Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第187回

JR北海道の安全問題、ローカル線問題及びリニア中央新幹線に関する質問主意書

参議院 第187回 第74号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2

提出者
参議院
提出日
2014年11月13日
内閣転送 2014年11月17日
答弁書受領日
2014年11月21日
提出から8日
答弁の項目数
7
質問 3,385字/答弁 2,689字

質問本文

昨年から顕在化した北海道旅客鉄道株式会社(以下「JR北海道」という。)における事故は、最悪期を脱したものの、依然として完全には収束していない。本年一月には旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(以下「JR会社法」という。)に基づく史上初の監督命令が出される一方、レール検査データの改ざんが明らかになるなどJR北海道の安全管理体制が問われる事態が続いている。こうした中、ローカル線の経営が深刻化しており、災害で不通となった路線の復旧スキームを見直す声が野党のみならず与党にも出ている。また、東海旅客鉄道株式会社(以下「JR東海」という。)に対し、国土交通省が着工を認可した中央新幹線(東京都・名古屋市間)(以下「リニア中央新幹線」という。)は問題だらけの計画である。こうしたことを踏まえ、以下質問する。

一 レール検査データ改ざんや脱線事故等が続くJR北海道に対しては、国土交通省が今年一月二十四日、鉄道事業法に基づく事業改善命令に加え、JR会社法に基づく監督命令を出した。これを受け、JR北海道は、「輸送の安全に関する事業改善命令及び事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」における「二 第一歩の改善」について措置を講ずるための計画(以下「計画」という。)を策定し、今年七月二十三日付けで国土交通大臣宛の報告書を同省北海道運輸局へ提出している。

計画に対し、現在、国土交通省による検証・確認作業はどの程度進んでいるのか。また、不備な点があるとの認識は持っているか。持っている場合、追加でどのような対策を講じるのか、明らかにされたい。

二 JR北海道が現状の職員数のまま、提出した計画に基づいて安全性を向上させることが可能と考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。

三 新聞報道によれば、JR北海道におけるレール検査データの改ざん問題に関しては、一九九一年と一九九八年に会社と国鉄労働組合北海道本部(以下「国労」という。)との労使交渉の際、国労側が改ざんが行われている可能性を会社に指摘、調査を申し入れながら、会社が「法令に基づいて検査が行われているものと信じている」として何らの対策も講じなかったとされている。政府として、この事実を把握しているか。把握しているのであれば、当時、政府としてJR北海道に対し何らかの指導を行った事実はあるか。また、把握しながら何らの指導も行っていなかった場合、その理由を明らかにされたい。

四 私が、昨年十一月六日付けで提出した「JR北海道で発生した連続事故及び日本国有鉄道改革の見直しに関する質問主意書」(第百八十五回国会質問第四五号)の質問三に対する答弁書(内閣参質一八五第四五号)は、JR北海道に対して、「法第十二条に規定する経営安定基金の運用収入」、「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成十年法律第百三十六号)附則第四条の規定に基づき独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「機構」という。)が発行する特別債券の引受けによる利子収入が得られる措置」、「同法附則第五条の規定に基づく機構の助成金等として、十年間で総額六百億円の支援」により「JR北海道は、平成二十五年三月期の子会社を連結しない単体の決算及び連結決算において、それぞれ約九億円及び約七十三億円の経常利益の計上を行っているところである」としているが、最も基本的なレール検査等の安全対策すら実施できないJR北海道の実態に目を向けることなく、「利益が出ているからいい」というのは著しく誠意、真摯さを欠いた不当な答弁であると言わざるを得ない。

鉄道事業者にとって、安全は最大の商品であり、安全輸送が確保できてこその利益でなければならないと考えるが、この点を踏まえ、再度、政府の見解を問うので、真摯に答弁されたい。

五 二〇〇一年九月に実施された規制緩和により、従来「三年(新車は使用開始から四年)または走行距離二十五万キロメートルを超えない期間」とされていた気動車の検査周期が「四年または走行距離五十万キロメートルを超えない期間」と改められた。一方、新聞報道によれば、二〇一三年四月に発火トラブルを起こした特急「北斗」用車両(キハ一八三系)は前回の検査からの走行距離が二十一万キロメートルであったほか、二〇一二年九月にも同様に直前の検査からの走行距離が二十一万キロメートルでトラブルを起こした例がある。

長距離列車が多く運行一回当たり走行距離が長いこと、力行運転(動力をかけた状態での運転)の時間が多いこと、寒冷地であることなど北海道特有の事情があるにせよ、このようなトラブルの事例から、二〇〇一年に行われた検査周期の緩和は全く不適切である。この規制緩和を見直し、少なくとも緩和前の基準に戻すことが必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

