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いわゆる「赤木ファイル」に関する質問主意書

参議院 第203回 第43号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2020年12月4日
内閣転送 2020年12月4日
答弁書受領日
2020年12月15日
提出から11日
答弁の項目数
5
質問 1,880字/答弁 1,592字

質問本文

近畿財務局管財部の上席国有財産管理官であった赤木俊夫氏の妻は、国と佐川元財務省理財局長を被告として損害賠償を求める民事訴訟を大阪地方裁判所に提起した(以下「本件訴訟」という。)。同氏の妻の代理人が公表(令和二年三月十八日)した訴状では、森友学園案件に係る決裁文書の改ざんに至る財務省本省から近畿財務局への指示、修正箇所と改ざんの過程を一目で分からしめるというファイル(以下「赤木ファイル」という。)を同氏が作成したことが指摘されている。本件訴訟では、原告側は国側に、赤木ファイルの存在の有無を明らかにした上で提出するよう求めている。

一方、衆議院調査局が令和二年十一月に取りまとめた「森友学園問題に係る財務省による文書改ざん等に関する予備的調査(川内博史君外一二七名提出、令和二年衆予調第一号)についての報告書」では、同予備的調査(以下「本調査」という。)において衆議院調査局が財務省に対して赤木ファイルの提出及び赤木ファイルの探索先の回答を求めたところ、同省は「訴訟に関わることであるため回答を差し控えたい」としたことが明らかとなっている。

一 衆議院調査局によれば、過去実施された予備的調査において、民事訴訟を理由として資料の提出や回答がなされなかった事例は存在しないという。本調査において、赤木ファイルについて、財務省が資料の提出及び回答を拒否した法的根拠を法律名及び条文を具体的に示した上で明らかにされたい。

二 過去実施された予備的調査において民事訴訟の係属中にもかかわらず資料の提出や回答を行った事例があるか明らかにされたい。当該事例がある場合、当該事例と、本調査において財務省が拒否したこととの間でどのような差異があるため、資料の提出や回答の態様が異なっているのか明らかにされたい。

三 内閣法制局は「現に裁判所に係属中の事件であるからといって、およそ国政調査の行使が許されなくなるわけではございませんが、一般論としては、民事、刑事を問わず、裁判所に係属中の事件について裁判所と同様の目的で行われるなど、当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼすような国政調査については、その要求を拒み得ると解されております。」と答弁している。

1 右の内閣法制局見解において、「裁判所と同様の目的で行われる」ことは「当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼす」ことの例示であるのか、それとも、「裁判所と同様の目的で行われる」ことと「当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼす」こととは別個の要件であるのか明らかにされたい。

2 前記三の1において、例示である場合、「裁判所と同様の目的」で行われれば、必ず「当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼす」こととなると考えているのか明らかにされたい。

四 国政調査の行使たる本調査において赤木ファイルの提出を求めることと、本件訴訟において赤木ファイルの提出を求めることが、いかなる点で「同様の目的で行われる」と判断しているのか明らかにされたい。

五 国政調査の行使たる本調査において赤木ファイルの提出を求めることが、いかなる点で本件訴訟に「不当な影響を及ぼす」と考えているのか、その不当性を個別具体的な事例として明らかされたい。

六 前記三の内閣法制局見解は、国政調査権が司法権の独立との関係において制限に服する場合についてのものである。司法権の独立の要請から、国政調査の行使が裁判官の裁判活動に重大な影響を及ぼすことのないようにすることが求められ、このような制限に服するものであるとすると、国政調査の行使が「当該事件に係る裁判に不当な影響」を及ぼしているか否かを判断する主体は、当該裁判の原告及び被告ではなく、裁判所であると考えるが見解を明らかにされたい。また、裁判所自身が、裁判所と併行している立法府の調査が適法な目的の下で行われていると判断している限りにおいては、立法府による併行調査は許容されると解するのが相当であると考えるが見解を明らかにされたい。

七 前記六において、裁判所自身が、裁判所と併行している立法府の調査が適法な目的の下で行われていると判断している限りにおいては、立法府による併行調査は許容されると解するのが相当であるとすると、裁判所が本調査に対して何ら見解を表明していないにもかかわらず、本調査において財務省が赤木ファイルの提出及び赤木ファイルの探索先の回答を拒否したことは甚だ失当であり、国政調査権の侵害である。財務省は赤木ファイルを直ちに国会に提出するべきと考えるが見解を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一、五及び七について

お尋ねについては、令和二年十一月二十四日の衆議院財務金融委員会において、茶谷財務省大臣官房長が「予備的調査に関する法令としましては、衆議院規則第五十六条の二及び第五十六条の三、議院事務局法第十九条並びに議院法制局法第十条が定められているものと承知しています。また、平成九年十二月十一日の議院運営委員会決定においても、予備的調査に関する申合せがなされているものと承知しております。これらの法令などについて、政府として解釈をお示しすることは必ずしも適当でないと考えますが、衆議院御自身のウエブサイトにおいて、予備的調査は議院の国政調査権を補完するものであり、その調査協力要請は強制にわたるものではないとの解釈が示されているところでございます。」と述べ、また、同日の同委員会において、近藤内閣法制局長官が「一般論として、司法権の本質であり中核をなす裁判作用については、司法権の独立が保障されており、国会の権能の外にあることから、裁判所による裁判の行使に関して司法の独立にいささかでも反するような国政調査を行うことは許されないと解されております。現に裁判所に係属中の事件であるからといって、およそ国政調査の行使が許されなくなるわけではございませんが、一般論としては、民事、刑事を問わず、裁判所に係属中の事件について裁判所と同様の目的で行われるなど、当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼすような国政調査については、その要求を拒み得ると解されております。」と述べ、その上で、同日の同委員会において、大鹿財務省理財局長が「財務省としても、御要請いただいた多岐にわたる資料について、当時及び現在の財務省本省及び近畿財務局の職員合計約百三十名に対しまして必要な資料探索等の確認を行うなど、できる限りの協力をさせていただいたところであると認識しております。しかしながら、御指摘のファイル、メモにつきましては、現在係属中の国家賠償請求訴訟、これは民事ではありますけれども、これにおきまして、存否も含めて求釈明事項の対象となっておりますことから、訴訟の一方当事者である国としては、あくまで訴訟の場で国としての主張を明らかにし、裁判所の判断を仰ぐということが基本であって、訴訟外の言動等によって訴訟に対する司法審査に影響を及ぼすべきではないと考えておりまして、このため、訴訟外でお答えすることを差し控えさせていただいている」と述べたとおりである。

二について

お尋ねについては、予備的調査は、衆議院規則第五十六条の二の規定に基づき、衆議院の委員会がその審査又は調査のために必要な調査として衆議院調査局長等に命じて行わせる調査と承知しており、政府としては、これまでの予備的調査について網羅的に把握しておらず、お答えする立場にない。

三について

お尋ねについては、裁判所に係属中の事件について裁判所と同様の目的で行われる国政調査は、基本的には、当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼすものになり得ると考えられる。

四について

お尋ねについては、令和二年十一月二十四日の衆議院財務金融委員会において、麻生財務大臣が「国家賠償請求訴訟及び予備的調査のいずれも文書改ざん等の問題の真相を明らかにすることを目的として御指摘のファイルの提出を求められていると承知をいたしておりますので、実質的に目的が同じものであると私どもは認識をいたしております。」と述べたとおりである。

六について

お尋ねの「裁判所自身が・・・判断している」の意味するところが明らかではないため、お尋ねにお答えすることは困難であるが、裁判所に係属中の事件に関し国政調査の要求があった場合には、当該要求を受けた者において、当該要求が当該事件に係る裁判に不当な影響を及ぼすものとして当該要求を拒むかどうかを判断することとなると考えられる。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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