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医薬品のインターネット販売に関する質問主意書
参議院 第186回 第11号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×1承知していない ×4個別の事案 ×1
質問本文
平成二十五年十二月五日に薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)が成立した。右の点を踏まえ、以下、要指導医薬品(改正法施行後の薬事法(以下「改正薬事法」という。)第四条第五項第四号)のインターネット販売のほか、処方箋医薬品のインターネット調剤について質問するが、処方箋医薬品のインターネット調剤及び配送とは、薬局としての許可を取得している者が、患者から処方箋原本を郵送、持参又はFAXにより受領し、薬剤師がインターネット、メール、電話、FAX等を用いて情報提供及び服薬指導を行ったうえで、薬剤師が薬剤を調剤し、患者に配送し当該処方箋医薬品と処方箋とを交換する方法(以下「ネット調剤」という。)を指すものとする。
一 処方箋医薬品の郵送について
昨年十一月十八日のRISFAXの記事に関連して、質問をする。
1 日本調剤が、①コールセンターに電話して利用申込書を入手、②受診し医師から処方箋を受け取る、③処方箋原本と問診票医薬品送付依頼書に必要事項を記入したものを郵送、④日本郵便のレターパックやゆうパックで医薬品が届くという手順で、医療用医薬品を郵送で患者に直接届けるサービスの準備を整えていたところ、厚生労働省がこれを中止するよう指導したとの報道があるが、それは事実か。事実である場合、そのように指導した理由及びその根拠法令を示されたい。根拠法令が省令である場合には、授権した法律の規定を示されたい。中止をさせる根拠法令がない場合には、根拠法令がないにもかかわらず中止の指導をすることができる理由につき、政府の見解を示されたい。
現在多くの調剤薬局で、患者からの要望があれば、処方箋を確認したうえで調剤された薬剤を郵送又は直接配達しているケースがあると聴いているが、厚生労働省はそのようなケースを把握しているか。把握している場合には、当該郵送に起因して副作用が発生した事例の有無及び事例がある場合には、どの程度の副作用が発生しているのか、示されたい。また、副作用発生割合は、薬剤を郵送又は直接配達しているケース全体のうち、どの程度か明らかにされたい。
2 前記一の1のケースを把握していない場合には、その理由を示されたい。
3 前記一の1に関連して、政府の把握の有無にかかわらず、薬剤を郵送又は直接配達するケースは改正法施行前の薬事法に違反することになるのか、政府の見解を明らかにされたい。違反に当たる場合には、根拠規定を示されたい。また、改正法が施行された後は、当該ケースは違法になるのか。違法にならない場合には、その根拠は何か示されたい。
二 対面原則と抵触する通知に基づく措置について
平成十年十二月二十五日付け各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省医薬安全局企画課長通知「ファクシミリを利用した処方せん受入体制と患家での薬剤の受渡しについて」(医薬企第九〇号)によれば、寝たきり患者等の利便の向上を図る観点から、患者等が薬局を来訪することが困難な場合等において、従前対面で情報提供を行った同一の薬剤を調剤する場合等、一定の条件を満たした場合には、看護者から薬局に対してファクシミリで電送された処方内容に基づき薬剤師以外の者が患家を訪問し薬剤の受渡し等を行うことが認められている。なおこの際、薬剤師は患者等に対し電話等により必要な情報提供を適切に行い、患者の質問等に応じることが求められる。
1 現行法においては法律上の特例がないはずであるが、例外を認めるとすれば、その根拠は何か。
2 これまで実施されてきた薬剤師以外の者による薬剤の受渡しの件数はどれほどか、明らかにされたい。
3 前記二の2の件数を調査していないとすれば、その理由を明らかにされたい。
4 改正法が施行された後は、このような運用も許されなくなると理解してよいか。許される場合には、その根拠規定を明らかにされたい。
5 これまで実施されてきた薬剤師以外の者による薬剤の受渡しに起因して発現した副作用は報告されているか。