六 自然災害で被災した鉄道事業者の路線復旧に対する国庫補助については、現在、鉄道軌道整備法第八条第四項において「その資力のみによつては当該災害復旧事業を施行することが著しく困難であると認めるとき」に限って国庫補助を行うことができるとされており、事実上、JR各社を含む黒字鉄道事業者に対しては国庫補助の道が閉ざされている。一方、二〇一一年七月の「新潟・福島豪雨」以来一部区間が運休したままになっているJR只見線(福島県)について、地元からは復旧への強い要望が出ており、今年七月には、自民党国会議員連盟が只見線復旧に対する国庫補助の道を開くため鉄道軌道整備法の改正を目指す方針を確認するなど、政権与党内部からも法改正への動きがみられる。

国鉄改革関連法案が審議されていた参議院日本国有鉄道改革に関する特別委員会において、一九八六年十一月二十八日、「各旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の輸送の安全の確保及び災害の防止のための施設の整備・維持、水害・雪害等による災害復旧に必要な資金の確保について特別の配慮を行うこと」を含む附帯決議が可決されるとともに、当時の橋本龍太郎運輸大臣、葉梨信行自治大臣が決議の趣旨を尊重する旨表明している。国民の公共交通としての国鉄を引き継いだJR各社線の災害復旧に国が責任を持つことは、国会からの要請であると同時に、国民の基本的人権の一つである交通権を確保する見地からも必要不可欠のものである。

東日本大震災という未曾有の大災害により、東北地方のローカル線の多くが被災しており、いまだ復旧に至らない路線もある。資金力を有するJR各社であっても、災害の規模によっては復旧費の捻出が困難な状況が起こり得ることを示している。国民の交通権を確保するため、基幹交通であるJR各社の災害復旧には、鉄道事業者の経営状態にかかわらず国による資金拠出の道を開くため、鉄道軌道整備法の改正が必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

七 リニア中央新幹線の建設については、今年六月五日、国土交通大臣宛てに提出された「中央新幹線(東京都・名古屋市間)に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見」(以下「環境大臣意見」という。)において「本事業の工事及び供用時に生じる環境影響を、最大限、回避、低減するとしても、なお、相当な環境負荷が生じることは否めない」、「本事業のほとんどの区間はトンネルで通過することとなっているが、多くの水系を横切ることとなることから、地下水がトンネル湧水として発生し、地下水位の低下、河川流量の減少及び枯渇を招き、ひいては河川の生態系に不可逆的な影響を与える可能性が高い」として懸念が示されている。国土交通省は、環境大臣意見を踏まえた対応にJR東海が万全を期しているとは言えない中で、なぜこのような拙速な認可をしたのか。

八 JR東海は、リニア中央新幹線建設費として九兆円を見込んでいるが、東海道新幹線建設の際も、当初、千九百七十二億円と試算されていた建設費は、一九六三年三月になって二千九百二十六億円に上方修正されている。最近の石油・資材価格及び職人の人件費の高騰に鑑みれば、リニア中央新幹線の建設費も高騰が予想される。リニア中央新幹線の建設費について、JR東海が試算した九兆円に収まると考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

国土交通省としては、平成二十六年一月二十四日に鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第二十三条第一項及び旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号。以下「JR会社法」という。)第十三条第二項の規定に基づき国土交通大臣が発出した「輸送の安全に関する事業改善命令及び事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」(以下「命令」という。)を受け、北海道旅客鉄道株式会社(以下「JR北海道」という。)において策定され、同大臣に報告された命令別添別紙2「第一歩の改善」についての措置を講ずるための計画は、基本的に命令の内容を踏まえたものであると認識しており、当該計画の実施状況についても、JR北海道からの定期的な報告、五年程度の常設の監査体制等により、適切に把握することとしている。

三について

お尋ねの点については、鉄道事業等監査規則(昭和六十二年運輸省令第十二号)第七条第二項の規定に基づき平成二十五年九月から平成二十六年一月までの間にJR北海道に対して実施した保安監査(同規則第三条第一号に規定する保安監査をいう。)の中で、事実関係の確認を行った。JR北海道からは、検査データの改ざんに係る具体的内容に関する資料は残っておらず、詳細については不明である旨の回答を得ている。

四について

国土交通省としては、JR北海道が、輸送の安全の確保を前提としながら、経営基盤の確立を図ることが必要であると考えており、このため、JR北海道に対して、JR会社法第十二条第一項に規定する経営安定基金の設置に加え、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成十年法律第百三十六号)附則第四条及び第五条の規定に基づき、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「機構」という。)を通じ、老朽化した施設の更新等のため、平成二十三年度からの十年間で総額六百億円の助成金の交付等の支援を行っているところである。

