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みつひかりの種苗法違反に関する質問主意書
衆議院 第212回 第90号趣旨が明らかではない ×2
質問本文
三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社(以下、三井化学)は、農家が種子の栽培を手がける直前、二〇二三年二月下旬になって突然予定されていたみつひかり二〇〇三の種子の販売を中止した。
日本にとって田植えの準備中に突然予定された稲の種子の販売が中止されるのは過去に例のないことである。
三井化学の農水省への報告書(二〇二三年八月十八日)によると、すでに田植えが終わった七月十三日になって初めて三井化学は農業生産者及び販売代理店等の計二百四十八箇所に「種子に関するお詫びと回収のお知らせ」を伝達し、公表している。
種子法を廃止して公共の種子を廃止させる際、二〇一七年、農水省は全国各地を回って、みつひかりという民間の多収の優良な種子があるとして、チラシを作成し奨励して回った。
一 みつひかり二〇〇三が二〇二三年二月十七日に交配不良により純度低下が確認され三井化学は令和五年産用の種子は供給できないと一般に向けて公表しているので、当然全国のみつひかり生産現場の農家に大混乱が生じているが、農水省は、それについて何らかの調査、対策を講じたのか。
講じたとしたらその内容、講じなかったとしたらなぜ講じなかったのかを明らかにされたい。
二 報告書によれば二〇一七年から異品種を混入させていた事実、二〇一六年から生産地の虚偽表示を行っていた事実、及び二〇一九年から発芽率九十%未満であったにもかかわらず九十%以上だと虚偽表示していた事実が記載されている。このようなことについては重大な種苗法(第五十九条、第六十一条)違反であり、このことは三井化学も報告書で認めている。
農家としても莫大な損害を被っているのに、農水省は厳重注意で終わらせるのか。
食品表示法では、侵害の違反のおそれがあるだけで指導、行政処分がなされるのが通常だが、農水省は厳重注意処分だけで終わらせてはならない。
本来ならば本年二月に農水省が交配不良で種子の販売ができない旨を公表した時点で直ちに三井化学に対する実態の調査を行い、また種苗法第五十九条の種苗の虚偽表示違反、同法第六十一条の指定種苗の生産等に関する基準違反として行政処分(指示・改善命令及び公表)をなさなければならないが、それらの処分をするつもりがあるのか、ないのか。
三 報告書によれば、二〇二三年三月に確認していた二〇二二年栽培用のみつひかり二〇〇三種子の流通在庫は三百三十四キログラムあったとし、これら全てを作付け、栽培され、収穫想定米が八十一・六トンとのことだが、同報告書では二〇二二年度産の種子も種苗法違反の欠陥品である。八十一・六トンのお米が現在どのような形態で流通・販売されているかの調査をして明らかにすべきである。それについて回答を求める。
そして、この事実は、米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律第八条にも違反するものであり、同法によってもみつひかり二〇〇三の不良種子による食品をどのように米穀業者が販売してきたかを調査し一般消費者に公表しなければならないと思料する。これについて回答を求める。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の「農家に大混乱が生じている」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、農林水産省においては、三井化学アグロ株式会社(現在は、三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社(以下「会社」という。))から、会社がみつひかり二〇〇三又はみつひかり二〇〇五の品種として生産した御指摘の「令和五年産用」の稲の種子については、会社が定めた種子の品質の基準を満たさないことから、当該稲の種子から生産された米はみつひかりという銘柄を用いて販売できない旨の報告を令和五年二月十日に受けたところである。これを受け、農産物検査法(昭和二十六年法律第百四十四号)に基づく農産物検査や代替品種の種子の供給等が円滑になされるよう、同省において、「「みつひかり」(F一品種)の種子純度不足に係る農産物検査の対応について」(令和五年二月十七日付け四農産第四六二七号農林水産省農産局穀物課長通知)及び「令和五年産用「みつひかり」の種子供給中止に伴う対応について」(令和五年二月二十四日付け四農産第四七六五号農林水産省農産局穀物課長通知)を発出し、地方農政局等を通じて、全国の登録検査機関(同法第二条第五項に規定する登録検査機関をいう。)に対し、農産物検査に当たって、みつひかりという銘柄で当該検査を受けることができる米を生産するための「令和五年産用」の稲の種子は流通しないことに留意するよう周知するとともに、地方農政局等並びに全国主要農作物種子安定供給推進協議会及び全国農業協同組合連合会を通じて、都道府県及び同協議会又は同連合会の傘下の関係団体に対し、同年において水稲の一品種であるみつひかり二〇〇三又はみつひかり二〇〇五の作付けを予定していた生産者等からこれらの種子に代わる稲の種子の供給等について要望があった場合には、特段の配慮等をするよう求めたところである。
二について
お尋ねについては、農林水産省において、令和五年六月三十日に会社からみつひかり二〇〇三の品種として販売した稲の種子について不適切な表示等を行っていた旨の報告を受け、同省は同年七月七日及び同年八月二十九日に種苗法(平成十年法律第八十三号。以下「法」という。)第六十五条に基づき、会社に対しその詳細についての報告を命じたところである。これを受けて会社から令和五年八月十八日及び同年十月二十日に提出された報告書においては、会社が法第五十九条第一項の規定、法第六十一条第一項の規定により農林水産大臣が定めた基準等に違反してみつひかり二〇〇三の品種として稲の種子を販売等しており、会社は当該種子を購入等した生産者、当該種子を用いて生産された米を販売した卸売業者等との間でこれらの引取り、販売等について協議を行っているところであること、会社としては法の規定等に違反した原因が種子の生産等に関する社員のコンプライアンス意識の欠如等にあると認識しており、法に関する知識習得の機会の確保等の再発防止策を講ずることなどが記載されており、同省においてこれらのことを確認した。こうした対応の状況、行為の悪質性及び過去の事例を勘案し、今後同様の事態を招くことがないよう会社に文書による厳重注意を行うとともに、再発防止策の実施状況の報告等を求め、その旨公表したところであり、法に基づく御指摘の「行政処分(指示・改善命令及び公表)」が必要であるとまでは考えていない。
三について
前段のお尋ねについては、農林水産省ホームページの「三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社における稲種子の違反表示等に対する措置について」の「追加命令に対する報告書(概要)(令和五年十月二十日)」に公表しているとおりである。
後段のお尋ねについて、御指摘の「この事実」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「二〇二二年栽培用のみつひかり二〇〇三種子」から生産された米について一般消費者への販売又は提供をするときは、当該米の産地を、当該一般消費者に伝達すれば、米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律(平成二十一年法律第二十六号)第八条第一項に違反するものではないと考えている。