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かんぽの宿等の売却に関する再質問主意書
参議院 第171回 第35号承知していない ×1
質問本文
先に私が提出した、かんぽの宿等の売却に関する質問に対する答弁書(内閣参質一七一第一七号)を受け取った。しかし、この答弁書によっても、今回のかんぽの宿等の売却に関して、なお疑問点が残ることから、以下再質問する。
一 かんぽの宿等は簡易生命保険の契約者の掛金を基に設置されたものであり、いわば国民の財産である。民営化したとはいえ、日本郵政株式会社の唯一の株主は国であり、日本郵政株式会社法第十四条に基づき、総務大臣が監督することとされている。また、かんぽの宿等を安く落札した会社がこれを転売して多額の利益を得ている実態も報告されている。こうしたことを踏まえると、伝聞に基づく答弁が多いことは、人ごとのような無責任さを感じざるを得ない。そこで、かんぽの宿等の売却について政府が行使した株主の権利及び監督権限の内容、また、今後の行使の予定について明らかにされたい。
二 日本郵政株式会社がかんぽの宿等七十施設を一括で売却することについて、総務省が日本郵政株式会社から相談を受けたことはないとの答弁である。
それでは、日本郵政株式会社による一括売却の方針を総務省が知ったのはいつか。また、どのような手段を通じて知ったのか。
この方針を知った後、総務省はどのような対応をとったのか。何も対応せず、当該方針を容認したのではないか。
三 首都圏社宅九施設を含む理由について、日本郵政株式会社の宿泊事業部門及び首都圏に所在するかんぽの宿の従業員の住居確保の観点から、かんぽの宿と一括売却するという答弁である。
それでは、当該首都圏社宅九施設には、日本郵政株式会社の宿泊事業部門及び首都圏に所在するかんぽの宿の従業員以外の者は、一人も居住していないのか。
各社宅ごとに日本郵政株式会社の宿泊事業部門の従業員数とかんぽの宿の従業員数の内訳を明らかにされたい。
かんぽの宿の従業員のみが居住する社宅については、かんぽの宿等と一括売却することは一応理解できる。それでは、今回の売却対象施設には含まれていない「ゆうぽうと」の従業員は居住していないのか。
また、日本郵政株式会社の宿泊事業部門は宿泊施設を持つメルパルクを担当していないのか。担当している場合、いまだ売却されていない施設も残されていることから、当該部門の従業員も居住している社宅まで一括売却する理由は何か。
四 規制改革・民間開放推進会議においては、公的宿泊施設等の民間委譲又は包括的な民間委託を速やかに図るべきである等の問題意識の下に、森林管理局保養所等を取り上げたとの答弁である。
しかし、たまたま同会議において具体的に取り上げられなかったとはいえ、かんぽの宿は、郵政省、簡易保険福祉事業団、日本郵政公社及び日本郵政株式会社が運営してきたものであり、正に「公的宿泊施設等」に含まれ、同会議において取り上げられたと言えるのではないか。
五 麻生太郎内閣総理大臣は昨年十一月、郵政株式の売却に関して株式は高い時に売るものであり、安い時には売らない旨発言した。これは企業経営の経験がある人の発言として当然のことであると考えられる。株式と同様、不動産も高い時に売るものであり、百年に一度と言われる、現在のような金融危機下の経済状況において、かんぽの宿等の不動産を売却するのは得策ではないのではないか。
今回の売却については、平成二十年四月一日にホームページにおいて公募していたとはいえ、その後の経済状況の変化に迅速に対応し、売却の中止、一時凍結等を考慮しなかったのか。
六 今回の入札において、二十七社が応募し、最終入札に参加した二社のうち、オリックス不動産株式会社が百八億円余を提示し、落札したとの答弁である。
応募企業名を明らかにすることは、当該企業の評価等に影響を与える可能性があるということであるならば、当該企業名は匿名とした上、当初応募した二十七社の入札額をすべて明らかにされたい。このうち、オリックス不動産株式会社よりも高い入札額を提示した企業はないのか。
