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国立大学法人練習船の整備に関する質問主意書

参議院 第177回 第98号お答えすることは困難 ×2

提出者
参議院
提出日
2011年3月1日
内閣転送 2011年3月7日
答弁書受領日
2011年3月11日
提出から10日
答弁の項目数
8
質問 2,166字/答弁 1,208字

質問本文

国立大学水産系学部の専攻科学生の減少に伴って、水産系学部の船舶の在り方が検討されてきた。平成十九年五月には、商船型練習船を含め、八大学により、共同利用、運航を積極的に進めることや練習船の一元的管理運用体制の構築などが合意された。これに基づき、広島大学の豊潮丸、三重大学の勢水丸の代船が建造され、平成二十一年度からは、鹿児島大学のかごしま丸の代船建造が続いている。

国立大学法人練習船は国際共同研究や調査航海を担っており、その役割の重要性は年々高まっている。一方、中国をはじめ、各国が排他的経済水域内での資源探査に積極的に乗り出すなど、国際的にも海洋開発に注目が集まっている。このような状況の中で、予算削減を前提とした国立大学法人練習船の縮小は、我が国の海洋権益の保持意欲の縮小を対外的に示す結果となっている。

我が国の海洋権益の確保に必要な人材育成機関としての水産系大学教育の重要性は、海洋調査機能と併せて、ますます高まっている。そこで、これらの役割を果たすことのできる国立大学法人練習船の整備について、以下質問する。

一 水産系大学の学部学生及び大学院生の就職率がほぼ百パーセントという現状は、水産業や海洋関係の指導的立場に立つ人材に対するニーズの高まりを反映したものと考えられるが、政府の認識を示されたい。

二 国立大学法人練習船により進められてきた国際共同研究や海洋観測データの公開などに対する国際的な評価は高い。このような中、敬天丸、北星丸、鶴水の三船の廃船と相次ぐ代船の減トンが実施されているが、これまで継続してきた海洋観測を今後どのように進めていくのか、政府の見解を示されたい。

三 国立大学法人練習船には、大学院生を乗船定員に含めることになっており、その教育的な意義は重要である。近年の若者のコミュニケーション不足の解消など、副次的効果は絶大との報告もある。海洋関係の人材育成機関としての大学院教育における練習船の役割に対する政府の認識を示されたい。

四 国立大学法人練習船が教育関係共同利用拠点制度に基づいて運航される場合には、共同利用を前提とした居住、調査研究スペースが必要になる。そのための乗船定員当たりのトン数についての政府の見解を示されたい。

五 各国立大学法人の練習船運航日数は、修理点検日数を含め年間百五十日を超えている。このような状況で乗組員の年次休暇及び振替休日の取得状況はどうなっているか、過去五年間の各船の状況を示されたい。さらに、共同利用の運航を進めれば乗組員への負担は大きくなるが、政府はどのように対処しようとしているのか。

六 国立大学法人練習船には、専攻科学生の教育機関としての役割と海洋開発や水産科学の進展に必要な人材養成機関としての役割と相異なる役割がある。水産系の海技免許取得のための教育には、船橋と漁労デッキの充実は欠かせない。一方で、海洋環境の保全を担う人材育成を行うには、これらに加えて海洋観測機器類の運用スペースと複数のサンプル処理を同時に行う船内実験室が必要と考えるが、政府の見解を示されたい。

七 国立大学法人練習船の役割は、単に学生教育にとどまらず、我が国の海洋環境の解明と保全、海洋利用の安全確保、海洋産業の発展など、我が国の国益確保に欠かせないものとなっている。そのため、代船建造に当たっては、極域から赤道海域までの耐候性の高い船体が求められると考えるが、政府の見解を示されたい。

八 現在建造を進めているかごしま丸や、今後代船建造の時期を迎えるおしょろ丸、長崎丸では、現船建造時と建造基準(防火構造や天井高など)が変更されており、現船の定員を確保するだけでも、一割以上の増トンが見込まれる。この分を考慮しないとすれば、乗船定員の削減ないしは、船舶運航機能や調査機能を低下させることになるが、政府の方針を示されたい。

