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循環型社会形成における家庭生ごみなど食品廃棄物の資源化推進に関する質問主意書

参議院 第178回 第2号

提出者
参議院
提出日
2011年9月13日
内閣転送 2011年9月16日
答弁書受領日
2011年9月27日
提出から14日
答弁の項目数
7
質問 2,039字/答弁 2,140字

質問本文

食品から出る生ごみなどの再資源化を目指して制定された食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)が施行されて十年になるが、家庭系及び事業系トータルのリサイクル率は三十パーセント弱と、依然として進んでいないのが現状である。

原料の不要部分など食品メーカーから出る産業廃棄物や、売れ残りや調理くず、食べ残しなど流通業、外食産業などから出る事業系一般廃棄物など、同法の対象となる食品廃棄物のリサイクル率は約五十パーセントであるのに対し、同法の対象外となっている家庭から排出される調理くず、食べ残しなどのリサイクル率は僅か約六パーセントと極めて低調である。

その原因は、年間百トン以上の廃棄物を出す事業者には報告を義務付け、罰則もあるが、小規模事業所には報告義務も罰則もない点にあると思われる。また、事業系一般廃棄物は家庭ごみと同様、自治体が処理するため、その手数料は安く、焼却処理が主流である。さらに、収集事業の越境を認めない例が多いため、リサイクル率も向上していないのが実態である。

そこで、以下質問する。

一 食品廃棄物のバイオガス化等について

水分が多い生ごみの焼却は、エネルギーを多く消費し、CO2を大量に排出し、さらに、生ごみ、紙、プラスチック等の混焼による弊害も多々指摘されているところである。

国が目指す持続可能な循環型社会実現と地球温暖化防止の観点からも、混焼によって生じる環境負荷を軽減するとともに、限りある資源を大切にするためには、食品廃棄物のバイオガス化によるメタンや水素などの熱源としての再利用及び発酵残渣のたい肥化等による資源の循環利用システムを構築する必要があると考えるが、見解如何。

二 食品廃棄物の有機資源化を促進するためのロードマップの策定について

家庭の生ごみは、同法の対象となっていないため、その九十四パーセント以上が焼却されているのが現状である。生ごみ等の食品廃棄物は、多様な微量元素を含有する貴重な有機資源であり、健康な作物を作り、国民の健康につながる食の安心安全の基本である。

そこで国は、食品廃棄物の有機資源化を推進するための調査研究の強化、小規模事業者や家庭から排出される食品廃棄物の資源化率・減量化率のロードマップを策定すべきと考えるが、見解如何。

三 食品廃棄物によるバイオガス発電等へのインセンティブの強化について

再生可能エネルギー固定価格買取法の施行は、食品廃棄物によるバイオガス発電等を推進する上で強力な追い風になるものと思われる。

そこで、地方自治体においても、事業系・家庭系生ごみの資源化・減量化のロードマップを策定するとともに、毎年その進捗状況を公表してはどうかと考えるが、政府の見解如何。また、国としても地方自治体の資源化・減量化を促進するための助成措置の強化など、何らかのインセンティブが働くような施策を考えるべきと思うが、見解如何。

四 地域に賦存するバイオマスの実態調査とその資源化計画について

地域に賦存するバイオマスの実態調査とその資源化計画を作り、地産地消の循環の輪づくりの推進と地域コミュニティの活性化にいかすべきと考えるが、見解如何。

五 生態系循環と社会教育、学校教育について

「生態系循環に在る人」としての節度と責任を国民全てが自覚するため、生態系及び微生物の基礎知識を、社会教育及び学校教育カリキュラムの中に取り入れるよう配慮することが、持続可能な社会の構築にとっても、国連持続可能な開発のための教育の十年(UNDESD)にとっても重要と考えるが、見解如何。

六 UNDESDについて

公明党が熱心に取り組んできているUNDESDの最終年は二〇一四年である。環境教育推進法の改正内容にも関わってくるものであるが、最終年に向けて、その成果を吟味するとともに、UNDESDをより一層定着させるために、ロードマップが必要と思われるが、見解如何。

七 UNDESDとユネスコ・スクールの積極的な国内的融合について

ユネスコ・スクールは、一九五三年、ASPnetとして、ユネスコ憲章の理念を学校現場で実践するため、国際理解教育の実験的な試みを行う共同体として発足し、二〇一三年には六十周年を迎える。現在、世界百八十か国で約九千校がASPnetに加盟し、日本国内では、二〇一一年一月現在、二百七十九校の幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び教員養成系大学が参加し、グローバルなネットワークを活用し、世界中の学校と交流し、地球規模の諸問題に対処できる新しい教育を目指している。ユネスコ・スクールの活動や目指す方向は、UNDESDと共有できるものであり、二〇一三年の六十周年と二〇一四年のUNDESDの最終年を調整してUNDESDを進めるべきである。また、同時に、ユネスコ・スクール登録数を拡大すべきである。このことがUNDESDの普及にも大きく貢献すると考えられるが、見解如何。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの食品廃棄物のバイオガス化については、循環型社会形成推進基本法(平成十二年法律第百十号)第七条の趣旨を踏まえ、技術的及び経済的に可能な範囲で、熱回収に優先するものとして環境への負荷の低減にとって必要である場合において、その必要に最大限考慮して行うべきものと考えている。