また、どのような手続を経て、二社に絞り込まれたのか。
さらに、選考に当たり、入札金額以外の審査条件、審査基準等はあるのか。ある場合、それらの条件、基準等の内容及びそれらの条件、基準等を設ける理由を明らかにされたい。
七 かんぽの宿等の稼働率は、平成十九年度において七〇・七%であるとのことである。一方、国土交通省観光庁作成の「宿泊旅行統計調査報告」(平成二十年十二月)によれば、民間のホテル等の宿泊施設の平均稼働率は平成十九年度において四五・四%である。このように民間のホテル等に比して稼働率において優位性を持つかんぽの宿等が、赤字である原因は何か。
経営努力により、かんぽの宿等が黒字に転換できる可能性はないのか。
八 平成十六年九月十日に閣議決定した「郵政民営化の基本方針」においてかんぽの宿等は、「郵便貯金関連施設事業、簡易保険加入者福祉施設事業に係る施設、その他の関連施設については、分社化後のあり方を検討する」とされていた。その後、平成十七年四月二十七日に閣議決定し、国会に提出した日本郵政株式会社法案附則第二条で、かんぽの宿等は平成二十四年九月三十日までに譲渡又は廃止することとされた。この趣旨は、民営化後の承継会社等の健全な経営を確保するため、それぞれの中核的業務に特化するためとの答弁である。
これに関し、去る二月五日の衆議院予算委員会で振角秀行内閣官房郵政民営化推進室長は、当時の竹中平蔵郵政民営化担当大臣の指示によりこのような結論に至った旨述べている。かんぽの宿等の譲渡又は廃止について、だれが発案し、どのような検討が行われ、このような結論が出されたのか等、経緯について明らかにされたい。
九 郵便局株式会社が売却した沖縄県那覇市おもろまち二丁目の不動産は、どのような経緯で郵便局株式会社が所有していたのか。郵便局株式会社が当該不動産を売却した理由は何か。当該不動産の鑑定評価額はいくらだったか。前記六と同様に、応募企業名は匿名としたまま、当初応募した九社のうち、オリックス・アルファ株式会社よりも高い入札額を提示した企業はないのか、九社の入札額をすべて明らかにされたい。また、オリックス・アルファ株式会社とオリックス不動産株式会社は株式の所有、業務提携、人事交流等においてどのような関係にあるのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
政府としては、総務大臣より日本郵政株式会社(以下「会社」という。)に対して、本年二月四日に、日本郵政株式会社法(平成十七年法律第九十八号)第十五条第一項の規定に基づく報告を求めたところであり、その内容を精査した上で、必要に応じ、同項の規定に基づく立入検査等の対応を検討することとしている。
二について
会社が旧簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)第百一条の加入者福祉施設(以下「かんぽの宿」という。)の一括売却の方針を決定したという事実については、平成二十年一月二十五日、総務省に来訪した会社の担当者から情報の提供があった。
その後、会社からは、入札の開始、売却に関するスケジュールなど、売却手続の進捗状況に関する情報の提供はあったが、一括売却の対象施設の範囲、選考方法、審査の基準その他売却手法全般の妥当性を判断するに足る具体的な情報の提供はなかったため、一についてで述べた報告を会社から求めたところであり、その内容を精査する必要があると考えている。
三について
会社によると、首都圏社宅九施設のうち、武蔵境住宅には、廃止された加入者福祉施設である東京総合健診センターに勤務していた者であって、その廃止後、東京逓信病院に勤務している者が一人居住しているが、同人は、同住宅が譲渡されるまでの間、暫定的に居住を認められているとのことである。
各社宅に入居する会社の宿泊事業部門及び首都圏に所在するかんぽの宿の従業員数の内訳は、それぞれ、東村山住宅には五人と零人、小平住宅には六人と二人、町田住宅には四人と三人、府中住宅には三人と二人、所沢住宅には六人と零人、宮前平住宅には二人と三人、大倉山住宅には十二人と四人、武蔵境住宅には十三人と三人、五反田住宅には零人と三人である。