また、同省は、JR北海道に対し、命令において、安全確保のため必要な設備投資を早急に行うため、安全投資と修繕に関する五年間の計画の策定及び機構からの助成金等の活用の前倒しの検討を命じたところであり、同省としては、当該計画の実施状況を把握し、適切に対処してまいりたい。

五について

鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成十三年国土交通省令第百五十一号)等において規定されている鉄道車両の定期検査の周期は、技術の進展等を背景として、走行試験、外部有識者による検討等を踏まえて定めており、適切なものであると考えている。

なお、御指摘のトラブルの原因については、JR北海道より、第三者も交えた検証の結果、エンジンの構造上の問題と特定されたとの報告があったところである。

六について

御指摘の「交通権」の意味するところが明らかではないが、鉄道軌道整備法(昭和二十八年法律第百六十九号)に基づく災害復旧事業費補助については、同法第八条第四項において「鉄道事業者がその資力のみによつては当該災害復旧事業を施行することが著しく困難であると認めるときは・・・補助することができる」と規定されており、これを踏まえ、鉄道軌道整備法施行規則(昭和二十八年運輸省令第八十一号)第十五条の三第三項第三号イにおいては「三年間・・・における各年度の鉄道事業の損益計算において経常損失若しくは営業損失を生じていること」、同号ロにおいては「基準期間における各年度の鉄道事業者が経営するすべての事業・・・の損益計算において経常損失若しくは営業損失を生じていること」等が規定されているところであり、経営の厳しい鉄道事業者が対象となっている。

地域の鉄道の復旧については、基本的には事業主体である鉄道事業者が、地方公共団体等と議論しながら対応していく必要があると考えている。また、鉄道を含む地域の公共交通については、交通政策基本法(平成二十五年法律第九十二号)及び地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(平成十九年法律第五十九号)において、地方公共団体は、地域の諸条件に応じた施策を実施し、地域公共交通の活性化や再生に主体的に取り組むよう努めること、国は、交通に関する施策の総合的な策定及び実施や情報提供等に取り組むよう努めること等が定められている。

このような見地から、地域の公共交通が確保されるよう適切に対処してまいりたい。

七について

中央新幹線(東京都・名古屋市間)の環境影響評価については、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)に従い、平成二十六年四月二十三日に東海旅客鉄道株式会社(以下「JR東海」という。)から送付された「中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書」(以下「環境影響評価書」という。)について、環境大臣は同年六月五日に意見を述べ、国土交通大臣は、当該意見を勘案し、同年七月十八日にJR東海に対し意見を述べた。この意見を受けて、JR東海は同年八月二十六日に補正を行った環境影響評価書を同大臣に送付した。同大臣は、当該補正後の環境影響評価書の記載事項及び同年七月十八日に述べた同大臣意見に基づいて、中央新幹線(品川・名古屋間)の建設の事業につき、環境の保全についての適正な配慮がなされるものであるかどうか等を審査し、同年十月十七日に工事実施計画を認可したものである。

八について

御指摘の「リニア中央新幹線建設費として九兆円を見込んでいる」の意味するところが明らかではないが、中央新幹線(東京都・大阪市間)の工事費については、全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号。以下「全幹法」という。)第五条第一項の規定に基づき、国土交通大臣は、機構及びJR東海に対し、建設に要する費用に関する事項等の調査を指示し、両者は、「中央新幹線(東京都・大阪市間)調査報告書」において、南アルプスルートの場合の建設に要する費用を九兆三百億円と報告した。これを受けて、全幹法第十四条の二の規定に基づき、同大臣は交通政策審議会に諮問し、同審議会における審議を経て、同大臣は、全幹法第七条第一項の規定に基づき、建設に要する費用の概算額九兆三百億円を含む「中央新幹線の建設に関する整備計画」を決定したものである。

なお、中央新幹線(東京都・大阪市間)の工事費については、今後、平成二十六年十月十七日に認可した工事実施計画の区間以外の区間に係る環境影響評価を行い、その結果を踏まえ、JR東海による工事実施計画の認可申請の段階で精査されるものと考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2013年10月24日 鈴木 貴子(無所属) 答弁 2013年11月1日
衆議院 第185回 第24号
提出 2024年10月7日 石垣 のりこ 答弁 2024年10月18日
参議院 第214回 第23号
提出 2014年6月18日 佐々木 憲昭(日本共産党) 答弁 2014年6月27日

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる