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福島第一原発事故に伴う地下水対策等に関する質問主意書
参議院 第186回 第165号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2
質問本文
六月二日、東京電力株式会社福島第一原子力発電所で、地下水が流入するのを防ぐ凍土遮水壁の建設が始まった。研究開発の名目で三百二十億円もの国費が投入される。そこで、以下質問する。
一 本当に凍土遮水壁で地下水の流入は止めることができると政府は考えているのか。凍土遮水壁が完成すると、むしろ囲った敷地内に地下水があふれ、建屋も浮いて傾いてしまうのではないかとの懸念もあるようだが、そのようなことは起こらないと断言できるのか。
二 技術的に確立していない凍土遮水壁よりも高尾山のトンネル工事などでも使用しているセメントミルクによる地下水の流入防止の方が確実ではないかと考えるが、なぜ検討しなかったのか。
三 凍土遮水壁の建設は見切り発車でまだ全面的には原子力規制委員会の許可は下りていない。解凍後に汚染水が流出することを心配する向きもある中、多額の国費を投入することが本当に妥当なのか。
四 凍土遮水壁の建設が暗礁に乗り上げることも想定して、今からでもセメントミルクによる方法を検討すべきではないか。
五 地下水バイパス計画について、一時貯水タンクから海に流す前にセシウム、全ベータ、トリチウムの測定をしてから流しているとのことだが、その水源となっている十二本の井戸のうち一本は基準値を超えていると承知している。ほかの十一本分をまとめて一時貯水タンクの段階で測定しているというのは、汚染された地下水を混ぜて薄めていると批判されても仕方がないのではないか、政府の見解を明らかにされたい。
六 地下水は全て山側から海側へ流れているわけではない。この地域の地下水の流れを政府は完全に把握しているのか。地下水の流れを完全には把握していない場合には、敷地の下を流れる地下水が、他の土地を流れることで、将来的に土地を汚染し、飲料水や農業用水を汚染する可能性を否定できないのではないか。
七 結局、地下水対策を含む汚染水対策についてはいまだ目途が立っていない。技術的難易度が高いものは、国が前面に立って行うべきとの論理で、凍土遮水壁の構築及び高性能多核種除去設備などに多額の国費を投入し、今後も様々な対策を研究開発の名の下に国が負担することになっているが、このようなやり方を続けていると、モラルハザードが起きるのではないか。万一他の企業が同じような原子力発電所事故を起こした場合には、また国が多額の国費を投入することとなるのか。国有化すれば、かえって東京電力株式会社が救済されるとの意見もあるが、株主や金融機関に徹底的に責任を取らせずに、原因企業に多額の国費を投入するというのは、やはり国民として納得いかないのではないか。
八 事故から三年が経過した今になって、茨城県のひたち海浜公園で基準値を超える空間線量が観測され、ゴールデンウィークで多くの観光客が訪れた後に立入禁止となった。これは事故直後と比べ、空間線量が上がったということなのか。それとも新たな原子力発電所事故が起きない限り、関東・東北地方で現在より空間放射線量が上がる地点はないと考えてよいのか。
九 事故から三年が経過した今になって、野生の山菜の放射性セシウム濃度が基準値を超えたとして、新たに国の出荷制限を受けた。今回はいずれも検体が少なく計画的なモニタリングが困難な山菜類であったが、キノコ類など、外界から取り込んだ放射性物質を環境中におけるよりも高い濃度に生体内に蓄積する現象、いわゆる「生物濃縮」をしやすいとされている食品については、今後新たに出荷制限される可能性はないと考えてよいか。
右質問する。
政府答弁書
一から四までについて
東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の福島第一原子力発電所(以下「発電所」という。)におけるいわゆる汚染水への対応に関し、原子炉建屋等への地下水の流入を抑制するための遮水壁については、東京電力福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議(当時)の下に設置された汚染水処理対策委員会において、複数の対策の比較検討を行った結果、凍土方式の陸側遮水壁(以下「凍土壁」という。)について、遮水効果、施工性等に優れていると評価されたものであり、凍土壁により、原子炉建屋等への地下水の流入が抑制され、汚染水の発生量が減少し、汚染水の保管等に係るリスクや費用の低減が図られるものと考えている。
また、凍土壁については技術的な難易度が高いことから、国が予算措置を講じ、鹿島建設株式会社が実証実験を行うとともに、汚染水処理対策委員会等において、凍土壁の構築後の原子炉建屋近傍における水位の管理等の技術的課題について、検討を行っているところである。
さらに、凍土壁以外の対策として、雨水の浸透を防止するために発電所の敷地内を舗装する等の重層的な対策を講ずることとしているところ、これらの対策を検討するに当たっては、その手法として、御指摘のセメントミルク等の注入工法による遮水の可能性についても排除せずに検討を行ったものである。
五について
御指摘の「地下水バイパス計画」については、関係者の理解を得ながら運用されているものと承知している。
六について
御指摘の「完全に把握」の意味するところが必ずしも明らかではないが、発電所の敷地内における地下水の流れについては、東京電力による調査及びシミュレーション、汚染水処理対策委員会等における検討等を通じて把握している。
七について
深刻な原子力事故における原子炉の廃止措置及び汚染水に係る対策については、世界にも前例のない困難な事業であり、民間事業者のみで実施することが困難なことから、関連する技術開発のうち、あくまで技術的な難易度が高いものに限って予算措置を講じているものである。
また、参議院で可決された原子力損害賠償支援機構法案に対する附帯決議(平成二十三年八月二日参議院東日本大震災復興特別委員会)の二において、原子力損害賠償支援機構法(平成二十三年法律第九十四号。以下「機構法」という。)は「あくまでも被災者に対する迅速かつ適切な損害賠償を図るためのものであり、東京電力株式会社を救済することが目的ではない。」とされている。
その上で、機構法においては、国は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、原子力損害賠償支援機構を通じて、原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施及び電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営の確保を図り、もって国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展に資するよう、万全の措置を講ずるものとされている。
八について
お尋ねの国営ひたち海浜公園においては、平成二十四年六月以降、利用者が多く滞在する箇所において、定期的に空間線量率を測定し、その測定値を公表してきたところであるが、平成二十六年五月二十三日に、定期的に測定している箇所以外の箇所で空間線量率を測定したところ、そのうち三箇所において、茨城県ひたちなか市が定める除染実施計画において除染の対象とされている値を超えた空間線量率が測定されたことから、除染が必要な区域を立入禁止としたところである。当該立入禁止とした箇所については、利用者が多く滞在する箇所ではないことから、定期的な空間線量率の測定はしておらず、東京電力の発電所の事故直後と比べて空間線量率が上がったかどうかについては、お答えすることは困難である。
また、空間線量については、近傍にある放射線同位元素によって汚染された物等による影響を受ける可能性もあるため、必ずしもお尋ねのように「新たな原子力発電所事故が起きない限り、関東・東北地方で現在より空間放射線量が上がる地点はない」ものとは言えないと考えている。
九について
御指摘の「いわゆる「生物濃縮」をしやすいとされている食品」の範囲が必ずしも明らかではないが、食品の出荷制限については、食品中の放射性物質に関する検査の結果、食品中の放射性物質に関する基準値を超えた品目について、産出地域に広がりがあると考えられる場合に、当該産出地域及び品目を対象として行うこととしている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。