていく所存である。

参議院の原文

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