九 近年、北極海や米国二百カイリ内では、生活排水の排出規制が強化され、入港後の必要物資の補給や船員の休息などに必要な日数を確保するには、汚水処理装置や汚水タンクなど連邦汚染物質排出除去制度に対応した装備が必要になっている。現船規模を維持しようとするだけでも、代船建造時には増トンが必要になるが、政府はどのような考えに基づいて環境対策を進めるのか。国立大学法人練習船の耐用年数確保に関する方針と併せて示されたい。

十 水産高校の練習船では、えひめ丸の事故の教訓から安全対策を強化し、浸水に強い二層全通甲板を採用することになっている。さらに、船員資格のない教員・生徒の居住区は、満載喫水線下方一・八メートルより上方へ設置することになっている。一方、代船建造が進められているかごしま丸は、学生定員四十名、教職員定員三十二名に対し、九百三十五トンであるが、このトン数で学生居室の第二甲板への配置は可能なのか。えひめ丸事故の教訓を国立大学法人練習船ではどのように考えているのか、政府の見解を示されたい。

十一 広島大学の豊潮丸、三重大学の勢水丸、鹿児島大学のかごしま丸の代船の規模は、現船より縮小されてきたが、前記のように現有機能を確保するだけでも増トンとなる現状及び国際情勢の変化にともなう国益にかんがみ、柔軟に対応すべきと考えるがどうか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

国立大学の水産学に関する学部を卒業した者や水産学に関する大学院の課程を修了した者は、幅広い分野で活躍しているものと認識している。

二について

御指摘の「北星丸」、「鶴水」及び「敬天丸」の三隻については、これらの練習船を保有する国立大学法人北海道大学、国立大学法人長崎大学及び国立大学法人鹿児島大学における水産専攻科の廃止等を踏まえ廃船されたものであり、また、国立大学法人が保有する練習船(以下単に「練習船」という。)の中には従来に比べて規模が縮小されているものもあるが、各国立大学においては、当該国立大学法人の他の練習船の利用や他の国立大学法人の練習船の共同利用等により、それぞれの教育研究に必要な海洋観測等を支障なく行っているものと認識している。

三について

練習船は、水産学等に関する大学院の課程において、高度な内容の海洋観測や海洋生物観測等を行う上で重要な役割を果たしているものと認識している。

四について

御指摘の「教育関係共同利用拠点制度」は、練習船を含む各大学の教育に係る施設について、各大学からの申請に基づき、当該大学の教育上支障がない等と認められるときに、他の大学との共同利用の拠点として文部科学大臣が認定するものである。各練習船がどの程度の規模を必要とするかについては、それぞれの練習船において行われる教育研究の目的等により異なるものであり、一概にお答えすることは困難である。

五について

各国立大学法人の教職員である練習船の乗組員の年次休暇の取得等については、練習船を共同利用に供する場合も含め、国立大学法人ごとに適切に行われるべきものである。

平成十七年度から平成二十一年度までの各年度における国立大学法人の乗組員(常勤の教職員である者に限る。)の年次休暇の平均取得日数については、文部科学省のホームページに掲載しているところである。

お尋ねの「振替休日の取得状況」については、現在、同省において精査中であり、精査が終わり次第、同省のホームページに掲載する予定である。

六及び七について

練習船に必要とされる設備や性能の詳細については、それぞれの練習船の教育研究目的や航行区域等によって異なるものであり、一概にお答えすることは困難である。

八、九及び十一について

練習船については、船舶の安全性の確保や海洋の汚染防止等の観点から定められた法律等に従い建造し、運航される必要があり、また、それぞれの練習船の教育研究目的等に応じ、必要な規模や性能等を備える必要があると考えている。

十について

船舶の旅客室については、船舶における安全性の確保の観点から、船舶設備規程(昭和九年逓信省令第六号)第八十条において「旅客室ハ最高航海吃水線ノ下方一・八メートルニ当ル箇所ヨリ上方ニ之ヲ設クベシ」と規定されており、練習船はこの基準を含め法令に定める基準を満たして建造される必要があると考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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