Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第211回

福島第一原発一号機ペデスタル損傷による原子炉倒壊の危険に関する質問主意書

参議院 第211回 第70号お答えすることは困難 ×6趣旨が明らかではない ×1承知していない ×2

提出者
参議院
提出日
2023年5月10日
内閣転送 2023年5月15日
答弁書受領日
2023年5月19日
提出から9日
答弁の項目数
5
質問 2,098字/答弁 2,021字

質問本文

昨年五月、東日本大震災によって被災した福島第一原子力発電所一号機の原子炉を支えるペデスタルのコンクリートが高温のデブリにより溶融し鉄筋がむき出しになっていることが報道された。さらに、東京電力(以下「東電」という。)が今年三月末にペデスタル内部を調査したところ、全周にわたり下部一メートルほどコンクリートが溶融し鉄筋がむき出しになっていることが明らかになった。東電は、今後数か月かけてペデスタルの耐震性について調べるとしている。原子力プラント設計や耐震構造の専門家である森重晴雄氏は、三百四十三ガル程度の地震で原子炉は倒壊すると昨秋来警告している。仮に原子炉が倒壊したなら、最悪の場合屋上階の燃料プール壁のき裂や配管を通して冷却水が抜け、貯蔵されている使用済燃料二百九十二体(ウラン約五十トン)のジルコニウム火災・溶融、そしてセシウム137等の揮発性放射性物質の環境への放出が起こり、福島県の東半分が強制避難地域になる可能性がある。また、二号機の屋上プールには五百八十七体(ウラン約百トン)の使用済燃料が貯蔵されており、ここに近づけなくなると将棋倒し的に巨大破局事故が発生する可能性がある。そのため、長期的に人間や生物の生存を脅かす大惨事が絶対に起きないよう緊急対策を講じる必要があるとの認識から、以下質問する。

一 この問題について政府として各省庁の審議会などにおける具体的な対応状況を示されたい。

二 今年三月末のペデスタル内部の調査では、ほぼ全周にわたり下部一メートルほどコンクリートが溶融し鉄筋がむき出しになっていることが判明した。森重氏が警告する震度五強(二百四十~五百二十ガル)程度の地震により原子炉圧力容器(以下「RPV」という。)やペデスタルが倒壊する可能性があると推量されるが、RPVを上部で支えている二つのPCV(原子炉格納容器)・RPVスタビライザはRPV内燃料のメルトダウン時に破損しているのではないか。その健全性は両スタビライザを固定する遮蔽壁とともに確保されているのか、またその確認はしているのか。

三 電力会社や原子炉メーカーで構成される国際廃炉研究開発機構(IRID)の二〇一六年度の試算によると、ペデスタルの約四分の一が損傷していても耐震性に問題はないとされると報道されていた。今年三月の調査に立ち会った資源エネルギー庁の木野正登参事官は「原子炉が、すぐさま落ちることはあり得ないが、大きな地震がきたときに多少沈み込む可能性はあるかもしれない」と指摘している。三月の調査はカメラを搭載した水中ロボットを土台内部に進入させ確認したところ内部壁面の下部全周にわたりコンクリートがなくなり、鉄筋がむき出しになっている様子を確認したと報道された。ペデスタルの四分の一どころか二分の一以上の損傷があることが分かった。倒壊の防止を考えなければ大変な被害が予想される状況になっているのではないか。RPVとペデスタルの固有振動はいくらか。ペデスタルを支える鉄骨は剛性が低下しており、地震波を構成する波の一部分と同期(共振)し倒壊しやすくなっていると考えられる。震度五強以上の地震にも耐え倒壊しないとする根拠があれば示されたい。

四 東電は三月の調査を受けて、数か月かけてペデスタルの耐震性について調べるとしている。しかし、昨年五月には一号機の原子炉を支えるペデスタルのコンクリートが高温のデブリにより溶融し鉄筋がむき出しになっていることを外部から確認していた。事の重大性から見て、その時点からペデスタルの耐震や倒壊について検討し対策を講じるべきではなかったのか、対応が遅すぎるのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

五 国はなぜ早急な倒壊防止対応を東電に指示してこなかったのか。倒壊の可能性があること自体があってはならない。対策と調査を、同時並行で進めるべきではないか。森重氏はペデスタルにコンクリートを注入して補強するなど、早急な対策が必要だと提言している。監督機関として東電へ早急な対応を求めるべきではないか。政府の見解を示されたい。

六 仮にRPVやペデスタルが倒壊しデブリ上部に落下した場合には、廃炉作業(デブリ取出しなど)が更に困難になるおそれがある。倒壊対策が講じられない場合、近未来に必ず現実になることが想定されるが、政府の見解を示されたい。

