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後発医薬品の利用促進のための環境整備に関する質問主意書

参議院 第180回 第151号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2012年6月20日
内閣転送 2012年6月25日
答弁書受領日
2012年6月29日
提出から9日
答弁の項目数
10
質問 3,680字/答弁 3,654字

質問本文

医療費の財源確保や患者個人負担の軽減の観点から、有効性・安全性の確認された後発医薬品の利用拡大は必要な事である。

政府も後発医薬品の利用拡大の方針を持ち、そのためこれまでの取組に加えて、本年四月の診療報酬改定で後発医薬品の利用促進のために処方せん料の一般名処方加算の新設や処方せん様式の変更などが行われた。一般名処方が急速に普及していると報道もされているが、準備が不十分だったこともあり、現場で若干の混乱や不安が生じており、政府の対策が求められる。

また、後発医薬品の更なる品質向上とともに、国立医薬品食品衛生研究所(以下「国立衛研」という。)のジェネリック医薬品品質情報検討会で行っている独自試験等の後発医薬品の安全性・有効性の検証の取組を充実・拡充させるなど、国として医師を始めとする医療関係者、国民が安心して後発医薬品を使用できるようにするための環境整備を更に進める必要がある。

この観点から、以下質問する。

一 診療報酬改定で医薬品を一般名で処方した場合に処方せん料に二点が上乗せされる一般名処方加算が導入された。この加算は後発医薬品がない先発医薬品は対象となっておらず、また、後発医薬品があるのに加算対象とならない医薬品があるなど、非常に複雑な制度となっている。さらに、厚生労働省が一般名処方マスタとして公表している医薬品は算定対象となる全ての医薬品を網羅しておらず、医療機関や薬局に様々な混乱と負担をもたらしている。

この混乱に対して厚生労働省は、一九六七年以前に承認・薬価収載された医薬品のうち、価格差のある後発医薬品があるものについて「先発医薬品に準じたもの」として一般名処方加算の対象とするとともに、「先発医薬品に準じたもの」も含め、一般名処方の加算対象となる成分・規格を全て網羅した一般名処方マスタを早急に整備することを明らかにしているが、さらに一般名処方加算の対象とならない医薬品の一覧の整備も必要ではないか。

二 一部の後発医薬品は先発医薬品の効能効果の一部について承認を受けていないものがあり、先発医薬品の処方に対して患者の疾患に適応がない後発医薬品に変更調剤されたり、一般名処方した場合に患者の疾患に適応がない後発医薬品が調剤されたりした場合に、その薬剤に対する調剤報酬が査定・減額される可能性がある。一方、先発医薬品と効能効果に違いがある後発医薬品を網羅的に検索できる仕組み等はなく保険医療機関及び保険薬局において先発医薬品と効能効果に違いがある後発医薬品の情報を正確に把握することが困難である。そのことを考慮すれば、先発医薬品と効能効果に違いがある後発医薬品が調剤された場合に、一律に査定を行うことは困難と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。また、政府の見解を審査支払機関だけでなく、個別に保険者にも周知すべきではないか。

三 一部の先発医薬品と違う効能を持つ後発医薬品について、先発医薬品の追加効能に関する再審査が問題なく終了した場合において、速やかに後発医薬品への効能追加の承認申請が行われるべきと考えるが、政府としてどのような対応をしているのか。

四 二〇〇八年度から国立衛研に対して後発医薬品の品質を検討するための後発医薬品品質情報提供等推進費による事業(以下「推進事業」という。)の委託を行い、これを受けて、国立衛研はジェネリック医薬品品質情報検討会(以下「検討会」という。)を設けて、後発医薬品の品質について学術的観点から検討を行っている。また、検討会での検討を受けて、いくつかの後発医薬品については国立衛研等で純度試験・溶出試験等が行われ、一部の後発医薬品について先発薬との類似性に疑問がある、安定性に問題がある、不純物が多いなど品質に問題があるとの結果が検討会に報告されている。

1 厚生労働省が国立衛研に対して推進事業の委託を行った理由を明らかにされたい。後発医薬品の品質についての懸念も見られることから、普及促進のために品質の信頼性の向上を図るべきと考えたからではないのか。

