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JR北海道で発生した連続事故及び日本国有鉄道改革の見直しに関する質問主意書
参議院 第185回 第45号
質問本文
最近、JR北海道でレール破断、列車の発煙・出火、燃料漏れ、脱線等の事故が相次いでいる。これらの事故の背景として、実施から二十六年を経過した日本国有鉄道の分割民営化(以下「国鉄改革」という。)を指摘する声があることを踏まえ、以下質問する。
一 JR北海道は、国鉄改革による会社発足時、社員数が約一万三千人であったが、現在は約六千八百人と約半数に減少している。一方、特急列車の本数は会社発足時、一日当たり七十八本であったものが現在は百四十本とほぼ倍増している。また、札幌と釧路の間における特急列車の所要時間は最短で約四時間三十分であったものが現在は約三時間四十分と約五十分も短縮している。鉄道の運行現場の実態を無視したこのような極端な人員削減と増発が、運行現場に過酷な負担を与え、事故続発の原因となっているものと考えられるが、この点に関し、JR北海道を監督する立場としての政府の見解を明らかにされたい。
二 二〇一二年度末におけるJR各社の社員数は、JR東海が営業キロ千九百七十・八キロメートルで一万八千九十四人であるのに対し、JR北海道は営業キロ二千四百九十九・八キロメートルで六千七百八十九人となっている。営業キロ一キロメートル当たり社員数にするとJR東海の九・一八人に対しJR北海道は二・七二人に過ぎない。
営業キロがJR東海より長いJR北海道が、JR東海の約三分の一の社員数で鉄道の運行に当たろうとすること自体無理であり、事故が続発するのは当然であると考える。JR北海道を監督する立場として、この事態をどのように考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。
三 新聞各紙の報道によれば、「修繕、改修のための資材を本社に手配しても、要求数通り納品されることはまずない」との声がJR北海道現場労働者から上がっているとされる。そもそもJR北海道、四国、九州の三社は、国鉄改革当時から経営安定基金を設け、その運用益から欠損を補てんするよう措置されている。自立的経営が不可能であることは当初から明らかであり、JR北海道の自力再建は困難であると考えられるが、国鉄改革に当たった政府として、責任をどのように考えているか明らかにされたい。
四 現在、JR各社の保線や車両整備は、そのほとんどを協力企業の請負労働者が担っているが、国鉄改革に際し、優れた技術を持った労働者が解雇され、協力企業の請負労働者に切り替えられた際に技術が継承されなかったことが脱線事故の原因として指摘されている。解雇された労働者は、国鉄改革に反対していた特定の労働組合に所属する者に集中しており、JR新会社への雇用に当たって労働組合による差別を行わないよう求めた参議院日本国有鉄道改革に関する特別委員会附帯決議(一九八六年十一月二十八日)にも反するものであった。被解雇者が提起した訴訟においても組合差別の存在は確認されているところである。
このような経過から考えれば、JR北海道の一連の事故は、所属労働組合のみを理由として、優れた技術を持った労働者に至るまで、勤務成績に関係なく解雇した結果であり、国鉄改革に起因すると考えられるが、政府の見解を明らかにされたい。
五 道路の維持管理は政府や地方公共団体などの公共セクターが実施しており、空港もほとんどが公共セクターによる維持管理が行われている。しかしながら、鉄道に関しては線路の維持管理は原則として鉄道事業者に委ねられている。同じ公共交通である以上、道路や空港と同様、鉄道線路の維持も国や地方公共団体により行われることが必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
六 一九九八年五月、黒野匡彦運輸事務次官(当時)が「国鉄改革は百年後も正義であり続ける」旨発言したとされるが、JR西日本で福知山線脱線事故が起き、JR北海道でも連日事故が続く今なお、その認識に変化はないのか、政府の見解を示されたい。
七 政府は、旧国鉄をJR地域六社に分割した手法について、誤りはなかったと考えているのか。誤りはなかったと考えている場合、なぜ旧日本電信電話公社、旧日本道路公団及び旧日本郵政公社の分割の際、同様の手法を採らなかったのか。
八 JR福知山線事故やJR北海道の連日の事故を踏まえ、国鉄改革を検証し、見直す考えはないのか、政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一、二及び四について
輸送の安全の確保は公共交通機関としての基本的な使命であり、輸送の安全を損なう事態があってはならないと認識している。国土交通省においては、従来から、鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号。以下「法」という。)等に基づき、北海道旅客鉄道株式会社(以下「JR北海道」という。)を指導監督しているところであるが、JR北海道における輸送の安全を確保し、利用者の安心を確保するため、鉄道事業等監査規則(昭和六十二年運輸省令第十二号)第七条に基づき平成二十五年九月以降JR北海道に対して実施した保安監査(同規則第三条第一号に規定する保安監査をいう。)の結果の整理・分析等を踏まえ、引き続き適切に対処してまいりたい。
三について
国土交通省としては、JR北海道に対して、法第十二条に規定する経営安定基金の運用収入に加え、平成二十三年度には、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成十年法律第百三十六号)附則第四条の規定に基づき独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「機構」という。)が発行する特別債券の引受けによる利子収入が得られる措置を講ずるとともに、同法附則第五条の規定に基づく機構の助成金等として、十年間で総額六百億円の支援を行うこととするなど、JR北海道の経営基盤の強化等を支援しているところである。
なお、これらの支援等により、JR北海道は、平成二十五年三月期の子会社を連結しない単体の決算及び連結決算において、それぞれ約九億円及び約七十三億円の経常利益の計上を行っているところである。
五について
我が国の鉄道事業については、一般的に、鉄道事業者がその運営及び鉄道施設の維持管理等を一体として行っており、国土交通省としては、輸送の安全の確保等のため、鉄道事業者に対し、補助金等により支援を行っているところである。
六及び八について
日本国有鉄道(当時。以下同じ。)の分割民営化により発足した旅客鉄道株式会社各社においては、自らの経営努力により、サービス水準の向上、車両の近代化による快適性の向上、多様な企画商品の提供による利用者利便の向上等を図っており、日本国有鉄道の改革が一定の成果を上げているものと認識している。
なお、国土交通省としては、輸送の安全の確保は公共交通機関としての基本的な使命であると考えており、鉄道輸送の安全を確保し、利用者の安心を確保するため、引き続き適切に対処してまいりたい。
七について
日本国有鉄道、日本電信電話公社(当時)、日本道路公団(当時)及び日本郵政公社(当時)の民営化に当たっては、それぞれの事業の特性等を踏まえ、適切な組織形態を採ったものである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。