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郵便事業会社における高年齢の期間雇用社員の雇止めと要員不足対策に関する質問主意書

参議院 第185回 第80号お答えすることは困難 ×1

提出者
参議院
提出日
2013年12月2日
内閣転送 2013年12月4日
答弁書受領日
2013年12月10日
提出から8日
答弁の項目数
4
質問 3,302字/答弁 2,195字

質問本文

日本郵政グループは、かつては国営企業日本郵政公社であり、分割民営化後も政府の百パーセント出資会社で、二十万人以上の非正規社員を抱える日本有数の大企業である。このグループ各社が、平成二十三年九月三十日付けで、六十五歳超の期間雇用社員を原則として雇止めとする措置を採った。

この件については、同年十二月五日付けで「高年齢の期間雇用社員の雇止めと要員不足対策に関する質問主意書」(第百七十九回国会質問第四五号)(以下「質問主意書」という。)を提出し、内閣総理大臣の答弁書(内閣参質一七九第四五号)によって、同グループ全体で一万二千七百六人もの大量の社員が雇止めとされたことが明らかになった。その後も、半年ごとに、期間六か月の期間雇用社員の契約期間満了に際して六十五歳超の期間雇用社員が原則として雇止めとされている。

しかし、本格的な高齢社会の進展に伴い、高年齢者の雇用の機会の拡大は、高年齢者世帯の自立した経済・社会生活維持の観点からも、また、経験ある労働力の自然減に悩む企業からも望まれる社会政策となっており、厚生労働省も「雇用政策基本方針」において、七十歳まで働ける企業の普及促進を図っている。

また、熟練した労働者を、六十五歳以上であるからとの理由で雇止めとしたことは、郵政の現場で深刻な人員不足をもたらし、大きな混乱が生じてきた。そのことは、マスコミなどでも報道されているとおりであり、郵政事業に対する利用者・国民の不信を増幅させている。

よって、郵政三事業の監督官庁及び株主である政府に対して善処を求めるため、以下質問する。

一 参議院における附帯決議違反について

参議院郵政民営化に関する特別委員会附帯決議(平成十七年十月十四日)の十一の1では、労働条件について「現行の労働条件及び処遇が将来的にも低下することなく職員の勤労意欲が高まるよう十分配慮すること」とある。ところが、二〇〇七年十月の郵政民営化に際して、郵政グループ各社においては、「会社の都合による特別な場合の他は、満六十五歳に達した日以後における最初の雇用契約期間の満了の日が到来したときは、それ以後、雇用契約を更新しない。」との期間雇用社員就業規則第十条二項が策定された。同条については、附則で経過措置が設けられ、二〇一一年四月一日更新の有期雇用契約から適用されて、九月末に大量の期間雇用社員が雇止めとされる事態が生じたのである。

それ以前は、郵政公社の非常勤職員や日本郵政グループの期間雇用社員は、年齢を問わず、働ける限り雇用が継続されており、実際、七十歳を超える者も多数勤務しており、六十五歳を超えてから採用された人も少なくなかった。そのことからすると「労働条件及び処遇が将来的にも低下」した例であって前述の参議院における附帯決議の趣旨に反するのではないか。そのような場合については、立法府の決議が軽視されていることとなるが、政府の見解及び指導方針を明らかにされたい。

二 「会社の都合による特別な場合」と六十五歳定年適用の問題点

答弁書からは、六十五歳超の期間雇用社員を最も多く雇止めしたのは郵便事業会社であることが明らかになった。しかも、同社は、雇止めをなす一方で、四百五十五名について雇用更新、百七名について再雇用をなしたことが明らかになった。それらは、前記一で述べた期間雇用社員就業規則第十条二項の「会社の都合による特別な場合」のためと考えられる。

現在、東京地方裁判所に係属している雇止めとされた者が地位確認を求めた裁判において、「会社の都合による特別な場合」は、人員確保の必要性及び後補充の困難性により判断したと説明された。

しかし、それは六十五歳超でも業務遂行が可能であることを前提としたものであり、実際に、前述のとおり、五百六十二名もの雇用更新・再雇用者がいるのであるから、六十五歳超が業務に堪えない、などという郵便事業会社による六十五歳定年制の説明と整合しない。

また、厚生労働省も「雇用政策基本方針」において、七十歳まで働ける企業の普及促進を図っていることからすれば、六十五歳超を原則として雇止めとしたこと自体に合理性が認められないことを示していると考えられる。

