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東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故への対応に関する質問主意書

参議院 第189回 第195号

提出者
参議院
提出日
2015年7月6日
内閣転送 2015年7月8日
答弁書受領日
2015年7月14日
提出から8日
答弁の項目数
7
質問 1,609字/答弁 1,783字

質問本文

東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故から五年目を迎えた今年二〇一五年、放射性物質汚染廃棄物等の処分と廃炉・汚染水対策の二大課題が重大な局面に差し掛かっている。放射性物質汚染廃棄物等に関しては三月に、福島県内の仮置場から中間貯蔵施設用地に向けて除染で出た汚染土が試験搬入され始め、廃炉に関しては四月から無人ロボットを投入して、燃料デブリの取り出し工法を決めるための格納容器内の状況把握が開始された。どちらも予断を許さない状況で、現段階でも政府の計画では、中間貯蔵から県外最終処分までに約三十年、廃炉措置に約四十年(燃料デブリ取り出しから廃炉措置終了まで)と極めて長い期間を要する見込みである。

この前例のない難問解決には、技術的ブレイクスルーが幾つも必要だが、それだけでなくステイクホルダー間の複雑な意思決定やその時々の諸事情に影響され、結果的に政策は強い経路依存性に支配され、当初の想定から大きく外れていく可能性もある。そのため政府が元々どのような認識・価値観の下、政策を検討・実施していたかを明らかにしておくことは、将来、国民一人ひとりが時に立ち止まり、時に振り返り、政策の行方について熟慮熟考する際の貴重な判断材料たり得るとの観点で意義があると考える。

そこで、以下質問する。

一 放射性物質汚染廃棄物等の処分について

1 放射性物質汚染廃棄物等の処分については、作業計画等の情報公開の徹底、違法投棄の監視取締りの強化、着実な搬入作業の実施等を通じて国民の不安払拭に努めるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

2 中間貯蔵施設の用地取得と建設については、搬入作業の進捗や実績をベースに、地権者や地域住民と十分な対話を重ね、理解と納得を確認しつつ進めることを原則とするべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

3 最終処分場の選定については、地域住民等と十分な対話を重ね、理解と納得を確認しつつ進めることを原則とするべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

4 現在保管されている放射性物質汚染廃棄物等については、処分できればそれでよしとするのでなく、できる限り減容化を目指し、放射性物質の分離技術や土壌の再資源化等の研究開発を進めるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

二 廃炉・汚染水措置について

1 廃炉・汚染水措置については、国と東京電力株式会社は緊密な連携・協力関係の下、状況を十分なコントロール下に置きつつ対応策を実施していくべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

2 何よりも作業従事者の健康管理・安全確保を優先する体制を維持・充実させ、電力会社やメーカー等関係諸機関の間でベスト・プラクティスの共有化を図るべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

3 「情報公開なくして国民の安心なし。国民の安心なくして原子力なし。」が基本と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

4 無人ロボットやセンサー、データ解析等の研究開発及びこれらに関する世界最高レベルの人材育成を通じて、我が国の廃炉技術の確立を図り、原子力分野での国際貢献を目指すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

福島県内の除染により発生した除去土壌等(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号)第三十一条第一項に規定する除去土壌等をいう。以下同じ。)を集中的かつ安全に保管する中間貯蔵施設の整備や除去土壌等の輸送に当たっては、当該施設に関する情報公開の実施等を通じ、できるだけ国民の不安が生じないよう取り組むことが重要であると認識している。このため、環境省が設置する検討会や同県が設置する中間貯蔵施設に係る専門家会議における指摘を踏まえ、必要な安全対策等を講ずるとともに、同省等のホームページにおいて、中間貯蔵施設や輸送に係る計画や、中間貯蔵施設予定地内の保管場のモニタリング結果等を公開し、事業の透明性を高めているところである。また、除去土壌等の不法投棄や輸送車両の輸送ルートからの離脱がないよう監視を行っているところである。

政府としては、引き続き、国民の不安が生じないよう努めてまいりたい。

一の2について

中間貯蔵施設に関する用地の取得や当該施設の整備に当たっては、地権者を始めとする地域住民の理解を得ながら進めていくことが重要であると認識している。このため、中間貯蔵施設予定地内の土地の地権者の了解を得て、個別訪問や補償額算定のための物件調査等を進めているところである。

政府としては、引き続き、地権者等への丁寧な説明を行ってまいりたい。

一の3及び4について

福島県外での最終処分までの流れについては、平成二十六年七月に、国内外の研究・技術開発の動向把握、今後の研究・技術開発の方向性検討等を始めとする八段階に整理して公表しているところである。

政府としては、引き続き、これに沿って、除去土壌等の減容化及び再生利用に関する研究及び技術開発等に取り組むとともに、福島県外での最終処分に関する国民的な理解の醸成に努めてまいりたい。

二の1について

東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の福島第一原子力発電所(以下「福島第一原子力発電所」という。)の廃炉・汚染水対策については、東京電力、政府、原子力損害賠償・廃炉等支援機構、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構等の関係者が、各々の役割に基づき、連携を図り、必要な取組を進めていくことが重要であり、これまで、一部遅れや課題はあるものの、全体としては、進捗してきているものと認識している。

政府としては、引き続き、平成二十七年六月十二日に廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議において決定した「東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」(以下「中長期ロードマップ」という。)に沿って、廃炉・汚染水対策に取り組んでまいりたい。

二の2について

福島第一原子力発電所の現場で働く作業員の労働環境の改善は重要であり、これまで、東京電力や元請事業者との間で過去の労働災害の情報を共有するなど、適切な労働環境の実現に向けて東京電力への指導等を行ってきたところである。

政府としては、中長期ロードマップに沿って、東京電力、元請事業者及び関係請負人によるリスクアセスメントの実施、東京電力等による体感型教育訓練施設の活用、現場巡視の強化等により、労働環境の更なる改善を図ってまいりたい。

二の3について

福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策を始め、原子力政策を講ずる上では、国民に対して、安全対策の取組、作業の進捗状況等を適切に伝えることが重要であり、これまで、政府としては、経済産業省のホームページ等を通じた情報公開に取り組むとともに、適切な情報公開について東京電力への指導等を行ってきたところである。

政府としては、引き続き、適切な情報公開に必要な取組を進めてまいりたい。

二の4について

原子力分野での国際貢献については、例えば、福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策で得られたデータ等の積極的な情報発信を行い、国際社会に開かれた形で廃止措置等を進めることが重要であり、これまで、米国等との意見交換を行うとともに、国際原子力機関からの評価及び助言を受けてきたところである。

政府としては、二国間又は多国間の枠組み等を通じて国際協力を進めてまいりたい。

参議院の原文

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