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福島第一原子力発電所の廃止措置と燃料デブリの位置づけに関する質問主意書
参議院 第213回 第156号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×3
質問本文
以下の質問について、複数の質問をまとめての回答ではなく、質問一つ一つそれぞれに回答を求める。
一 福島第一原発の廃止措置計画とその終了基準について
1 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(以下「原子炉等規制法」という。)第六十四条の四の規定で、「特定原子力施設については、その実施計画による保安又は特定核燃料物質の防護のための措置の適正な実施が確保される場合に限り、政令で定めるところにより、この法律の規定の一部のみを適用することとすることができる。この場合において、必要な事項は、政令で定める。」とされている。この第六十四条の四の規定はどのような理由で設けられたのか。
2 原子力規制委員会規則で定める廃止措置終了基準適合確認について定めた原子炉等規制法第十二条の六第八項が、「特定原子力施設」に指定された福島第一原発に対しても適用することを直接示した規定は原子炉等規制法の条文中にはない。この理解で間違いないか。
3 原子力規制委員会規則で定める廃止措置終了基準適合確認について定めた原子炉等規制法第十二条の六第八項が、「特定原子力施設」に指定された福島第一原発に対しても適用することを直接示した規定は政令によって定められている。この理解で間違いないか。
4 原子力規制委員会規則で定める廃止措置終了基準適合確認について定めた原子炉等規制法第十二条の六第八項を、「特定原子力施設」にも適用することを原子炉等規制法の条文で直接定めることをしない理由は何か。
5 「東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設についての核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の特例に関する政令」(いわゆる1F特例政令)を改正すれば、原子力規制委員会規則で定める廃止措置終了基準適合確認について定めた原子炉等規制法第十二条の六第八項が「特定原子力施設」に指定された福島第一原発に対して適用されないようにすることは、手続きとしては可能である。この理解で間違いないか。
二 燃料デブリについて
1 平成二十五年十一月二十七日「発電用原子炉施設及び試験研究用等原子炉施設の廃止措置計画の審査基準の制定について」においては、廃止措置計画の記載事項の審査について、解体する原子炉施設、解体の方法(①原子炉の機能停止から燃料体搬出までの段階、②燃料体搬出後から解体撤去までの段階、③解体撤去段階)等の記載内容の確認を必要としている。
そして「廃止措置計画に係る原子炉の炉心から使用済燃料(研究開発段階発電用原子炉にあっては燃料体)が取り出されていることが、認可の基準となっていることから、申請に先立ち炉心から燃料を取り出していること」が廃止措置計画の認可の基準であることが明示されている。この「発電用原子炉施設及び試験研究用等原子炉施設の廃止措置計画の審査基準」は「特定原子力施設」には適用されない、という理解で間違いないか。
2 福島第一原発の燃料デブリは法的に放射性廃棄物と位置づけられているか。
3 原子炉から燃料デブリが取り出せない等の理由により事業者が燃料デブリを処分する計画を示さない場合、「処分」する計画のない原子炉内に残った燃料デブリは法的に「放射性廃棄物ではない」、という理解になるか。
4 福島第一原発の燃料デブリの最終処分について、政府には高レベル放射性廃棄物同様の扱いをする法的責任があるか。
5 福島第一原発の廃止措置について、原子炉内に燃料デブリが一部残った状態で実施計画に記載された「廃止措置」の終了、実施計画の終了を規制委員会が認めることは法的に可能か。
6 福島第一原発の原子炉内に燃料デブリが一部残った状態で「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」第百二十一条が定める終了確認の基準を満たすことは、法的に可能と考えるか。
右質問する。
政府答弁書
一の1及び4について
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「法」という。)第六十四条の二第一項に基づき原子力規制委員会が指定する特定原子力施設(以下「特定原子力施設」という。)については、東京電力ホールディングス株式会社(以下「東京電力」という。)福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の事故を踏まえれば、例えば、放射線量が高いこと、施設の損傷が激しいこと等の理由により、原子力施設に適用される法の規定に適合することができない場合が想定されるため、法第六十四条の四において、特定原子力施設の状況に応じて、適用する規定について政令で定めることができるとしており、お尋ねの「直接定めることをしない理由」はこの法の趣旨に基づくものである。
一の2及び3について
お尋ねの「適用することを直接示した規定」の意味するところが必ずしも明らかではないが、法第六十四条の四の規定に基づき定めた東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設についての核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の特例に関する政令(平成二十五年政令第五十三号。以下「特例政令」という。)において、法第十二条の六第八項の規定を福島第一原発に適用することとしている。
一の5について
御指摘の「手続きとしては可能である」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「原子炉等規制法第十二条の六第八項が「特定原子力施設」に指定された福島第一原発に対して適用されないようにすること」については、法第六十四条の四において、法の規定の一部のみを適用することとすることができる場合を「実施計画による保安又は特定核燃料物質の防護のための措置の適正な実施が確保される場合」に限っている趣旨に鑑み、適切ではないと考えている。
二の1について
「発電用原子炉施設及び試験研究用等原子炉施設の廃止措置計画の審査基準」(平成二十五年十一月二十七日原子力規制委員会決定)は、法第四十三条の三の三十四第二項に基づき発電用原子炉設置者が定める廃止措置計画等を審査する基準を示したものであるが、特例政令において、福島第一原発は廃止措置に関する事項を法第六十四条の二第二項に規定する実施計画に定めることとしているため、福島第一原発には適用されない。
二の2について
福島第一原発の燃料デブリは、溶融した燃料であり、核燃料物質及び核燃料物質によって汚染されたものであるため、東京電力が当該燃料デブリを廃棄しようとする場合には、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(昭和五十三年通商産業省令第七十七号。以下「規則」という。)第二条第二項第二号に規定する放射性廃棄物(以下「放射性廃棄物」という。)に当たる。
二の3について
福島第一原発の燃料デブリは、東京電力が廃棄しようとしない場合においては、放射性廃棄物に当たらない。
二の4について
お尋ねの意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難であるが、福島第一原発の燃料デブリの処理及び処分の方法については、当該燃料デブリの取り出し開始後に性状の分析等を進めた上で決定することとしている。
二の5及び6について
御指摘の「実施計画に記載された「廃止措置」の終了、実施計画の終了」の意味するところ及びお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「原子炉内に燃料デブリが一部残った状態」は規則第百二十一条に規定する廃止措置の終了確認の基準に適合しているとは考えられず、その場合において、法第十二条の六第八項に基づく原子力規制委員会の廃止措置の終了確認を受けることはできない。