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日米通商交渉に関する質問主意書

参議院 第197回 第8号お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×3承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2018年10月24日
内閣転送 2018年10月29日
答弁書受領日
2018年11月2日
提出から9日
答弁の項目数
7
質問 2,758字/答弁 863字

質問本文

平成三十年九月二十六日、日米首脳会談後に日米共同声明(以下「共同声明」という。)が発表された。外務省のウェブサイトにおいて公表されている、共同声明の英文のうち「3. Japan and the United States will enter into negotiations, following the completion of necessary domestic procedures, for a Japan-United States Trade Agreement on goods, as well as on other key areas including services, that can produce early achievements.」の部分(以下「当該部分」という。)について、外務省は同省のウェブサイトに「3 日米両国は、所要の国内調整を経た後に、日米物品貿易協定(TAG)について、また、他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じ得るものについても、交渉を開始する。」との訳文(以下「日本側和訳」という。)を掲載している。

一方、在日米国大使館・領事館のウェブサイトにおいて、当該部分は「3.米国と日本は、必要な国内手続が完了した後、早期に成果が生じる可能性のある物品、またサービスを含むその他重要分野における日米貿易協定の交渉を開始する。」と和訳(以下「米側和訳」という。)されており、「下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です」との注意書きが付されている。

安倍首相は同月二十六日の記者会見において、「日米の物品貿易に関するTAG交渉は、これまで日本が結んできた包括的なFTAとは、全く異なるもの」であると述べている(以下「安倍首相の発言」という。)が、米側和訳では「物品、またサービスを含むその他重要分野における日米貿易協定」とされており、今回の日米間の貿易協定に関する交渉(以下「当該交渉」という。)は「包括的なFTA」交渉であるということが示唆されている。また、共同声明には当該部分に続けて「4 日米両国はまた、上記の協定の議論の完了の後に、他の貿易・投資の事項についても交渉を行うこととする」(外務省ウェブサイト)とあり、共同声明に基づく一連の交渉が、段階的な手順を踏んで行われることを示唆してはいるものの、当該交渉が最終的には日米FTA協定を実現するための交渉であることを否定するものではないことは明確である。

以上を踏まえて、共同声明ならびに当該交渉に関する安倍政権の認識を確認すべく、以下質問する。

一 日本政府は、共同声明の正文は英文のみであり、日本側和訳及び米側和訳双方ともに正文ではないという点において、米国政府と意見を同一にしているか、明確に示されたい。

二 日本側和訳及び安倍首相の発言において、共同声明の当該部分には存在しない「TAG」との略称が用いられている理由を明確に示されたい。

三 一般論として、日本政府が日本国民向けに正文ではない仮翻訳を公表する場合、正文には存在しない略称を日本政府として独自に考案して記載するなど、表現上の加工を行うことが認められると考えているか、安倍政権の認識を明確に示されたい。

四 当該部分のうち、「a Japan-United States Trade Agreement on goods, as well as on other key areas including services, that can produce early achievements」に関して、「a Japan-United States Trade Agreement on goods」と「a Japan-United States Trade Agreement on other key areas including services, that can produce early achievements」は、各々独立した個別の協定として認識しているのか、あるいは「a Japan-United States Trade Agreement on goods, as well as on other key areas including services, that can produce early achievements」という一本の協定として認識しているのか、安倍政権の認識を明確に示されたい。

五 前記四に関して、当該部分を読む限り、日本側和訳及び安倍首相の発言における「日米物品貿易協定(TAG)」や「他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じ得るもの」に関する協定は、各々独立した協定ではなく、「as well as」という接続句によって「物品」と「他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じ得るもの」とが並列で結ばれた一本の協定であり、米側和訳のように、「早期に成果が生じる可能性のある物品、またサービスを含むその他重要分野における日米貿易協定」との和訳が正しいと考えられる。安倍政権は、日本政府としての認識を米国政府の認識と完全に一致させるために、日本側和訳を訂正するとの意向を持っているか、明確に示されたい。

六 平成三十年十月三日付けの産経新聞では、ハガティ駐日米国大使の「われわれはTAGという用語を使っていない」、「共同声明には物品と同様にサービスを含む主要領域となっている」との発言が報じられた。また、ロイター通信の報道によれば、ライトハイザー米通商代表部代表は「日本に対し完全な自由貿易協定(FTA)締結を目指す考え」を表明するとともに、協定の締結には米国議会の承認が必要なため、「大統領貿易促進権限(TPA、通称ファストトラック)法に基づき作業に着手する方針」を示したとされる。さらに、ペンス米国副大統領も十月四日の演説において「FTA(free trade agreement)」という語句は用いていないものの、「日本と歴史的な自由貿易交渉(free trade deal)を間もなく始める」と発言したことが伝えられている。以上を踏まえて、以下質問する。

1 一般論として「free trade agreement」と「free trade deal」とは同義であるか。仮に同義ではないとするならば、両者には如何なる相違があるのか。安倍政権の認識を明確に示されたい。

2 安倍首相の発言は、安倍政権における当該交渉に対する認識を示しており、日本政府は「包括的ではないFTA」の締結を目指しているとの理解でよいか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

平成三十年九月二十六日(現地時間)の日米首脳会談後に発出された日米共同声明(以下「共同声明」という。)は、日米双方の共通認識を対外発表したものであり、正文について問題となるものではないと考えている。

二について

共同声明は、日米双方の共通認識を和文及び英文で対外発表したものであり、御指摘の「「TAG」との略称」は、日米物品貿易協定に簡潔に言及するために用いたものである。

三について

お尋ねの「日本政府が日本国民向けに正文ではない仮翻訳を公表する場合」及び「表現上の加工を行うことが認められる」の意味するところが明らかではないことから、お答えすることは困難である。

四について

共同声明は、日米両国は、所要の国内調整を経た後に、日米物品貿易協定(TAG)について、また、他の重要な分野(サービスを含む。)で早期に結果を生じ得るものについても、交渉を開始するという、今後交渉を進めるに当たっての基本的枠組みを確認したものであり、具体的な交渉はこれからであることから、お尋ねについてお答えすることは困難である。

五について

御指摘の「日本政府としての認識を米国政府の認識と完全に一致させるために」の意味するところが必ずしも明らかではないことから、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、共同声明に関し、日米間に認識の齟齬はないものと考えている。

六の1について

お尋ねの「free trade agreement」及び「free trade deal」について、国際的に確立した定義があるとは承知しておらず、お答えすることは困難である。

六の2について

御指摘の「包括的ではないFTA」の意味するところが必ずしも明らかではないが、共同声明は、日米両国は、所要の国内調整を経た後に、日米物品貿易協定(TAG)について、また、他の重要な分野(サービスを含む。)で早期に結果を生じ得るものについても、交渉を開始するとしたものであり、これは、これまで我が国が多く結んできた自由貿易協定(FTA)を前提としたものではない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×3承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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