七 この問題は国民を守るための危機管理上大問題ではないか。RPV・ペデスタルが倒壊するとペデスタルの基盤面のめくれ上がりによる冷却水の喪失、再臨界、高濃度汚染水の発生、また倒壊による壁のひび割れや配管損傷による屋上使用済燃料プール冷却水の喪失、使用済燃料のメルトダウン、揮発性放射性物質(セシウム137等)の放出による人々の避難など、将棋倒し的に波及する最悪の事態が想定される。このような事態にならないよう政府を挙げて、(1)RPV・ペデスタルの倒壊防止対策、(2)屋上階プールに貯蔵されている使用済燃料の優先的取出し、(3)地上での乾式貯蔵等を講じるべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一、四及び五について

お尋ねの「この問題」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、東京電力ホールディングス株式会社(以下「東京電力」という。)福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)一号機の原子炉格納容器(以下「格納容器」という。)内のペデスタル(以下「ペデスタル」という。)の状況を踏まえた対応については、ペデスタルの耐震評価の結果にかかわらず、格納容器内は放射線量が高くペデスタルの補強を行うことは困難であると考えられることから、令和四年六月二十日の原子力規制委員会特定原子力施設監視・評価検討会(以下「監視・評価検討会」という。)第百回会合において、東京電力に対して、御指摘のような「ペデスタルにコンクリートを注入して補強するなど」の方策ではなく、ペデスタルの原子炉圧力容器を支持する機能が低下した場合の安全上の方策として、格納容器の損傷が拡大した際に起こり得る環境への影響をできる限り小さくする方策を検討するよう指示している。また、令和五年三月一日に改定した「東京電力福島第一原子力発電所の中期的リスクの低減目標マップ(令和五年三月版)」(令和五年三月一日原子力規制委員会改定)において、「格納容器内部の閉じ込め機能維持方針策定(水素対策含む)」を令和五年度中に達成すべき目標として定めた。その後、同年四月十四日の監視・評価検討会第百七回会合において、同年三月に観察されたペデスタルの状態を踏まえた東京電力による対応の検討状況を聴取したところであり、ペデスタル内部の状況に関する調査の進捗に応じた東京電力の取組に対する継続的な監視及び指導を行ってきている。また、東京電力については、監視・評価検討会第百回会合において指示された事項に関する検討を進めてきており、御指摘のように「対応が遅すぎる」とは考えていない。

二について

御指摘の「RPVを上部で支えている二つのPCV(原子炉格納容器)・RPVスタビライザ」及び「両スタビライザを固定する遮蔽壁」の詳細な状況については、格納容器内の放射線量が高く調査を行うことが困難であることから、東京電力においてこれに関する情報を把握できておらず、政府として、お尋ねの「RPVを上部で支えている二つのPCV(原子炉格納容器)・RPVスタビライザはRPV内燃料のメルトダウン時に破損しているのではないか」及び「その健全性は両スタビライザを固定する遮蔽壁とともに確保されているのか」について承知していない。

三について

御指摘の「ペデスタルの耐震性」については、御指摘の令和五年三月の調査を踏まえても、ペデスタルの損傷状態の全体が明らかになっておらず、妥当な前提条件を設定して評価を実施することは困難であり、また、評価を実施できたとしても、その結果にかかわらず、格納容器内は放射線量が高くペデスタルの補強を行うことは困難であるとの認識には変わりはないことから、ペデスタルの原子炉圧力容器を支持する機能が低下し、格納容器の損傷が拡大した際に起こり得る環境への影響をできる限り小さくするために、同年四月十四日の監視・評価検討会第百七回会合において、今後、ペデスタルの原子炉圧力容器を支持する機能の喪失の影響についての東京電力による考察及び格納容器内部の閉じ込めの機能を維持するための東京電力の方策を引き続き確認していくこととしている。また、お尋ねの「RPVとペデスタルの固有振動」については、格納容器内の放射線量が高く詳細な調査を行うことが困難であることから、東京電力においてこれに関する情報を把握できておらず、政府として承知していない。

六について

御指摘の「RPVやペデスタルが倒壊しデブリ上部に落下した場合」には様々な状況が考えられることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、東京電力において、ペデスタル内部の状況に関する調査の結果を踏まえ、安全かつ着実な福島第一原発の廃炉に向けて必要な対策が検討されていくよう、政府として、継続的な監視及び指導を行っていく考えである。

七について

お尋ねの「RPV・ペデスタルの倒壊防止対策」については、一、四及び五についてで述べたとおり、ペデスタルの耐震評価の結果にかかわらず、格納容器内の放射線量が高くペデスタルの補強を行うことは困難であると考えている。また、福島第一原発の各号機の使用済燃料プールに貯蔵されている使用済燃料の取出し及び乾式貯蔵については、現在、東京電力において、福島第一原発における全号機の使用済燃料プールからの使用済燃料の取出しを令和十三年度までに完了することを目指して、乾式貯蔵等が進められているところであると承知している。引き続き、東京電力において、安全かつ着実な福島第一原発の廃炉に向けて必要な対策が検討されていくよう、政府として、継続的な監視及び指導を行っていく考えである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×6趣旨が明らかではない ×1承知していない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2014年6月19日 山本 太郎 答弁 2014年6月27日
参議院 第186回 第160号
提出 2014年5月1日 福島 みずほ 答弁 2014年5月13日
参議院 第186回 第90号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる