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医薬品のインターネット販売に関する質問主意書

衆議院 第170回 第241号お答えすることは困難 ×2承知していない ×1

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2008年11月13日
内閣転送 2008年11月17日
答弁書受領日
2008年11月21日
提出から8日
答弁の項目数
13
質問 3,786字/答弁 2,724字

質問本文

厚生労働省は、平成十八年に成立した改正薬事法を受けて薬事法施行規則の改正案をパブリックコメントに付していたが、医薬品のインターネット販売の取扱いに関する政府としての認識について次のとおり質問する。なお、ここでの「医薬品のインターネット販売」とは、薬局としての許可又は一般販売業の許可を取得している者がインターネットという手段を用いて行う販売を指すものとし、以下単に「ネット販売」と記述する。

【現在のネット販売をめぐる状況について】

一 厚生労働省は、規制改革会議との公開討論(本年十月七日開催)の場で質問に答える形で、ネット販売を起因とした重篤な健康被害について一件も把握していないことを明らかにしたと聞いているが、そのとおりと解してよいか。

二 厚生労働省は、規制改革会議との公開討論の場で、現行薬事法においては、ネット販売は「適法」と回答していたが、現行法令上、薬事法第三十七条も含め当該販売を禁止する規定は法令上ないと解してよいか。政府(内閣法制局)としての見解如何。

三 厚生労働省の通達(「医薬品のインターネットによる通信販売について」(平成十六年九月三日付け薬食監麻発第〇九〇三〇一三号厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知))の法的根拠と発出理由如何。なお、厚生労働省は、規制改革会議からの質問に答える形で、法的根拠を「厚生労働省設置法第四条第一項第十五号、薬事法第一条、地方自治法第二百四十五条の四」としている(平成二十年十月七日規制改革会議第三回重点事項推進委員会での資料�Bの一頁参照)が、これらは、一般規定であるので薬事法の個別規定との関係で根拠を明示していただきたい。

四 右記通達では、薬効群を列挙しているが、列挙されていない薬効群に該当する医薬品は販売してはいけないということなのか。仮にそうであるならば、それらの販売を禁止する法律上の根拠如何。また、そのことと、厚生労働省がネット販売を「適法」と回答したこととの整合性はどうなるのか。これらにつき、政府(内閣法制局)としての見解如何。

【ネット販売を制限する理由について】

五 平成二十年九月十七日に厚生労働省からパブリックコメントに付された薬事法施行規則改正案によれば、ネット販売を含む「郵便その他の方法による医薬品の販売」については、第三類医薬品以外の医薬品の販売が禁止されているが、その理由如何。また、「郵便その他の方法」とは何かにつきその外縁が明確になるように具体的かつ網羅的に列挙されたい。

六 厚生労働省が医薬品の販売につき主張する「対面の原則」について、「「対面」とは専門家が購入者と直接顔を合わせることを求めるものであり、「対面」による適切な情報提供や適切な相談応需を通じて、購入者側の状態を的確に把握するとともに、購入者と専門家との間で円滑な意思疎通を図ること」と説明している(平成二十年十月七日規制改革会議第三回重点事項推進委員会での資料�Bの三頁参照)。この点に関して次のとおり質問する。

(一) 「購入者側の状態を的確に把握する」について、「状態」の具体的な内容如何。また、把握した結果を専門家がどのように反映させるという意味なのか具体的に示していただきたい。

(二) 「購入者と専門家との間で円滑な意思疎通を図る」の「円滑な意思疎通」の具体的な内容如何。

(三) 「対面」の内容として、「直接顔を合わせる」ことが必要である理由如何。

(四) 医薬品の安全性と効能を確保し、購入者に安心と安全を提供していくためには、右記の内容の「対面の原則」を確保することが必要不可欠とする理由如何。

(五) 専門家が購入者と直接顔を合わせれば、顔色等顔の状況に基づき購入者の状態を判断することができるという意味なのか。そうであれば、薬剤師や登録販売者という専門家は、購入者の顔の状況を見てその状態を把握できる能力を有していることにつき資格試験の制度上担保されているということなのか。そのことは、医者以外の医療行為を禁止する規定との齟齬は生じないのか。

(六) 例えば、直接服用するわけではない妊娠検査薬については、�@正しい検査結果が得られない場合があることや、�A妊娠している・していないのどちらの結果であっても最終的には医者の診断が必要であることにつき十分な情報提供を図れば安全性は確保できるとも考えられるが、妊娠検査薬に即して直接顔を合わせる「対面の原則」が必要である理由を具体的に示していただきたい。

七 ネット販売は、ネットの特性を活用した工夫により充実した情報提供等が可能と思われるが、ネット販売は、実店舗における購入者の顔が見える状況での対面販売と違って、国民の安全を確保できないとする科学的証拠は何か。

