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森友問題に関する財務省の公文書改ざん及び国家賠償請求訴訟の終結に関する質問主意書

参議院 第207回 第52号

提出者
参議院
提出日
2021年12月21日
内閣転送 2021年12月21日
答弁書受領日
2022年1月7日
提出から17日
答弁の項目数
6
質問 1,363字/答弁 1,300字

質問本文

森友学園問題に関する財務省の決裁文書改ざんで、二〇一八年に自殺した近畿財務局職員の赤木俊夫さんへの賠償責任を国が一転して認めた。赤木さんのご遺族が訴えた裁判で、約一億円の賠償請求を受け入れ、国が被告の訴訟は終結した。

裁判で国は請求棄却を求めてきたが、本年十二月十五日の非公開協議で突然撤回し、改ざん指示などによる業務と精神疾患の発症の因果関係や賠償責任を認める文書を提出した。

今回の国の認諾について、以下のとおり質問する。

一 岸田文雄首相は「政府としてこの問題に真摯に向き合っていきたい」と述べ、引き続き、真摯に説明責任を果たしていくよう指示したことを明らかにした。しかし、再調査については否定している。具体的にこの問題にどう「向き合う」方針か示されたい。

また、訴訟終結を真相究明の幕引きにしないという決意はあるか、併せて示されたい。

二 当該訴訟のうち、佐川氏に賠償を求めた部分は継続している。岸田文雄首相が言明しているように、「真摯に説明責任を果たしていく」というならば、佐川氏に賠償を求めた部分の訴訟において、原告であるご遺族側が求める真相解明に繋がる文書開示や証人尋問等に協力すべきと考えられるが、どのような方針で臨むか。

三 国は非公開の協議で、突然請求を受け入れると表明した。なぜ提訴から一年半以上過ぎて主張を変えたのか。

四 国側は本年十二月十五日に大阪地裁に提出した準備書面で、「いたずらに訴訟を長引かせるのは適切ではない」と強調し、「決裁文書の改ざんという重大な行為が介在している本事案の性質を考慮した」と理由を記載した。

1 国家賠償訴訟と同様、ご遺族から国に対して提起されている関連文書開示訴訟(情報公開請求)においても、この理由付けは同様に当てはまるのではないか。

2 前記四の1を踏まえ、文書公開請求についても、国は直ちに公開に応じなければ筋が通らないのではないか。

五 ご遺族側は真相解明を進めるため、財務省理財局幹部などの証人尋問を求める方針だったが、今回の認諾により、国がそれを阻んだことになる。以前、国会における追及の際には、国家賠償訴訟が係属中ということで真相究明が阻まれた経緯があるが、訴訟が終結した今こそ、政治の場での真相解明に真摯に応じるべきと考えるが、政府は協力する意思はあるか。

六 岸田文雄首相は鈴木俊一財務大臣に対し、遺族への丁寧な対応を指示したとされている。その一方で、財務省の担当者は、本年十二月十七日に開かれた立憲民主党の部会で、ご遺族が今回の決定を受けて、財務省に一言申し上げたいという切なる願いをにべもなく拒否した。この対応は「丁寧」と言えるか。政府の見解を示されたい。

七 今回の国の認諾は、どの部局での議論による、どのような議論を経たものなのか。それともトップダウンの政治決断なのか。認諾に至る経緯を、時系列も踏まえて詳細に示されたい。

八 一億円を超える賠償金は税金でまかなわれる。政府は、今回の認諾により財務省の決裁文書改ざんと赤木さんの自殺との因果関係を認めた。これを踏まえ、政府は今後改ざんの関与者に求償権を行使すべきと考えるが、政府はどのような方針をとるのか示されたい。仮に求償権を行使しないとすれば、その理由も併せて示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一及び五について

お尋ねについては、令和三年十二月十七日の参議院予算委員会において、鈴木財務大臣が「真相究明につきましては、国としては訴訟の中で、これまでも裁判所の訴訟指揮に従いつつ、いわゆる赤木ファイルなど訴訟審理に必要な資料を裁判所に提出し、今般の認諾に際しましても、新たな資料の提出を含め、原告の求めに可能な限り対応するなど、できる限り丁寧な対応に努めてまいりました。」と述べ、また、同月二十一日の参議院本会議において、岸田内閣総理大臣が「今般のこの損害賠償請求を全面的に認めるに当たりまして、財務省に対し、別途の訴訟についてまず引き続きしっかりと丁寧に対応することを指示し、そして、今後も様々な場において真摯に説明を尽くしていく、このように指示をしたところであります。今後も、必要に応じてしっかり説明をしてまいりたいと考えております。」と述べたとおりである。

二について

お尋ねについては、私人間の係属中の訴訟に関する事柄であるため、政府としてお答えすることは差し控えたい。

三及び七について

お尋ねについては、令和三年十二月十五日の記者会見において、鈴木財務大臣が「本件訴訟では、赤木俊夫さんがいかなる心理的・肉体的負荷を原因として亡くなられたかについて、裁判所の訴訟指揮の下、審理が行われてまいりました。国としても裁判所の訴訟指揮に従いつつ、公務災害認定に関連する資料や、いわゆる赤木ファイルなど、訴訟審理に必要な資料を裁判所に提出するなど真摯に対応してまいりました。その上で、本年十月、これまで国が提出した資料を踏まえた原告側の主張の全体像が示され、その内容も踏まえて方針を検討した結果、赤木俊夫さんが当時、森友学園案件に係る情報公開請求など、様々な業務に忙殺され、御自身も強く反発された本省からの決裁文書改ざん指示への対応も含め、厳しい業務状況に置かれる中、精神面・肉体面において過剰な負荷が継続したことにより、病気休職、更には自死に至ったことについて、国の責任は明らかとの結論に至りました。そうである以上、いたずらに訴訟を長引かせるのも適切ではなく、また、決裁文書の改ざんという重大な行為が介在している事案の性質などに鑑み、認諾するとの判断に至ったものであります。」と述べたとおりである。

四について

お尋ねについては、裁判所に係属中の事件に関わる事柄であり、お答えすることは差し控えたい。

六について

御指摘の「対応」は、「遺族」が国を被告として提起した訴訟が現在係属中であることを踏まえたものである。

八について

令和三年十二月十七日の参議院予算委員会において、鈴木財務大臣が「今般の認諾によって、赤木氏が当時様々な業務に忙殺され、本省からの決裁、決裁文書改ざん指示への対応を含め厳しい業務状況に置かれていたことを自死の原因として、国としてその責任をしっかり認めたところでございます。」と述べており、また、財務省において、業務負担の軽減等の対応が当時なされていたこともあり、国が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)第一条第二項の規定に基づく求償権を有するとは考えていない。

参議院の原文

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