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ネット・ゲーム依存症対策に関する質問主意書

参議院 第201回 第50号お答えすることは困難 ×2承知していない ×1個別の事案 ×1

提出者
参議院
提出日
2020年2月19日
内閣転送 2020年2月26日
答弁書受領日
2020年3月3日
提出から13日
答弁の項目数
8
質問 3,146字/答弁 1,371字

質問本文

近年、ゲームに過度にのめりこむことが日常生活や社会生活に悪影響を及ぼす可能性があるとして、いわゆるゲーム依存症への対策が必要であると指摘されている。令和元年五月には、WHO(世界保健機関)においても、ゲーム障害が精神疾患の一つとして位置づけられたところである。

他方で、現在、政府を挙げてeスポーツを推進しているところであり、インターネットやオンラインゲームの利用については、過度な規制とならないよう、関係団体の意見等も踏まえて、慎重に検討すべきものと考えられる。政府においては、ネット・ゲーム依存症にいたってしまう背景等も含めた実態把握に努めるとともに、まずは家庭や学校等における対策の充実・支援を行うことが重要であると考える。

このような中で、現在、香川県議会において、子どものネット・ゲーム依存症対策について、子どものコンピュータゲームの利用時間の制限や、事業者に対してオンラインゲームの課金システム等についての自主規制やフィルタリングソフトウェアの活用等を求める「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)」(以下「本条例案」という。)の制定が検討されている。本条例案は、その内容が科学的根拠に基づかないのみならず、制定手続の適正の観点からも問題を抱えているものと考えている。

そこで、以下、ネット・ゲーム依存症に関する政府の取組みとともに、これに関係する本条例案についての政府の見解を問う。

一 現在、ネット・ゲーム依存症対策やオンラインゲームの課金システム、青少年保護の観点からなされるインターネット上のフィルタリングなどについて、どのような法令が国において整備されているか。

二 一般的に、条例はどのような場合に制定できるか。

三 条例の効力については、最高裁昭和二十九年十一月二十四日大法廷判決(刑集八巻一一号一八六六頁)が「法律の範囲内に在るかぎり原則としてその効力は当然属地的に生ずるものと解すべきである」と判示している。地方公共団体の制定する条例の効力は、原則当該地方公共団体の域内に生ずる(属地主義)と考えるが、政府の見解を示されたい。

四 地方公共団体の制定する条例の効力が当該地方公共団体の域外に生ずる場合はあるか、生ずる場合があるとすればどのような場合か、政府の見解を示されたい。

五 地方公共団体の制定する条例において、条例の効力を当該地方公共団体の域外に及ぼそうとする場合、条例の域外適用を定める明文規定は必要か、政府の見解を示されたい。

六 本条例案においては、「インターネットを利用して情報を閲覧(視聴を含む。)に供する事業又はコンピュータゲームのソフトウエアの開発、製造、提供等の事業を行う者は、その事業活動を行うに当たっては、県民のネット・ゲーム依存症の予防等に配慮するとともに、県又は市町が実施する県民のネット・ゲーム依存症対策に協力するものとする。」と規定されている。当該条文により、香川県外に事務所又は事業所を有する者に対して条例の効力を及ぼすこと、すなわち「県又は市町が実施する県民のネット・ゲーム依存症対策」に協力させることは可能か、政府の見解を示されたい。

七 前記三の最高裁判決は、「本件条例は、新潟県の地域内においては、この地域に来れる何人に対してもその効力を及ぼすものといわなければならない。」と判示している。これは、条例を制定した地方公共団体外に在住する者であっても、条例を制定した地方公共団体内で行った行為については条例の効力が及ぶとの趣旨であると解される。

現在、インターネットを経由して、事業者が遠隔地からサービスを提供することが可能となった。条例を制定した地方公共団体内に事務所又は事業所を有さず、当該地方公共団体外からインターネットを経由して当該地方公共団体内に在住する者にサービスを提供する事業者に対して、当該地方公共団体の条例の効力を及ぼすことは可能か、政府の見解を示されたい。

八 本条例案は、前記一の法令に違反するものであるか。

九 日本は児童の権利に関する条約を批准しており、憲法上、その内容を守ることが求められている。本条例案は同条約第十二条「自由に自己の意見を表明する権利」、第三十一条「休息及び余暇についての児童の権利」を明確に侵害するものであると考えるが、政府の見解を示されたい。

十 一般論として、地方公共団体が子どものゲーム利用時間を制限することは、児童の権利に関する条約第十二条、第三十一条に反しないか。

十一 今後、政府としてネット・ゲーム依存症対策に取り組んでいくにあたっては、まずは家庭や学校等における対策の充実や、それに対する支援が重要であり、インターネットやオンラインゲーム等の利用の規制については、関係団体等の意見も踏まえて慎重に検討する必要があるものと考えるが、政府の見解を示されたい。

十二 ネット・ゲーム依存症対策については、青少年の健全な発達育成推進の観点や、eスポーツ等の振興の観点等も総合的に考慮して、政府として必要な対策に取り組んでいくべき問題であると考える。政府は、地方公共団体の自主性を尊重しつつも、一部の地方公共団体の施策が現在検討されている国の施策と異なる方向性とならないよう、地方公共団体の条例案について注視するとともに、必要な助言を行っていく必要があると考えるが、このような観点から、政府として本条例案をどのように受け止めているか。

十三 本条例案においては、「子どものスマートフォン使用等の制限」として、ネット・ゲーム依存症につながるようなコンピュータゲームの利用に当たっては、一日当たりの利用時間を六十分まで(学校等の休業日にあっては九十分まで)を上限とするほか、義務教育修了前の子どもについては午後九時までに、それ以外の子どもについては午後十時までに使用をやめることを基準とすると規定しているが、かかる時間的な制限について科学的根拠の有無又は有効性について政府の見解を示されたい。

十四 一般論として、前記十三のようなゲームの時間的な制限について、科学的な根拠又は制限の有効性についての知見を政府は有しているか。

十五 地方公共団体においては、行政手続法に基づく意見公募手続(以下「パブリックコメント」という。)を行うことが義務付けられているわけではないが、同法第四十六条においては、地方公共団体においても、同法の規定の趣旨にのっとり、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされている。同法第三十九条第三項においては、パブリックコメントの期間は三十日以上でなければならないと定められており、地方公共団体におけるパブリックコメントの期間についても、同規定の趣旨を踏まえれば、三十日以上とすることが適当と考えられるが、政府の見解を示されたい。

十六 本条例案の検討に際して、パブリックコメントが実施されたが、通常は三十日間実施されているところ、当該案件については令和二年一月二十三日から二月六日までの二週間となっている。このような短期間におけるパブリックコメントの実施は、制度の趣旨に照らし望ましくないと考えるが、政府の見解を示されたい。

十七 本条例案に係るパブリックコメントにおいては、「意見を提出できる方」について、香川県内に住所を有する方、(本条例案)第十一条に規定する事業者に限定している。パブリックコメントはできる限り幅広い意見を募るために行われるものであることを踏まえれば、このように意見を提出できる者を限定するのは望ましくないと考えるが、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「法令」としては、例えば、青少年保護の観点からなされるインターネット上のフィルタリングについて、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(平成二十年法律第七十九号)及び青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律施行令(平成二十年政令第三百七十八号)が整備されている。

二から五までについて

お尋ねの条例が制定できる場合については、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第十四条第一項において、普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて、同法第二条第二項の事務に関し条例を制定することができるものと規定されている。

また、お尋ねの条例の効力については、地方公共団体の条例は、原則として、当該地方公共団体の区域においてその効力を有し、当該区域内であれば、住民であるか否かを問わず効力を及ぼすとともに、当該区域外にある者に対しても、例えば、当該区域内において条例の規定の対象となるものを所有し、又は占有するような場合には、当該地方公共団体の条例の規定が適用されることがあり得るものと解している。

六、八、九及び十二について

「本条例案」に関するお尋ねについては、地方公共団体の議会が審議する条例案に関するものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。

七について

「インターネットを経由して・・・サービスを提供する事業者」に対する「条例の効力」に関するお尋ねについては、個々の地方公共団体の条例に関し、個別具体に判断されるものであり、一概にお答えすることは困難である。

十について

「児童の権利に関する条約・・・に反しないか」とのお尋ねについては、「地方公共団体が子どものゲーム利用時間を制限すること」の内容等によることから、一般論としてお答えすることは困難である。

十一について

「ネット・ゲーム依存症対策」の取組に関するお尋ねについては、政府として、オンラインゲームを含むゲーム依存症に関する正しい知識の普及や、相談・支援体制の整備に取り組むとともに、関係省庁やゲームの供給を行っている企業を含む関係団体による協議の場を設け、ゲーム依存症への対策を推進しているところである。

十三及び十四について

「コンピュータゲームの利用」の「時間的な制限」に関するお尋ねについては、政府として、ゲーム依存症の発症を防ぐためのゲーム時間の制限に係る有効性及び科学的根拠は承知していない。なお、国立病院機構久里浜医療センターが平成三十一年一月から同年三月までの間、十歳から二十九歳までを対象に実施した、「ネット・ゲーム使用と生活習慣についてのアンケート」の結果によれば、「ゲームを止めなければいけない時に、しばしばゲームを止められませんでしたか。」という質問に「はい」と答えた割合は、ゲーム時間が長くなるに従って多くなる傾向にあると承知している。

十五から十七までについて

「地方公共団体におけるパブリックコメント」に関するお尋ねについては、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第四十六条の規定を踏まえ、各地方公共団体において、それぞれの地域の実情等を踏まえて適切な措置が講じられるべきものと考えており、個々の事案について、政府としてお答えすることは差し控えたい。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2承知していない ×1個別の事案 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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