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有人及び無人ヘリコプターによる農薬等の空中散布に関する質問主意書

参議院 第176回 第142号

提出者
参議院
提出日
2010年11月30日
内閣転送 2010年12月3日
答弁書受領日
2010年12月10日
提出から10日
答弁の項目数
3
質問 1,338字/答弁 723字

質問本文

二十一の関係企業団体が加盟する(社)農林水産航空協会の会員が、有人及び無人ヘリコプターによる農薬等の空中散布を行っている。

今や農業従事者の高齢化に伴い、農薬の空中散布は全国的に行われており、有人及び無人ヘリコプターによる空中散布が増えているのが現状である。

ところで、有人ヘリコプターによる空中散布については平成十三年の「次官通知」及び平成十五年の「省令」、平成十六年の「ガイドライン」がある。

一方、無人ヘリコプターによる空中散布に当たっては、(社)農林水産航空協会がラジコン操縦者の講習と免許の交付、空中散布等に際しての遵守事項の徹底を図っていると聞くが、その運用に関しては、平成三年四月二十二日付の農蚕園芸局長通知「無人ヘリコプター利用技術指導指針」(最終改正:平成二十年七月十五日)があるのみである。

また、安全性を担保するための規制監督をする「業法」は、有人及び無人ヘリコプターともに存在していないのが現状で、被害に対する対応や遵守規定違反行為の規制ができない。

そこで、以下質問する。

一 有人及び無人ヘリコプターによる空中散布の際の事故等の報告について

聞くところによれば、平成二十二年八月一日に、茨城県において、無人ヘリコプターが電柱ワイヤーに接触し、工場の屋根に墜落して火災が発生したという。

農林水産省は、有人及び無人ヘリコプターによる農薬散布等に伴う、農薬の「人への暴露」を含む事故の報告をどのように収集し、過去五年間で何件報告されているのか、明らかにされたい。

また、事故による有人ヘリコプター操縦者及びラジコン操縦者の免許の取り消し事例は過去何件あるのか、示されたい。

二 農薬の空中散布に対する安全策の強化と遵守事項の徹底について

「無人ヘリコプター利用技術指導指針」では、空中散布を実施するに当たって遵守する事項として、「人」及び「空中散布対象以外の農作物」への安全性の確保が謳われているが、農薬散布後、隣接する畑などに害虫が逃げ込むため、農産物が全滅したなどの事例があると聞く。

そこで、安全性の確保と隣接農地への被害を防止し、さらに、隣接農地における農産物などの残留農薬基準(ポジティブリスト)に対応するため、農薬の空中散布の際の「ガイドライン」の策定などの対策を講ずるとともに、遵守事項の徹底を図るべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 安全性を担保するための法制化について

有人及び無人ヘリコプターによる空中散布に使用する農薬の濃度は、地上散布の農薬の十倍から百倍であると聞く。

農薬の空中散布後に小児等の患者が増えるという話を群馬県の小児科医から聞いたが、農薬等の化学物質による小児や高齢者への影響が懸念されている現在、農林水産省は、農薬の「人への暴露」を含む暴露事故の報告を収集するとともに、「人」及び「空中散布対象以外の農作物や家畜動物など」への安全性を担保するため、「業法」などの法制化に早急に取り組むべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

四 (社)農林水産航空協会の組織について

関係省庁と公益法人の緊張関係が求められる昨今、(社)農林水産航空協会の役員における関係省庁出身者の有無について示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

農林水産省においては、有人及び無人ヘリコプターによる農薬散布等の際に発生した墜落、衝突等の事故について、都道府県及び社団法人農林水産航空協会(以下「協会」という。)から報告を受けており、過去五年間における当該事故の報告件数は、有人ヘリコプターによるものが二件、無人ヘリコプターによるものが十六件である。

当該事故を原因として、有人ヘリコプターの操縦者が航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二十二条の航空従事者技能証明を同法第三十条の規定により取り消された事例はなく、また、無人ヘリコプターの操作要員が協会による技能認定を取り消された事例はない。

二及び三について

農林水産省においては、「農林水産航空事業の実施について」(平成十三年十月二十五日付け十三生産第四五四三号農林水産事務次官依命通知)を発出するとともに、周辺作物飛散影響防止対策基準策定事業により作成された「農薬飛散対策技術マニュアル」を平成二十二年五月に公表する等の取組を行っている。また、有人及び無人ヘリコプターによる農薬散布等を行う生産者及び事業者に対し、都道府県を通じ、農薬の飛散防止を含め、人、農作物、家畜等に対する安全性を確保し適正に実施するよう指導している。さらに、都道府県を通じ、農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況を把握し、有人及び無人ヘリコプターによる農薬散布等における安全対策に反映しているところである。

今後とも引き続き、農林水産省としては、これらの措置により、各地域において有人及び無人ヘリコプターによる農薬散布等が安全かつ適正に実施されるよう対応してまいりたい。

四について

協会には、農林水産省を退職し役員として再就職した者が二名いる。

参議院の原文

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