6 このような取扱いによる安全性への懸念はないと理解してよいか。理解してよい場合はその根拠如何。安全性への懸念がある場合には、具体的な懸念の内容及び根拠、安全性への懸念に対する対応策について、政府の見解を具体的に明らかにされたい。
7 厚生労働省は対面でなければ安全性を確保できないとの主張をしていたにもかかわらず、対面ではない例外を認めることができたのか。従前の主張との整合性について、政府の見解を明らかにされたい。
8 前記二の5で発現した副作用は、通常の処方箋医薬品販売の場合と比較して有意かつ実証的な差があるか、示されたい。
9 前記二の8において有意かつ実証的な差がない場合、このような特例に副作用の問題はないと考えられるが、一般的に認めずにこれを全て否定する薬事法改正を行った理由は何か。
三 平成二十三年三月二十三日付け事務連絡「情報通信機器を用いた診療(遠隔診療)等に係る取扱いについて」(厚生労働省医政局医事課、厚生労働省医薬食品局総務課)によると、東日本大震災により患者が被災地外の薬局における調剤を希望する場合には、ファクシミリ等で送付された処方内容に基づき調剤すること及び客観的にやむを得ない状況であると認められる場合に、調剤した薬剤を郵送することが認められ、薬剤師が電話等により必要な情報提供を適切に行うものとされた。
1 このような例外的取扱いをする法的根拠を示されたい。
2 緊急事態だからとの理由で例外的取扱いをする場合には、一般用医薬品でも、少なくとも被災地では郵便等による販売を認めるべきであったと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
3 本事務連絡に基づき電話等による情報提供にとどまったことに起因して発現した副作用は報告されているか。また、当該郵送に起因して発現した副作用は報告されているか。
4 本取扱いにより安全性への懸念はないと理解してよいか。理解してよい場合はその根拠如何。安全性への懸念がある場合には、具体的な懸念の内容及び根拠、安全性への懸念に対する対応策について、政府の見解を具体的に明らかにされたい。
5 前記三の3で発現した副作用は、通常の処方箋医薬品販売の場合と比較して有意かつ実証的な差があるか、示されたい。
6 前記三の5において有意かつ実証的な差がない場合、例外的取扱いで問題がないと考えられるが、改正法において、一般的に認めずこれを否定している理由を明らかにされたい。
四 要指導医薬品のネット販売を禁止する改正法の立案過程について
厚生労働省に設置された「スイッチ直後品目等の検討・検証に関する専門家会合」(以下「専門家会合」という。)の議事録及び報告書において、スイッチ直後品目等は「丁寧かつ慎重な販売が求められる」とされているにとどまる。
1 平成二十五年十一月二十日の衆議院内閣委員会において玉木委員が提出した資料によれば、前述の報告書のほかに、非公式に「五感を用いて判断する必要がある」との座長のコメント(以下「座長コメント」という。)が発表されたとのことであるが、これは要指導医薬品全てに対して五感を用いて判断する必要があるとの意味か、それとも一部の品目に対して必要であるという意味か、政府の見解を明らかにされたい。
2 前記四の1に関して、五感を用いた判断の必要性の有無は公開の専門家会合の中で議論されたか。議論されていない場合には、このように重要なことが議論されずにコメントされた理由を明らかにされたい。
3 専門家会合の目的に、対面とネットの比較及び対面義務付けの是非は含まれていたのか。かかる目的が当初から含まれていたか、又は検討中に追加される可能性があったのであれば、なぜネット販売の実情を理解したリスクコミュニケーションの専門家を委員に加えなかったのか。
4 専門家会合に、憲法学者は含まれていたか。含まれていない場合には、ネット販売を主たる事業として行ってきた事業者の憲法上の権利である営業の自由を制限する可能性があったにもかかわらず、なぜ憲法学者を委員に加えなかったのか。
5 「五感を用いて判断する必要がある」との見解は報告書には記載されていないが、なぜ報告書には記載しなかったのか。報告書を提出した後に、このようなコメントを発表するとは、専門家会合で十分に議論しきれていないからか、あるいは専門家会合では反対されることが予想されたからではないか。
また、このような状況で議論をし尽くしたといえるのか、政府の見解を明らかにされたい。
6 座長コメントに記載されていたとされる、二十八品目に関する対面の義務付けについての提言は専門家会合の検討範囲に含まれていたか、明らかにされたい。
7 座長コメントが発表されるまでの経緯について、時系列を追って示されたい。特に座長コメントの発案者、発案した日時及び理由、座長コメントの作成された日時、作成者、発表日時を示されたい。また、専門家全員の同意の有無、同意があるとすれば、それを確認した方法及び日時を示されたい。
8 五感を用いて判断する必要があるというのは政府の公式見解か。公式見解である場合には、具体的にどのような科学的根拠によって五感を用いて判断する必要があると判断したのか。また、通常の薬剤師が五感によって感知できるのはどのような状態であるのか。加えて、どの感覚によって何を把握するのか示されたい。
五 要指導医薬品のネット販売を禁止する理由について
改正薬事法第三十六条の四第一項は、要指導医薬品について、「対面により」、「書面を用いて必要な情報を提供させ、及び必要な薬学的知見に基づく指導」をしなければならないと規定している。
1 要指導医薬品の販売について、対面に限定する理由はどこにあるのか。対面では危険ではないがネット調剤では危険であるとするならば、その実証的理由を明らかにされたい。
2 「必要な情報を提供」及び「必要な薬学的知見に基づく指導」とあるが、薬剤師が具体的にどのような業務を行うのか、個別具体的かつ網羅的に示されたい。また、それらの実施に当たり、対面で行うことに限定し、インターネットの方法では認めない科学的根拠を明らかにされたい。
3 要指導医薬品について、五感を用いて判断する必要がある理由は具体的に何か。例えば、膣カンジダ用薬についてはどのような理由でどのような五感を用いて判断する必要があるのか。また、解熱鎮痛剤ではどのような理由でどのような五感を用いて判断する必要があるのか。要指導医薬品の対象候補とされていた二十八品目について個別かつ網羅的に示されたい。
4 「五感」の使用について、視覚、触覚、味覚、嗅覚、触覚ごとに、どのように使用するのか個別具体的かつ網羅的に示されたい。医薬品ごとに違うので示せないという場合には、要指導医薬品の対象候補とされていた二十八品目個々に照らして示されたい。また、そのような五感の使用は、触覚であれば患部に触れるといったことも発生するが、薬剤師に認められていない医療行為に該当することはないのか。
5 座長コメントにおいて「五感を用いて判断」とされているのは、使用者の状態であると推認するが、購入する人が使用者かどうかは実際にどのように確認するのか。自己申告か、それ以外の方法であれば、それはどのような確認方法か。自己申告で足りるとする場合には、使用者の状態の確認が確実にでき、安全性を確保できるとする科学的根拠を明らかにされたい。例えば、鼻水が出ておらず、くしゃみもしていない者が店頭でアレルギー用薬の購入を希望する場合に、その者が使用者本人かどうかをどのように確実に確認するのか。鼻水が出るなどの症状が現れていない限り本当に使用者かどうか確認ができないので、購入できないのか。
六 処方箋医薬品のネット調剤を禁止する改正法の立案過程について
1 これまで厚生労働省において、処方箋医薬品のネット調剤に起因して副作用リスクが高まるかどうかに関して検討会等を行ったことがあるか。行ったことがある場合、いつ、どのような参加者によって、どの程度の時間をかけ、どのような観点で検討したのか。また、その議事録を示されたい。
その検討会等において、ネット調剤に起因して副作用リスクが高まるという検討結果が示されていた場合、かかる副作用リスクを低減するために、ネット調剤の一律禁止以外の方法がないか検討したか。検討した場合には、その具体的内容を明らかにされたい。
2 専門家会合の議事録等において、当該会合の目的ではなかった医療用医薬品について、「医療従事者の直接的な関与の下で、スイッチ直後品目や劇薬指定品目以上に慎重に取り扱うことが求められる」と申し添えられているにとどまる。議事録等においても、また座長コメントにおいてすら記載されていない処方箋医薬品に関する対面の義務付けは、この専門家会合の検討範囲に含まれていたか。
七 処方箋医薬品のネット調剤を禁止する理由について
改正薬事法第九条の二第一項は、処方箋医薬品について、「対面により」、「書面を用いて必要な情報を提供させ、及び必要な薬学的知見に基づく指導」をしなければならないと規定する。