日本郵政グループの期間雇用社員は、賃金は正社員の三分の一以下で、退職金もなく、年金水準も低く、雇止めとされた後の生活の保障もない状態である。現に、六十五歳超として雇止めとされた者の中には、生活保護受給を余儀なくされた者、生活不可能な状態に陥った者等が存在する。最も、採用時には、体の続く限り働ける、と言われて、低い労働条件の下でも、集配や内務等といった郵政の基幹的業務を担って働いてきたのである。

1 そのような状況下に置かれてきた期間雇用社員に、実質的な定年制を適用して、雇止めとすることが妥当であるかとの点につき、政府の見解を明らかにされたい。

2 妥当でないと判断する場合には、今後は日本郵政グループ各社に対して、六十五歳超雇止めを行わないよう指導するべきと考えるが、いかがか。

三 「会社の都合による特別な場合」の運用の問題点

「会社の都合による特別な場合」の運用については、当方が前述の訴訟の原告らから入手した郵便事業会社近畿支社資料と会社が裁判で提出した関東支社の資料によれば、六十五歳雇止めをなした後、「後補充必要数」に「確保数」が足りず、人員不足が生じている支店が少なくなかったことが数字上も明らかになっている。とりわけ、郵便物が配達できない、長時間残業が発生しているなどで問題となった船橋支店や越谷支店での人員不足(船橋支店に至っては二十四名と大量である)を認めていることは、そうした問題が六十五歳超の職員の雇止めのためであったことを示している。

熟練の職員が退職する場合、それよりも多くの職員でなければ業務をこなせないという現場の実態に反して、「後補充必要数」自体、雇止め対象社員者数よりも相当少ないものにしているが、それでも人員不足を認めているのである。そのことは、「会社の都合による特別な場合」による契約更新の運用が不当に限定され、かつ恣意にわたっていることを示している。「人員確保が必要であり、後補充が困難な場合」というのは、郵便事業会社が認めるよりもはるかに多いはずだが、それが不当に限定され、しかも、裁判の原告らなど特定の労働組合の組合員がいるところでは、後補充が困難であっても、六十五歳超の職員を雇止めとしているのである。

1 このような事態に対する政府の見解を明らかにされたい。

2 このような事態を是正するために、これまで雇止めされてきた者のうち希望者については再度雇用する措置等を検討するよう指導することなどが考えられるが、政府の指導方針を明らかにされたい。

3 東京支社については、近畿支社や関東支社同様の資料は明らかにされていないので、東京支社の各支店毎の雇止め対象者数、後補充必要数、不足数につき、政府の承知するところを明らかにされたい。

四 雇用対策法違反について

平成二十五年四月二十四日より前の厚生労働省の「労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A」では、「再雇用に際して年齢で募集を制限したり、可否の判断をすることは年齢制限に当たる」かどうかという点について、雇用対策法十条に基づいて「再雇用は新たな雇用契約の締結、すなわち労働者の募集・採用にあたるため、例外事由に当たらない年齢制限をすることは違法になる」となっていた(Q一-十五)。

郵便事業会社における期間雇用社員の雇用の更新は、その都度、期間満了予告通知書及び期間雇用社員雇入労働条件通知書が支店長から発せられるのであり、法形式上は、それまでの雇用の終了と新たな雇用契約の締結を一体的に行うものである。よって、郵便事業会社における期間雇用社員の雇用の更新を年齢を理由に行わないことは、右の記載から見ても、雇用対策法で禁止している年齢制限にあたると考えるが、この点について、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険(以下「日本郵政グループ各社」という。)における御指摘の「期間雇用社員就業規則第十条二項」(日本郵便株式会社においては期間雇用社員就業規則第十二条第二項)の規定については、日本郵政グループ各社からは、郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案及び郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議(平成十七年十月十四日参議院郵政民営化に関する特別委員会。以下「附帯決議」という。)等を踏まえて労働組合と協議し、当該規定と同様の内容を労働協約に盛り込んだ上で作成したと聞いており、附帯決議の趣旨に反するものではないと考えている。

二並びに三の1及び2について

日本郵政グループ各社における高年齢の期間雇用社員の雇用については、日本郵政グループ各社の経営判断に基づき適切に決定されるべきものであり、政府としては、個別の事柄について常にその逐一を承知して見解を述べる立場にはないが、一般論としては、労働者の雇用に配慮することは重要であると考えている。

三の3について

お尋ねの「雇止め対象者数」及び「後補充必要数」の意味するところが必ずしも明らかでないが、日本郵便株式会社東京支社の各郵便局における①平成二十五年九月末において満六十五歳以上であった期間雇用社員(旧郵便局株式会社に所属していた社員を除く。)のうち、退職した者の人数、②同月末において①の退職者の補充を必要とした人数については、日本郵便株式会社から、次のとおりであると聞いている。