八 厚生労働省は、規制改革会議の質問に対して、「インターネット等による販売では、購入に当たって製品を示しながらコミュニケーションを取ることができないこと、購入者側のその時点における状態を把握することが困難であること、購入者側が情報提供を求めた場合に、その対応に時間を要し、また、専門家によって行われているかどうかを確認することが難しい点において、対面による販売と比べて問題があると考えている」と回答している(平成二十年十月七日規制改革会議第三回重点事項推進委員会での資料�Bの四・五頁参照)。これに関して次のとおり質問する。

(一) ネット販売では、使用上の注意に関する情報等をウェブ上で分かりやすく示すことができ、メール、電話等を活用してコミュニケーションは取れるし、必要な情報を入力させるなどの方法により購入者側の状態を把握することが可能であることを踏まえると、厚生労働省の右記回答には疑義があるが、その点につき見解如何。

(二) ネット販売では、右記のとおり情報提供等を行っているほか、問合せ内容や購買履歴等を活用して専門家が発送してよいかどうかを判断するといった安全面の配慮を行っており、購入者側が情報提供を求めた場合にその対応に時間を要すること自体が安全面で即問題になるとは考えにくいが、購入者側が情報提供を求めた場合にその対応に時間を要すること自体と、国民の安全の確保を担保できないこととどのような因果関係があるのか。

(三) ウェブ上で専門家の資格に関する情報を提供することが可能であることから、「専門家によって行われているかどうかを確認することが難しい」というのは理由がないと考えるが、その点につき見解如何。

【ネット販売を行う消費者のニーズ等について】

九 ネット販売は、高齢者、障害者、妊婦、育児中の方など外出が困難な方のニーズ、田舎のため近くに医薬品を扱う店舗がない場合のニーズなどといったネット販売での購入を必要不可欠とする消費者の切実な声に応えている。今回の改正で仮にコンビニエンスストア等における販売などが容易となっても、それだけでこれらのニーズを満足させられるとはとても考えられない。今回の省令案では、それらのニーズが完全に無視されることになることについて、政府の見解如何。

【ネット販売を制限する法律上の根拠や規制の適切性について】

十 厚生労働省は、規制改革会議の質問に対して「対面の原則」の法律上の根拠規定を「薬事法第一条、第三十六条の五(改正後)、第三十六条の六(改正後)、第七十七条の三第四項(改正前)」と回答している(平成二十年十月七日規制改革会議第三回重点事項推進委員会での資料�Bの三頁参照)。これらは一般規定であるか又はあくまで「適正な使用のために必要な情報を提供」することを記述したものであるので、文面上「対面の原則」の根拠とは解せない旨規制改革会議側が公開討論の場で指摘したと聞いているが、「対面の原則」に関する法律上の根拠が存在するのか否かに関する政府(内閣法制局)としての見解如何。

十一 厚生労働省は、規制改革会議の質問に対して、ネット販売を制限する法律上の根拠規定を「薬事法第三十六条の五、第三十六条の六」と回答している(平成二十年十月七日規制改革会議第三回重点事項推進委員会での資料�Bの二頁参照)。これに対して、規制改革会議側は、当該規定はあくまでも情報提供を定めるものであり、「販売方法等の制限」との見出しを持つ第三十七条の規定は今般の薬事法改正で実質的に修正されていない以上ネット販売を制限する根拠条文は法律上になく、省令への委任内容を超えており違法ではないかと主張している。このように政府部内で見解が真二つに分かれているが、ネット販売を制限する法律上の根拠規定の有無及び省令で制限を課す合法性の有無につき、政府(内閣法制局)としての見解如何。

【今後の政府内での取扱いについて】

十二 規制改革会議は、平成二十年十月二十四日の「第三次答申に向けた規制改革会議の重点分野と課題」等において、ネット販売に関して、省令案に係る「措置の導入には問題があり、IT時代にふさわしい新たなルール整備が必要」としており、厚生労働省と規制改革会議とで見解が明らかに分かれている。そのような中で、厚生労働省の省令案が確定されてしまうことは非常に問題があると考えるが、政府としての見解如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

厚生労働省は、御指摘の公開討論において、インターネットによる医薬品の通信販売に係る副作用被害報告について把握していない旨説明したところであるが、その後、インターネットにより一般用医薬品を購入したとの記載がある事例において入院を要する被害が生じた旨の副作用被害報告があることが確認された。

二について

現行の薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)において、インターネットによる医薬品の通信販売を禁止する規定はない。

三及び四について

厚生労働省としては、医薬品の販売に当たっては、消費者に対して、医薬品に関する情報が十分に伝達されなければならないこと等から、薬剤師等が、消費者に対して、直接、効能効果、副作用、使用取扱い上の注意事項を告げて販売すること(以下「対面販売」という。)について、薬局開設者等に対する指導を行ってきたところであるが、特に、インターネットによる医薬品の通信販売については、こうした対面販売の趣旨が確保されないおそれがあるため、最小限遵守しなければならない事項を示して、指導を行ってきたところである。しかしながら、当該遵守事項を逸脱した事例が見受けられたことから、再度、その周知徹底を図るため、御指摘の通知を発出したものである。当該通知は、行政指導としての性格を有するものであり、薬事法上の個別規定を根拠とするものではなく、同通知に違反することのみをもって、同法に違反するものではない。

