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医薬品のインターネット販売に関する再質問主意書
衆議院 第170回 第371号お答えすることは困難 ×4
質問本文
答弁書(内閣衆質一七〇第二四一号)を踏まえ、再質問する。なお、ここでの「医薬品のインターネット販売」とは、薬局としての許可又は医薬品の販売業の許可を取得している者がインターネットという手段を用いて行う販売を指すものとし、以下単に「ネット販売」と記述する。
一 答弁書の「一について」に関して再質問する。「インターネットにより一般用医薬品を購入したとの記載がある事例において入院を要する被害が生じた旨の副作用被害報告があることが確認された」との回答であるが、その内容(購入した医薬品の種類、名称及び成分、入院を要する被害の内容、被害に関わる副作用情報を薬剤師等が当該医薬品の販売の際に把握しうる状況にあったのか、事前抑止・再発防止のために講じた国民や販売業者への情報提供などの措置状況等)を詳細に教えていただきたい。また、本事例において、当該一般用医薬品の購入と副作用被害との間の因果関係と対面販売により当該副作用被害が防げたとするならば、その理由も併せて教えていただきたい。
二 平成十九年度の一般用医薬品による副作用報告は、本年七月二十四日に開催された「平成二十年度第一回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会」の資料として既に報告されているにもかかわらず、厚生労働省は、規制改革会議との公開討論(本年十月七日開催)の場では把握していないと答え、今回報告があることが確認されたと回答しており、矛盾している。これらの経緯に対する真摯な説明を求めたい。
三 答弁書の「五について」に関して再質問する。
(一) 回答によれば、「情報提供は、対面販売の際に薬剤師等が行うこととし」とある一方で、本年九月十七日に厚生労働省が公表した省令案では、第一類医薬品の販売については、「薬剤師の管理及び指導の下で薬剤師以外の従事者に販売させる」方法も認められ、第二類医薬品の販売については、「薬剤師又は登録販売者の管理及び指導の下で薬剤師又は登録販売者以外の従事者に販売させる」方法も認められている。これは、「薬剤師等が、消費者に対して、直接、効能効果、副作用、使用取扱い上の注意事項を告げて販売する」との「対面販売」と矛盾するのではないか。
(二) 回答によれば、「「郵便その他の方法」は、薬局又は店舗以外の場所に居る者に対して、薬局開設者等が販売又は授与を行う場合のすべての方法を指すものである」とのことなので、第一類及び第二類医薬品は、直接手渡しで販売するということになると思われる。そうであれば、ネット販売だけでなく、カタログ販売、電話注文による販売等の通信販売において、すべからく当該医薬品の販売はできない方針と解してよいか。
四 答弁書の「六の(一)について」に関して再質問する。回答によれば、「身体の状態等を把握した上で」とあるが、改正後の薬事法において、この条件を対面販売なら担保できるとし、ネット販売では担保できないとする理由如何。例えば、対面販売において直接顔を合わせるだけで購入者の身体の状態等を全て見通すことはできないのではないか、また、本人ではない代理人が購入に来店した場合、その代理人と顔を合わせても使用者である本人の身体の状態は分からないのではないかといった点が疑問のため、身体の状態等の把握につき「直接顔を合わせる」ことのみを必須の条件とすることには疑義があり、他のルール化が必要と考えるが、見解如何。
五 答弁書の「六の(二)について」の回答内容については、ネット販売でも達成できると考える。内容確認ボタン等により購入者の理解の確認は可能であり、電話・メール等の双方向性を持ったコミュニケーション手段を活用すること等で助言と助言に対する質問もできるので、「直接顔を合わせること」を必須とする理由はない。「円滑な意思疎通」につき対面販売では確保できる、ネット販売では確保できないとすることに合理性がないと考えるが、見解如何。
六 質問主意書の六の(五)についての回答は、他の問への回答と合わせる形での回答に過ぎず、この問自体への回答は全くなされていないので、再度質問する。
七 答弁書の「六の(六)について」に関して再質問する。「検査の時期やその時の状態等によって正しい結果が得られない場合」があり、その場合を前提とした「誤った使用方法等」を回避することが、直接顔を合わせる対面販売のみでしか可能ではない理由を明確に説明されたい。直接顔を合わせない限り、検査の時期やその時の状態等を薬剤師等専門家は把握できないという主張でなければ規制の合理性を説明できないと考えるので説明を願いたい。
八 答弁書の「七について」に関して再質問する。現状行われているネット販売について、対面販売と比較したときに対面販売でないことに起因とする副作用事故が多数発生しているなどの数値的データは存在せず、新たな規制を課すために必要なデータの裏づけを基にした説明は何も示されていないが、それに対する見解如何。
九 答弁書の「八について」に関して再質問する。
(一) 回答では「情報提供が十分に行えない場合があり」とあるが、その内容を具体的に示していただきたい。
(二) 回答では「購入者側が情報提供を求めた場合の対応に時間を要する場合」とある。そもそも質問主意書の八の(二)においてネット販売に即時性がないことを問題視することへの疑義を呈したが、その質問につき回答が全く無いので、明確に回答していただきたい。
(三) 回答では「薬局又は店舗では、薬剤師等であることを掲示し、及び着衣又は名札により判別させる」とあるが、ウェブ上で薬剤師等の資格の情報を示すことで薬剤師等であることを掲示し、名前や顔等を公表させることで判別させることができる(薬剤師であれば厚生労働省のホームページ上で氏名を検索できる仕組みもある)ので、ネット販売では、薬剤師等が情報提供を行っているかどうかを購入者等が確認することは困難であることはないと考えるが、見解如何。
十 答弁書の「十及び十一について」は、新法第三十六条の五及び第三十六条の六の規定の具体的な内容として改正案があるということのみしか回答しておらず、ネット販売を制限する規定自体に関わる内容が全く書かれていない。したがって、左記の点につき、あらためて、政府(内閣法制局)の見解を聞く。
(一) 「対面の原則」に関する法律上の根拠規定が存在するのか否か。
(二) ネット販売を制限する法律上の根拠規定が存在するのか否か。
(三) ネット販売に対して省令で制限を課す合法性はあるのか否か。
十一 一般用医薬品による副作用を防ぐため適切に情報提供を行うことは必要であり、高齢者、障害者、妊婦、育児中の方についてもそれらが確保されることはもちろん重要である。一方、前回の質問主意書の九の質問で明らかにしたように、これらの方をはじめ種々の方がネット販売での購入を必要不可欠とする消費者の声があることも事実である。答弁書の「十二について」の中でも、「「IT時代にふさわしい新たなルール」を検討していくことの必要性そのものを否定するものではない」ともある。したがって、政府としては、改正法施行に向けた準備としてルール化の検討の具体的工程を示すべきと思うが、厚生労働省及び規制改革会議の見解並びに政府全体としての見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの副作用被害報告の内容は、カシュウを有効成分とする滋養強壮に用いる生薬製剤の「首烏片」を服用し、二十日間程度の入院を要する肝障害が生じたというものである。当該副作用については、当該事例の当時、使用上の注意として記載されておらず、薬剤師等が把握していたわけではない。厚生労働省においては、当該事例等を踏まえ、平成二十年一月、製造販売業者に対し、カシュウについての使用上の注意の改訂を指示したところである。
カシュウの添付文書には一か月程度服用しても症状がよくならない場合は服用を中止する旨が記載されており、対面販売により適正な服用方法や副作用の発現時の対応等についての説明を受けていれば、副作用の重症化を防ぐことができた可能性はあると考えている。
二について
薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に基づく副作用等の報告においては、販売経路については報告が義務付けられている事項(以下「義務的報告事項」という。)ではなく、平成二十年七月二十四日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の資料においても、義務的報告事項でない販売経路についてまで整理して取りまとめてはいない。