1 処方箋医薬品の調剤について、対面に限定する理由はどこにあるのか。対面では危険ではないがネット調剤では危険であるとするならば、その実証的理由を明らかにされたい。
2 「必要な情報提供」及び「必要な薬学的知見に基づく指導」とあるが、薬剤師が具体的にどのような業務を行うのか、個別具体的かつ網羅的に示されたい。また、それらの実施に当たり、対面で行うことに限定し、インターネットの方法では認めない科学的根拠を明らかにされたい。
3 処方箋医薬品は、医師又は歯科医師の診断に基づき交付される処方箋により調剤するものであるが、医師又は歯科医師が五感を活用して診療した上で、さらに薬剤師が五感を活用しないと防ぐことができないリスクはあるか。ある場合には、具体的に示されたい。
また、そのリスクは五感を活用する以外の方法では防ぐことができないのか、できない場合にはその理由と併せて示されたい。どの感覚をどのように使うのか、全て(視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚)について個別具体的かつ網羅的に示されたい。
4 五感の活用の有無以外に、処方箋医薬品の情報提供及び薬学的知見に基づく指導を対面に限定する根拠はあるか。ある場合には、その根拠はどのように導き出されたか、示されたい。
八 政府は、処方箋医薬品の副作用の発生原因を調査しているか。調査している場合、発生原因にはどのようなものがあるか示されたい。
また、処方箋医薬品を交付する際に行われる薬剤師による服薬指導・情報提供が十分又は適切ではなかったことに起因して発生した副作用は報告されているか。報告されている場合、具体的にはどのような点に問題があったのか示されたい。それらの問題はインターネットによる情報提供では防げないのか。防げないとすればその理由を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1及び2について
厚生労働省の職員が平成二十五年十一月に日本調剤株式会社の役員と面談し、御指摘の「医療用医薬品を郵送で患者に直接届けるサービス」を行うことについては、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第九条の二第一項及び薬事法施行規則(昭和三十六年厚生省令第一号)第十五条の十三第一項の規定に違反する旨を伝えたことは事実であるが、その時点において同社は当該サービスを行っていないとのことであったため、御指摘の「中止するよう指導した」との事実はない。
また、薬事法及び薬事法施行規則の規定に照らして、薬局開設者は、医師又は歯科医師から交付された処方箋により調剤された薬剤(以下「調剤された薬剤」という。)を購入し、又は譲り受けようとする者に対して、その薬局内の情報の提供を行う場所において、薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に対面で当該調剤された薬剤の適正な使用のために必要な情報の提供を行わせた後に、当該調剤された薬剤を郵送し、又は直接配達することは認められるが、その個別具体的な事例については、特段の必要性があるとは考えていないため把握していない。
一の3について
薬局開設者が、調剤された薬剤を購入し、又は譲り受けようとする者に対して、その薬局内の情報の提供を行う場所において、薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に対面で当該調剤された薬剤の適正な使用のために必要な情報の提供を行わせた後に、当該調剤された薬剤を郵送し、又は直接配達することについては、薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律(平成二十五年法律第百三号。以下「平成二十五年改正法」という。)による改正前の薬事法第九条の二第一項及び薬事法施行規則等の一部を改正する省令(平成二十六年厚生労働省令第八号。以下「平成二十六年改正省令」という。)による改正前の薬事法施行規則第十五条の十三第一項の規定に違反せず、また、平成二十五年改正法による改正後の薬事法(以下「改正薬事法」という。)第九条の三第一項及び平成二十六年改正省令による改正後の薬事法施行規則第十五条の十二第一項の規定にも違反しない。
二について