これらのうち、ゆうぽうとの従業員は、三人である。
会社の宿泊事業部門は、現在、メルパルク(旧郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)第四条の施設)の譲渡又は廃止に関する業務を担当しているが、当該業務に従事する従業員は、今回売却の対象となっている首都圏社宅九施設には居住していない。
四について
先の答弁書(平成二十一年二月六日内閣参質一七一第一七号)四についてでお答えしたとおり、公的宿泊施設等については、規制改革・民間開放推進会議において、「いまだに国、独立行政法人等が管理・運営する既存の公的宿泊施設等については、民間との競合や非効率性を一刻も早く解消すべく、廃止、売却等の民間委譲、又は包括的な民間委託を速やかに図るべきである」等の問題意識の下、森林管理局保養所ほか七施設が取り上げられているが、かんぽの宿が取り上げられたことはない。
五について
先の答弁書(平成二十一年二月六日内閣参質一七一第一七号)五についてでお答えしたとおりである。
六について
会社によると、入札において当初応募した二十七社のうち、実際に第一次入札に参加した企業は七社で、当該七社の入札額は、施設の買取りではなく宿泊事業の運営の受託を希望していたため、価格提示をしなかった一社を除くと、二十億円と提示した社が一社、八十億円と提示した社が一社、八十二億円と提示した社が二社、百七十五億円から二百二十億円までと提示した社が一社であり、オリックス不動産株式会社が提示した額は、百九十五億円から二百四十五億円までで、最も高い入札額であったとのことである。
応募した二十七社については、書面による予備審査を経て、二十二社が第一次入札への参加を認められ、このうち、実際に第一次入札に参加した七社について選考が行われ、三社が最終入札への参加が認められたが、このうち一社が参加を辞退し、二社となったとのことである。
選考に当たっては、従業員の雇用が十分に確保されること、取得目的が単なる投資ではなく、かんぽの宿の事業の発展的かつ継続的な経営にあること、相応の譲渡対価が得られること等の観点から、入札額以外に、当該企業の財務状況、従業員の取扱い、施設取得後の事業戦略、宿泊事業の運営実績等を審査基準としたとのことである。
七について
かんぽの宿の赤字の原因については、一についてで述べた報告を会社から求めたところであり、経営の改善の可能性を含め、その内容を精査する必要があると考えている。
八について
お尋ねについては、当時の竹中郵政民営化担当大臣の指示により、当時の内閣官房郵政民営化準備室において、かんぽの宿等を譲渡又は廃止することとするとともに、雇用に配慮する等の観点から、かんぽの宿の日本郵政公社からの承継先としてどこが適当か、譲渡又は廃止のための猶予期間としてどの程度が必要か等について検討を行ったところである。
九について
沖縄県那覇市おもろまち二丁目に所在する土地は、沖縄郵便貯金会館の移転用地として、平成十一年に当時の郵政省が取得し、平成十五年に日本郵政公社が承継した。
会社によると、平成十七年に沖縄郵便貯金会館の移転が中止となったため、当該土地については、郵便局の設置、分譲マンションの建設等郵便局株式会社による活用を目的として、平成十九年に同社が承継したが、収益性等の検討の結果、同社による活用が困難との判断に至り、平成二十年に売却したとのことである。また、同社が当該土地を承継した際の路線価は、十七億七千四百八万七千二百円であるが、鑑定評価は行われていないとのことである。当該土地の売却に当たっては、応募した十社のうち、オリックス・アルファ株式会社を除く九社は、入札額の提示に至らなかったとのことである。
オリックス・アルファ株式会社とオリックス不動産株式会社の関係については、政府として承知していない。
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