2 国立衛研等の試験の結果報告は独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)や国立衛研のホームページで公表されているが、これ以外に医師や薬剤師などに届けるためにメーカーや政府はどのような措置をとっているのか具体的に明らかにされたい。ホームページへの公表以外にメーカーへの指導など、政府が具体的な措置をとっていないのであれば、その理由を明らかにされたい。

3 後発医薬品普及のためにその品質に対する疑念を払拭することが必要である。そのためにホームページでの試験結果の報告書公表にとどまらず、推進事業による試験結果を医師や薬剤師等へ積極的に情報提供し、問題が指摘された医薬品については品質の改善を促すとともに、その事実を明らかにし、品質が改善された時には、その検証を行い医師や薬剤師などにその結果を情報提供すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

五 日本は後発医薬品の利用シェアを今年度中に数値ベースで三十パーセントにするという目標も掲げ、後発医薬品の利用促進を進めている。

1 二〇〇五年度以降に行われた後発医薬品の品質確保や品質を確認し情報提供する取組について、その事業名及び各年度の決算総額(または予算総額)を明らかにされたい。また、PMDAにおける二〇〇五年度以降の後発医薬品専任の承認審査部門の人員数及び全ての承認審査部門の人員数について、年度ごとに政府の承知するところを明らかにされたい。

2 米国では後発医薬品を安心して使えるように積極的な取組を行っている。具体的には、FDAの後発医薬品を専門に扱うジェネリック医薬品局に二百十五人の審査官を置き、さらに増員を進める方針であることが報道されている。また、年間数十億円の予算を使って後発医薬品の治療学的同等性を評価している。日本においては、審査管理部門に専任の担当者が置かれず、米国に比して品質確保等のために使われる予算も少ない。現在の取組は安心して後発品を使えるようにするためには不十分ではないか。後発医薬品の品質確保や品質を確認し情報提供するための予算を大幅増額し、後発医薬品の審査や安全管理のための人員増を進めるとともに、専門的知識を有する後発医薬品の審査や安全管理の専任の担当者を置くことも検討すべきではないか。

3 米国FDAは承認された個別の後発医薬品の治療学的同等性の評価を行い「治療学的同等性評価を受けた承認医薬品集」(通称:オレンジブック)を毎年発行し、また、月毎に追補を出している。具体的には、生物学的同等性について、既知あるいは疑わしい問題が無い、または、生物学的同等性に問題がある(若しくはその可能性がある)点に関して試験などによって問題が解消されているものを、治療学的に同等であると判断して「A」から始まる評価コードに分類し、逆に生物学的同等性に問題がある(若しくはその可能性がある)点に関して問題が解消されていないものを現時点で治療学的に同等でないと判断して「B」から始まる評価コードに分類をしている。また、この評価コードの変更についても手順を定め、生物学的同等性に疑問が生じた場合は速やかにコード変更をすることとしている。

早急に日本においても、米国に倣って医師や薬剤師が後発医薬品を選択するために有用な情報を提供するために、薬事承認された後発医薬品について薬事法上適法か否かという評価とは別に、薬事承認申請時に提出された生物学的同等性の資料等や検討会に報告された試験結果、学会報告や発行された文献に基づいて、治療学的同等性を評価した承認医薬品のリストを作成すべきではないか。

4 政府は、「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」を進めているが、後発医薬品の品質の向上を図るとともに、前記の治療学的同等性を評価した承認医薬品のリストの作成など、積極的な情報提供によって、薬剤師や医師、国民などが安心して後発医薬品を使用できる環境作りを更に進めるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

六 国民は先発医薬品、後発医薬品のいずれであっても安くて品質の良い医薬品を求めている。四月三日の参議院厚生労働委員会において、日本、アメリカ、ドイツ、イギリス及びフランスの薬価の比較を取り上げ、日本の薬価はアメリカを除くドイツ、イギリス及びフランスに比べて高いとする全国保険医団体連合会の薬価の国際比較調査について、小宮山洋子厚生労働大臣は、「近年保険収載された新薬につきましては、おおむね外国平均価格より安く、平均すると外国平均価格に比べ八割以下の価格となっています。ただ、これまでのものを合わせると御指摘のような状況になるのだと思います。」と調査結果を否定できなかった。後発医薬品の品質を向上させるとともに、国際的にも高い日本の薬価のあり方を見直すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

