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拙速な野田総理の原子力発電所事故収束宣言に関する質問主意書
参議院 第180回 第34号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
野田総理は、去る十二月十六日の記者会見において、「原子炉が冷温停止状態に達し、事故自体は収束したと確認した」と発言した。しかし、十二月二十七日に福島県議会が「原発事故の収束宣言の撤回を求める意見書」を全会一致で可決したほか、「冷温停止状態」の定義自体に疑問が呈されるなど、地元や専門家から、余りにも拙速な収束宣言との批判があるだけではなく、国民の安全に関わる重要な問題を十分な根拠なく判断する野田内閣の政治姿勢に多くの国民は懸念を有している。
そこで、以下のとおり質問する。
一 政府が用いる「冷温停止状態」の定義について、現在の計測値及び計測場所を示した上で、具体的に明らかにされたい。また、それらの計測値のうち、どの計測場所でどのような値を示した場合に「冷温停止状態」ではなくなるのか、具体的に明らかにされたい。
二 東京電力福島第一原子力発電所の各原子炉から大気・海水・土壌に放出されている時間当たりの放射性物質の量について、大気・海水・土壌別(個別値がなければ全体値)にベクレル単位で明らかにされたい。また、それらは昨年三月十一日前の状態のおおよそ何倍になるのか示されたい。
三 昨年十二月十六日付け東京新聞によれば、建屋地下に毎日五百トン程度地下水が流れ込み、その処理が厄介な問題となっており、当初の計画では建屋地下からは汚染水がなくなっているはずだったが、いまだに八万トン近い汚染水で満たされている一方、十四万トン分用意した処理水タンクの残容量は少ないとの指摘がある。これらの事実関係について、政府の承知するところを実際の値を示した上で明らかにされたい。また、同報道によれば、政府は「水は冷温停止状態の定義と無関係」と説明したとされているが事実か、政府の承知するところを明らかにされたい。
四 日本原子力保険プールは、東京電力福島第一原子力発電所の損害保険契約の更新を拒否したと聞いているが、日本原子力保険プールはどのようなリスクがあるために更新しないと主張したのか。その詳細について、政府の承知するところを明らかにされたい。また、海外大手保険会社との契約についても原賠法を所管する文部科学省が難色を示して交渉がまとまらなかったとの報道(一月十一日付け日本経済新聞)もあるが、文部科学省は具体的にどのような考えから「難色を示した」のか。政府の承知するところについて、国民が安心できるよう明らかにされたい。
五 東京電力は、本年二月二日頃から東京電力福島第一原子力発電所二号機の温度測定値が急上昇した原因は、熱電対の故障としているが、このような測定機器の故障は、政府の「冷温停止状態」の定義の中で想定されていたのか。想定されていたのであれば、今後、具体的にどのような測定装置が故障することを想定しているのか。また、その際の政府の対処方法を具体的に明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
原子力災害対策本部が平成二十三年十二月十六日に取りまとめた「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋 ステップ二完了報告書」(以下「完了報告書」という。)において、冷温停止状態の定義については、「圧力容器底部の温度が概ね百度以下になっていること」、「格納容器からの放射性物質の放出を管理し、追加的放出による公衆の被ばく線量を大幅に抑制していること」、「上記二条件を維持するために、循環注水冷却システムの中期的安全を確保していること」のいずれも満たしている状態であるとしている。また、冷温停止状態かどうかを判断するに際しては、複数の指標を基に総合的に判断することとしており、例えば圧力容器底部の温度については、東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)において、複数個の温度計により測定し、各温度計の状態や位置も考慮しつつ測定結果を相互に比較参照して計測しているところ、東京電力によると、福島第一原子力発電所の第一号機から第三号機までの各号機における圧力容器底部代表部位の温度については、平成二十四年二月二十四日十一時時点で、それぞれ第一号機で約二十四度、第二号機で約四十七度、第三号機で約五十一度である。
二について
東京電力によると、平成二十四年一月二十三日時点において、福島第一原子力発電所の第一号機から第三号機までにおける原子炉格納容器からの放射性セシウムの追加的放出量の合計は、毎時約〇・七億ベクレルと推定されている。なお、平成二十三年三月十一日以前の状況については、経済産業省において、東京電力が定める「福島第一原子力発電所原子炉施設保安規定」に定める年間の管理目標値を下回っているかを確認するため、東京電力から、同発電所における放射性ヨウ素等の年間総放出量について報告を受けており、その内容については同省のホームページに掲載しているが、放射性物質の核種が異なり、また、放射性物質の放出量は原子力発電所の運転状態により変動することから、単純に比較することは困難である。
三について
東京電力からの平成二十三年十二月六日の報告によれば、福島第一原子力発電所において、タービン建屋等の水位の測定記録から推定される雨水や地下水の流入量は、一日当たり合計で二百立方メートルから五百立方メートルである。また、東京電力からの平成二十四年二月二十二日の報告によれば、同発電所において、同月二十一日時点で、原子炉建屋、タービン建屋及び集中廃棄物処理建屋内における汚染水の滞留量は、合計で約九万立方メートルであり、濃縮塩水受けタンク及び濃縮廃液貯槽の残容量は合計で約三万立方メートルである。御指摘の「水は冷温停止状態の定義と無関係」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、完了報告書において、冷温停止状態の条件の一つについて、「格納容器からの放射性物質の放出を管理し、追加的放出による公衆の被ばく線量を大幅に抑制していること」としており、そのためには、滞留水が適切に管理された状態にあり外部への放出が抑制されていることが必要であると考えている。
四について
福島第一原子力発電所に係る責任保険契約(原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第八条に規定する責任保険契約をいう。以下同じ。)について、日本原子力保険プールによれば、同発電所において既に事故が発生していることや核燃料物質等が事故発生前と同等の状態で管理されていないこと等を理由として、責任保険契約を更新しなかったものと聞いている。また、御指摘の「海外大手保険会社との契約」について、文部科学省としては、東京電力に対し、同法第六条に規定する損害賠償措置として同法第七条第一項の規定による承認を受けるためには、当該契約の付保の範囲について、従前より東京電力と日本原子力保険プールとの間で締結されていた責任保険契約の付保の範囲と同様のものである必要がある旨を指摘してきたところである。
五について
一についてで述べたとおり、冷温停止状態かどうかを判断するに際しては、複数の指標を基に総合的に判断することとしており、例えば圧力容器底部の温度については、複数個の温度計により測定し、各温度計の状態や位置も考慮しつつ測定結果を相互に比較参照している。経済産業省においては、今般の温度計の故障を受けて、平成二十四年二月十三日に、東京電力に対し、現在使用されている温度計以外に原子炉内の温度を監視する代替手段があるかどうか等について報告を求めており、現在、東京電力からの報告内容について、専門家の意見も聴きつつ評価しているところである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。