薬事法の一部を改正する法律(平成十八年法律第六十九号。以下「平成十八年改正法」という。)の施行に伴い制定した薬事法施行規則等の一部を改正する省令(平成二十一年厚生労働省令第十号。以下「平成二十一年改正省令」という。)による改正後の薬事法施行規則第十五条の十三第一項において、平成十八年改正法による改正後の薬事法第九条の二第一項の規定による情報の提供は、その薬局内の情報の提供を行う場所において、薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に対面で行わせなければならないこととしたため、平成十八年改正法及び平成二十一年改正省令が施行された平成二十一年六月一日以降、御指摘の「ファクシミリを利用した処方せん受入体制と患家での薬剤の受渡しについて」(平成十年十二月二十五日付け医薬企第九十号厚生省医薬安全局企画課長通知。以下「通知」という。)でお示しした取扱いは認められないこととなっており、このことは平成二十五年改正法の施行後においても同様である。このため、厚生労働省としては、お尋ねの通知に基づく措置として「これまで実施されてきた薬剤師以外の者による薬剤の受渡しの件数」及び「これまで実施されてきた薬剤師以外の者による薬剤の受渡しに起因して発現した副作用」についてはいずれも把握しておらず、お尋ねの「通常の処方箋医薬品販売の場合と比較して有意かつ実証的な差」の有無についてお答えすることは困難である。
三の1、2及び4について
御指摘の「情報通信機器を用いた診療(遠隔診療)等に係る取扱いについて」(平成二十三年三月二十三日付け厚生労働省医政局医事課及び医薬食品局総務課事務連絡。以下「事務連絡」という。)に基づくファクシミリ等により送付された処方箋による調剤に関する取扱いについては、調剤された薬剤の適正な使用が確保されないことによる調剤された薬剤の使用者の安全性の確保への懸念はあるものの、東日本大震災という大規模な災害の発生時において、調剤された薬剤が提供されないことによる被災地の患者の傷病の悪化のおそれを勘案し、緊急避難的な措置として、調剤された薬剤に限り、例外的な取扱いを認めたものである。このため、薬剤師が電話等により調剤された薬剤の適正な使用のために必要な情報提供を適切に行うことを求めたこと以上の「安全性への懸念に対する対応策」は講じていない。
三の3及び5について
お尋ねの「事務連絡に基づき電話等による情報提供にとどまったことに起因して発現した副作用」については把握しておらず、お尋ねの「通常の処方箋医薬品販売の場合と比較して有意かつ実証的な差」の有無についてお答えすることは困難である。
三の6について
東日本大震災の発生時において緊急避難的な措置として例外的な取扱いを認めたことをもって、事務連絡でお示ししたファクシミリ等により送付された処方箋による調剤に関する取扱いを一般的に認めることは適切でない。
四の1について
御指摘の「座長コメント」は、御指摘の「スイッチ直後品目等の検討・検証に関する専門家会合」(以下「専門家会合」という。)において検討が行われた全ての「スイッチ直後品目」及び「劇薬指定品目」(以下「スイッチ直後品目等」という。)について、五感を用いて判断する必要があるとの意味であると承知している。
四の2について
お尋ねの「五感を用いた判断の必要性の有無」については、専門家会合において議論されており、このことは、専門家会合が平成二十五年十月八日に取りまとめた「スイッチ直後品目等の特性及び販売時の留意点について」(以下「専門家会合報告書」という。)において、「使用者は自らの症状の程度や状態について、正しく判断・申告できないおそれがあるため、薬剤師が知識・経験を持って直接判断することが必要である。」とされたことからも明らかである。
四の3及び4について
専門家会合は、スイッチ直後品目等の特性及び販売時の留意点について、医学・薬学的観点から検討を行うことを目的として開催したものであるため、医学・薬学の専門家のみを構成員としたものである。
四の5について
御指摘の「座長コメント」においては、「スイッチ検討会の報告書を作成するに当たっては、この件が政治的に問題になっていたこともあり、また、純粋に医学・薬学の見地から検討を行ったということをはっきりさせるためにも、敢えてネットとか対面という用語を使わずに作成した。」とあり、このことから、専門家会合報告書においては、お尋ねの「五感を用いて判断する必要がある」との文言が記載されなかったものと承知している。