厚生労働省としては、一般名処方に対する加算の対象の周知については、御指摘の「一般名処方の加算対象となる成分・規格を全て網羅した一般名処方マスタ」を整備すれば足りることから、御指摘の「一般名処方加算の対象とならない医薬品の一覧」の整備は必要ではないと考えている。

二について

原則として、先発医薬品とは、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条の四第一項各号に掲げる医薬品並びに同項各号に掲げる医薬品に係る同法第十四条又は第十九条の二の規定による製造販売の承認(以下「製造販売の承認」という。)を受けた者が当該製造販売の承認を受けた医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果(以下「有効成分等」という。)が同一であって形状、有効成分の含量又は有効成分以外の成分若しくはその含量が異なる医薬品に係る製造販売の承認を受けた場合における当該医薬品をいい、後発医薬品とは、同法第十四条の四第一項各号に掲げる医薬品と有効成分等が同一性を有する医薬品として製造販売の承認を受けた医薬品であって先発医薬品以外のものをいうが、後発医薬品が製造販売の承認を受けた後に先発医薬品が同法第十四条第九項(第十九条の二第五項において準用する場合を含む。)の規定による製造販売の承認を受けた事項の一部変更の承認(以下「一部変更の承認」という。)を受けたこと等により、先発医薬品と効能、効果等に相違がある後発医薬品が当該先発医薬品に代えて調剤された場合も含め、診療報酬請求の審査については、個別の症例に応じて、保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和三十二年厚生省令第十五号)、診療報酬の算定方法(平成二十年厚生労働省告示第五十九号)等に基づき、適切に行われていると考えており、この見解を保険者に個別に周知する必要はないと考えている。

三について

御指摘の場合については、「後発医薬品における効能効果等に関する取扱いについて」(平成二十四年三月二十九日付け医政経発〇三二九第一号・薬食審査発〇三二九第四号厚生労働省医政局経済課長及び医薬食品局審査管理課長連名通知)等により、医薬品製造販売業者に対して後発医薬品の一部変更の承認の申請を行うことにより、先発医薬品と当該後発医薬品との効能、効果等の相違を可及的速やかに是正するよう指導している。

四の1について

後発医薬品の製造販売の承認の審査等においては、品質、有効性及び安全性が先発医薬品と同一性を有することを確認しているが、医療現場からは、後発医薬品の品質に対する懸念が指摘されていることから、厚生労働省としては、後発医薬品の品質の信頼性の向上を図るため、国立医薬品食品衛生研究所(以下「国立衛研」という。)において後発医薬品品質情報提供等推進事業を実施することにした。

四の2及び3について

研究論文等において品質の問題を指摘された後発医薬品については、必要に応じて、後発医薬品品質情報提供等推進事業により国立衛研等において試験を実施し、その結果(以下「試験結果」という。)については、必要に応じて、当該後発医薬品の製造販売業者に対して伝達し、当該製造販売業者から試験結果に対する説明を求め、当該試験結果及び当該製造販売業者からの説明を国立衛研のジェネリック医薬品品質情報検討会(以下「検討会」という。)において検討することにより、品質の確認を行っている。

試験結果、後発医薬品の製造販売業者からの説明及び検討会における検討結果については、いずれも独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)や国立衛研のホームページ等において公表されており、医師や薬剤師等に対する情報提供が行われている。今後、こうした取組以外の方法による情報提供についても検討していきたい。