五について

御指摘の薬事法施行規則改正案においては、第一類医薬品(薬事法の一部を改正する法律(平成十八年法律第六十九号。以下「改正法」という。)による改正後の薬事法(以下「新法」という。)第三十六条の三第一項第一号に規定する第一類医薬品をいう。)及び第二類医薬品(同項第二号に規定する第二類医薬品をいう。)については、その副作用等により入院を必要とするような健康被害を生じるおそれがあることから、これらについての情報提供は、対面販売の際に薬剤師等が行うこととし、適切な情報提供が行われることを確保することとしているものである。

また、御指摘の「郵便その他の方法」は、薬局又は店舗以外の場所に居る者に対して、薬局開設者等が販売又は授与を行う場合のすべての方法を指すものである。

六の(一)について

お尋ねの「購入者側の状態」とは、購入者等の身体の状態等を指すものであり、購入者等が医薬品を使用することの適否について判断できるよう、薬剤師等は購入者等の身体の状態等を把握した上でその医薬品の使用方法等について情報提供を行うものである。

六の(二)について

お尋ねの「円滑な意思疎通」とは、薬剤師等が情報提供を行うとともに、購入者等がその内容を理解しているかどうか確認し、又はその理解のために助言すること及び購入者等が薬剤師等の助言等に対して質問を行うこと等を指すものである。

六の(三)から(五)までについて

薬剤師等が適切な情報提供を行うためには、医薬品の購入者等の状態を的確に把握する必要があり、そのためには、対面販売により円滑な意思疎通を図る必要があると考えている。

六の(六)について

妊娠検査薬については、検査の時期やその時の状態等によって正しい結果が得られない場合があること等から、誤った使用方法等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあるものとして第二類医薬品に指定されているところであり、薬剤師等による対面での情報提供が必要と考える。

七について

お尋ねの科学的証拠の意味するところが必ずしも明らかでないが、薬剤師等が対面販売により情報提供を行う場合に比べて、郵便その他の方法による販売(以下「郵便等販売」という。)により情報提供を行う場合には、購入に当たって医薬品を示しながら説明等を行うことができないこと、購入者側が情報提供を求めた場合の対応に時間を要すること、購入者側のその時の状態を把握することが困難であること等の理由により、医薬品についての情報提供が十分に行えないと考える。

八について

郵便等販売の場合には、御指摘のようなメール、電話等を活用する方法や、必要な情報を入力させるなどの方法をとった場合でも、購入者側が情報提供を求めた場合の対応に時間を要する場合や情報提供が十分に行えない場合があり、対面販売の場合に比べて、医薬品が不適切に使用される危険性が大きいものと考える。

また、御指摘のウェブ上で専門家の資格に関する情報を提供する方法は、実際に薬剤師等が情報提供を行っているかどうかを購入者等が確認することは困難であると考える。なお、薬局又は店舗では、薬剤師等であることを掲示し、及び着衣又は名札により判別させることで、情報提供が薬剤師等によって行われていることを容易に確認できるものと考える。

九について

薬局又は店舗以外で医薬品を購入したいという御指摘のような方の要望があることは承知しているが、これらの方についても、一般用医薬品による副作用を防ぐため、その適切な選択及び購入並びに適正な使用を担保することが重要であり、特に、高齢者、障害者、妊婦、育児中の方については誤った医薬品の使用により重大な副作用被害の発生につながるおそれがあることから、より一層適切に情報提供を行うことが必要であると考える。

十及び十一について

新法第三十六条の五の規定は、薬局開設者等が行う一般用医薬品の販売方法について定めるものであり、また、新法第三十六条の六の規定は、薬局開設者等が行う一般用医薬品の情報提供の方法について定めるものである。具体的な販売方法や情報提供の方法については、これらの規定に基づく厚生労働省令において定めることとされており、その具体的内容として、御指摘の薬事法施行規則改正案において、対面販売やその際の情報提供の方法等について定めることとしているものである。

十二について

改正法の基本的な考え方は、インターネットによる通信販売であるか否かにかかわらず、一般用医薬品の販売に当たっては、薬剤師等が購入者に対して対面により適切な情報提供を行うことを担保するというものであるが、これは、「IT時代にふさわしい新たなルール」を検討していくことの必要性そのものを否定するものではない。一方、改正法は、改正法附則第一条本文において、その公布の日(平成十八年六月十四日)から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされており、その円滑な施行に向けて、地方公共団体等による十分な準備期間を確保できるよう、関連政省令等を速やかに制定する必要があると考えている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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