銀座郵便局 ①三人 ②一人、新東京郵便局 ①二十二人 ②二十一人、東京国際郵便局 ①二人 ②一人、神田郵便局 ①一人 ②一人、麹町郵便局 ①四人 ②二人、日本橋郵便局 ①四人 ②三人、晴海郵便局 ①三人 ②三人、上野郵便局 ①一人 ②零人、浅草郵便局 ①一人 ②一人、小石川郵便局 ①零人 ②零人、本郷郵便局 ①三人 ②三人、荒川郵便局 ①二人 ②二人、足立郵便局 ①三人 ②二人、足立北郵便局 ①二人 ②零人、足立西郵便局 ①一人 ②一人、葛飾郵便局 ①二人 ②二人、葛飾新宿郵便局 ①一人 ②零人、深川郵便局 ①一人 ②一人、本所郵便局 ①零人 ②零人、向島郵便局 ①二人 ②一人、江戸川郵便局 ①三人 ②三人、小岩郵便局 ①二人 ②一人、葛西郵便局 ①一人 ②一人、城東郵便局 ①一人 ②一人、渋谷郵便局 ①五人 ②三人、芝郵便局 ①三人 ②二人、赤坂郵便局 ①一人 ②一人、高輪郵便局 ①三人 ②二人、代々木郵便局 ①零人 ②零人、目黒郵便局 ①四人 ②二人、世田谷郵便局 ①二人 ②二人、品川郵便局 ①二人 ②二人、大崎郵便局 ①一人 ②一人、荏原郵便局 ①零人 ②零人、大森郵便局 ①六人 ②五人、蒲田郵便局 ①零人 ②零人、田園調布郵便局 ①一人 ②一人、千鳥郵便局 ①一人 ②一人、千歳郵便局 ①一人 ②一人、成城郵便局 ①三人 ②三人、玉川郵便局 ①一人 ②零人、新宿郵便局 ①四人 ②二人、落合郵便局 ①一人 ②一人、牛込郵便局 ①一人 ②一人、新宿北郵便局 ①零人 ②零人、中野郵便局 ①一人 ②一人、中野北郵便局 ①二人 ②零人、杉並郵便局 ①三人 ②零人、荻窪郵便局 ①二人 ②一人、杉並南郵便局 ①一人 ②零人、豊島郵便局 ①零人 ②零人、王子郵便局 ①二人 ②二人、赤羽郵便局 ①三人 ②一人、板橋郵便局 ①二人 ②一人、板橋北郵便局 ①一人 ②一人、板橋西郵便局 ①二人 ②二人、練馬郵便局 ①一人 ②一人、石神井郵便局 ①零人 ②零人、大泉郵便局 ①一人 ②一人、光が丘郵便局 ①零人 ②零人、武蔵野郵便局 ①一人 ②一人、東京多摩郵便局 ①二人 ②一人、三鷹郵便局 ①零人 ②零人、調布郵便局 ①零人 ②零人、武蔵府中郵便局 ①二人 ②一人、狛江郵便局 ①零人 ②零人、多摩郵便局 ①二人 ②二人、西東京郵便局 ①零人 ②零人、小金井郵便局 ①一人 ②零人、国分寺郵便局 ①零人 ②零人、小平郵便局 ①二人 ②二人、東村山郵便局 ①零人 ②零人、東久留米郵便局 ①一人 ②零人、清瀬郵便局 ①二人 ②二人、立川郵便局 ①三人 ②零人、国立郵便局 ①二人 ②零人、あきる野郵便局 ①一人 ②一人、昭島郵便局 ①零人 ②零人、青梅郵便局 ①零人 ②零人、羽村郵便局 ①一人 ②零人、武蔵村山郵便局 ①零人 ②零人、八王子南郵便局 ①二人 ②零人、日野郵便局 ①零人 ②零人、八王子郵便局 ①五人 ②一人、八王子西郵便局 ①二人 ②二人、町田郵便局 ①四人 ②四人、町田西郵便局 ①零人 ②零人、鶴川郵便局 ①一人 ②零人

なお、お尋ねの「不足数」については、日本郵便株式会社から、把握することは困難であると聞いている。

四について

日本郵便株式会社における御指摘の「期間雇用社員の雇用の更新」は、雇用対策法(昭和四十一年法律第百三十二号)第十条に規定する労働者の募集及び採用に該当せず、お尋ねの「期間雇用社員の雇用の更新を年齢を理由に行わないこと」については、同条により禁止している年齢制限には当たらないと考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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