また、試験結果について、後発医薬品の製造販売業者が医師や薬剤師等に対してどのような情報提供を行っているかについては、承知していない。

五の1について

お尋ねの「後発医薬品の品質確保や品質を確認し情報提供する取組」については、「後発医薬品品質確保対策費」、「医療用後発医薬品再評価対策費」、「後発医薬品品質情報提供等推進費」により実施しているが、お尋ねの決算総額については、事業名ごとに決算総額を集計した資料がないため、お答えすることは困難である。「後発医薬品品質確保対策費」については、平成十七年度から平成二十四年度までの各年度における予算総額は、平成十七年度が三千八百六十九万六千円、平成十八年度が三千二百四万四千円、平成十九年度が二千九百六十八万五千円、平成二十年度が四千三百九十九万九千円、平成二十一年度が四千四百九万千円、平成二十二年度が三千七百四十万八千円、平成二十三年度が三千七十三万千円、平成二十四年度が二千五百八十六万八千円である。「医療用後発医薬品再評価対策費」については、平成十八年度まで実施しており、平成十七年度の予算総額は一億九百六十九万七千円、平成十八年度の予算総額は九千九百九十万五千円である。「後発医薬品品質情報提供等推進費」については、平成十九年度から実施しており、同年度から平成二十四年度までの各年度における予算総額は、平成十九年度が九千九百三十一万五千円、平成二十年度が一億四千五百五十二万六千円、平成二十一年度が一億四千四百八十七万四千円、平成二十二年度が一億四千二百七十四万千円、平成二十三年度が一億四千二百八十万四千円、平成二十四年度が一億四千二百八十三万円である。

また、機構の後発医薬品、一般用医薬品の製造販売の承認の審査等を担当する一般薬等審査部の平成十七年度から平成二十四年度までの各年度の四月一日時点における常勤職員数については、平成十七年度が二十一名、平成十八年度が二十四名、平成十九年度が二十六名、平成二十年度が三十一名、平成二十一年度が三十五名、平成二十二年度が三十六名、平成二十三年度が三十五名、平成二十四年度が三十四名である。機構の審査部門全体の平成十七年度から平成二十四年度までの各年度の四月一日時点における常勤職員数については、平成十七年度が百七十八名、平成十八年度が百九十七名、平成十九年度が二百六名、平成二十年度が二百七十七名、平成二十一年度が三百五十名、平成二十二年度が三百八十九名、平成二十三年度が四百十五名、平成二十四年度が四百三十八名である。

五の2について

御指摘の審査管理部門が何を指すのか必ずしも明らかではないが、医薬品の製造販売の承認の審査等や市販後の安全管理を実施する機構においては、後発医薬品の製造販売の承認の審査等について専門的な知識を有する審査員と医薬品の安全管理について専門的な知識を有する調査員を配置するなど体制強化に取り組んでおり、後発医薬品の品質、有効性及び安全性の確保に必要な製造販売の承認の審査等や市販後の安全管理の体制は確保されていると考えている。

五の3について

日本では、「後発医薬品に係る情報提供の充実について」(平成十八年三月二十四日付け薬食安発第〇三二四〇〇六号厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)により、後発医薬品の製造販売の承認の申請時に提出された先発医薬品との生物学的同等性の試験結果を、当該後発医薬品の添付文書に記載するよう指導している。また、四の2及び3についてで述べたとおり、研究論文等において品質の問題を指摘された後発医薬品については、必要に応じて、国立衛研等において試験を実施し、検討会において検討するとともに、試験結果等を機構や国立衛研のホームページ等において公表している。こうした取組により、御指摘のリストを作成しなくても、医師や薬剤師等に対する後発医薬品に関する情報提供は十分に行われていると考えている。

五の4について

厚生労働省においては、平成十九年十月に取りまとめた「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」(以下「アクションプログラム」という。)に基づき、試験結果の公表等により後発医薬品の品質の信頼性の向上を図るとともに、都道府県に設置した「後発医薬品の安心使用促進のための協議会」を通じた普及啓発の取組等により後発医薬品の信頼性の向上のための環境整備を進めている。

今後、平成二十四年度中に後発医薬品の一層の使用促進のためのロードマップを作成し、品質の確保や情報提供体制等の充実を図ることにより、患者や医療関係者が安心して後発医薬品を使用できる環境づくりに努めていきたい。

六について

後発医薬品については、アクションプログラムに基づく取組等を通じて、引き続き、品質の信頼性の向上に努めていきたい。

また、新たに薬価基準に収載する先発医薬品の薬価については、これまでも原則として、外国の価格を参考として設定している。薬価の在り方については、今後とも中央社会保険医療協議会における議論を踏まえて、適切に対応していくことにしている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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