また、環境省においては、循環型社会形成推進交付金により、市町村が行う一般廃棄物処理施設の整備の推進を図っているところであり、高い効率でバイオガスの回収を行う施設については、交付率のかさ上げの対象としているところである。

二について

お尋ねの食品廃棄物の再生利用を推進するための調査研究については、環境研究総合推進費等の各種研究開発予算の対象とすることにより、その推進を図っているところである。

また、お尋ねのロードマップについては、バイオマス活用推進基本法(平成二十一年法律第五十二号。以下「法」という。)第二十条に基づき策定された「バイオマス活用推進基本計画」(平成二十二年十二月十七日閣議決定)において、小規模事業者や家庭から排出されるものを含めて平成三十二年の食品廃棄物の利用率の目標が定められていることを踏まえ、食品廃棄物の循環的な利用に関するロードマップの策定に努めてまいりたい。

三について

お尋ねについては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第六条の規定に基づき、市町村は、当該市町村の区域内の食品廃棄物を含む一般廃棄物の処理に関する計画を定めて公表することとなっており、その進捗状況については、環境省において、廃棄物処理事業実態調査により、毎年、市町村における食品廃棄物の循環的な利用の状況について報告を受け、公表しているところである。

また、食品廃棄物の循環的な利用の推進策については、環境省において、循環型社会形成推進交付金により、市町村が行う一般廃棄物処理施設の整備の推進を図っているところであり、高い効率でバイオガスの回収を行う施設については、交付率のかさ上げの対象としているところである。

四について

「バイオマス活用推進基本計画」においては、平成三十二年に全ての都道府県及び六百市町村が、それぞれの地域における実態を踏まえてバイオマス活用推進計画(法第二十一条に基づく都道府県及び市町村におけるバイオマスの活用の推進に関する計画をいう。以下同じ。)を策定することを目標としている。政府としては、バイオマス活用推進計画の策定に向けた都道府県等の取組を支援し、地域においてバイオマスを効率的にエネルギー源や製品として利用する地域分散型のバイオマス活用システムの構築を進め、循環型社会の形成や農山漁村の活性化等を推進することとしているところである。

五について

持続可能な社会の構築のためには、環境教育の充実を図ることが重要であり、文部科学省においては、環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律(平成十五年法律第百三十号)や「第三次環境基本計画」(平成十八年四月七日閣議決定)等に基づき、地域の社会教育における環境教育に関する取組を支援している。また、学校教育においては、例えば小学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十七号)の理科において、第三学年では「生物は、その周辺の環境とかかわって生きていること」を、第六学年では「生物は、水及び空気を通して周囲の環境とかかわって生きていること」を、また、中学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十八号)の理科において、「生態系における生産者、消費者及び分解者の関連を扱うこと」をそれぞれ掲げるなど、発達の段階に応じ、生態系や分解者である微生物について指導することとしている。こうした取組は、持続可能な社会の構築や国連持続可能な開発のための教育の十年に資すると考えており、今後ともその推進を図ってまいりたい。

六について

政府としては、持続可能な開発のための教育を推進するため、平成十八年三月に、我が国における「国連持続可能な開発のための教育の十年」実施計画(以下「実施計画」という。)を策定し、関連施策の推進に取り組んできた。さらに、平成二十二年には前半五年間における関連施策の取組状況について評価を行い、その結果を踏まえて、平成二十三年六月に実施計画を改定したところである。

政府としては、今後、改定された実施計画を踏まえ、持続可能な開発のための教育の更なる推進を図るとともに、平成二十六年末に、我が国における国連持続可能な開発のための教育の十年に関する取組全体を評価し、その後の取組について検討を行ってまいりたい。

七について

日本ユネスコ国内委員会においては、ユネスコスクールを持続可能な発展のための教育の推進拠点として位置付け、その数の増加に取り組んでいる。国内のユネスコスクールの数については、国連持続可能な開発のための教育の十年の初年に当たる平成十七年には十九校であったが、平成二十三年六月には三百八校まで増加している。今後とも最終年である平成二十六年を目指して、ユネスコスクールの増加に取り組み、持続可能な発展のための教育の推進に努めてまいりたい。

参議院の原文

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