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放射性物質による汚染がれきの焼却処理等に関する質問主意書

参議院 第185回 第88号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×3承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2013年12月5日
内閣転送 2013年12月6日
答弁書受領日
2013年12月13日
提出から8日
答弁の項目数
9
質問 2,619字/答弁 1,651字

質問本文

東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「原発事故」という。)により、放射性物質に汚染されたがれきが福島県を始め、大津波被災県や関東の都県で大量に発生した。

この放射性物質による汚染がれきは、福島、宮城、岩手、茨城などの各県の一般廃棄物の焼却施設において焼却処理されているところであるが、個別の焼却データを見ると、放射性セシウムの回収率について、当初言われていた九十九パーセントからはるかに低いものが散見されている。このことは、第百八十回国会において提出した質問主意書で憂慮してきたとおり、汚染がれきの焼却により、大気を通して放射能汚染が広がっている可能性が懸念されるものである。

原発事故から三年が経過しようとする現在、放射性物質による汚染がれきの焼却処理方式を見直し、新たに埋設などの他の方式を検討すべきではないかと考える。

これ以上国土を汚染させることなく、人々を被ばくさせることなく、将来世代に対し安全で安心な国土を引き継ぐため、具体的な焼却施設データ等について、以下質問する。

一 福島県鮫川村における汚染物の焼却処理の放射能回収率について

平成二十五年八月六日付けの環境省指定廃棄物対策チームの報告書「農林業系副産物等処理実証事業の確認運転結果(全体報告)」(以下「報告書」という。)において、確認運転の結果二-一運転データの表一によると、福島県鮫川村の焼却炉において七月十六日から十八日にかけて行われた負荷運転では放射能に汚染された牧草や稲わらを焼却した結果、放射性セシウムの回収率が七十五パーセントになっている(焼却対象物中放射性セシウム総量六十一万六千二百ベクレル、もえがら中放射性セシウム総量三千九百ベクレル、ばいじん中放射性セシウム総量四十五万九千二百ベクレル)。

これは環境省が九十九パーセント以上の回収率と周辺住民へ説明し、焼却を推進してきたこととあまりに異なる結果である。

1 この結果をどう説明するのか政府の見解を示されたい。

2 報告書によると、二十五パーセントが大気中へ放出されたことになり、このような結果が出たことから、焼却をいったん中止し再検討すべきと考えるが、いかがか。

3 岩手県宮古市の焼却炉においても、市民グループの計算では回収率が八十四パーセント程度であると聞く。他の焼却炉における前述の表一のようなデータを集約している場合には、示されたい。

4 汚染がれきを焼却している各焼却炉において、前述の表一のデータを集約すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 バグフィルターによる排ガス中放射性セシウムの除去について

1 汚染された牧草等と一般ごみとの混合物を燃焼処理した場合に発生する燃焼ガスの煙の微粒子の直径の分布割合(粒径分布)を示されたい。

2 環境省の広域処理情報サイトの「よくあるご質問」のQ十四で、バグフィルターで〇・一ミクロンまでの微粒子を除去可能と記載されているが、この根拠となるデータを示されたい。

3 全国の一般のごみ焼却場で使用しているバグフィルターで捕捉される粒径はどの程度か、メーカーの仕様書に記載されている最小径について、最大値、最小値及び平均値を示されたい。

4 汚染物中の放射性セシウムは燃焼させると煙の微粒子にどの程度付着(吸着)するものか、その割合について科学的根拠を示されたい。私は全ての放射性セシウムが吸着するものではないと考えるが、もし煙の微粒子に吸着しない放射性セシウムがあるとすれば、いかなる化合物となって放出されるか、示されたい。

三 焼却による排ガス中の放射性セシウムの測定について

バグフィルターを抜けた焼却による排ガスを排気筒から等速誘引し(円筒)ろ紙等で微粒子を除き、ついで水に排ガスを通すことで水にセシウムを抽出し、ろ紙と水(ドレン)の放射性セシウムを測定する方式が行われている。

1 現在測定に用いられている方式は、いつ、どこで決められたのか。また、その際に課題に挙げられた事項を示されたい。

2 排ガス中の放射性セシウムを含む微粒子が集められた(円筒)ろ紙(〇・三ミクロンまで)によって、どのように放射性セシウムを測定するのか示されたい。その検出限界値はどのような条件で、どのように決定されるのか示されたい。

3 線香の煙を水に通した場合、その煙粒子が全て水に移動するわけではないことは目視によりわかるが、ろ紙を通過した排ガスを水に通過させた場合にどの程度放射性セシウムが水に抽出されるか、水への抽出割合に関する科学的根拠資料を示されたい。