また、御指摘の「座長コメント」は、座長が、専門家会合報告書の内容を明確化するために作成したものと承知しており、専門家会合での議論はし尽くされたものと考えている。
四の6について
四の3及び4についてで述べたとおり、専門家会合は、スイッチ直後品目等の特性及び販売時の留意点について、医学・薬学的観点から検討を行うことを目的として開催したものであり、その検討の結果、専門家会合報告書において、スイッチ直後品目等の販売時の留意点として、「使用者は自らの症状の程度や状態について、正しく判断・申告できないおそれがあるため、薬剤師が知識・経験を持って直接判断することが必要である。」とされたものである。
四の7について
御指摘の「座長コメント」については、専門家会合報告書が公表された後、専門家会合の座長が、専門家会合報告書の内容を明確化するために作成したものと承知しており、平成二十五年十月二十九日午後三時から開催された産業競争力会議医療・介護等分科会の第二回会合において、厚生労働省医薬食品局長が読み上げる形で発表されたものである。
また、同会合での発表後、専門家会合の全構成員が当該コメントを改めて確認し、その内容について同意していると承知している。
四の8について
専門家会合において検討が行われた全てのスイッチ直後品目等について「薬剤師が患者さんの状態を五感を用いて判断し、販売する必要がある」ということが、医学・薬学の専門家の見解である。この見解を踏まえ、政府として、当該スイッチ直後品目等の不適正な使用による健康被害の発生を防止するためには、薬剤師が、その薬学的知見に基づき、使用できる全ての感覚を用いて、直接のやり取りや会話の中で相手の状態を的確に把握し、相手の理解を確認しながら、柔軟かつ適切に情報の提供及び指導を行う必要があると判断したものである。
五の1及び2について
要指導医薬品とは、その適正な使用のために薬剤師の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が行われることが必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品である。このため、改正薬事法第三十六条の六第一項において、薬局開設者又は店舗販売業者に対し、要指導医薬品を販売し、又は授与する場合には、薬剤師の対面による情報の提供及び指導を行わせることを義務付けている。
また、お尋ねの「必要な情報を提供」とは、薬剤師が、要指導医薬品の購入者に対し、当該要指導医薬品の名称、有効成分の名称及び分量、用法、用量、効能、効果等の要指導医薬品の適正な使用のために必要な情報を伝達することをいい、お尋ねの「必要な薬学的知見に基づく指導」とは、薬剤師が、要指導医薬品の購入者に対し、その薬学的知見に基づき、当該要指導医薬品の使用を止めるべきタイミングを個別具体的に指示すること、購入者の状態や他の薬剤又は医薬品の使用状況を踏まえ、他の医薬品への変更を促すこと等の要指導医薬品の適正な使用のために必要な指導を行うことをいう。
五の3及び4について
五の1及び2についてで述べたとおり、要指導医薬品とは、その適正な使用のために薬剤師の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が行われることが必要な医薬品であり、情報の提供及び指導を行うに当たっては、薬剤師が、その薬学的知見に基づき、使用できる全ての感覚を用いて、直接のやり取りや会話の中で相手の状態を的確に把握し、相手の理解を確認しながら行うことが必要である。
また、薬剤師が、使用できる全ての感覚を用いて相手の状態の把握等を行うことは、医行為に該当しない範囲において認められるものである。
五の5について
要指導医薬品を購入しようとする者が当該医薬品を使用しようとする者かどうかについては、薬剤師が、当該医薬品を購入しようとする者の申告に基づき確認するものであるが、当該医薬品の販売の可否の判断については、薬剤師が、当該申告の内容とともに、その者の年齢、他の薬剤又は医薬品の使用状況等や、当該医薬品の効能、効果等に照らしてその者が当該医薬品を使用することが適切であるかどうかを踏まえて行うこととなるものである。
六の1について
お尋ねの検討会等を行ったことはない。
六の2について
