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農薬グリホサート製剤の一日摂取許容量と安全性に関する質問主意書
衆議院 第201回 第188号趣旨が明らかではない ×3
質問本文
日本政府は二〇一七年にグリホサートの残留濃度の基準値を大幅に緩和した。例えば、ひまわりの種子については〇・一ppmから四十ppmと四百倍も高くなった。一方で世界では、二〇一五年にWHO(世界保健機関)専門機関の国際がん研究機関IARCが、発がん性の懸念から、グリホサートをグループ二Aに分類した。また、欧州諸国等がグリホサート製剤の使用を控える方向で動き始めていた。日本でもグリホサート製剤の安全性について懸念の声が上がっている。
安定した食料供給のために農薬を使用することは、現時点ではやむを得ない。しかし、健康や環境へ十分配慮し、必要以上の農薬の使用は控えるべきである。そして、残留濃度の基準値を緩めるのであれば、それが日本の農業や食料供給に与える影響など、それ相応の理由を国民に対して説明すべきである。
本年二月二十五日の衆議院予算委員会第六分科会で、グリホサート製剤の安全性について特に以下の四点について議論した。
�@ 動物を用いた安全性試験ではヒトに対する安全性は十分に保障できない。
�A 医薬品の場合、動物を用いた安全性試験に基づいて設定された、健常人を用いた第一相臨床試験で、予想できなかった副作用により開発を断念するケースが三十パーセント程度ある。
�B 例えば肺がんの治療薬であるイレッサなど、ヒトでの厳しい臨床試験を実施し、販売承認された物が、その後、多数の患者に投与されることで、予想していなかった重篤な副作用が確認されることがある。
�C グリホサートの安全性試験はイヌなどの非げっ歯類を用いた慢性毒性試験まで行われているが、POEA(非イオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアミン)などの補助剤を含むグリホサート製剤の安全性試験はマウスなどのげっ歯類を用いた急性毒性試験しか行っていない。
これらの議論を踏まえて以下、質問する。
一 グリホサートの安全性試験で得られた一日摂取許容量(ADI)が、POEAなどの補助剤も含まれているグリホサート製剤に用いられている。POEAなどの補助剤は、そのものが毒性の高い物質であるとの指摘もある。グリホサートのADIの八割以下であれば、グリホサート製剤のヒトに対する安全性も科学的に確保されていると言えるのか。もし言えるのであればその科学的根拠を示されたい。
二 グリホサート製剤に関しては、げっ歯類の急性毒性試験しか実施していないが、これでヒトに対する安全性は科学的に確保されたと言えるのか。もし言えるのであればその科学的根拠を示されたい。
三 予算委員会第六分科会における質疑の中で浅沼政府参考人は「食品安全委員会の食品健康影響評価等の科学的な根拠に基づきまして、人の健康を損なうおそれのないよう基準値を設定していることから、安全性に問題が生じることはない」と答弁しているが、これにグリホサート製剤も含まれるのか。もし含まれるのであれば、なぜ違う成分であるのにそう言えるのか、科学的根拠を示されたい。
四 グリホサートはシキミ酸経路を抑制することで除草作用を示す。一方でヒトはシキミ酸経路を利用しないので安全性が高いと言われている。しかし、シキミ酸経路は細菌類にもある。ヒトの腸内細菌のうち、ボツリヌス菌やサルモネラ菌などの悪玉菌は耐性で生存するが、乳酸菌など善玉菌の多くで減少が報告されている。グリホサートによって腸内細菌の分布が変化し、健康に影響が出る可能性がある。グリホサートおよびグリホサート製剤は安全性試験において腸内細菌への影響を確認しているのか。確認していない場合は、なぜ確認する必要はないと考えているか。
五 グリホサートにおいても動物を用いた安全性試験しか実施していないことより、ADIはあくまでも安全性の目安であり、それ以下であれば科学的に安全であると断言できないと思うがいかがか。
右質問する。
政府答弁書
一、二及び四について
お尋ねの「グリホサートのADIの八割以下であれば、グリホサート製剤のヒトに対する安全性も科学的に確保されている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘のグリホサートを含む農薬に限らず、我が国における農薬の登録に当たっては、農薬取締法(昭和二十三年法律第八十二号)に基づき、農薬の安全性その他の品質に関する審査を行った上で、農薬の使用方法や使用上の注意事項を定め、農薬の安全性の確保を図っているところであり、当該審査においては、これに必要な資料として、当該登録の申請に係る農薬の有効成分と有効成分以外の成分も含む製剤(以下単に「製剤」という。)のそれぞれについて、急性毒性その他の毒性に関する試験(以下「毒性試験」という。)の成績の提出を求めているところである。
これらの毒性試験の方法については、「農薬の登録申請において提出すべき資料について」(平成三十一年三月二十九日付け三〇消安第六二七八号農林水産省消費・安全局長通知)において、経済協力開発機構が作成した化学物質の試験に関するガイドライン(以下「ガイドライン」という。)を標準として実施するよう求めているところであり、急性毒性に関する試験の動物種としてげっ歯類を用いることについても、ガイドラインに従ったものである。
このように、農薬の登録に当たっての審査は、国際的に認められた試験方法に基づいて行っており、政府として、当該審査が農薬の安全性を確保する上で不十分であるとは考えていない。
なお、同法に基づく登録を受けた全ての農薬については、定期的に、最新の科学的知見に基づき、同法第八条第一項の規定に基づく再評価を行い、継続的に農薬の安全性の向上を図ることとされており、グリホサートを含む農薬については、令和三年度から当該再評価を開始する予定である。
また、御指摘の「腸内細菌への影響」については、ガイドラインにおいても毒性試験における検査項目とはされておらず、農薬の登録に当たってもその検査の実施を求めていないものである。
三について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の答弁については、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第十一条第一項の規定に基づく食品、添加物等の規格基準(昭和三十四年厚生省告示第三百七十号)において定められている食品中のグリホサートの残留基準について述べたものであり、グリホサートを含む製剤について述べたものではない。
五について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、一般に、許容一日摂取量(一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの体重一キログラム当たりの摂取量をいう。)については、食品安全委員会において、食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号)第十一条第一項の規定に基づく食品健康影響評価を行い、通常、毒性に関する試験から導き出される無毒性量等を基に、科学的に設定しているところである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。