厚生労働省において、公開討論後に、平成十九年度の副作用等報告について、義務的報告事項以外の記載を確認したところ、その中にインターネットにより一般用医薬品を購入し、入院を要する被害が生じた旨の記載がある事例のあることが判明したものである。
三の(一)について
御指摘の省令案の内容は、薬事法の一部を改正する法律(平成十八年法律第六十九号。以下「改正法」という。)第一条による改正後の薬事法(以下「新法」という。)第三十六条の五に規定する厚生労働省令で定める事項として、一般用医薬品の販売方法について定めるものである。一方、先の答弁書(平成二十年十一月二十一日内閣衆質一七〇第二四一号。以下「前回答弁書」という。)五についてでは、新法第三十六条の六に規定する厚生労働省令で定める事項として、情報提供の方法について、対面販売の際に薬剤師等が行うこととすることを定める旨をお答えしたものであり、それぞれ省令において規定すべき事項が異なるものであることから、両者は矛盾するわけではない。
三の(二)について
御指摘のとおりである。
四及び五について
前回答弁書七についてでお答えしたとおり、薬剤師等が対面により情報提供を行う場合に比べて、郵便その他の方法による販売(以下「郵便等販売」という。)により情報提供を行う場合は、購入に当たって医薬品を示しながら説明等を行うことができないこと、購入者側が情報提供を求めた場合の対応に時間を要すること、購入者側のその時の状態を把握することが困難であること等の理由により、医薬品についての情報提供が十分に行えないことから、対面販売を担保する必要があると考えているものであり、「直接顔を合わせる」ことのみを必須の条件としているわけではない。
六について
薬剤師等が対面販売により医薬品の購入者等の状態を把握するのは、医療行為として行うものではなく、これにより円滑な意思疎通を図り適切な情報提供を行うことを目的とするものである。したがって、御指摘のような齟齬が生じるものではない。
七について
妊娠検査薬は第二類医薬品に指定されており、誤った使用方法等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生じるおそれがあると考えている。対面販売の場合に比べて、郵便等販売の場合は、購入者側のその時の状態を把握することが困難であること及び購入者と専門家の間で円滑な意思疎通を図ることが困難であることから、医薬品が不適切に使用される危険性が大きいものと考えている。
八について
医薬品については、程度の差はあるものの、効能効果とともに副作用を有するものであり、出来る限り、副作用の発現の可能性が少なくなるように制度設計を行っていく必要があると考えている。
九の(一)について
お尋ねについては、郵便等販売では、薬剤師等が購入者等の身体の状態等を把握した上で適切な情報提供を行うことが十分に行えない場合があると考えている。
九の(二)について
例えば、購入者が既に発病している場合など医薬品を早急に使用する必要性が高い場合には、購入者側が求めた情報提供が即時に行われないと、使用すべきでない医薬品を使用する危険性が高いと考えている。
九の(三)について
御指摘の方法は、ウェブ上に掲示されている者が薬剤師等であるかを確認する方法であり、前回答弁書八についてでお答えしたとおり、このような方法では、インターネットを通じた情報提供を実際に薬剤師等が行っているかどうかを購入者等が確認することは困難であると考えている。
十の(一)について
「対面の原則」については、新法第三十六条の五及び第三十六条の六の規定に基づく厚生労働省令において、対面による販売や対面による情報提供等について義務付けることとしているものである。
十の(二)及び(三)について
お尋ねについては、新法第三十六条の五及び第三十六条の六の規定に基づく厚生労働省令において、これらの規定による委任の範囲内で一般用医薬品の販売方法及び情報提供の方法の具体的内容について定めることとしている。
十一について
政府としては、改正法の円滑な施行に向けて、地方公共団体等による十分な準備期間を確保できるよう、関連省令等を速やかに制定するとともに、規制改革会議等の意見も踏まえつつ、インターネットによる通信販売の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとしたい。
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