お尋ねの「専門家会合の検討範囲」には、医療用医薬品の取扱いは含まれていなかったが、専門家会合における検討の過程で医療用医薬品についても議論が及んだ結果、専門家会合報告書において、医療用医薬品について「現行通り、医療従事者の直接的な関与の下で、スイッチ直後品目や劇薬指定品目以上に慎重に取り扱うことが求められるとの見解で、各構成員が一致した」とされたものである。
七の1、2及び4について
お尋ねの「処方箋医薬品のネット調剤」の意味するところが必ずしも明らかではないが、調剤された薬剤については、人体への作用が著しく、重篤な副作用が生ずるおそれのあるものや、作用は著しくなくとも、使用者自らの選択ではなく、医師又は歯科医師の指示の下で使用されることが目的とされたものであること、医師又は歯科医師の処方箋により、特定の人の特定の傷病にのみ用いられるものであること等から、医薬品に関する専門的知識を有していない者が使用した場合には、要指導医薬品以上に健康被害が発生するおそれがあるため、改正薬事法第九条の三第一項において、薬局開設者に対し、調剤された薬剤を販売し、又は授与する場合には、薬剤師が、直接のやり取りや会話の中で相手の状態を的確に把握し、相手の理解を確認しながら、より柔軟かつ適切に情報の提供及び指導を行うことができる対面による情報の提供及び指導を義務付けている。
また、お尋ねの「必要な情報提供」とは、薬剤師が、調剤された薬剤の購入者に対し、当該調剤された薬剤の名称、有効成分の名称及び分量、用法、用量、効能、効果等の調剤された薬剤の適正な使用のために必要な情報を伝達することをいい、お尋ねの「必要な薬学的知見に基づく指導」とは、薬剤師が、調剤された薬剤の購入者に対し、その薬学的知見に基づき、当該調剤された薬剤の使用を止めるべきタイミングを個別具体的に指示すること等の調剤された薬剤の適正な使用のために必要な指導を行うことをいう。
七の3について
調剤された薬剤の不適正な使用による健康被害を防止するためには、医師又は歯科医師と薬剤師がそれぞれの専門性に基づき、処方の内容を確認することが重要であり、医師又は歯科医師とは別に、薬剤師が、調剤された薬剤の適正な使用のために必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を行うことが必要である。
薬剤師が、その薬学的知見に基づき、使用できる全ての感覚を用いて、直接のやり取りや会話の中で相手の状態を的確に把握し、相手の理解を確認しながら、より柔軟かつ適切に情報の提供及び指導を行うためには、これを対面で行う必要があることから、七の1、2及び4についてで述べたとおり、改正薬事法第九条の三第一項においては、調剤された薬剤について、対面による情報の提供及び指導を義務付けている。
八について
厚生労働省としては、薬事法第七十七条の四の二の規定に基づく副作用の報告制度(以下「副作用報告制度」という。)により、医薬品の製造販売業者若しくは外国特例承認取得者又は薬局開設者、病院若しくは診療所の開設者若しくは医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者その他の医薬関係者からの報告により、医薬品の副作用その他の事由によるものと疑われる疾病、障害又は死亡の発生状況等を把握しており、同法第七十七条の四の五の規定に基づき、必要があると認めるときは、当該医薬品の副作用の発生原因を含め、当該報告に関する調査を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に行わせている。
医薬品の副作用の発生原因としては、当該医薬品が本来持つ性質によるものや、当該医薬品の不適正な使用によるものなどがあるが、副作用報告制度においては、個別の事例における薬剤師が行った服薬指導や情報の提供の内容は把握しておらず、お尋ねの「薬剤師による服薬指導・情報提供が十分又は適切ではなかったことに起因して発生した副作用」の有無についてお答えすることは困難である。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×1承知していない ×4個別の事案 ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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