4 現在の排ガス中の放射性セシウム濃度測定方式は十分信頼できるものか、政府の見解を示されたい。

5 今年二月五日から四日間にわたり試験焼却が行われた岩手県宮古市の焼却炉の場合、現在の排ガス検出限度(ろ紙、ドレン部についてセシウム一三四、セシウム一三七各々について一立方メートル当たり二ベクレル)では、バグフィルター前の排ガスですら送風量の関係で検出限界値以下になる。ましてフィルターを通すため更に濃度が低下する。これでは最初から不検出がわかっており意味がないのではないか。全国各地の焼却による排ガス中の放射性セシウムが不検出になっている原因ではないか。地域の人々をあざむくものでないのか、政府の見解を示されたい。

6 このような測定方式は薄めて焼却する発想であり、周辺環境や人々の健康を守るためのものではない。濃度規制に加え、厳しい総量規制を取り入れるべきではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

四 焼却場の排ガス中における放射性セシウム一三四、セシウム一三七の基準がそれぞれ原子力施設の基準二〇ベクレル毎立方メートル、三〇ベクレル毎立方メートルを当てはめるよう指導されているようだが、原子力施設ではない一般のごみ焼却場の排ガスや周辺環境にこの基準値を用いることは、環境汚染防止の観点から納得できない。基準値を原子力施設の値の十、百、千分の一以下にする等、各自治体が自らの裁量で設定することは何ら問題ないと考えるが、いかがか、政府の見解を示されたい。

五 福島県や周辺県で汚染調査重点地域に指定されているところでは、様々な場面で被ばくが予想される。これに加えて更に焼却による汚染まで加えることはあまりに配慮に欠けることになるのではないか、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1、2及び4について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

一の3について

御指摘の「データ」については、集約していない。

二の1について

環境省としては、御指摘の「分布割合」を測定及び分析しておらず、お答えすることは困難である。

二の2及び3について

お尋ねの「一般のごみ焼却場で使用しているバグフィルターで捕捉される粒径」は、〇・一ミクロンまでであり、当該数値は、社団法人全国都市清掃会議(現在の公益社団法人全国都市清掃会議)が平成十八年に出版した「ごみ処理施設整備の計画・設計要領 二〇〇六改訂版」に記載されている。

また、お尋ねの「最大値、最小値及び平均値」については、御指摘の「メーカーの仕様書」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

二の4について

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四十六年厚生省令第三十五号)第四条第一項第七号に規定する要件を満たす焼却施設においては、焼却炉内で摂氏八百度以上となり、放射性セシウムの一部は気化して排ガス中に移行し、バグフィルターに入る前に摂氏二百度以下になるため、排ガス中に含まれる放射性セシウムは、主に、塩化セシウムとして凝縮し、固体状態になり、排ガス中に含まれる他の物質と共に凝集してばいじんになると考えられる。こうした焼却炉内における放射性セシウムの挙動については、環境省が平成二十三年十二月に策定し、平成二十五年三月に改訂した「廃棄物関係ガイドライン 第二版」(以下「ガイドライン」という。)に示されており、ガイドラインについては、放射能、廃棄物処理等の専門家により構成された災害廃棄物安全評価検討会(以下「検討会」という。)における議論を踏まえ、同省が策定したものである。

三の1及び4について

お尋ねの放射性セシウム濃度の測定方法については、平成二十三年十二月に、第十回及び第十一回の検討会において検討が行われ、環境省が策定した「廃棄物関係ガイドライン 第一版」において示されるとともに、処分に伴い生じた排ガスを排出する場合における排ガス中の事故由来放射性物質の濃度の測定方法(平成二十三年環境省告示第百十一号。以下「排ガス測定方法告示」という。)において定められたものであり、適切な方法であると考えている。また、第十回及び第十一回の検討会においては、この測定方法に関して、問題点は指摘されていない。

三の2について

放射性セシウムが採取されたろ紙は、排ガス測定方法告示及びガイドラインにおいて、ゲルマニウム半導体検出器を用いて測定することとされている。また、セシウム百三十四及びセシウム百三十七の測定の際に目標とする検出下限値については、ガイドラインにおいて、測定時間等を踏まえ、いずれも、一立方メートル当たり二ベクレルとすることとされている。

三の3について

環境省としては、お尋ねの「抽出割合」に関する知見については承知していない。

三の5及び6、四並びに五について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則(平成二十三年環境省令第三十三号)第三十三条等に定める事業場周辺の大気中の事故由来放射性物質についての濃度限度(以下「大気中の濃度限度」という。)は、同一人が零歳から七十歳になるまでの間、大気中の濃度限度に相当する放射性セシウムを含む排ガスを摂取したとしても、追加被ばく線量が年間一ミリシーベルト以下となる濃度であり、適切なものであると考えていることから、お尋ねの総量規制の導入や、地方自治体が独自に大気中の濃度限度よりも厳しい基準の設定を行う必要はないと考えている。

なお、大気中の濃度限度については、内閣府原子力安全委員会(当時)及び放射線審議会の答申を経た上で定められたものである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×3承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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